JPH046380B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、排泄物を処理するための使い捨てお
むつに関する。

従来、いわゆるパンツタイプの大人用と幼児用
の使い捨ておむつが実用に供されている。これら
のおむつは、その股下区域の両側部を着用者の脚
囲りに圧接するための伸縮部材が取り付けられ、
脚囲りからの排尿の漏れを防止するうえで有効で
ある。しかし、これらのおむつ、とくに大人用の
ものは、幼児用のものに比較してかなり大きく形
成され、吸収容量も大きいが、排尿量が多かつた
り、着用時間が比較的長かつたりすると、脚囲り
や腰部から、とくにいわゆる寝たきり老人や病人
の場合には腰部から排尿が漏れることがあり、そ
のため下着や寝具類を濡らし、着用者はもちろん
のこと、その世話人に不快感を与えることがあ
る。

本発明の目的は、前述のごとき欠点を解消する
ことができるとともに、必要に応じて単に方形に
形成された従来の使い捨ておむつなどの別のおむ
つと組み合わせて用いるのに好適な使い捨ておむ
つを提供することにある。

前述の目的を達成することができる本発明おむ
つの好適な実施態様を図示例にもとづいて説明す
ると、以下のとおりである。

第１図〜第５図には、おむつ１が示されてい
る。このおむつ１は、前側区域２と、背側区域３
と、股下区域４とを含み、背側区域３におけるウ
エスト部５の両側端から延出する後記締め付け用
帯片１４の粘着テープ部分７を前側区域２におけ
るウエスト部６の両側端近傍に接着することによ
り組み立て着用するようになされている。

さらにおむつ１は、透水性トツプシート８と、
不透水性バツクシート９と、吸収性コア１０と、
サイドフラツプ１１と、第１伸縮部材１２と、第
２伸縮部材１３と、締め付け用帯片１４とからな
つている。

トツプシート８、バツクシート９は、一般的に
はそれぞれ長方形の不織布、可撓性プラスチツク
フイルムから作られ、とくに前者は、繊維結合剤
が使用されていない不織布、たとえば、高速液体
処理法により繊維を交絡させれえられるものが好
ましい。

コア１０は、一般的には解繊パルプを主材とし
て作られ、必要に応じて従来公知のおむつと同様
にその上面、下面がテイツシユペーパーまたは疎
水性ネツト状シートによつて覆われる。またコア
１０は、第２図に示されているごとく、背側区域
３における部分１０ａが、厚層にかつ前側区域２
と股下区域４における部分１０ｂ，１０ｃが該部
分１０ａよりも薄層に形成されている。かように
形成されているのは、背側区域３におけるウエス
ト部５の吸収量を大きくしてこの部分からの排尿
の漏れを防止するためと、とくに第２伸縮部材１
３によつて股下区域４を着用者の股下に適合密着
させ易くするためと、着用者からの多量の排尿を
吸収してその漏れを防止すべく必要に応じて後述
する第２おむつ１７を前側区域２、股下区域４に
重ね合せるためであるが、かように重ね合せて使
用する場合のおむつ１においては、股下区域４に
おけるコア部分１０ｃは、第３図に示されている
ごとく、さらに薄層に形成されていてもよい。か
かるコア１０は、トツプシート８とバツクシート
９との間に接着剤で介在固定され、おむつ１の着
用中に妄りに移動することがない。

コア１０の外周端から延出するトツプシート８
とバツクシート９の部分は、接着剤で互に接合さ
れ、その接合によつて設けられた各サイドフラツ
プ１１中の長さ方向に第１伸縮部材１２が伸縮自
在に取り付けられている。また両第１伸縮部材１
２の間でかつバツクシート９とコア１０との間に
は第２伸縮部材１３が固定されている。両部材１
２，１３は、複数本のゴム糸からなり、適宜間隔
をおいて配置されているが、１本の断面積が0.03
mm²〜1.5mm²であることが好ましい。しかし両部材
１２，１３は、幅が10mm〜30mm、厚さが0.3mm〜
３mmである１本のウレタンなどの発泡体テープで
あつてもよく、かつ部材１３が１本である場合に
は両部材１２の間の中央部に配置されることはい
うまでもない。部材１２はトツプシート８また
は／およびバツクシート９に、また部材１３はバ
ツクシート９または／およびコア１０に接着剤で
固定されている。

締め付け用帯片１４は、背側区域におけるウエ
スト部５の両側端から延出し、シート部分１５
と、粘着テープ部分７とからなつている。シート
部分１５は、複数枚のプラスチツクフイルム、不
織布、織布、紙の一種または組み合せからなり、
その一側端がウエスト部５のバツクシート９に接
着されている。粘着テープ部分７は、従来一般に
使い捨ておむつに使用されている公知の粘着テー
プからなり、その一側端がシート部分１５に接着
されている。また粘着テープ部分７は、使用時に
必ずしもシート部分１５から突出させるようにな
つていなくてもよく、またシート部分１５の内面
に粘着剤が直接塗布されることによつて設けられ
ていてもよい。粘着テープ部分７の粘着剤面は、
これを保護するため離型部分に仮着されるが、こ
の離型部分もテープ状であつても、シート部分１
５の内面に離型剤が直接塗布されることによつて
設けられていてもよい。

前側区域２におけるバツクシート９の下面に
は、粘着テープ部分７を着脱するための補強手段
１６が設けられている。補強手段１６は、プラス
チツクフイルムなどのシート片が接合され、ある
いはホツトメルト接着剤などのコード剤が塗布さ
れることによつて設けられる。これら補強手段１
６は、図示例とは異なり、バツクシートの上面
（内面）に設けられていてもよい。

前述のごとき構成を有するおむつ１は、必要に
応じてその前側区域２、股下区域４の上面に第２
おむつ１７を重ね合せて使用されるが、第２おむ
つ１７は、従来おむつカバーで使用されている使
い捨ておむつ、たとえば、吸収性コアが透水性シ
ートが包括された長方形をなすものや、吸収性コ
アが透水性トツプシートと不透水性バツクシート
とで包括された長方形をなすものであつてもよ
い。

以上のごとき構成を有する本発明のおむつ１に
よれば、第１伸縮部材１２のほかに第２の伸縮部
材１３を備えているから、おむつ１の両側が着用
者の脚囲りに適合密着するばかりでなく、おむつ
１の股下区域４の中央部が着用者の股下に適合密
着することになる。とくに第２伸縮部材１３が作
用する股下区域４における吸収性コア１０ｃは薄
層に形成されているから、該区域には第２伸縮部
材１３が充分に作用し、また第２おむつ１７を重
ね合せた場合でもこれにも着用者の股下に適合密
着させるように作用する。しかもおむつ１の背側
区域３における吸収性コア１０ａは厚層に形成さ
れるから該区域における吸収容量が増大すること
になる。したがつて、とくに幼児に比較して排尿
量の多い寝たきり老人や病人が着用した場合で
も、着用者の脚囲りからはもちろん、その腰部か
らも排尿が漏れることがなく、所期の目的を達成
することかできる。

また、おむつ１は、前側区域２と股下区域４が
背側区域３よりも薄層に形成されているから、該
前側区域と股下区域に第２おむつを重ねたとき、
該第２おむつが高く凸出して嵩張らず、しかも背
側区域３の方向へずれ動くことなく安定する。そ
して、このように、第２おむつ１７を前記おむつ
１と組み合せることができるから、前記排尿の漏
れは、一層有効に防止され、しかもおむつ１が排
尿で汚れることが殆どないのでこれを複数回にわ
たつて使用することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図はおむつの展開平面図、第２図は第１図
−線断面図、第３図は第１図−線におけ
る他の態様を示す断面図、第４図は第１図−
線断面図、第５図は第１図−線断面図であ
る。 １……おむつ、２……前側区域、３……背側区
域、４……股下区域、５，６……ウエスト部、７
……粘着テープ部分、８……トツプシート、９…
…バツクシート、１０……コア、１１……サイド
フラツプ部、１２……第１伸縮部材、１３……第
２伸縮部材、１４……締め付け用帯片、１５……
シート部分、１６……補強手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 透水性トツプシートと、不透水性バツクシー
   トと、該両シートの間に介在する吸収性コアと、
   該コアの両側端から延出するサイドフラツプ中の
   長さ方向に伸縮自在に取り付けられた任意本数の
   第１伸縮部材と、背側区域におけるウエスト部の
   両側端に取り付けられた粘着テープとからなる使
   い捨ておむつにおいて；前記おむつの背側区域に
   おける前記コアが厚層にかつその前側区域と股下
   区域における前記コアが薄層に形成され、前記両
   第１伸縮部材の間でかつ前記バツクシートと前記
   コアとの間に任意本数の第２伸縮部材が長さ方向
   に伸縮自在に取り付けられていることを特徴とす
   る前記おむつ。 ２ おむつの股下区域におけるコアがその前側区
   域と背側区域におけるコアよりも薄層に形成され
   ている特許請求の範囲第１項記載の使い捨ておむ
   つ。