JP4052704B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脚周りの開放感が良好で、装着感に優れ、更にはフィット性にも優れた使い捨ておむつに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、両シート間に介在された液体保持性の吸収体とを具備し、背側部の左右両側縁部におむつ止着用のファスニングテープを有する展開型の使い捨ておむつは、広く用いられている。
しかし、このような構成の従来の使い捨ておむつは、ウエスト部及びレッグ部のフィット性を高めて、漏れ防止性能を向上させるなどのために、おむつを展開した状態における長手方向中央部(股下部)の幅よりも長手方向両端部(腹側部及び背側部)の幅の方が広くなるように、股下部を湾曲させた形状となされていた。このため、従来のパンツ型使い捨ておむつにおいては、下記するような問題があった。
即ち、脚周り部分が着用者の脚及び脚の付け根を必要以上に覆うような構造となっていたため、暑苦しく、装着感が悪い。また、製造時において部材を特殊な形状にカットする必要があるため、生産工程が複雑化し、生産性に劣り、またコストも高い。
このような問題は、特に、夏場や暑い地方において顕著な問題である。
【0003】
従って、本発明の目的は、脚周りの開放感が良好で、装着感に優れ、更にはフィット性にも優れた使い捨ておむつを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、長方形状のおむつ本体に、細帯状の弾性部材付設シートを、該弾性部材付設シートの両端部が該おむつ本体の左右両側縁部から外方に延出するように配し、該おむつ本体の左右両側縁部に長手方向に沿って一対の第1レッグ部弾性部材を設け、更に、該第1レッグ部弾性部材よりも該おむつ本体の幅方向内方に一対の第2レッグ部弾性部材を配してなる使い捨ておむつが、上記目的を達成しうることを知見した。
【0005】
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート及び両シート間に介在された液体保持性の吸収体を具備してなる、長方形状のおむつ本体と、胴部弾性部材を具備する細帯状の弾性部材付設シートとからなり、上記弾性部材付設シートは、少なくとも上記おむつ本体の背側部を構成する上方部に、その両側方部がそれぞれ該おむつ本体の左右両側縁部から外方に延出するように配されており、上記弾性部材付設シートの両側方部におむつ止着用のファスニングテープが配されており、上記おむつ本体の左右両側縁部には、該おむつ本体の長手方向に沿って設けられた一対の第1レッグ部弾性部材と、一対の該第1レッグ部弾性部材よりも該おむつ本体の幅方向内方に設けられた一対の第2レッグ部弾性部材とが配されており、上記第1レッグ部弾性部材は、上記おむつ本体の左右両側縁部における上記吸収体が存在しない箇所に配されており、上記第2レッグ部弾性部材は、上記バックシートと上記吸収体との間に位置し、その両端部よりもその中央部が上記おむつ本体の幅方向内方に変位されて、おむつの股下部中央で折曲されて配されており、上記第1レッグ部弾性部材と上記第2レッグ部弾性部材とにより3角形状が形成されており、該第1レッグ部弾性部材と該第2レッグ部弾性部材との間に上記吸収体が存在しており、上記第1レッグ部弾性部材と上記第2レッグ部弾性部材とにより、着用時に着用者の股下に位置する股下部に上記おむつ本体が外方に凸状に起伏してなるポケット部が形成される使い捨ておむつを提供するものである。
【0006】
【発明の実施の態様】
以下、図面を参照して本発明を更に詳細に説明する。
ここで、図1は、本発明の使い捨ておむつの1形態を示す斜視図であり、図2は、図1に示す使い捨ておむつの展開図であり、図3は、図2のIII-III 拡大断面図であり、図4は、図2のIV−IV断面図である。
また、図5は、図1に示す使い捨ておむつの使用状態を示す概要図である。
【0007】
本形態の使い捨ておむつ1は、図1及び2に示すように、液透過性のトップシート2、液不透過性のバックシート3及び両シート2、3間に介在された液体保持性の吸収体4を具備してなる、長方形状のおむつ本体10と、胴部弾性部材51を具備する細帯状の弾性部材付設シート7とからなり、上記弾性部材付設シート7は、上記おむつ本体10の背側部Bを構成する上方部B’において、その両側方部70a、70bがそれぞれ上記おむつ本体10の左右両側縁部10a、10bから外方に延出するように配されており、(上記上方部B’に配された)上記弾性部材付設シート7の両側方部70a、70bにおむつ止着用の上記ファスニングテープ8が配されており、上記おむつ本体10の左右両側縁部10a、10bには、該おむつ本体10の長手方向に沿って設けられた一対の第1レッグ部弾性部材62と、一対の該第1レッグ部弾性部材62よりも該おむつ本体10の幅方向内方に設けられた一対の第2レッグ部弾性部材63とが配されており、該第2レッグ部弾性部材63は、その両端部63a、63aよりも中央部63bがおむつ本体10の幅方向内方に変位されている。
【0008】
また、本形態において用いられる各部材、即ち、上記トップシート2、上記バックシート3及び上記吸収体4については、いずれも、従来これらの形成材料として用いられるものを特に制限なく用いて形成することができる。尚、本形態においては、上記バックシート3として、後述するファスニングテープとの係合性の良い、防水性の透湿フィルムと不織布との積層シートを用いている。
また、上記「胴部」とは、図1及び2に示すように、着用時に着用者のウエスト回り(ウエスト開口周辺)及び胴回りに位置する部分を意味する。
【0009】
更に詳述すると、図2に示すように、上記おむつ本体10の外周形を構成している上記トップシート2及び上記バックシート3は、それぞれ、ほぼ同形状であり、上記吸収体4は、上記トップシート2及び上記バックシート3よりもやや小さい長方形状であり、両シート2、3に接着剤を介して接着されている。
上記弾性部材付設シート7は、幅広のシートをその幅方向中心線において2つ折りに折り畳んだ2層構造となされており、全体として細帯状となされている。また、該弾性部材付設シート7は、その端縁が上記おむつ本体の端縁に沿うように、上記トップシート2及び上記バックシート3により挟持固定されている(図3参照)
上記弾性部材付設シート7の幅W1 は、上記おむつ本体10の長さL1 に対して、該おむつ本体10の長さL1 を100とした場合に5〜25とするのが好ましい。また、おむつ本体10の長さL1 は350〜500mmとするのが好ましく、上記弾性部材付設シート7の幅W1 は、30〜100mmとするのが好ましい。尚、上記弾性部材付設シート7の幅W1 は、上記胴部5の巾にほぼ等しい。
尚、本発明の使い捨ておむつを大人用として用いる場合には、上記長さL1 は最大1000mm迄とすることができ、また上記幅W1 は最大200mmとすることができる。
上記弾性部材付設シート7の延出長さL2 は、上記おむつ本体10の幅W2 に対して、該おむつ本体10の幅W2 を100とした場合に30〜200とするのが好ましい。また、上記弾性部材付設シート7の延出長さL2 は、35〜100mmとするのが好ましく、上記おむつ本体10の幅W2 は、300〜400mmとするのが好ましい。
【0010】
また、上記胴部弾性部材51は、図2及び3に示すように上記弾性部材付設シート7の幅方向全域に亘ってほぼ等間隔に6本設けられている。
各上記胴部弾性部材51間の間隔D1 は、3〜20mmとするのが好ましい。
【0011】
上記第1レッグ部弾性部材62は、図4に示すように、上記おむつ本体10の左右両側縁部における吸収体4が存在しない箇所において、該おむつ本体10の長手方向に沿って2本づつ配されており、上記トップシート2と上記バックシート3とにより挟持固定されている。
また、上記第2レッグ部弾性部材63は、図2に示すように、おむつの股下部C中央に位置する中央部63bが折曲点となるように、該中央部63bで折曲された折線状に3本づつ配されている。また、該第2レッグ部弾性部材63は、上記バックシート3と上記吸収体4との間に位置するように配されている。
そして、上記第1レッグ部弾性部材62と上記第2レッグ部弾性部材63とにより、3角形状が形成されるようになされている。また、上記第1レッグ部弾性部材62と上記第2レッグ部弾性部材63との間には、吸収体4が存在するようになされている。
また、該第1レッグ部弾性部材62及び第2レッグ部弾性部材63は、図2に示すように、いずれも、それらの両端部が、上記弾性部材付設シート7に重ならないか又は重なってもそれらの端部が少し重なる程度となるように配されている。即ち、上記第1及び第2レッグ部弾性部材は、該第1及び第2レッグ部弾性部材62、63により、上記弾性部材付設シート7におむつの長手方向への弾性力が加わってギャザーが形成されることのないように配するのが、フィット性や装着感の点から好ましい。
【0012】
上記第1レッグ部弾性部材62と上記第2レッグ部弾性部材63との股下部Cの中央部における間隔D2(図4参照)は、5〜150mmとするのが好ましい。
また、股下部Cの中央部における各第2レッグ部弾性部材63、63間の間隔D3(図2参照)は、−150〜150mmとするのが好ましい。(尚、−は、各第2レッグ部弾性部材63、63が交差する場合である)
【0013】
また、上記ファスニングテープ8は、通常公知のものと同様に、おむつの背側部側縁部に固着された固着部81と使用時におむつの腹側部Aのバックシート3に当接されて係合させる止着部82とからなる。また、本形態においては、上記止着部82は、例えば、「マジックテープ」(商品名、クラレ社製)等のいわゆる機械的ファスナーのオス材シートを具備してなっている。そして、上記ファスニングテープ8は、不使用時には、上記固着部81に上記止着部82を剥離自在に当接・係合させておけるようになされている。
【0014】
ここで、上記弾性部材付設シート7としては、下記する形成材料からなるシートなどを好ましく挙げることができる。
不織布、フィルム、布などが用いられ、特に、通気性、肌触りの点で不織布が好ましい。
【0015】
また、上記胴部弾性部材51並びに第1及び2レッグ部弾性部材62、63としては、通常使い捨ておむつに用いられているものであれば特に制限なく用いることができるが、上記胴部弾性部材51の太さは、0.1〜0.5mmとするのが好ましく、上記第1レッグ部弾性部材62の太さは、0.1〜0.5mmとするのが好ましく、上記第2レッグ部弾性部材63の太さは、0.1〜0.5mmとするのが好ましい。更に、上記胴部弾性部材51の弾性率は、1.0〜5.0×106 Paとするのが好ましく、上記第1レッグ部弾性部材62の弾性率は、1.0〜5.0×106 Paとするのが好ましく、上記第2レッグ部弾性部材63の弾性率は、1.0〜5.0×106 Paとするのが好ましい。
尚、上記弾性率は、下記の如くして測定されるものである。
弾性率は、「レオメーターDMS200」(セイコーインストルメンツ社製)を用いて常法に準じて測定。
各第1及び第2レッグ部弾性部材の伸張率は、20〜300%とするのが好ましい。
【0016】
本形態の展開型の使い捨ておむつ1は、通常公知の展開型の使い捨ておむつと同様にして使用することができる。
具体的には、図5に示すように、従来の展開型の使い捨ておむつと同様にして、ファスニングテープ8を腹側部Aのバックシート3に係合させることにより、装着して用いることができる。そして、本形態の使い捨ておむつ1は、上述の構成を具備しているため、脚周りの開放感に優れている。また、上記第1及び第2レッグ部弾性部材62、63を有しているため、脚周りの開放感に優れた構成としても、フィット性を損なうことがなく、フィット性に優れ、漏れ防止性に優れたものである。
更に、本形態の展開型の使い捨ておむつ1は、図5に示すように、股下部に3つ、使い捨ておむつのおむつ本体10が外方に凸状に起伏してなるポケット部9b、9cが形成されている。即ち、本形態の展開型の使い捨ておむつ1は、上記第1及び第2レッグ部弾性部材62、63により、着用時に着用者の股下に位置する股下部Cにポケット部9b、9cが形成されるようになされている。そして、該ポケット部9b、9cがあることにより、更に漏れ防止性が向上されている。また、背側部Bにも、上記第1及び第2レッグ部弾性部材62、63と上記胴部弾性部材51とにより、ポケット部(図示せず)が形成されている。
【0017】
本形態の使い捨ておむつは、好ましくは、下記の如くして製造することができる。
即ち、上記トップシート2上に上記第1及び第2レッグ部弾性部材62、63を配した後、上記吸収体4を載置し、また、別に上記胴部弾性部材51を配してなる上記弾性部材付設シート7を上記トップシート2上に配し、更に該吸収体4及び該弾性部材付設シート7を覆うように上記バックシート3を配して弾性部材付設シートが配されたおむつ本体を形成する。次いで、上記弾性部材付設シート7における上記おむつ本体10から延出されている部分の縁部に上記ファスニングテープを配して本形態の使い捨ておむつを得ることができる。
【0018】
次いで、図6及び7を参照して本発明の使い捨ておむつの他の形態について説明する。
ここで、図6は、本発明の使い捨ておむつの他の形態を示す斜視図であり、図7は、その展開図である。
図6及び7に示す本形態の使い捨ておむつ1は、ファスニングテープ8aとして、止着テープのみからなるものを用いている。即ち、本形態の使い捨ておむつは、機械的ファスナーのオス材からなるファスニングテープ8aを上記弾性部材付設シート7の延出された内端部7a、7bに固設することにより形成されている。
【0019】
尚、本発明の使い捨ておむつは、上述の形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、上述の形態においては、上方部B’のみに上記弾性部材付設シート7が配されてなるものを例示して説明したが、上記弾性部材付設シート7は、腹側部Aを構成する下方部A’にも設けることができる。
また、上述の形態においては、上記ファスニングテープ8をバックシート3に直接当接させて係合させるものを例示して説明したが、バックシートの形成材料は、通常使い捨ておむつのバックシートとして用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。また、ファスニングテープ及びランディングテープの組み合わせも自由であり、ファスニングテープとして止着部が上記オス材からなるものを用い、ランディングテープとして該オス材と係合可能なメス材を用いたり、ファスニンングテープとして止着部が粘着剤が塗布されたテープ材を用い、ランディングテープとして剥離処理されたテープを用いることができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明の使い捨ておむつは、脚周りの開放感が良好で、装着感に優れ、更にはフィット性にも優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の使い捨ておむつの1形態を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す使い捨ておむつの展開図である。
【図3】図3は、図2のIII -III拡大断面図である。
【図4】図4は、図2のIV−IV拡大断面図である。
【図5】図5は、図1に示す使い捨ておむつの使用状態を示す概要図である。
【図6】図6は、本発明の使い捨ておむつの他の形態を示す斜視図である。
【図7】図7は、図6に示す使い捨ておむつの展開図である。
【符号の説明】
1 使い捨ておむつ
2 トップシート
3 バックシート
4 吸収体
5 胴部
6 レッグ部
7 弾性部材付設シート
7a、7b 側方部
8 ファスニングテープ
10 おむつ本体
10a、10b 側縁
51 胴部弾性部材
62 第1レッグ部弾性部材
63 第2レッグ部弾性部材
A 腹側部
B 背側部
C 股下部
Claims (2)
- 液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート及び両シート間に介在された液体保持性の吸収体を具備してなる、長方形状のおむつ本体と、胴部弾性部材を具備する細帯状の弾性部材付設シートとからなり、
上記弾性部材付設シートは、少なくとも上記おむつ本体の背側部を構成する上方部に、その両側方部がそれぞれ該おむつ本体の左右両側縁部から外方に延出するように配されており、
上記弾性部材付設シートの両側方部におむつ止着用のファスニングテープが配されており、
上記おむつ本体の左右両側縁部には、該おむつ本体の長手方向に沿って設けられた一対の第1レッグ部弾性部材と、一対の該第1レッグ部弾性部材よりも該おむつ本体の幅方向内方に設けられた一対の第2レッグ部弾性部材とが配されており、
上記第1レッグ部弾性部材は、上記おむつ本体の左右両側縁部における上記吸収体が存在しない箇所に配されており、
上記第2レッグ部弾性部材は、上記バックシートと上記吸収体との間に位置し、その両端部よりもその中央部が上記おむつ本体の幅方向内方に変位されて、おむつの股下部中央で折曲されて配されており、
上記第1レッグ部弾性部材と上記第2レッグ部弾性部材とにより3角形状が形成されており、該第1レッグ部弾性部材と該第2レッグ部弾性部材との間に上記吸収体が存在しており、
上記第1レッグ部弾性部材と上記第2レッグ部弾性部材とにより、着用時に着用者の股下に位置する股下部に上記おむつ本体が外方に凸状に起伏してなるポケット部が形成される、
ことを特徴とする使い捨ておむつ。 - 上記弾性部材付設シートは2層構造となされており、
上記第1レッグ部弾性部材及び上記第2レッグ部弾性部材は、それらの両端部が、上記弾性部材付設シートに重ならないか又は重なってもそれらの端部が少し重なる程度となるように配されており、
上記胴部弾性部材は、上記弾性部材付設シートの幅方向全域に亘って設けられていることを特徴とする請求項1記載の使い捨ておむつ。
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