JPH046278B2 - - Google Patents
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- JPH046278B2 JPH046278B2 JP60033925A JP3392585A JPH046278B2 JP H046278 B2 JPH046278 B2 JP H046278B2 JP 60033925 A JP60033925 A JP 60033925A JP 3392585 A JP3392585 A JP 3392585A JP H046278 B2 JPH046278 B2 JP H046278B2
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Description
(産業上の利用分野)
この発明は交流電圧を印加して発光する薄膜
EL素子に関する。 (従来の技術) 第2図は交流で駆動される薄膜EL素子の断面
図である。この薄膜EL素子1は、透明なガラス
よりなる透光性基板2上に、たとえばIn2O3−
SnO2からなる透明電極3が形成されている。こ
の透明電極3の上には絶縁層4が形成されてお
り、この絶縁層4の上にはたとえばZnS:TbF3
からなる発光層5が形成されており、この発光層
5はその上面に形成された絶縁層6と絶縁層4と
により挾まれた構成となつている。ここで、第1
絶縁層4、発光層5および第2絶縁層6は、電子
ビーム蒸着またはスパツタにより形成される。そ
して、第1絶縁層4および第2絶縁層6は、たと
えばY2O3、Si3N4またはAl2O3などの非晶質ある
いは多結晶の誘電体膜で構成されている。第2絶
縁層6の上には他方の電極として電極7が透明電
極3に対して交差するよう格子状に形成されてい
る。 (発明が解決しようとする問題点) EL素子は表示装置としての機能を目的とする
ものである以上、第1に高輝度、高効率であるこ
とが要求され、第2により低い電圧で駆動され得
るものであることが好ましい。こような薄膜EL
素子の効率および駆動電圧は、発光層を構成する
ZnSの結晶性に大きく依存し、該発光層の結晶性
がすぐれていることが望ましい。ここで、第2図
に示した従来の薄膜EL素子1によれば、発光層
5がY2O3、Si3N4またはAl2O3などの第1絶縁層
4の表面にスパツタにより形成されている。しか
しながら、通常Y2O3、Si3N4またはAl2O3などか
らなる誘電体膜で絶縁層を構成した場合、この上
に発光層5を形成しても成長初期の結晶性が悪
く、第2図に示すように発光層5のAの部分はい
わゆるデツドレイヤー(dead layer)となり、
高輝度、高効率化、駆動電圧の低減化に対する障
害となつていた。 一方、特に図示しないが、直流で駆動される直
流型の薄膜EL素子では、発光層と電極との間を
絶縁する必要がないため、第2図に示した交流駆
動の薄膜EL素子1から第1絶縁層4および第2
絶縁層6が除去された構成からなる。この直流駆
動の薄膜EL素子についても、交流駆動の薄膜EL
素子と同様に、結晶配向性のよい発光層を形成す
ることが必要とされる。その一例として、透明電
極の上にバツフア層としてZnSeの蒸着膜を形成
し、さらにその上にZnS:TbF3の発光層を形成
することによつて、高効率の薄膜EL素子が得ら
れるとの報告がなされている。第3図はZnS:
TbF3の発光層の膜厚と発光効率の関係を示した
図であり、実線はIn2O3−SnO2の透明電極、
ZnSe蒸着膜、ZnS:TbF3発光層、およびAl電極
が順次形成されている薄膜EL素子の例である。
破線は比較例であり、実線に示した薄膜EL素子
からZnSe蒸着膜を除いたものである。この第3
図から明らかなように、ZnSeのバツフア層を介
在させたものでは、発光層であるZnS:TbF3の
膜厚が0.2μm程度の極薄領域から良好な発光効率
を得ている。これは良好な結晶構造を有する
ZnSe蒸着膜が発光層の下地となつており、高効
率の薄膜EL素子を実現していることを示してい
る。このようにZnSe蒸着膜はZnSからなる発光
層の成長初期における結晶配向性を改善するもの
として一体的に捉えることができる。したがつ
て、このような考え方を交流駆動の薄膜EL素子
にも適用できうると考えられる。 しかしながら、電気回路的にはZnSからなる発
光層にZnSe蒸着膜がバツフア層として直列に接
続されたものとなり、電圧を印加した場合、
ZnSe蒸着膜によつて電圧降下が生じる。この電
圧降下を十分に小さくしないと、駆動電圧の低減
には有効ではない。もちろん低電圧化の観点から
すれば、このような抵抗性のZnSe蒸着膜がたと
え電圧降下の程度の低いものであるとしても、
ZnSe蒸着膜を形成しないに越したことはない。
このことは直流駆動の薄膜EL素子のみならず、
交流駆動の薄膜EL素子についても当て嵌る事柄
である。 (発明の目的) したがつて、この発明は発光層の結晶配向性が
向上されており、したがつて高効率で低電圧駆動
可能な薄膜EL素子を提供することを目的とする。 (問題点を解決するための手段) この発明は、上述した問題点を解消すべく鋭意
検討の結果なされたものであり、そしてその要旨
とするところは、透光性基板、該透光性基板の上
に形成された透明電極、第1絶縁層、発光層およ
び電極を含む薄膜EL素子において、前記第1絶
縁層は、少なくとも発光層の発光波長域において
透明でC軸が透光性基板に対して垂直に配向した
酸化亜鉛の結晶膜からなることを特徴とする薄膜
EL素子である。 この第1絶縁層は、たとえばZnOにLiなどが微
量添加含有された材料より構成されるものであ
り、透明でC軸が透光性基板に対して垂直に、つ
まり厚み方向における結晶配向性を有するもので
構成することができる。したがつて、この第1絶
縁層の上に形成される発光層の結晶性を向上させ
ることができる。 なお、発光層と電極との間に第2絶縁層を形成
してもよく、この例によれば二重絶縁型の薄膜
EL素子を構成することができる。また、透明電
極と第1絶縁層との間に第3絶縁層を形成しても
よい。この場合、絶縁破壊電圧を高め、信頼性を
向上させることができる。 (実施例の説明) 第1図はこの発明にかかる薄膜EL素子の一実
施例を示す断面図である。この第1図において、
薄膜EL素子11は、たとえばコーニング社7059
ガラスからなる透光性基板12上に、透明電極1
3が形成される。この透明電極13は、たとえ
ば、In2O3−SnO2酸化物合金などの材料よりなる
ものである。透明電極13の両端部にはAlより
なる取出用電極18が蒸着により形成されてい
る。また、透明電極13の上面には取出用電極1
8の一部を含めて透明でC軸が透光性基板12に
対して垂直に配向した酸化亜鉛の結晶膜からなる
第1絶縁層14が形成されている。この酸化亜鉛
の結晶膜はたとえばLiを1〜2モル%を添加含有
したものからなり、たとえばRFマグネトロンス
パツタにより形成される。第1絶縁層14の上面
には、ZnS:TbFからなる発光層15がスパツタ
により形成されており、さらにその上面には第2
絶縁層16および電極17が形成されている。 この構造よりなる薄膜EL素子11は第1絶縁
層14がC軸配向性を有するため、発光層15を
形成した場合結晶性にすぐれたZnS膜が成長し、
高輝度、高効率で低電圧駆動のものが得られる。 発光層15について、上記した例ではZnS:
TbF3を用いたが、これに限らず、ZnS:Mn、
ZnS:PrF3、ZnS:DyF3、ZnS:TmF3および
ZnS:Cuなど任意のZnSからなる発光層を用いる
ことができる。また、ZnSの代わりに、SrS、
CaS、ZnSeなどを母体とする発光層を用いるこ
とも可能である。 さらに、第1図に示した実施例では、第2絶縁
層16を形成したが、この第2絶縁層16は必ず
しも必要なものではなく、除去してもよい。ま
た、特に図示しないが、透明電極13と第1絶縁
層14の間に第3絶縁層を形成してもよい。この
場合、さらに絶縁破壊に対する信頼性を高めるこ
とができる。第2絶縁層16、第3絶縁層(図示
せず)については、従来から用いられている
Y2O3、Si3N4、Al2O3などの任意の材料により構
成することができる。なお、第3絶縁層について
は透光性を有するもので構成することを要する。 次に、第1図に示した薄膜EL素子の製造方法
につき説明する。 まず、ガラスよりなる透光性基板12を準備す
る。次に下記の工程により各層が透光性基板12
の上に形成される。 透明電極の形成 気相蒸着法によりIn2O3−SnO2酸化物合金よ
りなる透明電極を形成する。得られたIn2O3−
SnO2酸化物合金の膜厚は約2000Åである。 取出用電極の形成 透明電極の上にマスク(図示せず)を置き、
透明電極の一部、つまり両端部を露出し、Al
からなる取出用電極を真空蒸着法により形成し
た。 第1絶縁層の形成 真空槽内に透明電極を形成した透光性基板を
設置し、酸化亜鉛焼結体ターゲツトを用い、
RFマグネツトロンスパツタにより透明で結晶
配向性の酸化亜鉛の結晶膜を形成する。この結
晶配向性の酸化亜鉛からなる第1絶縁槽は、
ZnOにLiを1〜2モル%添加含有したものであ
り、第1表に示す条件により形成した。膜厚は
約2500Åである。
EL素子に関する。 (従来の技術) 第2図は交流で駆動される薄膜EL素子の断面
図である。この薄膜EL素子1は、透明なガラス
よりなる透光性基板2上に、たとえばIn2O3−
SnO2からなる透明電極3が形成されている。こ
の透明電極3の上には絶縁層4が形成されてお
り、この絶縁層4の上にはたとえばZnS:TbF3
からなる発光層5が形成されており、この発光層
5はその上面に形成された絶縁層6と絶縁層4と
により挾まれた構成となつている。ここで、第1
絶縁層4、発光層5および第2絶縁層6は、電子
ビーム蒸着またはスパツタにより形成される。そ
して、第1絶縁層4および第2絶縁層6は、たと
えばY2O3、Si3N4またはAl2O3などの非晶質ある
いは多結晶の誘電体膜で構成されている。第2絶
縁層6の上には他方の電極として電極7が透明電
極3に対して交差するよう格子状に形成されてい
る。 (発明が解決しようとする問題点) EL素子は表示装置としての機能を目的とする
ものである以上、第1に高輝度、高効率であるこ
とが要求され、第2により低い電圧で駆動され得
るものであることが好ましい。こような薄膜EL
素子の効率および駆動電圧は、発光層を構成する
ZnSの結晶性に大きく依存し、該発光層の結晶性
がすぐれていることが望ましい。ここで、第2図
に示した従来の薄膜EL素子1によれば、発光層
5がY2O3、Si3N4またはAl2O3などの第1絶縁層
4の表面にスパツタにより形成されている。しか
しながら、通常Y2O3、Si3N4またはAl2O3などか
らなる誘電体膜で絶縁層を構成した場合、この上
に発光層5を形成しても成長初期の結晶性が悪
く、第2図に示すように発光層5のAの部分はい
わゆるデツドレイヤー(dead layer)となり、
高輝度、高効率化、駆動電圧の低減化に対する障
害となつていた。 一方、特に図示しないが、直流で駆動される直
流型の薄膜EL素子では、発光層と電極との間を
絶縁する必要がないため、第2図に示した交流駆
動の薄膜EL素子1から第1絶縁層4および第2
絶縁層6が除去された構成からなる。この直流駆
動の薄膜EL素子についても、交流駆動の薄膜EL
素子と同様に、結晶配向性のよい発光層を形成す
ることが必要とされる。その一例として、透明電
極の上にバツフア層としてZnSeの蒸着膜を形成
し、さらにその上にZnS:TbF3の発光層を形成
することによつて、高効率の薄膜EL素子が得ら
れるとの報告がなされている。第3図はZnS:
TbF3の発光層の膜厚と発光効率の関係を示した
図であり、実線はIn2O3−SnO2の透明電極、
ZnSe蒸着膜、ZnS:TbF3発光層、およびAl電極
が順次形成されている薄膜EL素子の例である。
破線は比較例であり、実線に示した薄膜EL素子
からZnSe蒸着膜を除いたものである。この第3
図から明らかなように、ZnSeのバツフア層を介
在させたものでは、発光層であるZnS:TbF3の
膜厚が0.2μm程度の極薄領域から良好な発光効率
を得ている。これは良好な結晶構造を有する
ZnSe蒸着膜が発光層の下地となつており、高効
率の薄膜EL素子を実現していることを示してい
る。このようにZnSe蒸着膜はZnSからなる発光
層の成長初期における結晶配向性を改善するもの
として一体的に捉えることができる。したがつ
て、このような考え方を交流駆動の薄膜EL素子
にも適用できうると考えられる。 しかしながら、電気回路的にはZnSからなる発
光層にZnSe蒸着膜がバツフア層として直列に接
続されたものとなり、電圧を印加した場合、
ZnSe蒸着膜によつて電圧降下が生じる。この電
圧降下を十分に小さくしないと、駆動電圧の低減
には有効ではない。もちろん低電圧化の観点から
すれば、このような抵抗性のZnSe蒸着膜がたと
え電圧降下の程度の低いものであるとしても、
ZnSe蒸着膜を形成しないに越したことはない。
このことは直流駆動の薄膜EL素子のみならず、
交流駆動の薄膜EL素子についても当て嵌る事柄
である。 (発明の目的) したがつて、この発明は発光層の結晶配向性が
向上されており、したがつて高効率で低電圧駆動
可能な薄膜EL素子を提供することを目的とする。 (問題点を解決するための手段) この発明は、上述した問題点を解消すべく鋭意
検討の結果なされたものであり、そしてその要旨
とするところは、透光性基板、該透光性基板の上
に形成された透明電極、第1絶縁層、発光層およ
び電極を含む薄膜EL素子において、前記第1絶
縁層は、少なくとも発光層の発光波長域において
透明でC軸が透光性基板に対して垂直に配向した
酸化亜鉛の結晶膜からなることを特徴とする薄膜
EL素子である。 この第1絶縁層は、たとえばZnOにLiなどが微
量添加含有された材料より構成されるものであ
り、透明でC軸が透光性基板に対して垂直に、つ
まり厚み方向における結晶配向性を有するもので
構成することができる。したがつて、この第1絶
縁層の上に形成される発光層の結晶性を向上させ
ることができる。 なお、発光層と電極との間に第2絶縁層を形成
してもよく、この例によれば二重絶縁型の薄膜
EL素子を構成することができる。また、透明電
極と第1絶縁層との間に第3絶縁層を形成しても
よい。この場合、絶縁破壊電圧を高め、信頼性を
向上させることができる。 (実施例の説明) 第1図はこの発明にかかる薄膜EL素子の一実
施例を示す断面図である。この第1図において、
薄膜EL素子11は、たとえばコーニング社7059
ガラスからなる透光性基板12上に、透明電極1
3が形成される。この透明電極13は、たとえ
ば、In2O3−SnO2酸化物合金などの材料よりなる
ものである。透明電極13の両端部にはAlより
なる取出用電極18が蒸着により形成されてい
る。また、透明電極13の上面には取出用電極1
8の一部を含めて透明でC軸が透光性基板12に
対して垂直に配向した酸化亜鉛の結晶膜からなる
第1絶縁層14が形成されている。この酸化亜鉛
の結晶膜はたとえばLiを1〜2モル%を添加含有
したものからなり、たとえばRFマグネトロンス
パツタにより形成される。第1絶縁層14の上面
には、ZnS:TbFからなる発光層15がスパツタ
により形成されており、さらにその上面には第2
絶縁層16および電極17が形成されている。 この構造よりなる薄膜EL素子11は第1絶縁
層14がC軸配向性を有するため、発光層15を
形成した場合結晶性にすぐれたZnS膜が成長し、
高輝度、高効率で低電圧駆動のものが得られる。 発光層15について、上記した例ではZnS:
TbF3を用いたが、これに限らず、ZnS:Mn、
ZnS:PrF3、ZnS:DyF3、ZnS:TmF3および
ZnS:Cuなど任意のZnSからなる発光層を用いる
ことができる。また、ZnSの代わりに、SrS、
CaS、ZnSeなどを母体とする発光層を用いるこ
とも可能である。 さらに、第1図に示した実施例では、第2絶縁
層16を形成したが、この第2絶縁層16は必ず
しも必要なものではなく、除去してもよい。ま
た、特に図示しないが、透明電極13と第1絶縁
層14の間に第3絶縁層を形成してもよい。この
場合、さらに絶縁破壊に対する信頼性を高めるこ
とができる。第2絶縁層16、第3絶縁層(図示
せず)については、従来から用いられている
Y2O3、Si3N4、Al2O3などの任意の材料により構
成することができる。なお、第3絶縁層について
は透光性を有するもので構成することを要する。 次に、第1図に示した薄膜EL素子の製造方法
につき説明する。 まず、ガラスよりなる透光性基板12を準備す
る。次に下記の工程により各層が透光性基板12
の上に形成される。 透明電極の形成 気相蒸着法によりIn2O3−SnO2酸化物合金よ
りなる透明電極を形成する。得られたIn2O3−
SnO2酸化物合金の膜厚は約2000Åである。 取出用電極の形成 透明電極の上にマスク(図示せず)を置き、
透明電極の一部、つまり両端部を露出し、Al
からなる取出用電極を真空蒸着法により形成し
た。 第1絶縁層の形成 真空槽内に透明電極を形成した透光性基板を
設置し、酸化亜鉛焼結体ターゲツトを用い、
RFマグネツトロンスパツタにより透明で結晶
配向性の酸化亜鉛の結晶膜を形成する。この結
晶配向性の酸化亜鉛からなる第1絶縁槽は、
ZnOにLiを1〜2モル%添加含有したものであ
り、第1表に示す条件により形成した。膜厚は
約2500Åである。
【表】
発光層の形成
スパツタにより、ZnS:TbF3からなる発光
層を形成する。ターゲツトは、純度99.99%の
ZnS粉末に、純度99.999%のTbF3粉末を4重量
%添加し、Ar雰囲気中500℃で十分脱水処理し
たものを用い、これをステンレス皿に仕込ん
だ。このスパツタ条件を第2表に示す。発光層
の膜厚については、約850Åのものと、約6500
Åの2種類のものを製膜した。発光層形成後、
450℃の温度で1時間真空中にて熱処理を行な
う。
層を形成する。ターゲツトは、純度99.99%の
ZnS粉末に、純度99.999%のTbF3粉末を4重量
%添加し、Ar雰囲気中500℃で十分脱水処理し
たものを用い、これをステンレス皿に仕込ん
だ。このスパツタ条件を第2表に示す。発光層
の膜厚については、約850Åのものと、約6500
Åの2種類のものを製膜した。発光層形成後、
450℃の温度で1時間真空中にて熱処理を行な
う。
【表】
第2絶縁層の形成
発光層の上に、第2絶縁層として電子ビーム
蒸着によりY2O3の蒸着膜を形成する。Y2O3の
蒸着膜の膜厚は約2000Åである。 上記のようにして得られた構造体に、電極とし
てAlを電子ビーム蒸着により形成し、第1図に
示した薄膜EL素子を得る。 得られた各薄膜EL素子につき、発光層を形成
した段階で、ZnS:TbF3からなる発光層のX線
回折分析を行つた。 第4図はZnS:TbF3からなる発光層の膜厚が
約850ÅのものについてのX線回折パターンを示
す図である。また、第5図はZnS:TbF3からな
る発光層の膜厚が約6500ÅのものについてのX線
回折パターンを示す図である。X線回折パターン
は実線で示した。 なお、比較例として、第1絶縁層を膜厚約2000
ÅのAl2O3で形成し、その上に上記した実施例と
同様にその膜厚がそれぞれ約850Å、約6500Åの
発光層を形成したものにつきX線回折分析を行つ
た。各X線回折パターンを第4図、第5図に破線
でそれぞれ示した。 なお、比較例におけるAl2O3の第1絶縁層の形
成はスパツタにより形成した。このスパツタ条件
を第3表に示す。
蒸着によりY2O3の蒸着膜を形成する。Y2O3の
蒸着膜の膜厚は約2000Åである。 上記のようにして得られた構造体に、電極とし
てAlを電子ビーム蒸着により形成し、第1図に
示した薄膜EL素子を得る。 得られた各薄膜EL素子につき、発光層を形成
した段階で、ZnS:TbF3からなる発光層のX線
回折分析を行つた。 第4図はZnS:TbF3からなる発光層の膜厚が
約850ÅのものについてのX線回折パターンを示
す図である。また、第5図はZnS:TbF3からな
る発光層の膜厚が約6500ÅのものについてのX線
回折パターンを示す図である。X線回折パターン
は実線で示した。 なお、比較例として、第1絶縁層を膜厚約2000
ÅのAl2O3で形成し、その上に上記した実施例と
同様にその膜厚がそれぞれ約850Å、約6500Åの
発光層を形成したものにつきX線回折分析を行つ
た。各X線回折パターンを第4図、第5図に破線
でそれぞれ示した。 なお、比較例におけるAl2O3の第1絶縁層の形
成はスパツタにより形成した。このスパツタ条件
を第3表に示す。
【表】
第5図において、第1絶縁層の種類が異なつて
いても、ZnS:TbF3からなる発光層の膜厚があ
る程度厚い、つまり約6500Åであると、発光層の
X線回折強度はそれほど差がみられないと理解で
きる。しかしながら、第4図から明らかなよう
に、第1絶縁層を結晶配向性を有する酸化亜鉛の
結晶膜で形成した場合には、その膜厚が約850Å
のものでも、その上に結晶配向性のよいZnSの
(111)面が成長している。一方、Al2O3からなる
第1絶縁層を下地層として従来のものはZnSの発
光層がアモルフアス状態になつており、結晶配向
性のよいものが得られておらず、成長初期での結
晶性に難点があることが理解できる。 なお、上記した実施例において、第1絶縁層1
4および発光層15はすべてスパツタにて形成さ
れるため、マルチターゲツト式のスパツタ装置を
用いた場合、すべて同一の真空槽内で実施するこ
とができる。したがつて、各層の界面は清浄に保
たれ、また真空引き作業も1度行うだけでよいた
め、操作時間を短縮することができ、したがつて
作業性および量産性にすぐれている。 また、第2絶縁層16をY2O3以外のAl2O3、
Si3N4などでスパツタにより形成する場合には、
さらに同一の真空チヤンバ内で実施することがで
きる。 (発明の効果) 以上のようにこの発明によれば、透光性基板の
上に形成された透明電極の上面に透明でC軸が透
光性基板に対して垂直に配向した酸化亜鉛の結晶
膜からなる絶縁層を形成しているため、この絶縁
層を下地として発光層を形成すると、結晶性のよ
いものが得られる。したがつて、従来のような発
光層のデツドレイヤー(dead layer)の発生が
ほとんどなく、薄い膜厚で結晶配向性のよい発光
層を得ることができ、低電圧駆動ができる高効率
の薄膜EL素子を構成し得ることになる。
いても、ZnS:TbF3からなる発光層の膜厚があ
る程度厚い、つまり約6500Åであると、発光層の
X線回折強度はそれほど差がみられないと理解で
きる。しかしながら、第4図から明らかなよう
に、第1絶縁層を結晶配向性を有する酸化亜鉛の
結晶膜で形成した場合には、その膜厚が約850Å
のものでも、その上に結晶配向性のよいZnSの
(111)面が成長している。一方、Al2O3からなる
第1絶縁層を下地層として従来のものはZnSの発
光層がアモルフアス状態になつており、結晶配向
性のよいものが得られておらず、成長初期での結
晶性に難点があることが理解できる。 なお、上記した実施例において、第1絶縁層1
4および発光層15はすべてスパツタにて形成さ
れるため、マルチターゲツト式のスパツタ装置を
用いた場合、すべて同一の真空槽内で実施するこ
とができる。したがつて、各層の界面は清浄に保
たれ、また真空引き作業も1度行うだけでよいた
め、操作時間を短縮することができ、したがつて
作業性および量産性にすぐれている。 また、第2絶縁層16をY2O3以外のAl2O3、
Si3N4などでスパツタにより形成する場合には、
さらに同一の真空チヤンバ内で実施することがで
きる。 (発明の効果) 以上のようにこの発明によれば、透光性基板の
上に形成された透明電極の上面に透明でC軸が透
光性基板に対して垂直に配向した酸化亜鉛の結晶
膜からなる絶縁層を形成しているため、この絶縁
層を下地として発光層を形成すると、結晶性のよ
いものが得られる。したがつて、従来のような発
光層のデツドレイヤー(dead layer)の発生が
ほとんどなく、薄い膜厚で結晶配向性のよい発光
層を得ることができ、低電圧駆動ができる高効率
の薄膜EL素子を構成し得ることになる。
第1図は、この発明の一実施例の薄膜EL素子
の断面図である。第2図は、従来の薄膜EL素子
の断面図である。第3図は、ZnS:TbF3の発光
層の膜厚と発光効率の関係を示す図である。第4
図、第5図はZnS:TbF3からなる発光層のX線
回折パターンを示す図である。 11は薄膜EL素子、12は透光性基板、13
は透明電極、14は第1絶縁層、15は発光層、
17は電極。
の断面図である。第2図は、従来の薄膜EL素子
の断面図である。第3図は、ZnS:TbF3の発光
層の膜厚と発光効率の関係を示す図である。第4
図、第5図はZnS:TbF3からなる発光層のX線
回折パターンを示す図である。 11は薄膜EL素子、12は透光性基板、13
は透明電極、14は第1絶縁層、15は発光層、
17は電極。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 透光性基板、該透光性基板上に形成された透
明電極、第1絶縁層、発光層および電極を含む薄
膜EL素子において、 前記第1絶縁層は、少なくとも発光層の発光波
長域において透明でC軸が透光性基板に対して垂
直に配向した酸化亜鉛の結晶膜からなることを特
徴とする薄膜EL素子。 2 前記発光層と前記電極との間に第2絶縁層が
形成されている特許請求の範囲第1項記載の薄膜
EL素子。 3 前記透明電極と前記第1絶縁層との間に第3
絶縁層が形成されている特許請求の範囲第1項記
載の薄膜EL素子。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60033925A JPS61193396A (ja) | 1985-02-21 | 1985-02-21 | 薄膜el素子 |
US06/828,020 US4737684A (en) | 1985-02-21 | 1986-02-10 | Thin film EL element having a crystal-orientable ZnO sublayer for a light-emitting layer |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60033925A JPS61193396A (ja) | 1985-02-21 | 1985-02-21 | 薄膜el素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61193396A JPS61193396A (ja) | 1986-08-27 |
JPH046278B2 true JPH046278B2 (ja) | 1992-02-05 |
Family
ID=12400089
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60033925A Granted JPS61193396A (ja) | 1985-02-21 | 1985-02-21 | 薄膜el素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61193396A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3913102C1 (ja) * | 1989-04-21 | 1990-05-31 | Mtu Muenchen Gmbh | |
JP4720268B2 (ja) * | 2005-04-15 | 2011-07-13 | カシオ計算機株式会社 | 時計装置およびその時刻合わせ処理プログラム |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5859594A (ja) * | 1981-10-03 | 1983-04-08 | コニカ株式会社 | 発光素子 |
JPS59101794A (ja) * | 1982-12-02 | 1984-06-12 | 株式会社デンソー | 薄膜エレクトロルミネツセンス素子 |
JPS59175593A (ja) * | 1983-03-25 | 1984-10-04 | 松下電器産業株式会社 | エレクトロルミネセンス表示装置 |
JPS6180793A (ja) * | 1984-09-27 | 1986-04-24 | 松下電器産業株式会社 | 薄膜el素子 |
-
1985
- 1985-02-21 JP JP60033925A patent/JPS61193396A/ja active Granted
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5859594A (ja) * | 1981-10-03 | 1983-04-08 | コニカ株式会社 | 発光素子 |
JPS59101794A (ja) * | 1982-12-02 | 1984-06-12 | 株式会社デンソー | 薄膜エレクトロルミネツセンス素子 |
JPS59175593A (ja) * | 1983-03-25 | 1984-10-04 | 松下電器産業株式会社 | エレクトロルミネセンス表示装置 |
JPS6180793A (ja) * | 1984-09-27 | 1986-04-24 | 松下電器産業株式会社 | 薄膜el素子 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61193396A (ja) | 1986-08-27 |
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Legal Events
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EXPY | Cancellation because of completion of term |