JPH0458944B2 - - Google Patents

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JPH0458944B2
JPH0458944B2 JP62098286A JP9828687A JPH0458944B2 JP H0458944 B2 JPH0458944 B2 JP H0458944B2 JP 62098286 A JP62098286 A JP 62098286A JP 9828687 A JP9828687 A JP 9828687A JP H0458944 B2 JPH0458944 B2 JP H0458944B2
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JP
Japan
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okara
moisture content
aspergillus
koji mold
drying
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Koichi Mutsukawa
Hiroo Furukawa
Toshuki Kosugi
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MISUZU TOFU KK
TAKEDA MISO JOZO KK
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MISUZU TOFU KK
TAKEDA MISO JOZO KK
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明はおからを腐敗させることなく所望の水
分含量まで乾燥させることのできる乾燥おからの
製造方法に関する。 (背景技術) 豆腐、油揚げ、凍り豆腐、豆乳などを製造する
に当たり、副生する大豆絞り粕を「おから」と呼
んでいる。「おから」は、一部「うの花」として、
食用に供されたり、漬け物の漬け床として使用さ
れたりしているが大規模豆腐製造工場から出る
「おから」の大部分は、家畜の飼料とされている。
しかしながら近年円高で、輸入飼料が安価であ
り、輸入飼料が入手しやすくなつたことや、「お
から」は水分含量が多く扱いにくい、腐敗が早い
などの理由により、「おから」は家畜農家から嫌
われる傾向にあり、大規模豆腐工場ではやむな
く、投棄したり、産業廃棄物処理業者にその処理
を委ねたりしているのが現状である。その打開策
として、「おから」を乾燥して保存性を高めると
同時に、乾燥物の物性を生かして、食品の品質改
良剤とする試みが一部実用化されている。 一般に、食品を乾燥する方法として、1)熱風
2)気流3)流動層4)ドラムドライヤー5)凍
結真空乾燥などの方法がある。「おから」は、保
水力が強く乾燥しにくいため乾燥のためのエネル
ギー消費量も大きい。また、1)〜4)の方法に
よれば、乾燥中に「おから」の成分が熱による変
成を受け、油の酸化、物性の硬化が促進され、食
品とした場合、不快な食感を与えるなどの問題点
を生じる。また、この問題点を補わんがために、
低温で乾燥すれば、乾燥が終了するより早く腐敗
が生ずる。さらに5)の方法によれば、熱による
変成も少なく、優れた製品が得られるが、乾燥に
コストがかかり、実用とはなりがたい。 なお、脂肪の多い培地では糸状菌、特に麹菌が
脂肪の代謝を活発に行うことが知られている。そ
して「かつを節」の製造に際しては、各工程でい
ろいろな乾燥方法が行われているが、最後の最も
乾きにくい工程で、アスペルギルス・グラウス等
の麹かび属を繁殖させることにより呈味性を増す
と共に乾燥を促進させることが知られている。 しかし、アスペルギルス属は一般には培地の水
分含量は30〜40%が最適水分量とされており、米
などの澱粉質の多い物の水分は33%〜38%、醤油
麹などのように窒素分の多い物の場合は、最大で
水分含量45%程度までが限界とされている。これ
より多水の場合は、澱粉質の多い培地では液化に
より麹菌が繁殖できなくなり、他の微生物が繁殖
してくるし、窒素の多い培地ではバチラス等のバ
クテリアが繁殖し、アンモニアを生ずる。しかし
「おから」は保水力が高く、絞りたての場合には
約75%もの高い水分量となつており、しかも容易
に飛散しない。この高い水分含量が前記したよう
に腐敗を早める原因となつている。またこの高い
水分含量のため麹菌の繁殖が妨げられる。このよ
うなことから従来「おから」に麹菌を繁殖させ、
「おから」麹を作ることが提案されてはいるが、
いずれも水分調整のため「おから」に米糖、ふす
ま、籾殻等を添加している。 しかしこれら「おから」に米糖、ふすま、籾殻
等を添加する従来法によれば、 1 添加した物が澱粉質のα化を図るために、添
加前または添加後に加熱する必要がある。 2 添加した物が代謝されずに最終製品に残留す
る。 等の問題点がある。 そこで本発明は上記問題点を解消すべくなされ
たものであり、その目的とするところは、おから
を腐敗等させることなく所望の水分含量まで乾燥
させることのできる乾燥おからの製造方法を提供
するにある。 (発明の概要) 上記目的による本発明では、豆腐、油揚げ、凍
り豆腐、豆乳などを製造する際に副生する大豆絞
り粕であるおからに有機酸を添加してPHを5前
後に調整し、アスペルギルス属の麹菌を接種して
麹菌を増殖させると共に、40℃程度の除湿空気を
通風して、麹菌の醗酵熱と除湿空気の熱とにより
おからの乾燥を促進し、おからの水分が60%程度
にまで低下した時点で酵母エキス、コーン・ステ
イーブ・リカー、廃糖蜜などの栄養助剤を添加し
て麹菌の一層の増殖を図つて醗酵熱および前記除
湿空気の熱によりさらに乾燥させて水分含量が
10wt%以下になるまで乾燥させることを特徴と
している。 前記したように絞りたての「おから」の水分含
量は約75%と高く、また容易に飛散しない。そし
てこの高い水分含量の下では他の細菌が繁殖し、
麹菌の繁殖が妨げられる。 そこで発明者らは、この高い水分含量下でも麹
菌が増殖するためには、逆に他の細菌類の繁殖が
抑えられる環境条件を整えればよいことに想到し
た。この選択的な環境条件はPHを調整すること
によつて得られた。 すなわち、バチラス等の細菌はPH6以下では
容易に増殖することができない。一方アスペルギ
ルス属の麹菌はPH5前後でも増殖する。そこで
本発明では、アスペルギルス属の麹菌の接種時お
よび麹菌が旺盛に増殖するまではPHを好適には
5前後に調整する。PHの調整は酢酸、クエン
酸、リンゴ酸、プロピオン酸などの有機酸を加え
て行う。これら有機酸は制菌作用を有すると共に
麹菌によつて代謝され、資化される点でも有効で
ある。 「おから」は麹菌の増殖によつて醗酵し、その
際の醗酵熱によつて比較的低温下で乾燥が進行す
る。この醗酵熱による乾燥は有効で、例えば、20
℃で、含水率75%の「おから」1Kgを含水率10%
まで乾燥するに要するエネルギーは493Kcalであ
るが、麹菌が成育中に発熱する総エネルギーは
200Kcalと推定され、乾燥に必要なエネルギーの
約40%が醗酵熱で補える。 不足分の熱量は例えば「おから」の層に約40℃
の除湿空気を連続あるいは間欠通風することで補
う。この間通風量は、「おから」の床温度が25〜
35℃に保たれるようにコントロールするとよい。 このような低温での乾燥が可能となるのは上記
の醗酵熱が有効に加わるためであり、そしてこの
低温乾燥により「おから」の成分が熱による変成
を受けたり、油が酸化したり、物性が硬化するこ
とがない。 乾燥が進行し、水分が60%以下にまで低下した
ら酵母エキス、コーン・ステイープ・リカー、廃
糖蜜などのような栄養助剤を添加すると好適であ
る。これにより麹菌がさらに増殖し、「おから」
の乾燥が進行する。 麹菌の培養3日程で、水分含量10%以下の乾燥
おからを得ることができた。 上記のように水分含量がほぼ60%以下に低下し
たときに栄養助剤を添加するのが重要である。 すなわち、水分含量のほぼ60%を境にして、60
%より多い段階ではバクテリアが増殖するおそれ
があり、この段階で栄養助剤を添加するとバクテ
リアが多量に増殖して麹菌の繁殖が抑えられてし
まう。一方水分含量が60%より少なくなると、も
はや水分が不足してバクテリアの繁殖が困難にあ
る。しかし麹菌の繁殖は阻害されない。 そこで水分含量的にバクテリアが繁殖し得ない
水分がほぼ60%以下に低下した時点で栄養助剤を
添加するのである。これにより麹菌が選択的に旺
盛に増殖し、多量の醗酵熱が発せられ、除湿空気
による熱と相まつておからの乾燥が急激に促進さ
れる。 第1図は後記する実施例1における水分含量変
化を示すグラフであるが、実施例1では水分含量
が60%程度に達した時点で栄養助剤が添加され、
同図から明らかなように、これ以後水分含量が急
激に低下し、短時間でおからの乾燥が進行するこ
とがわかる。これは麹菌の増殖による醗酵熱の増
加に起因している。 このようにして得られた「乾燥おから」は、水
分含量が低く、保存性に優れると共に、麹菌の酵
素により、蛋白質、繊維が分解を受けており、水
に戻して食した時に、単に熱風乾燥等したものに
比して不快なざらつき感がなく、呈味性が増して
いる。さらに麹菌の代謝により脂肪の酸化が抑制
される。 また「乾燥おから」は適当な調味薬で味付けし
てそのまま食することができる他、ハンバーク、
コロツケ、焼売、餃子等の各種食品の添加物とし
て有効に用いることができる。この場合特に肉類
に有効に作用し、含有するプロテアーゼ等の酵素
により肉の呈味性、呈色性を増し、柔軟にし、ま
た豚肉、マトン、魚肉等の特有のにおいを消失さ
せる。 その他各種食品の漬け床等として有効に利用で
きる。 また味噌風の調味料の主原料とすることもでき
る。 (実施例) 以下に実施例を示す。 実施例 1 酸、クエン酸等の有機酸によりPHを5前後に
調整した「おから」5Kg(水分含量75%)に種麹
(アスペルギルス属の麹菌)5gを接種し、床上に
偏平にならした。 上記の「おから」床に約40℃の除湿空気を連続
通風し、麹菌を培養した。床温は約30℃に保つ
た。 その結果麹菌の増殖が見られ、他のバクテリア
は繁殖しなかつた。麹菌の増殖による醗酵熱、除
湿空気の熱により「おから」は徐々に乾燥し、約
36時間後に水分含量が60%程度にまで減少した。
この時点で酵母エキス等の栄養助剤を添加したと
ころ、さらに麹菌の増殖が見られ、「おから」の
乾燥が進行した。約70時間後には水分含量10%以
下の所望の「乾燥おから」を得ることができた。 この間の水分含量変化、PH、水分活性(Aw)
変化を第1図に示す。 得られた「乾燥おから」の成分を表1に示す。
【表】 また「乾燥おから」中の各種酵素の力価は表2
のようであつた。
【表】 なお酵素力価の定義は次のとおりである。 (1) アミラーゼ力価 澱粉を基質とし、40℃、PH5.0において30分間
に1%澱粉を1mlをヨード呈色度が670nm、10mm
セルで66%の透過率を与えるまで分解する活性を
IUとした。 (2) リパーゼ力価 ツイーン20を基質とし、38℃、PH7.2において
10分間に0.02N−NaOHの中和滴定量が1.0mlを与
える活性を100Uとした。 (3) 酸性プロテアーゼ力価 カゼインを基質とし、38℃、PH3.0において1
分間に1ugの一リジンの呈するOD(吸光度)に相
当する呈色を与える活性を1Uとした。 (4) 中性プロテアーゼ カゼインを基質とし、38℃、PH6.0において1
分間に1ugの一リジンの呈するODに相当する呈
色を与える活性を1Uとした。 (5) アルカリ製プロテアーゼ カゼインを基質とし、38℃、PH6.0において1
分間に1ugの一リジンの呈するODに相当する呈
色を与える活性を1Uとした。 単に熱風により乾燥したおからと、本発明方法
により乾燥したおからの保存性を比較した。過酸
化物価を測定した結果を表3に示す。
【表】 保存条件〓室温
このように本発明方法によつて得た「乾燥おか
ら」は脂肪の酸化が抑制され、保存性に優れる。 モナスカス、リゾプス等の他の糸状菌について
同様に「おから」に接種し、その増殖による「お
から」の乾燥を調べたところ、アスペルギルス属
の麹菌の場合とほぼ同様の乾燥度を得ることがで
きた。しかしながら、酵素作用に由来する性質、
特にプロテアーゼに由来する呈味性、旨味性はア
スペルギルス属麹菌の場合が特に優れていた。 上記によつて得られた「乾燥おから」は水分含
量が低く、腐敗の進行度が遅く、長もちし、家畜
の飼料等として提供しうる他、水に戻して適当な
調味料を添加して調理することによつて、旨味の
ある食品として提供される。 特に麹菌の酵素の作用により、蛋白質、繊維が
分解を受けており、食した際の不快なざらつき感
がない。また脂肪の酸化が抑制され、日もちのよ
い食品が得られた。 麹菌としては、アスペルギルス・オリーゼ、ア
スペルギルス・ルバー、アスペルギルス・レーペ
ンス等が有効であつた。 なお、PHの調整は麹菌と他のバクテリアの増
殖とのバランスを見て行うが、一般的に他のバク
テリアが繁殖し得ない、5前後のPHに調整する
のがよい。麹菌が充分に増殖し、他のバクテリア
が繁殖できなくなつた以後はPHの調整は不要と
なる。またその際に栄養助剤を添加し、麹菌の一
層の増殖を図るのがよい。 実施例 2 実施例1で得られた「乾燥おから」を添加した
ハンバーグを作つた。配合は表4の通りである。
【表】 ハンバーグ中の肉へのプロテアーゼの作用によ
り、熟成された感じの旨味のあるハンバーグが得
られた。 実施例 3 実施例1で得られた「乾燥おから」を添加した
コロツケを作つた。配合は表5の通りである。
【表】 コロツケ中の肉へのプロテアーゼの作用によ
り、熟成された感じの旨味のあるコロツケが得ら
れた。 実施例 4 実施例1で得られた「乾燥おから」を添加した
焼売を作つた。配合は表6による。
【表】 実施例 5 実施例1で得られた「乾燥おから」を添加した
餃子を作つた。配合は表7による。
【表】 実施例4,5において、肉へのプロテアーゼの作
用により熟成された感じの旨味のある焼売、餃子
が得られた。 実施例 6 実施例1で得られた乾燥おから 100部 食 塩 15部 上記の漬け床に鰯漬込んだ。 5℃に24時間置いた後、焼いて食した。 1 程よい旨味があり、いやな魚臭が和らげられ
ていた。 2 身がやや柔らかくなつていた。 3 適度に脱水されていた。 この脱水の程度は、上記混合物に加水すること
により自在に調節でき。また魚体に対する上記混
合物の割合を多くすればさらに脱水することがで
きる。 実施例 7 実施例1で得た乾燥おから 100部 醤油もろみ 50部 食 塩 13部 を使用してマトンを漬け込んだ。 冷蔵庫に40時間置いた後、軽く水洗いしてフラ
イパンで焼いて食した。 対象区 処理区 1 固い筋が感じられる。
筋の固さは気にならな
い。 2 マトン特有の臭いがある。
臭いは感じられず、あ
る。照焼き風のこおばしい
風味が有る。 3 肉の味がそのままである。
程よい旨味が有る。 実施例 8 実施例1で得られた乾燥おから 100部 水 100部 食 塩 14部 の混合物に酵母、乳酸菌を添加して10℃に30日間
置いた。このものは、外見、食味とも味噌に近い
物となり、調味料として応用の広いものになつ
た。 (発明の効果) 本発明方法によれば、保水力が高く、水分含量
の高いおからを他の水分調整物を加えることなく
乾燥できると共に、麹菌の醗酵熱が乾燥エネルギ
ーの一部として利用されるので低温乾燥が可能と
なり、脂肪等の熱による変成が防止できる。特
に、水分含量が60%程度に達した時点で栄養助剤
を添加することにより、バクテリアを繁殖させる
ことなく麹菌を選択的に旺盛に増殖させることが
でき、多量の醗酵熱によりおからを短時間に、か
つ10%以下の低水分量にまで乾燥することができ
る。また、クエン酸等の有機酸や栄養助剤はすべ
て麹菌によつて資化され、非代謝物が最終製品に
残留することがなく、プロテアーゼ等の有効酵素
を多く含む「乾燥おから」を提供できる。 以上本発明につき好適な実施例を挙げて種々説
明したが、本発明はこの実施例に限定されるもの
ではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多く
の改変を施し得るのはもちろんのことである。
【図面の簡単な説明】
第1図は麹菌増殖過程における「おから」の水
分含量、PH、水分活性(Aw)変化を示すグラフ
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 豆腐、油揚げ、凍り豆腐、豆乳などを製造す
    る際に副生する大豆絞り粕であるおからに有機酸
    を添加してPHを5前後に調整し、アスペルギル
    ス属の麹菌を接種して麹菌を増殖させると共に、
    40℃程度の除湿空気を通風して、麹菌の醗酵熱と
    除湿空気の熱とによりおからの乾燥を促進し、お
    からの水分が60%程度にまで低下した時点で酵母
    エキス、コーン・ステイープ・リカー、廃糖蜜な
    どの栄養助剤を添加して麹菌の一層の増殖を図つ
    て醗酵熱および前記除湿空気の熱によりさらに乾
    燥させて水分含量が10wt%以下になるまで乾燥
    させることを特徴とする乾燥おからの製造方法。
JP62098286A 1987-04-20 1987-04-20 乾燥おからの製造方法 Granted JPS63263057A (ja)

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