JPH0458895A - シアニジン配糖体の製造方法 - Google Patents

シアニジン配糖体の製造方法

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JPH0458895A
JPH0458895A JP2165190A JP16519090A JPH0458895A JP H0458895 A JPH0458895 A JP H0458895A JP 2165190 A JP2165190 A JP 2165190A JP 16519090 A JP16519090 A JP 16519090A JP H0458895 A JPH0458895 A JP H0458895A
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JP
Japan
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callus
cells
culture
cultured
auxin
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JP2165190A
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Tsukasa Mori
司 森
Junichi Shigeta
潤一 茂田
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IHI Corp
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IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、イチゴのカルスを用いてアントシアニンの
1糧であるシアニジン配糖体を大量に製造する方法に関
する。
「従来の技術およびその課題」 アンドシアニンは花の色という意味を持ち、花や果実の
赤、紫、青系統の鮮やかな色のほとんどはこのアンドシ
アニンによっている。シソ、ブドウ、クロマメ、赤カブ
、バラ、イチゴなどはアントシアニンによりその色を呈
している。
このアンドシアニンは着色料や塗料の素材として実用価
値が高いため、大量生産が検討されている。また最近で
はアントシアニンの血圧降下作用などの研究もなされて
おり、色素以外にも興味深い性質を有している。
従来、アントシアニンの一般的な製法としては、アント
シアニンを含む種々の植物を材料とし、1〜2%の塩酸
酸性メタノールで材料を抽出し、酢酸鉛を加えて塩化鉛
の沈澱をこし分け、次に生じた青色の鉛塩を集める。こ
れを3%メタノール塩酸に再び溶かし、エーテルを加え
て沈澱させ、鉛塩として精製するかあるいはピクリン酸
塩として析出させる。いずれも塩化物に変えて結晶させ
、アンドシアニンを得る。
「発明が解決しようとする課題」 しかしながら、このような従来の方法では、栽培植物を
原料とすることから原料コストが高くなり、アンドシア
ニンを安価に製造することが不可能であった。
また栽培植物を原料とすると、植物の生長が遅く、栽培
に時間と手間がかかり、アンドシアニンの生産効率が悪
い問題があった。
さらにアントシアニンの製造が栽培植物の収穫時期に左
右され、年間を通して平均的にアントシアニンの製造が
出来ない問題もあった。
そして従来、このような栽培植物体からのアンドシアニ
ンの製造方法に比べ、アンドシアニンの生産効率が高く
、アントシアニンを大量にかつ年間を通して平均的に製
造することが可能な方法として、ニンジン、ブドウ、バ
ラ、リンゴ、キクイモ、ブドウなどから誘導されたアン
ドシアニン生産細胞を大量培養し、この培養細胞からア
ンドシアニンを抽出する方法が検討されてきている。
しかし現段階では、アントシアニン生産細胞を工業的規
模で大量に培養するまでには至っていない。この主な原
因としては、アンドシアニン産生細胞を材料から取り出
し、培養を行う際に、培養細胞をスケールアップして培
養し、増殖させるのが困難であることが挙げられる。
この発明は上記事情に鑑みてなされたもので、アンドシ
アニン生産能の高いイチゴ細胞を用い、アンドシアニン
の1種であるシアニジン配糖体を効率良く大量に生産す
ることのできる製造方法の提供を目的としている。
[課題を解決するための手段」 天然のイチゴ果実から得られる赤色の色素(アンドシア
ニン)の成分は、ベラガニジン−3−グルコシドを主成
分とし、他成分としてシアニジン−3−グルコシドを含
む混合物であることが知られ、これら両者の組成比は主
成分であるベラガニジン−3−ゲルコンドが84〜88
%、シアニジン−3−グルコシドが12〜16%程度で
あることも知られている。
天然イチゴ色素の主成分であるベラゴニジン〜3−グル
コシドは、橙色に近い赤色を呈している。
またシアニジン−3−グルコシドは、ピンク色を呈して
いる。
本発明者らは、イチゴの細胞からカルスを形成し、これ
を暗所で液体培養してカルスを増殖させ、次いで光条件
を3000 LLIX以上として培養することによって
培養細胞にアンドシアニンを生成させ、培養細胞からア
ントシアニンを抽出することによってアンドシアニンを
大量生産することが可能であり、また生産されるアンド
シアニンは、天然イチゴのアンドシアニンの副成分であ
るシアニジン−3−グルコシドが主成分として得られる
ことを知見し、本発明を完成させた。
即ち本発明は、イチゴの細胞をオーキシンあるいはオー
キシンとサイトカイニンとを添加した固体培地で培養し
てカルスを形成し、次いでオーキシンあるいはオーキシ
ンとサイトカイニンとを添加した液体培地を用い、かつ
照度3000 Lux以下の光条件下でカルス細胞の培
養を行い、次いで照度3000 Lux以上の光条件下
で培養して細胞内にシアニジン配糖体を生成させ、次い
でこの細胞からシアニジン配糖体を抽出する方法である
以下、本発明の詳細な説明する。
本発明では、まずカルス化に適当な細胞を、イチゴから
無菌的に摘出する。
材料のイチゴは、特定品種に限定されることなく、種々
の品種から選択して使用することができ、例えば我国で
一般に広く栽培されているオランダイチゴ(F rag
aria  chiloensis  D uch  
varananassa  B ail )などを使用
できる。
カルス化に適当な細胞としては、イチゴのランナーの生
長点が好適である。またその他の部位、例えば葉、茎、
果実部、花部あるいは根部の断片や組織であってもカル
ス化が可能である。
イチゴのランナーは、その先端部を30〜50mm採取
し、肉眼で除ける程度の幼葉は除去しておく。
そしてこのランナー材料の表面を組織培養等において通
常に使用される殺菌剤を用いて殺菌し、次に実体顕微鏡
で観察しながら切開して生長点を無菌的に摘出する。ま
た葉や茎などの各部からカルス形成に適した細胞を取り
出す方法を例示すれば、幼苗の葉、茎あるいは未成熟の
果実部分を、組織培養等において通常に使用される殺菌
剤を用いて殺菌し、次にこれらの材料を薄刃のナイフ等
で裁断して小さな断片とする。また根は、幼苗から茎部
を一部含む根部組織を切り出して用いる。これらの断片
や組織は、組織培養等において通常に使用される殺菌剤
を用いて殺菌する。
次に、摘出した生長点などの細胞を培地に置床してカル
ス化を行う。この培養に用いられる固体培地としては、
M urashige& S koog(M S )培
地あるいは L in& S taba(L S )培
地に、オーキシンあるいはオーキシンとサイトカイニン
、炭素源として30g#程度のサッカロースおよび0.
8〜1%程度の寒天を添加した固体培地が好適に使用さ
れる。
上記オーキシンとしては、24−ジクロロフェノキン酢
酸(以下、2.4−Dという)が特に好適に使用され、
またサイトカイニンとしてはベンジルアデニン(以下、
BAという)などが好適に使用される。
これら2.4−DおよびBAの添加量は、2.4−Dが
0.5〜5.0 ppI11程度、BAが0.05〜2
ppm程度の範囲内で設定される。
また摘出した細胞をカルス化するための培養は、20〜
30℃程度の温度で、かつ照度3000Lux以下の光
条件下とするのが望ましい。カルスの増殖は照度300
0 Lux程度の場合に良好となるが、照度をそれ以上
とするとカルス細胞の増殖能が低下するとともに、培養
時間の経過に伴ってカルス表面にアントシアニンが生成
され、このアンドンアニンが生成されたカルスは、次に
液体培養を行っても細胞の増殖能が低下してしまうこと
から、大量培養用のカルスを形成するには不適当である
そして、上述した培養条件で生長点を培養してカルスを
形成し、必要に応じてカルスの継代培養を行い、さらに
、得られたカルスの中からアントシアニン生産能の高い
カルスを選抜し、上述した固体培地を用い、温度20〜
30℃、照度3000Lux以下の条件下で継代培養を
行って大量培養用のカルスを形成する。
アンドシアニン生産能の高いカルスを選抜する方法とし
ては、培養されたカルスを上述の固体培地に置床し、照
度3000Lux〜8000LLIX程度、温度20〜
30℃で培養してカルス表面にアンドシアニンを生成さ
せ、着色度合が強いアントシアニン生産能の高いカルス
を選び出し、このカルス内部の未着色部分を取り出して
大量培養用の細胞として使用し、あるいはこの未着色部
分を取り出して別の固定培地に置床して培養し、新たに
カルスを形成する方法などが使用される。
さらに、このような方法で選抜されるアンドンアニン生
産能の高いカルスは、白く柔らかい外観をしており、カ
ルス化の段階で着色してしまったり固いカルスは十分な
アンドシアニン生産能が得られないことから、アントシ
アニン生産能の高いカルスを簡易的に選抜する方法とし
て、培地上に形成されたカルスの外観から判断し、白く
柔らかいカルスを選抜して大量培養用のカルスとして使
用することも可能である。
次に、得られたアンドシアニン生産能の高い大量培養用
のカルスを、Ll培地あるいはMS培地にオーキシンあ
るいはオーキシンとサイトカイニンを添加した液体培地
内に入れて振とう培養する。
この液体培地中の2.4−DおよびBAの添加量は、先
のカルス化の際に使用した固体培地と同様に、2.4−
D Cオーキシン)を0.5〜5.0ppmS BA(
サイトカイニン)を0.05〜2 ppm程度とする。
また培養条件は、温度20〜30℃、照度3000Lu
x以下とする。この培養(培養前期)における光条件を
照度3000Lux以上とすると、培養時間の経過に伴
って培養細胞の表面にアントシアニンが生成され、その
後細胞は褐変し増殖能が低下してしまうことから、培養
細胞を増殖させるには不適当である。
上述の条件で培養を行うことにより、カルス細胞は液体
培地内で増殖し、必要に応じて培養のスケールアップを
行って、所望量の培養細胞を生産する。
次に、液体培地内で増殖した培養細胞を、照度3000
 Lux以上、好ましくは3000〜8000 Lux
の光条件下(光源としては蛍光灯が望ましい)で培養し
、培養細胞をさらに増殖させながら、培養細胞にシアニ
ジン配糖体を主体としたアンドシアニン(以下、単にシ
アニジン配糖体という)を生成させる(培養後期)。こ
の培養後期の光条件が照度3000 Lux以下である
と、培養細胞のシアニジン配糖体の生成が不良となり、
また照度8000 Lux以上の光条件下で培養すると
培養細胞の増殖が悪くなるとともに培養細胞のシアニジ
ン配糖体生産能も悪くなる。なお、この培養後期におい
ても、必要に応じて培養のスケールアップを行うことが
可能である。
次に、シアニジン配糖体の生成が終了した細胞を液体培
地から分離し、この細胞からシアニジン配糖体を抽出、
精製してシアニジン配糖体を製造する。
培養細胞からのシアニジン配糖体の抽出及び精製方法と
しては従来既知の方法を用いることができる。すなわち
液体培地から培養細胞を分離し、好ましくは凍結乾燥な
どの乾燥処理を行って乾燥細胞とし、この乾燥細胞を、
塩酸酸性メタノールに浸漬し、1〜複数回の抽出を行っ
てシアニジン配糖体を抽出し、この抽出液に酢酸鉛を加
えて塩化鉛の沈澱をこし分け、次に生じた青色の鉛塩を
集める。次にこれを塩酸酸性メタノールに再び溶かし、
エーテルを加えて沈澱させ、鉛塩として精製するかある
いはピクリン酸塩として析出させ、いずれも塩化物に変
え結晶させる方法などが用いられる。
また、培養細胞からシアニジン配糖体を抽出、精製する
方法はこれに限定されることなく、例えば上記抽出液を
減圧乾固し、水に溶解させた後、イオン交換樹脂にシア
ニジン配糖体を吸着させ、塩酸酸性エタノール液で溶出
する方法を用いて分離精製することも可能である。
以上の各操作により、シアニジン配糖体が製造される。
この方法では、イチゴのランナーの生長点、葉、茎など
から細胞を摘出し、オーキシンあるいはオーキシンとサ
イトカイニンを含む培地で培養してカルスを形成し、次
いでオーキシンあるいはオーキシンとサイトカイニンと
を含む液体培地を用い、かつ照度3000Lux以下の
光条件下でカルス細胞の大量培養を行い、次いで照度3
000Lux以上の光条件下で培養して細胞内にシアニ
ジン配糖体を生成させ、次いでこの細胞からシアニジン
配糖体を抽出するので、培養のスケールアップを極めて
容易に行うことができる。すなわち、シアニジン配糖体
の生産能の高いカルスを、まずフラスコなどの小形培養
器内で増殖させた後、増殖された培養細胞を大形タンク
培養器にスケールアップして培養し、このタンク内で大
量に増殖させた後、照度3000Lux以上の条件に切
換えて培養し、培養細胞にシアニジン配糖体を生成させ
ることによって大量のシアニジン配糖体を短期間にかつ
容易に得ることができる。
さらに、上記カルスあるいはカルスを液体培地で増殖さ
せた培養細胞を、照度3000 Lux以下の光条件で
継代培養しておくことにより、任意の時期にこれら細胞
の大量培養を開始することができるので、年間を通して
平均的にシアニジン配糖体を製造することができる。
また液体培地を用いたカルス細胞の培養においては、植
物の通常栽培に比べて生産効率が格段に高く、短期間で
大量のシアニジン配糖体を製造することができるので、
シアニジン配糖体の生産コストを低減化することができ
る。
さらにまた、固体培地によるカルス培養および液体培地
を用いたカルス細胞の培養においては、細胞の増殖速度
を光の照射条件によって調節することができる。このた
め光の照射条件を適宜調節することによって常に一定の
増殖速度で培養することが可能となり、培養の容易化、
効率化を図ることができる。
以下、実施例によって本発明の効果を明確化する。
「実施例」 (試料の調整) イチゴ(四季酸イチゴ: F ragariax an
anassa)のランナー材料お上び幼苗を、5%中性
洗剤溶液で10分間撹拌洗浄した後、70%エタノール
に入れ30秒超音波洗浄した。その後5%NaCl0水
溶液で約8分間浸漬して滅菌し、各試料をクリーンベン
チ内に入れ、滅菌水で3回洗浄した。
ランナー材料は、実体顕微鏡で観察しながらランナー先
端にある0、2111mはどの生長点を摘出した。
また幼苗から葉と茎部分を切り出し、それぞれ細かく裁
断してlam〜数lの断片とした。
(カルスの形成) MS培地にサッカロース(炭素源として)を30gIQ
、  1%の寒天を添加した固体培地を基本培地とし、
これに2.4−Dを2ppm、BAを0 、5 ppm
添加した培地を用い、各固体培地に摘出した生長点や断
片を置床し、温度25℃、照度800 Luxの16時
間日長の条件で2週間培養し、カルスの形成状態を調べ
た。この結果、いずれの試料もカルス形成が認められた
が、特に生長点のカルス化が良好であった。
また基本培地に2.4−Dを0.1〜5ppmの範囲で
添加した培地(2,4−D単独培地)およびBAを0.
1〜5ppmの範囲で添加した培地(BA単独培地)を
用い、上記生長点および葉と茎部分の断片を置床してカ
ルス形成の有無を調べた。その結果2゜4−D単独培地
では、2.4−D濃度0.5〜2 ppmの範囲でカル
スの形成が可能であった。一方BA単独培地ではカルス
形成が不可能であった。
(カルス細胞の一次培養) 上記試験により、2.4−D  2ppm、 BA  
O。
5 ppmを含む固体培地を用いて形成された生長点お
よび葉と茎部分の断片試料からそれぞれ得られた白く柔
らかいカルスを用い、これらのカルスを切開して分割し
、分割片を500m1フラスコに入れ、 2 、4− 
D  1 ppm、 B A  O、1ppmを添加し
たLS培地(液体培地)100+nlを入れ、照度を8
00 Lux、3000Lux、8000Lux(それ
ぞれ蛍光灯照射)とし、培養温度25℃、80 rpm
で振とう培養し、各条件でのカルスの増殖を調べた。
その結果、葉および茎部分からの双方のカルスとも、光
条件を照度3000 Luxとしたときに最も増殖が良
好となった。しかしこの条件で培養されたカルスは、1
0〜14日後にアンドシアニンが生成され、培養細胞が
褐変して以後の増殖能が低下した。
一方、照度800 Luxで培養した葉および茎部分の
それぞれのカルスは、培養細胞にアンドシアニンを生成
することなく高い増殖率を示した。この光条件で培養し
たカルスは、1〜2週間の培養サイクルで継代培養でき
、同一条件でスケールアップ培養して培養細胞を大量生
産することが可能であった。
また8 000 LLIKの光条件下で培養したカルス
は、葉、茎部分のカルスとも、培養当初から増殖が不良
であり、数日で褐変した。
これらの結果より、ランナーの生長点および葉、茎部分
などの細胞から誘導したカルスを、照度3000 LL
IX以下の照度条件で液体培養することにより、培養細
胞にアントシアニンを生成させることなく増殖させるこ
とができ、この光条件でスケールアップ培養することに
よって培養細胞の大量生産が可能であることが判明した
(カルスの2次培養) 生長点および葉と茎部分の断片から得られたそれぞれの
カルスを800 Lux(蛍光灯照射)の光条件下で2
週間培養した後、それぞれの培養細胞0゜5g(湿重量
)を500m1フラスコに入れ、2.4−D  1 p
pa+、 B A  0 、1 ppmを添加したLS
培地(液体培地)loo+nlを入れ、光条件を300
0 LLIX。
8000 Lux(いずれも蛍光灯照射)の連続光照射
とし、培養温度25°CC180rpで振とう培養した
照度3000 LLIXとしたものでは、生長点、葉、
茎部分のそれぞれの試料とも細胞の増殖が認められ、1
0〜14日で培養細胞内にシアニジン配糖体が生成され
た。
照度8000Luxとしたものでは、生長点、葉、茎部
分のそれぞれの試料とも細胞の増殖がわずかであり、1
〜数日で培養細胞内にシアニジン配糖体が生成された。
この結果、照度3000 Lux以下で1次培養した後
に、照度3000 Lux以上として2次培養すること
により、培養細胞内にシアニジン配糖体を生成させるこ
とができ、特に照度3000Lux〜8000 Lux
で培養することにより、培養細胞を増殖させなからシア
ニジン配糖体を生産することが可能であった。
(シアニジン配糖体の分離) 上記2次培養において、照度4000Luxとして2週
間培養した生長点、葉および茎部分からの培養サンプル
を用い、培養液から培養細胞をこし分け、0.1%HC
Iメタノールで1時間抽出し、この抽出液をDowex
 50  に加え約1時間色素を吸着させた。色素を完
全に吸着させた後、この樹脂をメタノールで洗浄し、そ
の後1%HClメタノールで色素を溶出させた。次に溶
出液をロータリーエバポレータを用いて35℃以下で濃
縮し、この濃縮液をTLCで展開した。展開溶媒として
は、水:酢酸;メタノール(82:I 5 :3)を用
いた。
TLCで展開後、色素は大小2つのスポットに別れた。
これらスポットの位置の薄層材をそれぞれかき取り、0
.1%HCIメタノールで再抽出し、これらの溶出液を
分光光度計で計測した。
その結果、大きいスポットから得られた分離色素は、最
大吸収波長525〜530μmであり、シアニジン−3
−グルコシドであることが判明した。また小さなスポッ
トから得られた分離色素は、最大吸収波長510μm付
近であり、天然イチゴ色素の主成分であるベラガニジン
−3−グルコシドであることが判明した。またシアニジ
ン−3−ゲルコンドとベラガニジン−3−グルコシドの
比率は、生長点、葉および茎部分の各培養サンプルとも
、はぼ90:10でシアニジン−3−グルコシドが主で
あった。
「発明の効果」 以上説明したように、この発明はイチゴの各部から細胞
を取り出し、オーキシンあるいはオーキシンとサイトカ
イニンを添加した固体培地で培養してカルスを形成し、
得られたカルスを照度30DOLux以下で液体培養し
てカルス細胞の大量培養を行い、次いで照度を3000
Lux以上として細胞内にシアニジン配糖体を生成させ
、次いでこの細胞からシアニジン配糖体を抽出してシア
ニジン配糖体を製造することにより、シアニジン配糖体
が生成される前の培養時に培養のスケールアップを極め
て容易に行うことができ、培養をスケールアップするこ
とによって大量の培養細胞を容易に得ることができ、シ
アニジン配糖体を大量生産することができる。
また上記カルスあるいはカルスを液体培地で増殖させた
培養細胞を、照度3000 Lux以下の光条件で継代
培養しておくことにより、任意の時期にカルス細胞の大
量培養を開始することができるので、年間を通して平均
的にシアニジン配糖体を製造することができる。
また液体培地を用いたカルス細胞の培養においては、植
物の通常栽培に比べて生産効率が格段に高く、短期間で
大量のシアニジン配糖体を製造することができるので、
シアニジン配糖体の生産コストを低減化することができ
る。
さらにまた、固体培地によるカルス培養および液体培地
を用いたカルス細胞の培養においては、細胞の増殖速度
を光の照射条件によって調節することができる。このた
め光の照射条件を適宜調節することによって常に一定の
培養速度で培養を行うことが可能となり、培養の容易化
、効率化を図ることができる。
出願人 石川島播磨重工業株式会社

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 イチゴの細胞をオーキシンあるいはオーキシンとサイト
    カイニンとを添加した固体培地で培養してカルスを形成
    し、 次いでオーキシンあるいはオーキシンとサイトカイニン
    とを添加した液体培地を用い、かつ照度3000Lux
    以下の光条件下でカルス細胞の培養を行い、 次いで照度3000Lux以上の光条件下で培養して培
    養細胞内にシアニジン配糖体を生成させ、次いでこの細
    胞からシアニジン配糖体を抽出することを特徴とするシ
    アニジン配糖体の製造方法。
JP2165190A 1990-06-22 1990-06-22 シアニジン配糖体の製造方法 Pending JPH0458895A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022521623A (ja) * 2019-02-26 2022-04-11 フイルメニツヒ ソシエテ アノニム マイクロ波を用いた植物バイオマスからの精油抽出

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022521623A (ja) * 2019-02-26 2022-04-11 フイルメニツヒ ソシエテ アノニム マイクロ波を用いた植物バイオマスからの精油抽出

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