JPH045818Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、通常タンクに取付けられ、平時に前
記タンク内の圧力を排出し、転倒時には液体の流
出を防止したリリーフバルブに関する。

（従来の技術） 従来、この種のリリーフバルブは、例えば自動
車のガソリンタンクに取付けられ、第３図に示す
ように、平時にガソリン蒸気がボデイ１０の切欠
部１１からボデイ１０と弁体フロートとしてのフ
ロート１２との隙間を通り通気孔１４から排出さ
れ、また逆に通気孔１４から大気を流入させる。
一方、悪路走行時又は坂道走行時には、ガソリン
の液面がボデイ１０の位置より上昇する場合があ
り、この時フロート１２の浮力とスプリング１３
の押圧力が作用してフロート１２が第３図におい
て上方に移動するため、回路が閉となり、ガソリ
ンの流出が防止される。また、転倒時には、フロ
ート１２の自重とスプリング１３の押圧力により
回路が閉となりガソリンの流出が防止されるもの
であつた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記した従来例では、フロート
１２が回路を閉にすると、ガソリン等の揮発性液
体は気化速度が早いため、短時間でタンク内圧が
発生する。すると、この内圧によりフロート１２
がボデイ１０に押付けられるため、ガソリン液面
が下降した時、フロート１２が下降せず、回路は
閉の状態が保持され、内圧が上昇し続けることに
なる。したがつて、内圧が上昇するとガソリン注
入口からの噴出し等の異常が発生するので好まし
くないという問題点があつた。

そこで、本考案は従来例の上記した問題点を解
決するためになされたもので、その目的とすると
ころは、回路が閉の状態から開の状態になつた
時、弁体フロートを下降し易くしたことにある。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するために、この考案にあつ
ては、タンク内の液面上昇時又は転倒時に弁体フ
ロート及びスプリングの押圧力を以つて回路を閉
とするリリーフバルブにおいて、前記回路の開時
に自重が作用するフロートを前記弁体フロートに
紐体で吊着することにより構成されている。

（実施例） 以下に本考案を図示の実施例に基づいて説明す
ると、第１図及び第２図Ａ，Ｂ，Ｃにおいて、１
０は本考案に係るリリーフバルブのボデイであ
り、このボデイ１０は略円筒状に形成され、その
円周方向の一部に切欠部１１が形成されると共に
上部に通気孔１４が設けられている。１２はボデ
イ１０内に上下動可能に収納された弁体フロート
としてのフロートであり、このフロート１２内に
はスプリング１３が装着され、フロート１２を上
方に押圧付勢している。１５はボデイ１０内にお
いてフロート１２及びスプリング１３の下端を支
持するプレートであり、このプレート１５には、
その中央に孔１５ａが穿設されている。

２０は、ボデイ１０に装着されたカバーであ
り、このカバー２０の下部には液を流入させるた
めの流入孔２０ａが形成され、カバー２０内に
は、フロート２２が収納されている。このフロー
ト２２はスプリング２３により上方に押圧付勢さ
れている。また、フロート２２は、紐体としての
サポートストリング３０を以つてフロート１２に
吊着して接続されている。このサポートストリン
グ３０は、フロート１２の移動に際し、フロート
２２の自重が影響しないよう軟質の糸、例えば６
ナイロン糸により構成されている。

次に、本考案に係るリリーフバルブの動作を第
２図Ａ〜Ｃに従つて説明する。第２図Ａに示す平
時には、ガソリン蒸気がボデイ１０の切欠部１１
からボデイ１０とフロート１２との隙間を通り、
通気孔１４から排出され、また逆に通気孔１４か
ら大気を流入させる。この際、フロート２２の自
重はサポートストリング３０に作用し、フロート
１２が下方に引張られていることになる。

一方、悪路走行時又は坂道走行時には、ガソリ
ン液面Ｇが第２図Ａの状態から第２図Ｂに示す状
態に上昇し、フロート２２に浮力を生じさせ、こ
の浮力分だけスプリング２３へのフロート自重が
軽くなるためスプリング２３は伸張する。したが
つて、サポートストリング３０の張力が０とな
り、弛緩する。

更に、ガソリン液面Ｇが第２図Ｃに示すように
上昇すると、フロート１２が上方に移動し、フロ
ート１２の上端が通気孔１４を閉塞して回路を閉
とする。これにより、ガソリンの流出を防止す
る。この時、フロート２２の自重はフロート１２
に何等作用していない。

即ち、本考案に係るリリーフバルブは、平時に
フロート１２の自重で回路を開の状態に保持し、
ガソリン液面Ｇが上昇した時にフロート１２の浮
力で回路を閉にするようスプリング１３荷重を設
定しており、したがつてフロート１２が閉方向に
移動する時にフロート２２の自重は作用せず、逆
にフロート１２が開方向に移動する時にフロート
２２の自重を作用させるものである。

尚、本考案は、上記実施例に限定されるもので
なく、例えばサポートストリング３０は他の材質
の紐体であつてもよく、またフロート２２は回路
の開時に自重がサポートストリング３０を介して
フロート１２に作用するものであれば、他の材
質、形状及び位置関係であつてもよい。

（考案の効果） 本考案に係るリリーフバルブは以上の構成及び
作用からなるもので、回路の開時に自重が作用す
るフロートを弁体フロートに紐体で吊着してなる
から、回路が閉の状態から開の状態になつた時、
弁体フロートをフムーズに下降させることができ
る。したがつて、タンクの内圧を上昇させること
がなく、ガソリン注入口からの噴出し等の異常を
未然に防止することができるという効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案に係るリリーフバル
ブの一実施例を示すもので、第１図はその縦断面
図、第２図Ａ〜Ｃはその作動状態を示す縦断面
図、第３図は従来のリリーフバルブを示す縦断面
図である。 １０……ボデイ、１１……切欠部、１２……フ
ロート（弁体フロート）、１３……スプリング、
１４……通気孔、１５……プレート、２０……カ
バー、２２……フロート、２３……スプリング、
３０……サポートストリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. タンク内の液面上昇時又は転倒時に弁体フロー
   ト及びスプリングの押圧力を以つて回路を閉とす
   るリリーフバルブにおいて、前記回路の開時に自
   重が作用するフロートを前記弁体フロートに紐体
   で吊着してなることを特徴とするリリーフバル
   ブ。