JPH0454905Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は区分け収納部付カートンに係わり、特
に写真店においてネガフイルムと印画紙に焼付け
された写真（以下プリントという）とを収納する
のに適する区分け収納部付カートンに関する。

（従来の技術） 従来、写真店においては、ネガフイルムとプリ
ントとを第５図乃至第７図に示すような袋等に入
れて顧客に手渡している。

すなわち、先ず、第５図に示すような薄紙製の
ネガフイルム入れＢ内にネガフイルムＣを挿入す
る。

ネガフイルム入れＢは、側端辺が開口された鞘
状部１００を上下に複数個繋げたものであり、６
こまのネガフイルム収納用の鞘状部１００を６個
繋げて36枚撮りのフイルム１本が入るようにした
ものが多い。

次に、ネガフイルム入れＢを鞘状部１００間の
繋ぎ目に沿つて葛折りし、第６図に示すような横
長のカートンＤ内にプリントＥとともに収納す
る。

しかし、このカートンＤはプリントＥ等を入れ
ると開口部をきちつと閉鎖出来ないため、更に第
７図に示すような縦長の紙袋Ｆ内に収納して顧客
に手渡している。

一方、複数のポケツト部を、一枚の板紙の打抜
加工だけで貼り加工を施すことなく形成し得る公
知技術として実開昭57−13276号公報に開示する
紙挟みフアイルが上げられる。この紙挟みフイル
ムは、上端に覆板を有する背板の下端に中板を連
設し、背板と中板の両端にそれぞれ折込板を相互
に横折線を介して隣接せしめて連設し、背板の下
隅角点より折込板に等角折線を設けたもので、該
等角折線に沿つて各折込板を二つ折りしつつ背板
と中板との間に挟み込むことにより、背板と中板
との間に三つのポケツト部を形成するものであ
る。

（考案が解決しようとする課題） しかし、従来の前記ネガフイルムＣとプリント
Ｅとの収納袋等は安つぽい外観を呈し、プリント
Ｅ等のイメージ低下を来し、写真の現像・焼付け
は早くて安ければよいというダンピングの傾向を
助長しがちであるという問題があつた。

また、６こまのネガフイルムＣを入れるために
横長に形成したカートンＤ内にいわゆるサービス
判等のプリントＥを収納するため、カートンＤ内
でプリントＥが横方向に位置ずれを起こしてばら
ばらとなる。そのため、カートンＤ内からプリン
トＥを取り出す際等にプリントＥの表面に手指が
触れてしまい、プリントＥを手指の油や指紋等で
汚損しがちであるという問題があつた。

また、前記実開昭57−13276号公報の紙挟みフ
イルムはポケツト部の大きさと略同じ大きさの紙
を入れるのには適しているが、ネガフイルムとプ
リントのように大きさの異なつたものを入れた場
合には前記カートンＤ内に入れた場合と同様にプ
リントが横方向に位置ずれを起こしてばらばらに
なつてしまう。また、この紙挟みフイルムは、そ
の両側部が三角形状に二つ折りされた折込板で覆
われているだけであつてあまり強靱ではない。そ
のため、比較的厚くて重いプリントなどは少数枚
しか保持しきれず、一寸多くなると側部等から脱
落してしまう等の問題がある。

（課題を解決するための手段） 上記のような問題点を解決するため本考案は区
分け収納部付カートンを、底板の、上側には２条
の折罫を介して順に後板、閉止板を、下端には折
罫を介して前板をそれぞれ連設し、後板の両端に
折罫を介して内後板を連設するとともに、前板の
両端に折罫を介して内前板を連設し、該内前板の
先端部の上端と前記内後板の先端部の下端との間
に折罫を介して前記底板の上下巾と同巾と側板を
連設し、該側板の内側の隅角点より側板の上下端
の折罫に対して45度をなす逆折罫を前記内後板と
内前板とに設けて内後板の先端部と内前板の先端
部とに重合部を区画形成してなるブランク板の前
記重合部を前記逆折罫に沿つて折り曲げてそれぞ
れ内後板、内前板の外面に折り重ねつつ、該内後
板、内前板をそれぞれ後板、前板の内面に折り重
ね、かつ前記側板を前記底板上に起立させてなる
ものとして構成した。

（作用） この区分け収納部付カートンにおいては、三つ
の収納部が形成され、真中の収納部は底板上に側
板が起立した箱形状をなし他の二つの収納部とは
面積及び厚さが異なる。

（実施例） 図により本考案の一実施例を説明すると、第２
図は本考案に係わる区分け収納部付カートンのブ
ランク板Ａの平面図である。

ブランク板Ａは、折罫ａ，ｂ，ｃ，ｄを介して
上方より順に蓋板１、天板２、後板３、底板４、
前板５を連設し、後板３の両端に折罫ｅを介して
内後板６，６を連設し、前板５の両端に折罫ｆを
介して内前板７，７を連設し、各内後板６と内前
板７との先端部間に折罫ｇ，ｈを介して側板８を
連設し、各折罫ｇ，ｈの内側の端点（側板８の内
側の隅角点）Ｇ，Ｈよりそれぞれ折罫ｇ，ｈに対
して45度をなす逆折罫ｊ，ｊを刻設して各内後板
６及び内前板７の先端部下方に重合部６０，７０
をそれぞれ区画形成し、基板１の上端略中央に係
止片９を設けるとともに前板５の上端部の略中央
に係止溝１０を設けたものである。上述におい
て、折罫ｇ，ｈはそれぞれ折罫ｃ，ｄの延長線上
に設け、側板８の上下巾を底板４の上下巾と同巾
としている。

また、１１は係止片９を係止溝１０に差し込み
易くするための補助切込線である。

なお、本実施例においては、蓋板１と天板２と
を合して容器体を閉止する閉止板としている。

組立・使用に当たつては、折罫ｅ，ｆに沿つて
各内後板６、内前板７をそれぞれ後板３、前板５
の内面に折り重ねて第３図の状態とする。

本考案に係わる区分け収納部付カートンは、第
３図の状態で製函メーカー等から各写真店に納入
される。

納入された各写真店では折罫ｃ，ｄに沿つて後
板３、前板５を底板４の前後端に折り立てる。そ
の際、第１図に示すように、逆折罫ｊ及び折罫
ｇ，ｈに沿つて重合部６０，７０及び側板８が折
れ曲がり、重合部６０，７０はそれぞれ内後板
６、内前板７の外面に折り重なり、側板８は重合
部６０と７０との間に起立する。これにより、内
後板６，６と後板３との間に第１の収納部Ｓ１が
形成されるとともに、内前板７，７と前板５との
間には第２の収納部Ｓ２が形成され、かつ４枚の
重合部６０，６０，７０，７０と２枚の側板８，
８とで囲まれた部分が第３の収納部Ｓ３となる。
この第３の収納部Ｓ３は底板４上に側板８，８が
起立した直方体状をなし、第１の収納部Ｓ１及び
第２の収納部Ｓ２とは面積及び厚さが異なつてい
る。

次いで、第１の収納部Ｓ１又は第２の収納部Ｓ
２に葛折りされたネガフイルム入れＢを収納する
とともに、第３の収納部Ｓ３にプリントＥを収納
する。

続いて、折罫ｂ，ａに沿つて天板２、蓋板１を
折り曲げつつ係止片９を係止溝１０内に差込係合
して第４図の状態とし、顧客に手渡す。

本考案は上述の実施例に限定されるものではな
く、閉止板は天板２を省略して蓋板１のみとして
もよく、逆に蓋板１を折罫を介して延長して底板
４又は後板３に止着するようにしてもよい。

また、閉止板の前板５等への止着の仕方は繰り
返して着脱出来るものであれば如何なるものであ
つてもよく、例えば閉止板の先端部略中央に粘着
シール片を取り付ける等であつてもよい。

また、収納される物品はネガフイルムとプリン
トとに限定されるものではなく如何なる物品を収
納してもよい。

（考案の効果） 本考案は上述のように構成され、内前板の先端
部の上端と内後板の先端部の下端との間に折罫を
介して底板の上下巾と同巾の側板を連設し、該側
板の内側の隅角点より側板の上下端の折罫に対し
て45度をなす逆折罫を内後板と内前板とに設けて
内後板の先端部と内前板の先端部とに重合部を区
画形成し、該重合部を前記逆折罫に沿つて折り曲
げて内後板、内前板の外面に折り重ねつつ、該内
後板、内前板をそれぞれ後板、前板の内面に折り
重ね、かつ前記側板を前記底板上に起立させたこ
とにより、三つの収納部を形成し、しかも真中の
収納部を底板上に側板が起立した箱形状で他の二
つの収納部とは面積及び厚さの異なるものとする
ことが出来る。そのため、例えばネガフイルムと
プリントのように面積と厚さが異なるものを区分
けして収納することが出来る。

また、区分けされる各収納部の左右幅を当該収
納部内に収納されるべき物品の左右幅に合わせる
ことが出来るから、各収納部内に収納された物品
が横方向に位置ずれを起こしてばらばらになるこ
とはなく、収納された物品をまとめて簡単に取り
出すことが出来る。例えば、左右幅の異なるネガ
フイルムとプリントとを収納した場合でも、複数
枚のプリントは収納部内できちんと重なり合つて
おり、プリントの両側部を持つて持ち上げるだけ
で複数枚のプリントをまとめて取り出すことが出
来る。そのため、プリントを取り出す際等にプリ
ントの表面に手指が触れてしまい、プリントを手
指の油や指紋等で汚損するということはない。

また、全体の形状は前記側板の部分が引つ込ん
ではいるが箱形状乃至書籍形状となり、書籍の背
に当たる部分が平らに形成される。そのため、そ
の平らに形成された部分に例えば撮影年月日、撮
影場所等を記入し、書棚等に立て掛けて保管する
ことが出来る。そして、このようにすれば、収納
物を容易に検索し得るとともに、ネガフイルムの
紛失を防止することが出来、更にはアルバムを使
用しないためアルバム代を節約し、プリントをア
ルバムに貼る手間を省くことも出来る。また、前
記のように全体の形状が箱形状乃至書籍形状であ
るため、外観上の見栄えが良く、商品イメージを
高めることも出来る。

また、前板と後板との間に二つの側板が突つ張
つた状態で挟み込まれ、かつその二つの側板が内
前板及び内後板をそれぞれ前板及び後板側へ略垂
直に押圧するため、真中の収納部が強固な箱形状
に保持されるとともに、他の二つの収納部も強固
に閉鎖される。そのため、真中の収納部内に例え
ばプリントのような比較的重い収納物を収納して
も確実に保持されて脱落の恐れがなく、また他の
二つの収納部も収納物を確実に保持する。このよ
うに収納物を強固に保持して脱落の恐れがなく、
しかも前述のように全体の形状が箱形状乃至書籍
形状となつて見栄えが良いため、本区分け収納部
付カートンに収納したものを更に外袋等に入れる
必要はなく、外袋の分だけ経費を節減出来る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は組立途
中の状態を示す斜視図、第２図はブランク板の平
面図、第３図は組立途中の状態を示す平面図、第
４図は斜視図、第５図乃至第７図は従来の写真店
において使用されているネガフイルムとプリント
との収納用の袋等の正面図及び斜視図である。 Ｓ１……第１の収納部、Ｓ２……第２の収納
部、Ｓ３……第３の収納部、１……蓋板、２……
天板、３……後板、４……底板、５……前板、６
……内後板、７……内前板、８……側板、９……
係止片、１０……係止溝、６０，７０……重合
部、ｊ……逆折罫。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底板の、上側には２条の折罫を介して順に後
   板、閉止板を、下端には折罫を介して前板をそれ
   ぞれ連設し、後板の両端に折罫を介して内後板を
   連設するとともに、前板の両端に折罫を介して内
   前板を連設し、該内前板の先端部の上端と前記内
   後板の先端部の下端との間に折罫を介して前記底
   板の上下巾と同巾の側板を連設し、該側板の内側
   の隅角点より側板の上下端の折罫に対して45度を
   なす逆折罫を前記内後板と内前板とに設けて内後
   板の先端部と内前板の先端部とに重合部を区画形
   成してなるブランク板の前記重合部を前記逆折罫
   に沿つて折り曲げてそれぞれ内後板、内前板の外
   面に折り重ねつつ、該内後板、内前板をそれぞれ
   後板、前板の内面に折り重ね、かつ前記側板を前
   記底板上に起立させてなる区分け収納部付カート
   ン。