JPH042073Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、現像ずみの写真用ネガフイルムを収
納し、これを保管するためのネガフイルム収納ボ
ツクスに関するものである。

従来の技術 従来、上記ネガフイルムは第９図に例示したブ
ツク式アルバムに収納していた。このブツク式ア
ルバムは、表表紙ａと裏表紙ｂとの間にネガフイ
ルムホルダーｃと見出しカードｄとを交互に多数
枚重ね合わせて綴じ込んだものであつた。ネガフ
イルムホルダーｃは透明の合成樹脂シートを二層
重ねとし、その等間隔おきの複数箇所を線状に接
合することによつて接合箇所ｅ……の相互間にネ
ガフイルムＦの収納部ｆを形成してなる。

このようなブツク式アルバムによると、ネガフ
イルムＦをネガフイルムホルダーｃの収納部ｆに
差し込んで収納でき、また、見出しカードｄにシ
ヤツター速度，露光量，写真内容その他の必要事
項を記載することによつてそれらの事項をネガフ
イルムＦと対象させることができる。

考案が解決しようとする問題点 しかし、従来ブツク式アルバムは、上記のよう
な綴じ込み式であつたために次に述べるような欠
点があつた。

即ち一つのネガフイルムホルダーｃに１本のネ
ガフイルムＦを収納するようになつており、しか
もネガフイルムホルダーｃと見出しカードｄとを
交互に綴じ込んだものであるから、ネガフイルム
Ｆの保管に広い平面スペースが必要になるばかり
でなく、ネガフイルムＦを収納したネガフイルム
ホルダーｃが常に展開した状態におかれるので、
外部から衝撃が受け易く、そのため傷も付き易
く、また例えば現像などのために、ネガフイルム
ホルダーｃを単独で持ち運びできないなどの不都
合があつた。

そこで本願は、取扱い時に損傷が生じないよう
に、ネガフイルムをコンパクトに収納することが
でき、しかもネガフイルムの索引及び取り出しが
容易にできるネガフイルム収納ボツクスを提供す
ることを目的としたものである。

問題点を解決するための手段 本願は上記した目的を達成するために、後面を
開口した縦長箱形の外ケースと、この外ケース内
に挿抜可能であつて上面が開口した縦長箱形の内
ケースと、この内ケース内に起立状態に収納され
るネガフイルムホルダーとから成り、前記内ケー
スの上面開口部を、水平部分と傾斜部分とから形
成し、かつ前記ネガフイルムホルダーを、ネガフ
イルムの収納部を複数並列した収納シートと、二
つ折りされ、その前片と後片間に、収納シートを
折畳み状態で挟持する挟持板と、この挟持板を収
納シートと共に収納する上縁で開口した縦長の収
納袋とから構成したことを特徴とするものであ
る。

作 用 しかして、収納シートの各収納部に現像ずみの
ネガフイルムを夫々収納して整理したのち、不使
用時には、前記収納シートを折畳んで、これを挟
持板に挟持し、次いで収納袋に収納する。

このようにして構成されたネガフイルムホルダ
ーは、内ケース内に複数起立状態に収納され、こ
の内ケースを外ケース内に挿入して例えば書類棚
に載置保管するものである。

また使用に際しては、書棚などから取り出し
て、内ケースを外ケースから抜き出すものであ
り、内ケースに収納したネガフイルムホルダー
は、開口部の傾斜部分の位置で大きく露出するの
で、ネガフイルムホルダーの索引を容易に行うこ
とができる。また収納ボツクスを同時に使用して
いる場合において、当該外ケースと内ケースとの
組合わせが、他の組の外ケース乃至内ケースと混
同して組付けないように、例えば外ケース内に、
内ケースの開口部の水平部分を有する一部を没入
して、その開口部の傾斜部分位置を、外ケースの
開口部より突出せしめ、或いは外ケースの開口部
を上向きにして、この開口部の前後縁に、内ケー
スの後面と下面とが夫々当接して内ケースの開口
部の傾斜部分が上向きとなるように内ケースの一
部を外ケース内に没入させて、外ケースと内ケー
スとが分離しないように組付ける。この場合もネ
ガフイルムホルダーの索引並びに取り出しを支障
なく行うことができる。索引された所望のネガフ
イルムホルダーは、内ケースから取り出され、か
つ、挟持板を摘持して収納シートを収納袋から引
き抜き、さらに収納シートの収納部から所望のネ
ガフイルムを取り出すものである。

実施例 以下、本考案の実施例を図面を参照して説明す
ると、第１図は、外ケース１と、この外ケース１
から抜き出した内ケース２にネガフイルムホルダ
ー３と貸出しカード４とを収納した状態を示して
いる。

外ケース１は厚紙を後面開放の縦長箱形に折り
込みことによつて製作されており、その後面の開
口部１１を通して内ケース２が挿抜される。

また、外ケース１の前面には、見出しや分類表
示等を表記するための索引欄１２が印刷されてい
る。

内ケース２は厚紙を上面開放の縦長箱形に折り
込むことによつて製作されており、上面開口部２
１を通してネガフイルムホルダー３や貸出しカー
ド４が出し入れされる。この内ケース２の上面開
口部は斜めに切除された傾斜部分２２を有してい
る。このため、内ケース２に収納したネガフイル
ムホルダー３や貸出しカード４の上半部がこの傾
斜部分２２から大きく露出し、それらに表示され
た事項を内ケース２から取り出さずに読み取るこ
とができて索引に便利である。さらに、内ケース
２は内部に仕切板２３が設けられていて、この仕
切板２３は内ケース２を形成する厚紙に設けられ
た舌片を折り込むことによつて、内ケース２の左
右側板間に亘つて配設されており、内部に収容し
た複数のネガフイルムホルダー３の仕切りとして
の本来の作用の他に、内ケース２の補強リブとし
ても作用する構成となつている。ネガフイルムホ
ルダー３は、ネガフイルムＦを差し込む収納部を
複数並列した収納シート５と、収容袋３１と、ネ
ガフイルムＦの内容を記載する索引欄３２ｂを表
面に印刷した二つ折り状の挟持板３２とからなつ
ている。第３図はこの挟持板３２を示しており、
一端部に山形の摘持部３２ａを形成した帯状の厚
紙を縦長状態に二つ折りして成り、その前片３２
Ａの表面には第４図に示したネガフイルムＦの複
数の現像面に対応する前記索引欄３２ｂが印刷さ
れており、他方の後片３２Ｂの表面には各種の必
要事項を記載するためのメモ欄（不図示）が印刷
されている。なお、索引欄３２ｂに記載すべき事
項としては、例えば上記現像面の符号、シヤツタ
ー速度，露光量，写真内容その他がある。収容袋
３１は所謂「腰」の強い軟質合成樹脂シートによ
つて縦長に形成されており、その上端部に形成さ
れている開き口３１ａを通して上記挟持板３２を
出し入れできる構成となつている。

第４図はネガフイルムＦを差し込む収納部を並
列した収納シート５を示しており、同図から明ら
かなように、各収納部にネガフイルムＦを差し込
んで収納した状態で蛇腹状に折りたたむことがで
きる。

貸出しカード４は縦長矩形の厚紙にネガフイル
ムＦのタイトル，番号，貸出先，貸出日，返却日
等の事項を書き込むための欄４１を印刷してな
る。

上記において、ネガフイルムＦを収納した収納
シート５は蛇腹状に折りたたんだ状態で第３図に
示した挟持板３２に挟み込まれ、この状態で第２
図で示すように収納袋３１に収納される。そし
て、この収納袋３１は、第１図で示すように内ケ
ース２に起立状態で収容される。このようにする
と、内ケース２に多数の収納袋３１を収納するこ
とができると共に、ネガフイルムＦは積層状態に
保持されるので、ネガフイルムＦに傷が付く惧れ
はない。また、内ケース２に収納してネガフイル
ムホルダー３のタイトル等の必要事項を貸出しカ
ード４に記載しておくと、貸出しカード４を見る
だけで内ケース２に収納されているネガフイルム
ホルダー３の内容、即ち、そのネガフイルムホル
ダー３に入つているネガフイルムＦの内容を知る
ことができるので、特定のネガフイルムＦを持ち
出したりするときに便利である。

さらに、挟持板３２にはネガフイルムＦの内容
を詳細かつ具体的に記載しておくことができるか
ら、そのようにしておくことによつて、いちいち
ネガフイルムＦを見なくともそのネガフイルムＦ
の内容を容易に知ることができる。

ネガフイルムＦを保管するときは、内ケース２
を外ケース１に挿入し、書棚等に立てかけてお
く。このようにしておくと、保管に広いスペース
が必要無くなるので、整理上、都合が良く、ま
た、外ケース１の索引欄１２を見て保管している
ネガフイルムＦの内容等を知ることができるよう
になる。

次に、特定のネガフイルムＦを貸出したり現像
業者のところへ持つていくときは、内ケース２か
ら必要なネガフイルムホルダー３だけを取り出し
てそのまま持ち運べば良い。

なお挟持板３２を省略し、収納シート５を折り
畳み状態で収納袋３１に収納してネガフイルムホ
ルダー３として使用することも可能である。この
場合には、第５図のように収納袋３１に索引欄３
１ｂが印刷される。さらにまた、複数の収納ボツ
クスを同時に使用している場合において、分離し
た外ケース１と内ケース２とを、他の組をなす外
ケース１乃至内ケース２と混同しないように、組
付けることもできる。即ち第６図で示すように、
外ケース１内に、内ケース２の開口部２１の水平
部分を没入して、その開口部２１の傾斜部分２２
を外ケース１の開口部１１から突出するように組
付け、或いは第７図で示すように、外ケース１の
開口部１１を上向きにして、この開口部１１の前
後縁に、内ケース２の後面と底面とを夫々当接し
て、内ケース２の開口部２１の傾斜部分２２が上
向きとなるように内ケース２の一部を外ケース１
内に没入させて組付けることができ、そのいづれ
の場合においても、内ケース２の開口部２１の傾
斜部分２２を利用して、ネガフイルムホルダー３
の索引及びその出し入れを行うことができる。

また外ケース１内に内ケース２を挿入するとき
は、第８図で示すように、外ケース１の開口部１
１に対し、内ケースの開口部２１の交叉状に対向
して、その開口部２１の傾斜部分２２を形成した
ことによつて生じたＶ字状の角部Ｐを外ケース１
の開口部１１内に臨ませ、この状態で、内ケース
２を起こしながら、外ケース１内に押し込むこと
により、内ケース２を外ケース１内に容易に挿入
することができる。

考案の効果 以上のように本願によれば、ネガフイルムの収
納した状態において、ネガフイルム同士は積層し
た状態に保形されて嵩張らず、コンパクトに構成
できると共に、収納状態で、ネガフイルム同士が
相互に摺接して損傷が生じる惧れがなく、また、
折畳み状態の収納シートを、挟持板と共に収納袋
から引き抜いたり、収納袋に、収納したりできる
ので、取扱いにも極めて便利である。

さらにまた、不使用時においては、ネガフイル
ムは内ケースに収納された状態で外ケース内に隠
蔽されてネガフイルを塵埃などによる汚損や損傷
から保護することができ、また内ケースを外ケー
スから引き抜いた状態においては、内ケースの開
口部の傾斜部分の存在により、内ケースに収納し
た状態でネガフイルムホルダーの索引及び出し入
れが容易にでき、さらに内ケースの開口部に傾斜
部分によつて形成されたＶ字状の角部が存在する
ことにより、内ケースを外ケース内に挿入する操
作も容易に行うことができて取扱いに極めて至便
であるなどの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例によるネガフイルム収
納ボツクスの概略斜視図、第２図はネガフイルム
ホルダーにネガフイルムを収容した状態を示す一
部切欠斜視図、第３図は索引カードの斜視図、第
４図はネガシートの斜視図、第５図はネガフイル
ム収納袋の変形例を示す一部切欠斜視図、第６図
及び第７図は使用状態を示す一部切欠した側面
図、第８図は内ケースを外ケースに挿入する状態
を示す部分平面図、第９図は従来のブツク式アル
バムを示す概略斜視図である。 図中、１は外ケース、１１は開口部、２は内ケ
ース、２１は開口部、２２は傾斜部分、３はネガ
フイルムホルダー、３１は収納袋、３２は挟持
板、３２Ａは前片、３２Ｂは後片、３２ａは摘持
部、３２ｂは索引欄、Ｐは角部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 後面を開口した縦長箱形の外ケースと、この
   外ケース内に挿抜可能であつて上面が開口した
   縦長箱形の内ケースと、この内ケース内に起立
   状態に収納されるネガフイルムホルダーとから
   成り、前記内ケースの上面開口部を、水平部分
   と傾斜部分とから形成し、かつ前記ネガフイル
   ムホルダーを、ネガフイルムの収納部を複数並
   列した収納シートと、二つ折りされ、その前片
   と後片間に、収納シートを折畳み状態で挟持す
   る挟持板と、この挟持板を収納シートと共に収
   納する上縁で開口した縦長の収納袋とから構成
   したことを特徴とするネガフイルム収納ボツク
   ス。 (2) 挟持板の前片に索引欄を表示して成る請求項
   １記載のネガフイルム収納ボツクス。 (3) 挟持板の後片上縁に摘持部を突出して成る請
   求項１または２記載のネガフイルム収納ボツク
   ス。 (4) 収納シートを蛇腹状に折畳んで成る請求項
   １，２または３記載のネガフイルム収納ボツク
   ス。