JPH0454780Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案はスピニングリールに釣糸を巻き取ると
きに発生する糸撚りの撚り取取り装置に関するも
のである。

「従来の技術」 従来、釣用のスピニングリール（以下リールと
いう）は操作が簡単なことから川、湖または海等
の釣りに広く使用されている。

このリールの原理は、リール２７を釣竿に取付
ける際、釣竿の長手方向と直角方向に位置する固
定スプール２８の周りを回転する糸巻ガイド２９
を回転させることにより、該糸巻ガイドに通して
ある釣糸２５が固定スプール２８に巻着する。釣
糸２５の送り出しは、糸巻ガイド２９を固定スプ
ール２８の直径方向に対し、180度反転させて釣
糸を糸巻ガイドから解放することにより行う。

また、リール２７に釣糸２５を巻着する際に注
意しなければならないのは、巻着時に糸撚りを発
生させないことである。そのためには、釣糸スプ
ール２１と巻取りスプール２１ａとを同じ方向に
回転させて巻取るのが理想的である。（第４図）。
釣糸に糸撚りを発生させると釣糸に巻きぐせがつ
き、糸の送り出しがスムースに行かず、又、糸が
らみの因となり且つ、糸も長持ちせず、糸切れの
原因ともなる。

釣糸を固定スプールに巻着する操作（釣糸の交
換時も同じ）は、釣りの入門書に記載されている
如く固定スプールをリールから外し、固定スプー
ルの右端を右手で持つて数十回巻き、更に固定ス
プールの左端を左手に持ち変えて同じ回数を巻
き、同じことを繰り返して巻着するのが理想的で
ある。

しかし、上記のような巻取り方法は非常に根気
と強い力が必要であり且つ、手間がかかり面倒な
ため一部の釣りマニアの間で行われているに過ぎ
ず、多くは、第６図のごとく市販のプラスチツク
スプールの穴に支柱を通して回転可能にし、釣糸
の先端をリールの糸巻ガイドに通して固定スプー
ルに連結する。次いで、リールのハンドルを回転
させることにより糸巻ガイドが固定スプールの周
りを回転し、釣糸を固定スプールに巻取つてい
る。

「考案が解決しようとする問題点」 従来は、以下のような問題点を有していた。

市販のスプールに巻かれている撚りのかかつ
ていない状態の釣糸は該スプールの軸心方向と
直角方向に位置した固定スプールに糸巻ガイド
を介して直角に折曲して巻着するため釣糸に糸
撚りが発生する（第５図）。

糸撚りの出来た釣糸は何度も巻取り、引出し
操作を行うと糸切れがしやすく、且つ、糸がら
みを起こしやすいので長持ちしない。

「問題点を解決するための手段」 そこで本考案は上述の如き問題点を解決する手
段として、中央に仕切板を有して両端に螺条部を
設けた軸杆の一方に、折曲げた先端に軸杆と直角
方向に軸承するローラを有したガイド杆を回転可
能な状態に取付け、ガイド杆の回転速度調整用の
抵抗部を介して一端に脱着可能なホルダ部を有し
た支持体の他端を軸杆に挿通して該軸杆の端部に
調整ナツトを取付け、軸杆の他方に装着する釣糸
スプールを保持する締着ナツトを取付けて形成し
たものである。

「作用」 リールを取付けた釣竿の前方に釣糸スプールを
取付けた軸杆の支持体にホルダ部を設け、このホ
ルダ部を釣竿に取付けるとリールの固定スプール
と軸杆の釣糸スプールとが同一軸心方向に位置さ
れ、且つ、釣糸スプールの釣糸をガイド杆のロー
ラを通して同じくリールの糸巻ガイドを通して固
定スプールに結着することにより釣糸をそれぞれ
直角に折曲したためローラにより発生した糸撚り
を糸巻ガイドで逆方向に糸撚りを発生させること
により糸撚りをを相殺させることが出来る（第６
図）。

「実施例」 以下、本考案を実施例の図面により説明する
と、糸巻装置Ａは両端に螺条部２，３を有した軸
杆１の中央に仕切板４を固着してある。仕切板４
の一方にボールベアリング等で軸受したガイド杆
５、該ガイド杆の回転速度を調整する抵抗部８及
び釣竿に取付けるホルダ部１２を有した支持体１
１をそれぞれ取付け、該軸杆の一端螺条部２に調
整ナツト１８を螺合させてある。ガイド杆５は先
端を仕切板４方向に直角に折曲して形成すると共
に、先端に後記する釣糸２５の送り出しを良く
し、傷付き及び糸切れを防止するために軸杆１と
直角方向に軸承させたローラ６を設けてある。７
がガイド杆５の一側に取付けた摺動板で、該摺動
板と支持体１１との間の軸杆１に挿通してある抵
抗部８を軸杆１の一端螺条部２に取付けた調整ナ
ツト１８で締緩着することにより、摺動板７と抵
抗部８との摩擦抵抗を変化させてガイド杆５の回
転負荷を変え、リール２７に巻着する釣糸２５の
巻圧力を調整することができる。

支持体１１の下端には軸杆１に挿通する孔１１
ａを設け、上端に設けたホルダ部１２には軸杆１
の軸心方向と同一方向に対をなす固定片部１３を
立上らせて形成すると共に、該固定片部の間に可
動片１４を支持軸１５で軸承し、この可動片１４
と固定片部１３とを支持軸１５に巻装したばね１
６で弾発させて釣竿３３を挟持可能に形成してあ
る。２１は軸杆１の仕切板４の一方、即ち、前記
ガイド杆５と反対側に着脱可能に取付けた釣糸ス
プールで、該釣糸スプールの中央に設けた穴２２
を軸杆１に挿通し、螺条部３に締着ナツト２３を
螺合させて仕切板４に釣糸スプール２１を圧接し
て固定する。２５は釣糸である。２７は公知のス
ピニングリールで、固定スプール２８、糸巻ガイ
ド２９及びハンドル３０を設けてある。３３は釣
竿である。

以下、実施例の作用について説明すると釣糸２
５をリール２７に巻取る場合は、軸杆１に釣糸ス
プール２１の穴２２に挿通すると共に締着ナツト
２３で締着する。次いでリール２７を取付けてあ
る釣竿３３の前方に釣糸スプール２１とリール２
７の固定スプール２８とが同一軸心方向に対向さ
せて支持体１１のホルダ部１２を釣竿３３に挟持
させる。

次に、釣糸２５をガイド杆５のローラ６を通し
てリール２７の糸巻ガイド２９を通し固定スプー
ル２８に結着させた後、リール２７のハンドル３
０を回転させると糸巻ガイド２９が固定スプール
２８の周囲を回転しながら釣糸２５を引張るた
め、軸杆１のガイド杆５は釣糸２５の回転方向に
引張られて糸巻ガイド２９と同一方向に回転す
る。このとき、釣糸スプール２１はより送り出さ
れた釣糸２５は、ガイド杆５のローラ６で直角に
折曲して撚がかかりリール２７の糸巻ガイド２９
に送られる。撚りが掛けられて送られてくる釣糸
２５は、糸巻ガイド２９のローラ６の部分で逆方
向の撚りを掛けることにより、撚りが相殺されて
固定スプール２８に巻取ることが出来る（第６
図）。

更に、固定スプール２８に巻取る釣糸２５の巻
圧力は、調整ナツト１８を締緩着することにより
摺動板７と抵抗部８との摩擦抵抗を変化させるこ
とによつて自由に調整することが出来ると共に、
ガイド杆５の過回転を防止することもできる。

また、釣糸スプール２１を軸杆１に挿通して固
定するときの釣糸スプール２１の向き（裏表）
は、ローラ６に釣糸を通して引張つたときガイド
杆５が回転する方向とリールの糸巻ガイド２９が
回転する方向とが同心になるように取付ける。

なお釣糸スプール２１の糸巻部の径及び固定ス
プール２８の糸巻部の径の違いにより多少の撚り
は発生し得るが、全体的には無視出来るものであ
る。

「考案の効果」 本考案の糸巻装置を釣竿に取付けて釣糸をリー
ルに巻取る作業を行うことにより、簡単で短時間
に撚りの出来ない釣糸を巻着することが出来ると
共に、調整ナツトを締緩着することにより、固定
スプールに巻着される釣糸の巻圧力を調整するこ
とが出来るので便利である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示したものにして、第
１図は本考案の使用状態を示す側面図、第２図は
本考案の要部断面図、第３図は同正面図、第４図
は釣糸スプールと巻取りスプールの回転方向を同
一方向に位置させて釣糸の巻取り状態を示した斜
視図、第５図は巻取りスプールの回転方向を釣糸
スプールの回転方向に対して直角方向に位置させ
て釣糸の巻取り状態を示した斜視図、第６図は釣
糸スプールと巻取りスプールとをそれぞれ同一回
転方向に位置させて釣糸の巻取り状態を示した斜
視図である。 １……軸杆、２，３……螺条部、４……仕切
板、５……ガイド杆、６……ローラ、８……抵抗
部、１１……支持体、１２……ホルダ部、１８…
…調整ナツト、２３……締着ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央に仕切板を有して両端に螺条部を設けた軸
   杆の一方に、折曲げた先端に軸杆と直角方向に軸
   承するローラを有したガイド杆を回転可能な状態
   に取付け、ガイド杆の回転速度調整用の抵抗部を
   介して一端に脱着可能なホルダ部を有した支持体
   の他端を軸杆に挿通して該軸杆の端部に調整ナツ
   トを取付け、軸杆の他方に装着する釣糸スプール
   を保持する締着ナツトを取付けて成るスピニング
   リール用糸巻装置。