JPH0453906Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、柄が樹脂成形されたドライバーの改
良に関する。

〈従来の技術〉 従来第４図に示す様なドライバーが有つた。こ
れはシヤンクｂの柄ａ付近に多角柱状に形成され
た係合部分ｃを設けたものである。この部分ｃに
スパナ等の締付工具を咬ませて、シヤンクｂを回
動する事が出来る。これによつて単に柄ａを持つ
てシヤンクｂを回すよりも、大きなトルクをシヤ
ンクｂに与える事が可能となつている。

この係合部分ｃは、通常シヤンクｂとは別体に
形成され、シヤンクｂを軸として、これに通され
ている。これは、製造工程の容易性やコストの面
を考えてなされており、最も一般化した製造方法
である。

こうしてシヤンクｂに通された係合部分ｃ後端
は、シヤンクｂを基部と共に、柄ａ内に埋設固定
される。

上述の様な係合部分ｃを有するドライバーは、
この係合部分ｃをスパナ等で回す事によつて、よ
り強くネジを締め付けたり、又強く締め付けられ
たネジを緩めるのに効果を持つ。

〈考案が解決しようとする問題点〉 ところが、この様なドライバーにおいて、シヤ
ンクｂと係合部分ｃとは別体に形成されたものを
嵌め込んで一体としている為、係合部分ｃに締付
工具を力で加えた場合（トルクを与えた場合）係
合部分ｃのみがすべり、回り出す懸念が有つた。

これは、係合部分ｃの回りを止める構造が、係
合部分ｃ側面とそれが埋め込まれている柄の受容
部分の接触抵抗のみに頼つているからである。

本考案は上記問題点の解決を目的とする。

〈問題点を解決するための手段〉 そこで本考案は、シヤンクと、スパナ等の締付
工具との係合部材と、樹脂成形される柄とを有
し、上記シヤンク先端にはチツプが形成され、上
記柄内部にシヤンク基部は埋設され、シヤンクの
この埋設された部分には、その先端側及び後端側
の夫々にシヤンク側面から突出する偏平な回り止
めが形成されてなり、他方上記係合部材は、多角
柱状であり且つ長手方向に沿つて中心が上記シヤ
ンクに貫かれ、その後端面には一側面からその反
対側面へ連通する溝が形成され、更に上記係合部
材は、後部が上記柄内にシヤンク基部と共に埋設
され前部が柄の前部から外部へ露出するものであ
り、柄内部において、係合部材の上記溝によつて
上記シヤンク基部の先端側の回り止めが挟持され
るものであり、更に上記偏平な回り止めの最大径
部は、係合部材の軸方向と直交する溝の一端から
他端までの長さ即ち係合部材の側面からその反対
側面までの長さよりも小さいものであることを特
徴とするドライバーの提供を図るものである。

〈作用〉 上記手段を施した本考案にあつては、柄内にお
いて、係合部材の溝によりシヤンク基部の先端側
の回り止めが挟持され、このとき溝の係合部材側
面へ開口する部分と、シヤンクの先端側回り止め
の頂部とによつて形成された空間へ、柄を形成す
る樹脂が回り込む。このため係合部分の固定を確
実に行える。即ち、係合部分は、シヤンクに対し
てその回り止めの一つを挟持することによつて固
着され、他方柄に対しては上記樹脂が回り込むこ
とによつて固着される。従つて、係合部材は単独
でも、シヤンクを介しても、柄へ強固に固着され
ることになる。

〈実施例〉 以下に図面を参照して、この考案の好適な実施
例を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施
例に記載されている構成部品の寸法、形状、材
質、その相対配置などは、特に特定的な記載がな
いかぎりは、この考案の範囲をそれらのみに限定
する趣旨のものではなく、単なる説明例に過ぎな
い。

第１図に本考案の一実施例を示す。

これは柄１を透視した状態の本願ドライバーで
ある。シヤンク２先端には刃先３（図ではマイナ
スドライバーとなつているが、プラスドライバー
であつても良く、刃先の形状はこれに限定する旨
ではない。）が設けられており、基部には偏平な
回り止め４，４が設けられている。

このシヤンク２の柄１から露出し始める付近へ
は、多角柱状の係合部材５がその長手方向の中心
軸をシヤンク２に貫かれた状態で嵌め込まれてい
る。この多角柱状の係合部材５は、多周の多角面
を持つてレンチやスパナに挟まれ、上記中心軸の
周方向へ回動可能に形成されている。

係合部材５後端５′には近くの回り止め４先端
を受容し、挟み込む為の溝６が形成されている。
この溝６に、回り止め４が挟持されている事によ
つて、係合部材５の固定が確実に行われる。又第
１図及び後述する第３図において、示されている
８は、回り止め４の頂部と、係合部材５側面に開
口する溝６端部と、溝６の底部とが為す空間であ
る。

第２図に、本願ドライバーの外観を示す。第３
図にその断面図を示す。実際の実施例として好ま
しいものをこの第３図に掲げている。柄１はシヤ
ンク２の基部周囲へ多層（ここでは２層）に樹脂
成型されている。１′はその内層、１″はその外層
である。７は頭（head）をなすネジである。

〈考案の効果〉 本考案の実施によつて、スパナ等の締付工具と
の係合部材の回り止めが確実に行え、ドライバー
の信頼性・耐久性を著しく向上し得た。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部説明図で
ある。第２図は完成品としての実施例を示す全体
正面図であり、第３図はその断面図である。第４
図は従来例を示す一部切欠斜視図である。 １……柄、２……シヤンク、３……刃先、４，
４……回り止め、５……係合部材、６……溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シヤンクとスパナ等の締付工具との係合部材
   と、樹脂成形される柄とを有し、上記シヤンク先
   端にはチツプが形成され、上記柄内部にシヤンク
   基部は埋設され、シヤンクのこの埋設された部分
   には、その先端側及び後端側の夫々にシヤンク側
   面から突出する偏平な回り止めが形成されてな
   り、他方上記係合部材は、多角柱状であり且つ長
   手方向に沿つて中心が上記シヤンクに貫かれ、そ
   の後端面には一側面からその反対側面へ連通する
   溝が形成され、更に上記係合部材は、後部が上記
   柄内にシヤンク基部と共に埋設され前部が柄の前
   部から外部へ露出するものであり、柄内部におい
   て、係合部材の上記溝によつて上記シヤンク基部
   の先端側の回り止めが挟持されるものであり、更
   に上記偏平な回り止めの最大径部は、係合部材の
   軸方向と直交する溝の一端から他端までの長さ即
   ち係合部材の側面からその反対側面までの長さよ
   りも小さいものであることを特徴とするドライバ
   ー。