JPH0453544B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の技術分野） 本発明は、弾性ストランドの断続的取付け方法
およびその装置に関し、特に紙おむつ等の脚まわ
り部分に弾性ストランドを取付ける場合に好適な
弾性ストランドの断続的取付け方法およびその装
置に関する。

（発明の技術的背景とその問題点） 近年、紙おむつ等において、脚まわり部分に伸
縮性部材を取り付け、脚まわり部分にギヤザーを
寄せてこの部分のフイツト性を向上させ漏れの防
止を図ることが行なわれている。そして、従来、
この弾性ストランドの取付けは、紙おむつ等の製
造においては、第１図に示すように、(1)実質的に
非弾性の長尺ウエブたとえば不透水性シートS₁の
所定位置、すなわち製品紙おむつの脚まわり部分
となるべき位置に、ウエブの送り方向に沿つて間
歇的に接着剤たとえばホツトメルト系接着剤ａを
塗布し、(2)この接着剤塗布線に沿つて弾性ストラ
ンドｅを延伸状態で連続的に供給し、接着剤塗布
箇所において弾性ストランドを不透水性シートに
接着させ、全体としては不透水性シートに沿つて
弾性ストランドを延在させると共に断続的に接着
する。(3)その後、この重合体の所定位置に吸収体
を供給しながら透水性シートS₂を重ね合わせ、不
透水性シートと透水性シートを貼り合わせる。(4)
次いで、このようにして得られた連続的な紙おむ
つ材料から個々の製品紙おむつを切り離す。この
時同時に弾性ストランドはその非接着部分におい
て切断されることとなり、弾性ストランドは非接
着状態の切断端が収縮して引込むとともに、接着
部分においても収縮して脚まわりにギヤザーをい
れる所要の最終取付け状態となる。

しかしながら、この従来の取付け方法によると
きは、透水性シートと不透水性シートとの貼合わ
せに際して、両シートの送り方向に沿つて延在す
る弾性ストランドの非接着部分には接着剤を施す
ことができないため、この部分の接着は行なわれ
ず両シート間に延伸ストランド幅分の離間部分が
生じ、排出液の前後および横漏れの原因となつて
いる。

（発明の目的） そこで、本発明の目的は、弾性ストランドの非
接着部分における接着剤塗布が可能で、それによ
つて透水性シートおよび不透水性シートの貼合わ
せをより完全に行なうことができる弾性ストラン
ドの断続的取付け方法およびその装置を提供する
ものである。

（発明の概要） 本発明は、基本的には実質的に非弾性のウエブ
に対して、延伸状態で連続的に供給された弾性ス
トランドを断続的に接着させた後、非接着部分の
みを効果的に切断することにより、ウエブに弾性
ストランドを断続的に取り付けることを特徴とす
るものである。

すなわち、第１の発明によれば、実質的に非弾
性の長尺ウエブに対して、その送り方向に沿つて
断続的に接着剤を塗布し、このウエブ上の断続的
接着剤塗布線に沿つて弾性ストランドを延伸状態
で重合して弾性ストランドとウエブとを断続的に
接着し、次いで、弾性ストランドの非接着部分に
おいて、非弾性ウエブを案内部材に支持させる一
方で弾性ストランドを解放して弛緩させ、弾性ス
トランドを非弾性ウエブから分離させた状態で弾
性ストランドのみを切断することを特徴とする弾
性ストランドの断続的取付け方法が提供される。

第２の発明によれば、長尺ウエブを供給する手
段と、ウエブの送り方向に沿つて間歇的に接着剤
を塗布する手段と、弾性ストランドを延伸状態で
供給するとともにウエブの上記間歇的接着剤上に
導く手段と、ウエブに対して弾性ストランドを押
圧する手段と、該押圧手段の下流側に設けられ、
ウエブの実質的部分を案内支持する部分と弾性ス
トランドの通り路上に形成した切欠部分とを有
し、ウエブの実質的部分を支持するとともに弾性
ストランドの弛緩を許し、それによつて上記ウエ
ブの接着剤非塗布部分においてウエブと弾性スト
ランドを分離させる案内手段と、分離された弾性
ストランドのみを切断する手段とを備えたことを
特徴とする弾性ストランドの断続的取付け装置が
提供される。

（発明の実施例） 以下、本発明を図面に示す実施例により説明す
る。

第１図は、本発明を紙おむつ製造工程に適用し
た例を示す概要図である。

弾性ストランド１３は板ゴム、発泡性または非
発泡性ポリウレタン等の連続テープから形成さ
れ、ガイドロール、緊張ロール等を介しバキユー
ムベルト１２を経て、水冷ロール１０およびロー
ル１１間に導かれる。この際、バキユームベルト
１２を通過する時に、弾性ストランド１３は150
〜200％程度伸長され、ロール１０および１１間
には延伸状態で供給される。

一方、実質的に非弾性の長尺不透水性シート１
４は、同様にガイドロール、緊張ロール等を介し
てロール１０，１１間に供給されるが、ロール１
０，１１間への供給に先立つて、接着剤塗布ノズ
ル８により、不透水性シート１４上の所定位置す
なわち弾性ストランド１３が貼付されるべき位置
にたとえばホツトメルト系接着剤が不透水性シー
ト１４の送り方向に沿つて帯状に間歇的に塗布さ
れる。そして、ロール１０，１１間の喰い込み部
において、弾性ストランド１３が不透水性シート
１４上の接着剤塗布線に沿つて重合され、接着剤
塗布箇所において接着される。このようにして、
不透水性シート１４の長さに沿つて弾性ストラン
ド１３が延在するように貼付されるとともに、長
さに沿つて間歇的または断続的に接着される。

その後、弾性ストランド１３の非接着部分にお
いて弾性ストランド１３のみが後に詳述する異径
段付の２段ロール９により切断され、非接着部分
における弾性ストランド１３の切断端は緊張から
解放されて収縮する。しかしながら、弾性ストラ
ンド１３の残余の部分は不透水性シート１４に接
着されており、この不透水性シート１４はガイド
ロール、緊張ロール等を介してプレスロール４に
導かれているので、弾性ストランド１３の残余の
部分は弛緩することなく次工程へと送給される。

一方、紙おむつの吸収体３はロータリカツタ１
により所定寸法に切断され、搬送ベルト２によつ
て矢印方向に送給される。また実質的に非弾性の
透水性シート５はガイドロール、緊張ロールを介
してプレスロール４に導かれる。

上記のようにして、プレスロール４，４の位置
において、透水性シート５と不透水性シート１４
との間に吸収体３を挿入した状態で両シートが重
合、接着される。両シート５，１４の接着は図示
の例においては、プレスロール４，４での重合に
先立ち、接着剤塗布ノズル７により不透水性シー
ト１４にホツトメルト等の接着剤を接合すべき箇
所に塗布するとともに、透水性シート５に対して
も接着剤塗布ノズル７′によりホツトメルト系接
着剤を塗布することにより行なわれる。シート５
に対しては、好ましくは弾性ストランド１３の接
着部分に対応してさらに接着剤が塗布される。こ
の時、弾性ストランド１３はすでにその非接着部
分において切断されており、接続端近くに収縮し
た状態となつているので、上記非接着部分に対応
する不透水性シート１４の部分および透水性シー
ト５の部分に対しても接着剤を塗布することがで
きる。このようにして、透水性シート５と不透水
性シート１４の接着を、必要に応じて完全に行な
うことができる。

透水性シート５と不透水性シート１４を接着し
て得られた連続的な紙おむつ材料は、次いで個々
の紙おむつの形状に切断され、製品おむつとな
る。この時点で弾性ストランド１３の接着部分は
初めて収縮し、脚まわり部分にはギヤザーが形成
される。

なお、上記実施例では、弾性ストランドを不透
水性シートにあらかじめ固着する方法を採つてい
るが、不透水性シートのかわりに透水性シートの
側にあらかじめ固着しておくようにしてもよい。
また、透水性シートと不透水性シートとの接着
は、両シートにそれぞれ接着剤を塗布する代り
に、いずれかのシートにのみ接着剤を塗布するよ
うにしてもよい。

さらに、上記構成において、ホツトメルト系接
着剤の塗布後これを冷却乾燥する手段を設けて、
ホツトメルトの固化速度を早めることによつてよ
り確実な接着を図ることも有効である。図示の例
では、接着剤塗布ノズル８および７に対して冷却
ボツクス６、冷却ロール１０および冷却ボツクス
６′がそれぞれ設けられる。

第３図〜第５図は、実質的に非弾性のウエブに
対して弾性ストランドを連続的に重合した後、非
接着部において弾性ストランドを切断するための
機構例を詳細に示すものである。

弾性ストランド１３は、バキユームベルト１２
通過時に150〜200％延伸され、この延伸状態のま
ま、ストランド１３の接着されるべき所定位置に
接着剤１７を塗布された不透水性シート１４に対
して冷却ロール１０とロール１１の喰い込み部Ａ
で圧着される。圧着を強化するために、さらにプ
レスロール１９を設けてもよい。

なお、図示の実施例では冷却ロール１０を１個
のみ配設しているが、１段のみの冷却ロールによ
つてはロール９に達する前に接着剤の十分な冷
却／固化を行なうことができない場合には、必要
に応じて多段の冷却ロールを設けることが望まし
い。

このようにして弾性ストランド１３が十分堅固
に接着された不透水性シート１４は、第５図に示
すような構造および外形を有するロール９に巻回
される。ロール９は、図に示すように、ロールの
両端部から距離ｇの間に、特異な溝加工が施され
たものである。すなわち、ロール９は、ロール９
の幅方向の中央部分９ａと両端部の一部分９ｂと
においてロール９の周面に沿つた連続的な案内面
を有するとともに、両端部の一部９ｃに切欠部分
を有するものである。ロール９の径および切欠部
９ｃ、連続部９ｂの寸法は、製造すべき紙おむつ
の寸法、貼付すべきストランドの長さ等により適
宜選択され、ロール９の回転につれて不透水性シ
ート１４とストランド１３の非接着部が切欠部９
ｃに位置するようになつている。切欠部９ｃの中
央には刃型１５が配設される。ｆは、不透水性シ
ート１４の幅方向端縁から弾性ストランド１３貼
付位置までの距離であり、上記距離ｇはこの距離
ｆの1.5〜2.0倍程度が適当である。刃型１５の刃
幅ｈは、延伸したストランドの幅に等しいか、あ
るいは好ましくはこれより大きいものである。刃
型１５としては、たとえば第６図ａのように、先
端が鋭利な鋸歯状１５ａに形状されたもの、ｂの
ように熱線１５ｂを内包したもの、ｃのように熱
線１５ｃを先端に配したものが使用される。

第３図および第４図に示すように、不透水性シ
ート１４と弾性ストランド１３との非接着部分が
ロール９の切欠部９ｃに位置すると、不透水性シ
ート１４の方はその実質的部分がロール９の中央
部分９ａにより案内指示されているためにロール
９の周面に沿つた位置をとり、弾性ストランド１
３の方は切欠部９ｃに位置してロール９の支持を
失なうため、緊張から解放されて弛緩し、切欠内
に陥ち込む。このようにして弾性ストランド１３
は不透水性シート１４と分離され、弾性ストラン
ド１３のみが切欠内に設けられた刃型１５により
Ｂ点で切断される。この際たとえば不透水性シー
ト１４に対してバキユームホース１８等により上
方への負圧をかけることにより、不透水性シート
１４をストランド１３からより確実に分離するこ
とができる。Ｂ点において切断を行なう直前に
は、不透水性シート１４と弾性ストランド１３が
共に緊張状態にある時すなわち水冷ロール１０に
巻回されて伸長率150〜200％を維持している時に
比べて、弾性ストランド１３の伸びは、（弦長
CD）／（弧長CD）の比に減じられているが、た
とえば、弾性ストランドが発泡性あるいは非発泡
性ポリウレタン等で形成されている場合には、加
熱式刃型はもちろん、非加熱式刃型によつても軽
い押圧で切断可能である。順次このようにして弾
性ストランド１３の非接着部分を切断することに
より、弾性ストランド１３を不透水性シート１４
に対して断続的に取り付けることができる。刃型
１５はロール９の回転と連動して出入り自在に構
成しておくことができる。弾性ストランド１４が
断続的に取り付けられた不透水性シート１４は第
１図に示すようにさらに接着剤の塗布を受け、吸
収体３を介装した状態で透水性シート５と接合さ
れ、次いで成品形状にカツトされて紙おむつとな
る。

（発明の効果） 上記したように、本発明によれば、透水性シー
トと不透水性シートの接合時には弾性ストランド
はすでに個々の長さに切断されているので、両シ
ートの接合特に接着剤塗布に際して弾性ストラン
ドの非接着部が支障とならず所望の接着を得るこ
とができ、したがつて、従来技術のような接着不
能部分からの液分の漏れを防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の紙おむつ製造方法を示す説明
図、第２図は本発明を適用した紙おむつの製造工
程を示す図、第３図は本発明による弾性ストラン
ドの断続的取付け方法の詳細を示す部分説明図、
第４図はその斜視図、第５図は本発明に使用する
弾性ストランド切断ロールを示す斜視図、第６図
は本発明に使用する刃型の例を示す斜視図であ
る。 １……ロータリカツタ、２……搬送ベルト、３
……吸収体、４……プレスロール、５……透水性
シート、６，６′……水冷ボツクス、７，７′，８
……接着剤塗布ノズル、９……ストランド切断ロ
ール、１０……水冷ロール、１１……ロール、１
２……バキユームベルト、１３……弾性ストラン
ド、１４……不透水性シート、１５……刃型、１
７……接着剤、１８……バキユームホース、１９
……プレスロール。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 実質的に非弾性の長尺ウエブに対して、その
   送り方向に沿つて断続的に接着剤を塗布し、この
   ウエブ上の断続的接着剤塗布線に沿つて弾性スト
   ランドを延伸状態で重合して弾性ストランドとウ
   エブとを断続的に接着し、次いで、弾性ストラン
   ドの非接着部分において、非弾性ウエブを案内部
   材に支持させる一方で弾性ストランドを解放して
   弛緩させ、弾性ストランドを非弾性ウエブから分
   離させた状態で弾性ストランドのみを切断するこ
   とを特徴とする弾性ストランドの断続的取付け方
   法。 ２ 長尺ウエブを供給する手段と、ウエブの送り
   方向に沿つて間歇的に接着剤を塗布する手段と、
   弾性ストランドを延伸状態で供給するとともにウ
   エブの上記間歇的接着剤上に導く手段と、ウエブ
   に対して弾性ストランドを押圧する手段と、該押
   圧手段の下流側に設けられ、ウエブの実質的部分
   を案内支持する部分と弾性ストランドの通り路上
   に形成した切欠部分とを有し、ウエブの実質的部
   分を支持するとともに弾性ストランドの弛緩を許
   し、それによつて上記ウエブの接着剤非塗布部分
   においてウエブと弾性ストランドを分離させる案
   内手段と、分離された弾性ストランドのみを切断
   する手段とを備えたことを特徴とする弾性ストラ
   ンドの断続的取付け装置。