JPH0453493Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、流体圧または真空圧利用の産業機械
に使用するポペツト形方向切換弁に関するもので
ある。

［従来の技術］ 本考案の考案者は、成形時の金型からの離脱を
容易にするとともに、弁棒上の凸部から外れない
ように被着可能とした弁体を有するポペツト形方
向切換弁を、実開昭63−106966号公報によつて提
案した。

上記既提案の方向切換弁は、第５図に示すよう
に、弁本体１に対向して形設した弁座２，３間を
摺動する弁棒４に、凸部４ａと、該凸部両端の弁
棒自体を細径化した第１凹部４ｂ，４ｂと、凸部
４ａの中央部の第１凹部４ｂよりも内径の大きい
第２凹部４ｃとをそれぞれ周設し、上記凸部４ａ
に被着する弁体を、第２凹部４ｃの両端に被着す
る弁体５ａと５ｂに２分し、これらの弁体５ａ，
５ｂを、第１凹部４ｂと共通の第２凹部４ｃに嵌
着する第１係止部６ａ及び第２係止部６ｂを備え
たものとして構成している。

上記既提案の方向切換弁は、凸部４ａに被着す
る弁体を５ａと５ｂに分割し、各弁体５ａ，５ｂ
を、第１凹部４ｂ及び第２凹部４ｃに嵌着する第
１係止部６ａ及び第２係止部６ｂを備えたものと
して、それぞれ一体に形成したことにより、弁体
５ａ，５ｂの第２係止部６ａ，６ｂを細径化し
て、成形時の型からの抜出しが容易であり、かつ
凸部４ａから外れることを防止することができ
る。

しかしながら、上記既提案の弁体は、シール部
の流体圧による変形についての配慮に欠けるた
め、図におけるＡ側部分の流体圧がＢ側部分の流
体圧よりも大きい場合に、シール部がＢ側部分に
変形してリークすることがある。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案が解決しようとする課題は、外れない状
態で弁棒に被着できる弁体において、その変形に
よるリークを防止することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記課題を解決するため、本考案のポペツト形
方向切換弁は、複数のポートを有する弁本体内
に、弁座に接離してポート間の流路を切換えるた
めの弾性材よりなる弁体を有する弁棒を、摺動可
能に支持させてなるポペツト形方向切換弁におい
て、上記弁棒が、上記弁座に対応する位置に形設
した凸部と、該凸部の弁座側の上記弁体のシール
部を支承するための肩部と、該肩部と凸部両側の
第１凹部及び第２凹部とを備え、上記凸部と肩部
に被着する弁体が、上記シール部の両側に第１及
び第２凹部に嵌着する第１及び第２係止部を備え
ていることを特徴としている。

［作用］ 弁棒上に形設した凸部と肩部とに被着する弁体
をシール部の両側に第１凹部及び第２凹部に嵌着
する第１係止部及び第２係止部を備えたものとし
たので、弁体を弁棒に外れないように被着するこ
とができる。

また、弁棒上の凸部の弁座側に設けた肩部が、
シール部を支承するので、流体圧によるシール部
の変形に伴うリークを防止することができる。

［実施例］ 第１図及び第２図は、方向切換弁を３ポート弁
とした本考案の第１実施例を示し、この方向切換
弁における弁本体１０は、第１ポート１１、第２
ポート１２及び第３ポート１３を備え、これらの
ポートは、弁本体に開設した弁孔１４によつて相
互に連通し、該弁孔１４は、第２ポート１２との
交叉部に拡径した弁座１５を有し、弁室１５の対
向位置に、第１ポート１１に通じる第１弁座１６
と第３ポート１３に通じる第２弁座１７を形設し
ている。

弁棒２１は、電磁部１８の励磁による押棒１８
ａの押圧と復帰ばね１９の付勢力とによつて弁孔
１４内を摺動するもので、その両端外周にシール
部材２２，２２を嵌着し、弁座１６，１７間に凸
部２３が、該凸部２３の弁座側に凸部より小径の
肩部２４，２４と弁棒自体を細径化した第１凹部
２５，２５が、凸部２３の中央部に第２凹部２６
が、それぞれ周設されている（第２図参照）。

上記凸部２３と肩部２４に被着する弁体２７，
２７は、弁座１６，１７に接離してそれらを開閉
する合成ゴム等の弾性材からなり、凸部２３と肩
部２４の外形に一致する形状を有するシール部２
７ａと、該シール部２７ａの両側に一体に形成し
た第１係止部２７ｂ及び第２係止部２７ｃを備
え、第１係止部２７ｂを第１凹部２５に、第２係
止部２７ｃを共通の第２凹部２６にそれぞれ嵌着
することにより、凸部２３と肩部２４に被着して
いる。

そして、上記第２係止部２７ｃの内径は、成形
時の型からの抜出しが可能な範囲内で細径化して
いる。

上記弁体２７は、シール部２７ａの両側に形設
した第１係止部２７ｂと第２係止部２７ｃが、そ
れぞれ第１凹部２５と第２凹部２６に嵌着してい
るので、外力を受けても凸部２３と肩部２４から
外れるようなことはなく、特に、両弁体の第２係
止部２７ｃ，２７ｃが共通の第２凹部２６に嵌着
するので、第２係止部に７ｃの内径が多少大きく
ても、第２係止部相互の干渉によつて、第２凹部
２６からの抜出しが効果的に防止できる。

また、弁棒上の凸部２３の弁座側２１に、弁体
２７にシール部２７ａを支承する肩部２４を設け
たことにより、弁体２７に第２ポート３２の流体
圧（第２図の実線矢印参照）が作用しても、肩部
２４がシール部２７ａを支承して、シール部２７
ａの変形によるリーク（第２図の点線矢印参照）
を防止することができる。したがつて、方向切換
弁をより広い圧力範囲において使用することがで
き、かつ流体の流れ方向が自由になる。

第３図は方向切換弁を５ポート弁とした本考案
の第２実施例を示し、この方向切換弁における弁
本体３０は、圧力流体の入口ポート３１、出力ポ
ート３２，３２及び排出ポート３３，３３を備
え、これらのポートは、弁本体に開設した弁孔３
４によつて相互に連通し、該弁孔３４には、出力
ポート３２，３２と入力ポート３１を連通させる
通路中の供給弁座３６，３６と、出力ポート３
２，３２と排出ポート３３，３３を連通させる通
路中の排出弁座３７，３７を、それぞれ形設して
いる。

上記弁孔３４に挿入する弁棒４１は、その両端
外周にシール部材２２，２２を嵌着し、供給弁座
３６，３６に対応する位置に凸部２３，２３が、
該凸部２３の弁座側に凸部より小径の肩部２４，
２４と弁棒自体を細径化した第１凹部２５，２５
が、凸部２３，２３の内側に第２凹部２６，２６
がそれぞれ周設され、また、排出弁座３７、３７
に対応する位置に、フランジ状支持部４３，４３
とその内側の嵌合凹部４４，４４とが周設されて
いる。

上記凸部２３と肩部２４に被着する弁体２７，
２７は、供給弁座３６，３６に接離してそれらを
開閉するもので、第１実施例の弁体と同一の構成
を備え、排出弁座３７，３７を開閉する排出弁体
４７は、フランジ状支持部４３に支承されて弁座
３７に接離するシール部と、嵌合凹部４４に嵌合
する嵌着部とを備え、弁体２７と同様に弾性材で
形成されている。

上記第２実施例における弁体２７の作用は、第
１実施例と同じであり、排出弁体４７は、シール
部に作用する流体圧がフランジ部４３で支持され
ることにより、排出弁座３７を確実にシールす
る。

なお、図示の実施例は、いずれも弁棒２１，４
１を電磁部１８によつて駆動するものであるが、
上記弁棒は、流体圧、機械的操作力等によつて駆
動することもできる。

第４図Ａ及びＢは、上記弁棒及び弁体の変形例
を示し、第４図Ａにおける弁棒５０の第２凹部５
１は、底面が若干凹面に形設され、弁体５３の第
２係止部５３ｃは、この凹面に沿う屈曲部５３ｄ
を備えている。また、第４図Ｂにおける弁棒５５
の第２凹部５６は、第１凹部２５と略同一径に形
成され、弁体５８の第２係止部５８ｃは、第２凹
部５６の底面に当接している。

弁体５０，５５における凸部２３、肩部２４、
第１凹部２５、及び弁体５３，５８におけるシー
ル部５３ａ，５８ａ、第１係止部５３ｂ，５８ｂ
の各構成、並びにこれら相互の関係は、上記弁棒
２１及び弁体２７と同じである。

［考案の効果］ 本考案のポペツト形方向切換弁は、弾性材で形
成した弁体を、弁棒に形設した第１、第２凹部に
係止する第１，第２係止部を備えたものとして一
体に形成したことにより、弁棒に外れないように
被着できる。

また、弁棒状の凸部の弁座側に、弁体のシール
部を支承するための肩部を設けたことにより、流
体圧によつて弁体のシール部が変形しないので、
弁体の変形によるリークを防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例の縦断面図、第２
図は同上要部の拡大断面図、第３図は第２実施例
の縦断面図、第４図は弁棒と弁体の変形例を示す
要部の拡大断面図、第５図は既提案の方向切換弁
の要部を示す縦断面図である。 １０，３０……弁本体、１１，１２，１３，３
１，３２，３３……ポート、１６，１７……弁
座、２１，４１，５０，５５……弁棒、２３……
凸部、２４……肩部、２５……第１凸部、２６，
５１，５６……第２凹部、２７，５３，５８……
弁体、２７ａ，５３ａ，５８ａ……シール部、２
７ｂ，５３ｂ，５８ｂ……第１係止部、２７ｃ，
５３ｃ，５８ｃ……第２係止部、３６……供給弁
座。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 複数のポートを有する弁本体内に、弁座に接離
   してポート間の流路を切換えるための弾性材より
   なる弁体を有する弁棒を、摺動可能に支持させて
   なるポペツト形方向切換弁において、 上記弁棒が、上記弁座に対応する位置に形設し
   た凸部と、該凸部の弁座側の上記弁体のシール部
   を支承するための肩部と、該肩部と凸部両側の第
   １凹部及び第２凹部とを備え、 上記凸部と肩部に被着する弁体が、上記シール
   部の両側に上記及び第２凹部に嵌着する第１及び
   第２係止部を備えている、 ことを特徴とするポペツト形方向切換弁。