JPH0453008Y2

JPH0453008Y2 -

Info

Publication number: JPH0453008Y2
Application number: JP7567087U
Authority: JP
Priority date: 1987-05-19
Filing date: 1987-05-19
Publication date: 1992-12-14
Also published as: JPS63185259U

Description

【考案の詳細な説明】＜産業上の利用分野＞本考案は、電圧印加により一方向に湾曲し、ド
ツトプリンター、パーツフイーダー、レーザー光
線の偏光ミラー等種々の駆動源として利用される
圧電駆動体に適用するための圧電積層体に関す
る。

＜従来技術＞圧電素子を一枚又は二枚使用し、その上下面に
形成した電極層に電圧を印加して、その自由端に
湾曲作動を生じさせる圧電駆動体は、ユニモルフ
又はバイモルフと呼称され、公知である。

かかる圧電駆動体は、片持支持または両端支持
形式で使用されるが、その変位量は圧電素子の分
極方向によつて大きく異なる。

すなわち、厚み方向に分極した圧電素子を使用
する圧電駆動体にあつて、片持支持の場合、その
自由端の変位量δは、自由長ｌ、総厚みｔ、印加
電圧Ｖ、圧電定数d₃₁としたとき、 δ＝３／２（ｌ／ｔ）²・Ｖ・d₃₁ で表される。

また、長さ方向に分極した圧電素子を使用した
圧電駆動体の変位量は、前式において、圧電定数
d₃₁を圧電定数d₃₃に変更すればよく、 δ＝３／２（ｌ／ｔ）²・Ｖ・d₃₃ で表される。

ところでこの圧電定数d₃₃は、圧電定数d₃₁の２
〜３倍の値を有する。このことから長さ方向に分
極した圧電素子を使用した方が変位量の大きい圧
電駆動体を得ることができることが理解される。

そこで圧電定数d₃₃のモードを利用して、振巾
を大きくしたものとして、複数の圧電層を、その
分極方向を交互に異ならせながら内部電極を介し
て積層し、かつその両側面に各内部電極と交互に
電気的に接続する外部電極を形成して矩形基板を
構成した、内部電極間の各圧電層に、外部電極か
ら並列的に電圧印加し、その伸縮方向と、分極方
向とを一致させるようにしたものが提案された。

＜考案が解決しようとする問題点＞かかる構成にあつて、圧電層に電圧印加を施し
て、積層体を伸縮させる際に、外部電極は伸縮性
が無いから、積層体の伸縮を阻害する抵抗として
作用する。

本考案は、この外部電極による影響を可及的に
除去し、積層体が効率的な伸縮駆動を生じ得るよ
うにすることを目的とするものである。

＜問題点を解決するための手段＞本考案は、複数の圧電層を、その分極方向を交
互に異ならせながら内部電極を介して積層し、か
つその両側面に各内部電極と交互に電気的に接続
する外部電極を形成してなるものにおいて、その両側縁に薄肉部を形成して、前記外部電極
を小幅としたことを特徴とするものである。

＜作用＞積層体の両側縁のみを薄肉とし、圧電層が減量
されることを可及的に阻止しながら、外部電極を
小幅としたものであり、このため、外部電極の抵
抗により影響が減少する。

＜実施例＞第１，２図について本考案の第一実施例を説明
する。

Ａは、アルミナ、部分安定化ジルコニア、チツ
化圭素等の高強度のセラミツク板からなる絶縁性
支持板２上に、同形の圧電積層体１を貼着してな
るユニモルフ構造の圧電駆動体を示す。ここでこ
の圧電積層体１は、矩形基板４の両側面に外部電
極７ａ，７ｂを配設してなるものである。

前記矩形基板４は、チタン酸ジルコン酸鉛等か
らなる矩形状圧電磁器基材を横断して複数の内部
電極６ａ，６ｂを該基材の一側面と他側面とに交
互に一端が露出するように配設してなり、基材５
と内部電極６ａ，６ｂとは一体焼成される。そこ
で、この内部電極６ａ，６ｂは、圧電磁器基材と
一体焼成することが可能な材料が選ばれ、焼成温
度よりも融点が高い銀−パラジウム合金、モリブ
デン、マンガン、白金等が供され得る。

そして、矩形基板４の両側面に外部電極７ａ，
７ｂを配設することにより、内部電極６ａの露出
端が外部電極７ｂと接続され、内部電極６ｂの露
出端が外部電極７ｂと接続され、これにより、電
極６ａ，７ａと、電極６ｂ，７ｂとは、互いに噛
み合い、各内部電極６ａ，６ｂ間に圧電層８が形
成される。この圧電層８は、外部電極７ａ，７ｂ
に直流電圧を印加することにより、交互に異つた
方向へ分極処理されることとなる。

次に本考案の要部について説明すると、前記圧
電積層体１の両側縁には薄肉部１０，１０が形成
され、このため外部電極７ａ，７ｂは小幅となつ
ている。前記薄肉部１０，１０は焼成前の生の状
態のときに所要形状に成形することにより設けて
もよく、焼成後に両側端をえぐり取つて設けても
よい。

尚、外部電極７ａ，７ｂが小幅となることによ
り、導電路を安定して確保し難くなる恐れがあ
る。そこで、第１図に示すように、支持板２の両
側に、前記外部電極７ａ，７ｂに重ねて導電塗料
を塗着し、副電路１１，１１を形成するようにし
てもよい。そしてかかる副電路１１，１１の適宜
位置にリード線１４，１４が接続されることとな
る。

さらにまた第２図に示すように、支持体２の両
側上縁に導電帯１２，１２をあらかじめ形成し、
前記圧電積層体１を支持板２に乗載した状態で、
外部電極７ａ，７ｂが導電帯１２，１２と接続し
て、充分な導電路を確保し得るようにしてもよ
い。尚、この場合には外部電極７ａ，７ｂと導電
帯１２，１２との電気的接続を確保するために、
外部電極７ａ，７ｂを下面側へ延成して接続代１
３を形成する必要がある。

また前記支持板２の側面には、導電帯１２，１
２と連続する接合代１５，１５が形成され、これ
に所要のリード線１４，１４が接続さて外部電極
７ａ，７ｂへの給電処理が施される。

尚、第１，２図の副電路１１，１１と導電帯１
２，１２とは、これを連成して支持板２の両側部
に配設するようにしてもよい。

第３図は上述の圧電積層体１を二枚用いて、バ
イモルフ型の圧電駆動体Ｂを構成したものであ
る。

この場合には、セラミツク板からなる支持板１
６を介して面接合し、上下の圧電積層体１，１の
伸張及び伸縮タイミングが異なる回路構成を適用
する。そしてこれにより圧電積層体１，１は周波
数に対応した逆タイミングの伸縮運動をし、その
伸張側への湾曲振動を生じる。

尚、各支持板２，１６は、所要の絶縁処理を施
して金属板を適用することもできる。また副電路
１１，１１及び導電帯１２，１２は第３図のよう
に必ずしも設ける必要はない。

上述の圧電駆動体Ａ，Ｂは、ドツトプリンタ
ー、パーツフイーダー、レーザー光線の偏光ミラ
ー、VTRの磁気ヘツド、微動制御装置等大きな
トルクを要する駆動源として最適となる。

＜考案の効果＞本考案は、上述のように、圧電定数d₃₃のモー
ドにより伸縮する圧電積層体１を構成するにあた
り、その両側に薄肉部１０，１０を形成して、伸
縮性の無い外部電極７ａ，７ｂによる伸縮方向へ
の抵抗を減少させたから、圧電積層体１の伸縮を
効率的に施すことができ、駆動力が向上する等の
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の圧電積層体１を適用したユニ
モルフ型圧電駆動体Ａの斜視図、第２図は導電帯
１２，１２を形成した支持体２を適用した場合の
分離斜視図、第３図は本考案の圧電積層体１，１
を適用したバイモルフ型圧電駆動体Ｂの斜視図で
ある。Ａ，Ｂ……圧電駆動体、１……圧電積層体、２
……支持板、４……矩形基板、６ａ，６ｂ……内
部電極、７ａ，７ｂ……外部電極、８……圧電
層、１０，１０……薄肉部、１１……副電路、１
２，１２……導電帯。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】複数の圧電層を、その分極方向を交互に異なら
せながら内部電極を介して積層し、かつその両側
面に各内部電極と交互に電気的に接続する外部電
極を形成してなるものにおいて、その両側縁に薄肉部を形成して、前記外部電極
を小幅としたことを特徴とする圧電積層体。