JPH0452109Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は車速を制御するための装置に関し、特
に運転者の労力を軽減し得る車速制御装置に関す
る。

〈従来の技術〉 従来から、車輌の走行速度を一定に保つための
定速走行装置が種々公知となつており、定速走行
時にはアクセルペダルの操作が不要となるため
に、運転者の労力を軽減することができる。

しかしながら、このような定速走行装置によれ
ば、運転者はアクセルペダルの操作により車輌を
定速走行状態にした後にセツトスイツチを投入し
て車速を一定に維持するものであるため、走行条
件によつては、ブレーキペダルを踏む必要が生ず
るなどして定速走行状態を解除した場合には、再
び加速を行ない定常速度に達した後、再びセツト
スイツチを投入することとなり、特に目標速度が
比較的頻繁に変化する場合には、定常走行装置の
便利さが損われる場合がある。

前回にセツトされた車速を記憶しておいて、リ
ジウムスイツチを押すことにより前回の目標値を
再現することが知られているが、目標値が種々変
化するような場合には定常走行装置の操作が比較
的繁雑になる不都合があつた。

即ち、従来の定速走行装置に於ける走行速度の
設定は、上記の如く、設定したい速度に実車速が
到達しないとできない。ところが、アクセルペア
ルの踏み込み速度と車輌の実加速度とは、エンジ
ンレスポンスの程度によつて必ずしも一致するも
のではない。従つて、実車速と目標車速との差が
大きい場合には、実車速と目標車速と一致するま
でに時間がかかるため、それだけ長時間アクセル
ペダルを踏み続ける必要があつた。

〈考案が解決しようとする問題点〉 このような従来技術の欠点に鑑み、本考案の主
な目的は、目標車速を比較的頻繁に変化させた場
合でも、極めて簡単に対処することのできる車速
制御装置を提供することにある。

〈問題点を解決するための手段〉 このような目的は、本考案によれば、実車速を
検出しかつそれを表示する手段と、目標車速を設
定する手段と、実車速を前記目標車速に略等しく
なるようにエンジンの燃料供給装置を制御する手
段とを備える車速制御装置に於いて、前記目標車
速を設定する手段を、アクセルペダルの変位量を
検出する手段と、前記検出したアクセルペダルの
変位量に基づいて設定された目標車速を固定する
手段と、前記目標車速を表示する手段とを含むも
のにすると共に、前記エンジンの燃料供給装置を
制御する手段を、前記目標車速設定時に於けるア
クセルペダルの踏み込み速度に対応して前記実車
速を前記目標車速に接近させるための加速度を調
節可能なものにしたことを特徴とする車速制御装
置を提供することにより達成される。

〈作用〉 このように、アクセルペダルの変位量に対応し
て目標車速を変化させ、しかも目標車速を速度計
に表示すれば、運転者は、目標車速と実車速との
差を直接的に把握することができるため、車速を
運転者の意のままに制御することが可能となる。
しかも、アクセルペダルを急速に踏み込んで車速
設定をすばやく行えばエンジンの最大出力で加速
し、アクセルペダルをゆつくりと踏み込んで車速
設定を緩慢に行えば、相応の緩加速で目標車速へ
実車速が近づくようになる。このようにして、実
車速が目標車速に達する前に目標車速を固定して
アクセルペダルの操作を不要とすることができる
ため、目標車速が比較的短時間の間に種々変化す
る場合でも、車速制御の操作が何等繁雑化するこ
とがない。

〈実施例〉 以下に添付の図面を参照して本考案を特定の実
施例について詳細に説明する。

第１図は本考案に基づく車速制御装置の機能的
構成を示すブロツク図である。

本考案に基づく車速制御装置は入出力回路
（Ｉ／Ｏ）を備えるCPU１からなつている。イグ
ニツシヨンスイツチ２が投入されている間は、
CPU１には電源３からの電力が供給される。ア
クセルペダル４の踏込みストロークは、ポテンシ
オメータなどからなる変位計により検出され、ア
クセルペダル４の踏込みストロークに対応する信
号がCPU１に常時供給される。このアクセルペ
ダルの踏込みストロークに対応する信号は、
CPU１を経て速度計５に於て目標車速として表
示される。この際、アクセルペダルの踏み込み速
度を加味して目標車速が設定されるようにすると
良い。一方実車速は、動力伝達装置６に設けられ
た速度センサにより検出されてCPU１に供給さ
れ、更に速度計５に於て実車速として表示され
る。

またエンジン７に於ける吸気管負圧及びエンジ
ンの回転速度がCPU１に入力され、このような
エンジン７の作動条件に基づき、実車速を目標車
速に近付けるように燃料供給信号を燃料供給装置
８に供給し、所要の車速の増減を行なうように燃
料供給装置８を制御する。この時のエンジンの回
転速度の増大速度は、目標車速の増大速度と同様
に、アクセルペダル４の踏込みストロークばかり
でなく、アクセルペダル４の踏込み速度にも依存
するようしておくと良い。

更にセツトスイツチ９を投入すると、目標車速
がそのまま保持され、アクセルペダル４を放して
も目標車速が一定に保持される。従つて一般的な
定速走行状態が実現することとなる。

このようにして定速走行状態にある時に、例え
ばブレーキを踏むことによりブレーキスイツチ１
１が閉じた場合には、定速走行状態が解除され、
目標車速が再びペダルの踏込みストロークにより
支配されるようになる。尚、符号１２はブレーキ
ランプを示している。CPU１に所要の記憶手段
を備えておけば、前回に固定された目標車速を記
憶しておいて、リジウムスイツチ１０を投入する
ことによりこの固定目標車速を再現することがで
きる。

第２図は第１図に示された速度計５を詳細に示
すもので、実車速を示す指針１３に加えて、目標
車速を表示するための補助指針１４が同軸的に備
えられている。

第３図は別の実施例を速度計１５を示すもの
で、通常の実車速を示す指針１３に加えて、例え
ばLCD等からなる表示素子により目標車速をデ
イジタル表示するための窓１６が設けられてい
る。

次に本考案の作動の要領について説明する。

通常の走行状態にあつては、アクセルペダル４
の踏込みの度合に応じて目標車速が速度計５に表
示されることとなり、アクセルペダルを緩慢に踏
込めば、実車速が目標車速に徐々に接近し、その
様子が速度計５により明瞭に表示される。アクセ
ルペダル４を急激に踏込めば、目標車速が急激に
増大し、実車速は、エンジンの加速性能に応じた
速度で目標車速に接近し、同じくその様子が速度
計５により明瞭に示される。

目標車速を一定に保持したい場合には、セツト
スイツチ９を押せば、目標車速がそのまま固定さ
れてアクセルペダル４の踏込み運動に依存しなく
なり、定速走行状態が実現する。このような場合
に、セツトスイツチ９を短時間、例えば0.2〜0.5
秒間投入した場合に、目標車速を1.5Km／ｈ増大
させ、リジウムスイツチ１０を短時間投入した場
合には、目標車速を1.5Km／ｈ減少させるように
すると目標車速の微妙な調節が可能となる。

定速走行時に、例えばブレーキを操作すると、
定常走行状態が解除され、目標車速はペダルの踏
込みストロークに支配されるようになる。従つて
運転者はアクセルペダル４を適宜操作して新たな
目標車速を設定することとなり、新たな目標車速
を維持したい場合には、再びセツトスイツチ９を
投入すれば良い。定速走行状態を解除した後に、
再び同一の目標車速を再現したい場合には、リジ
ウムスイツチ１０を投入すれば良い。

〈考案の効果〉 このように本考案によれば、アクセルペダルの
踏込みストロークに応じて目標車速が表示され、
運転者に対して有用な情報が提供されるばかりで
なく、定速走行状態を実現するために、定常走行
状態に達する前の加速時に目標車速を固定するこ
とができ、定常走行状態に達するまで待つ煩わし
さが解消される。また、アクセルペダルの踏み込
み速度に対応して実車速を目標車速に接近させる
ための加速度を調節可能なものにしたので、アク
セルペダルを急速に踏み込んで車速設定をすばや
く行えばエンジンの最大出力で加速し、アクセル
ペダルをゆつくりと踏み込んで車速設定を緩慢に
行えば、相応の緩加速で目標車速へ実車速が近づ
くようになる。更に、リジウムスイツチなどによ
り前回の目標車速を再現する場合でも、それが速
度計に表示するため、運転者にとつて意外な目標
車速が設定される不都合が解消され、定速走行装
置の使用性が改善される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に基づく速度制御装置の機能的
構成を示すブロツク図である。第２図は第１図の
速度計５を詳細に示す正面図である。第３図は速
度計の異なる実施例を示す正面図である。 １……CPU、２……イグニツシヨンスイツチ、
３……電源、４……アクセルペダル、５……速度
計、６……動力伝達装置、７……エンジン、８…
…燃料供給装置、９……セツトスイツチ、１０…
…リジウムスイツチ、１１……ブレーキスイツ
チ、１２……ブレーキランプ、１３……指針、１
４……補助指針、１５……速度計、１６……窓。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 実車速を検出しかつそれを表示する手段と、目
   標車速を設定する手段と、実車速を前記目標車速
   に略等しくなるようにエンジンの燃料供給装置を
   制御する手段とを備える車速制御装置に於いて、 前記目標車速を設定する手段を、アクセルペダ
   ルの変位量を検出する手段と、前記検出したアク
   セルペダルの変位量に基づいて設定された目標車
   速を固定する手段と、前記目標車速を表示する手
   段とを含むものにすると共に、 前記エンジンの燃料供給装置を制御する手段
   を、前記目標車速設定時に於けるアクセルペダル
   の踏み込み速度に対応して前記実車速を前記目標
   車速に接近させるための加速度を調節可能なもの
   にしたことを特徴とする車速制御装置。