JPH0450933Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は農薬や肥料等の被散布剤を散布する防
除機の散布状況を表示する散布状況表示器に関す
るものである。

〔従来の技術〕

従来から農薬や肥料等を散布する防除機は種々
提供されているが、散布作業の効率化を図つた比
較的大型の防除機にあつては、後部に多数の噴射
ノズルを備え、該各噴射ノズルから被散布剤を散
布する構成とされており、走行しつつ被散布剤を
散布するようになつている（例えば、実公昭61−
7822号公報参照）。そして、かかる防除機は、走
行形式の相違によつて、防除機自体が走行できる
ように構成された自走型のもの、トラクター等に
牽引されるように構成された牽引型のもの、トラ
クター等の後部に搭載されるように構成された搭
載型のもの等が提供されている。また、被散布剤
を散布する対象の相違によつて、前記多数の噴射
ノズルが下面を除き円形状に配設された果樹園等
の立木に散布する立木用のもの、前記多数の噴射
ノズルが両側又は片側に突出自在のブームに沿つ
て直線状に配設された、地面に栽培された野菜等
に散布する地上用のもの等が提供されている。

これらの防除機によつて散布作業を行う際に
は、作業者は前部の運転者に座つて防除機自体又
はトラクター等を運転して走行させるものである
が、従来、作業者が進行方向である前方を向いた
ままで後部に設けられた多数の噴射ノズルからの
被散布剤の散布状況を知る手段がなかつた。この
ため、作業者は散布作業中に被散布剤の散布状況
を知ろうするときにはいちいち後を振向いて噴射
ノズルの方を見なければならず、不便であるとと
もに、よそ見運転して防除機自体又はトラクター
等を走行させることになるので非常に危険でひい
ては人身事故につながるおそれがある欠点があつ
た。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案は前記従来技術の欠点を除去するもの
で、作業者がいちいち後を振向いて噴射ノズルの
方を見なくても前方を向いたままで噴射ノズルか
らの被散布剤の散布状況を知ることができる防除
機の散布状況表示装置を提供しようとするもので
ある。

〔課題を解決するための手段〕 本考案は前記課題を解決するため、後部に多数
の噴射ノズルを備え、該各噴射ノズルから被散布
剤を散布する防除機において、前記各噴射ノズル
に対応してそれぞれ設けられた被散布体の散布状
況を検出する検出手段と、作業者の面前の適位置
に設けられた表示器と、前記検出手段の出力信号
に基づいて前記表示器に散布状況に応じた表示を
表示せしめる信号処理回路とから構成したもので
ある。

〔作用〕

本考案によれば、各噴射ノズルに対応してそれ
ぞれ設けられた検出手段によつて各噴射ノズルご
との散布状況が検出されるものである。そして、
該検出手段の出力信号に基づいて信号処理回路に
より表示器に散布状況に応じた表示が表示される
ものである。したがつて、表示器が作業者の面前
の適位置に設けられいることから、作業者は散布
作業中に従来の如くいちいち後を振向いて噴射ノ
ズルの方を見なくても前記表示器を見るだけで散
布状況を知ることができ、便利であるとともに、
よそ見運転して防除機自体又はトラクター等を走
行させることがなく安全である。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例に基づいて本考案を説
明する。

第１図は本考案の散布状況表示装置ａを搭載し
た防除機ｂの斜視図である。この防除機ｂは立木
用の自走型として構成されており、第１図におい
て、１は前部に設けられた運転席、２は運転操作
部、３は中央部に設けられた農薬や肥料等の被散
布剤を収納する大容量の収納タンクである。ま
た、４は該収納タンク３の後方に配設された多数
の噴射ノズルで、下面を除く周面に円形状に配設
されており、各噴射ノズル４から被散布剤が散布
されるようになつている。なお、５は前記噴射ノ
ズル４の後側に設けられた被散布剤を噴霧するた
めの送風用のフアン、６は下部に設けられた車輪
である。

したがつて、この防除機ｂにより散布作業を行
う場合には、作業者が運転席１に座つて運転操作
部２を操作して防除機ｂを前方へ走行させつつ、
前記噴射ノズル４から農薬等の被散布剤を散布す
ればよく、これにより被散布剤が下面を除いて放
射状に散布されて果樹園等の立木に散布されるも
のである。

もつとも、本考案の散布状況表示装置ａは、立
木用の自走型の防除機に限らず、地上用や牽引
型、搭載型等の防除機に搭載してもよいものであ
る。

第２図には本考案の散布状況表示装置ａの概略
構成を示すブロツク図を示してある。同図におい
て、７は前記各噴射ノズル４に対応してそれぞれ
設けられた被散布剤の散布状況を検出する検出手
段、８は作業者の面前の適位置に設けられた表示
器、９は前記各検出手段７の出力信号に基づいて
前記表示器８に散布状況に応じた表示を表示せし
める信号処理回路である。

前記検出手段７として、例えば圧力センサが用
いられ、前記各噴射ノズル４の内部又はその噴射
口付近に設けられる。したがつて、噴射ノズル４
から適正な被散布剤の散布が行われていれば圧力
センサは所定圧力を受けて例えばオン信号を出力
し、何らかの原因で噴射ノズル４が詰まる等によ
り噴射ノズル４から被散布剤の散布が行われない
か又はその散布量が減つた場合には圧力センサが
受ける圧力が減つてオフ信号を出力することとな
り、被散布剤の散布状況を検出することができる
ものである。なお、前記圧力センサは受ける圧力
に応じてオン・オフの信号を出力するものに限ら
ず、その圧力に応じたレベルの信号を出力するも
のであつてもよいことは勿論である。なお、この
事情は後述の流量計等についても同様である。

また、前記検出手段７として流量計を用いるこ
ともでき、その場合には各流量計を、被散布剤の
通路となるパイプのうち各噴射ノズル４にそれぞ
れ連結されている分岐部分にそれぞれ設ければよ
いものである。この場合には、被散布剤の散布状
況が前記分岐部分を通る被散布剤の流量として検
出されるものである。

さらに、前記検出手段７として湿度センサを各
噴射ノズル４の噴射口付近に設けてもよいもので
ある。この場合には、各噴射ノズル４から適正な
被散布剤の散布が行われていれば噴射口付近の湿
度が高くなるとともに、そうでなければ噴射口付
近の湿度が低くなることに基いて、被散布体の散
布状況が検出されるものである。

なお、前記検出手段７は前記圧力センサ、流量
計、湿度センサの他、機械的、電気的、磁気的あ
るいは光学的等の他の種々の手段を用いることが
できるものである。

また、前記表示器８は作業者の面前の適位置、
例えば前記運転席１の前方のパネル部に設けられ
るものである。該表示器８の具体例を第３図に示
してある。この場合には、表示器８は各噴射ノズ
ル４に対応したLCD８ａ等が各噴射ノズル４の
配置に対応して半円状に配置して構成されてお
り、作業者は被散布体の散布状況を認識しやすく
なつている。

さらに、前記信号処理回路９は、表示器８とし
て第３図示のものが使用された場合には、前記各
検出手段７の信号に基づいて、適正に被散布剤が
散布されている噴射ノズル４に対応したLCD８
ａ等を点灯されるとともに、適正に被散布剤が散
布されていない、すなわち散布量が減つたり全く
散布されていない噴射ノズル４に対応したLCD
８ａ等を消灯させるように構成されるものであ
る。かかる信号処理回路９の具体的な回路構成に
ついては明白であるのでその説明は省略する。

なお、前記第３図示の表示器８では各噴射ノズ
ル４ごとに適正に散布されているか否かが表示さ
れるにとどまるものであるが、各噴射ノズル４ご
とに散布量のレベルを表示できるように表示器８
を構成してもよいものである。その場合には、例
えば各噴射ノズル４に対応してそれぞれ複数の
LCDパターンを設け、散布量のレベルに合わせ
て点灯させるLCDパターンの個数を変えればよ
いものである。

前記構成の本考案によれば、各噴射ノズル４に
対応してそれぞれ設けられた検出手段７によつて
各噴射ノズル４ごとの散布状況が検出されるもの
である。そして、該検出手段７の出力信号に基づ
いて信号処理回路９により表示器８に散布状況に
応じた表示が表示されるものである。すなわち、
第３図示の表示器８の場合には、例えば、各噴射
ノズル４から適正に被散布剤が散布されていると
きには第３図ａの如くすべてのLCD８ａ等が点
灯し、何らかの理由で左側の下から２番目及び右
側の下から４番目の噴射ノズル４が支障をきたし
てこれらから被散布剤が散布されないときには第
３図ｂの如く対応したLCDパターン８ａが消灯
するとともに他のLCDパターン８ａは点灯する
ものである。したがつて、表示器８が作業者の面
前の適位置に設けられいることから、作業者は散
布作業中に従来の如くいちいち後を振向いて噴射
ノズル４の方を見なくても前記表示器８を見るだ
けで散布状況を知ることができ、便利であるとと
もに、よそ見運転して防除機を走行させることが
なく安全である。

なお、前述の如く被散布剤の散布状況に異常が
あつた場合には、作業者は直ちに作業を中止して
異常箇所の点検及び修理をすることができるもの
である。

なお、ブザー等の聴覚的手段を追加して、散布
状況に異常があつた場合に該ブザー等を鳴らすよ
うにすれば、視覚的、聴覚的な警報となり一層便
利である。

〔考案の効果〕

本考案によれば、防除機によつて散布作業を行
う場合に、作業者はいちいち後を振向いて噴射ノ
ズルの方を見なくても前方を向いたままで噴射ノ
ズルからの被散布剤の散布状況を知ることがで
き、便利であるとともに、よそ見運転して防除機
自体又はトラクター等を走行させることがなく安
全である効果が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は防除機の斜視図、第２図は本考案の概略構成を
示すブロツク図、第３図は表示器の具体例を示す
正面図である。 ４……噴射ノズル、７……検出手段、８……表
示器、９……信号処理回路、ａ……散布状況表示
装置、ｂ……防除機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 後部に多数の噴射ノズルを備え、該各噴射ノズ
   ルから被散布剤を散布する防除機において、前記
   各噴射ノズルに対応してそれぞれ設けられた被散
   布体の散布状況を検出する検出手段と、作業者の
   面前の適位置に設けられた表示器と、前記検出手
   段の出力信号に基づいて前記表示器に散布状況に
   応じた表示を表示せしめる信号処理回路とからな
   ることを特徴とする防除機の散布状況表示装置。