JPH0450887B2 - - Google Patents
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- JPH0450887B2 JPH0450887B2 JP58182411A JP18241183A JPH0450887B2 JP H0450887 B2 JPH0450887 B2 JP H0450887B2 JP 58182411 A JP58182411 A JP 58182411A JP 18241183 A JP18241183 A JP 18241183A JP H0450887 B2 JPH0450887 B2 JP H0450887B2
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Landscapes
- Making Paper Articles (AREA)
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
Description
本発明は包装袋の製造方法に関するものであ
る。詳しくは線状低密度ポリエチレンを用いたヒ
ートシール強度の大きい包装袋を製造する方法に
関するものである。 通常、線状低密度ポリエチレンを用いてインフ
レーシヨン成形し、ヒートシールにより包装用の
袋を製造した場合、袋の胴部強度は強いが、ヒー
トシール部の強度が極めて低くなり実用上の問題
があつた。 これは後述する線状低密度ポリエチレンの分子
構造上、線状低密度ポリエチレンは溶融延伸等に
より分子配向を付与して熱収縮性を持たせようと
しても強い収縮性を持たせることができないた
め、ヒートシールを行なつた際ヒートシール部が
熱収縮を起こさず、フイルム肉厚が減少してしま
い、ヒートシール強度が出ないものである。 本発明者等は、線状低密度ポリエチレンを用い
て良好なヒートシール強度を有する包装袋を得る
べく種々検討の結果、特定の線状低密度ポリエチ
レンを、特定の条件下にインフレーシヨン成形を
行なうことにより目的を達成し本発明を完成し
た。 すなわち、本発明の要旨は線状低密度ポリエチ
レンを主成分とするメルトインデツクス1.5g/
10分以下のポリエチレンを、ブローアツプ比0.9
〜2.0、ドラフト率10〜40、冷却速度指数30秒以
下の条件下にインフレーシヨン成形し、得られた
筒状フイルムを引取方向に対して交差する方向を
長手方向としてヒートシール及び切断することを
特徴とする包装袋の製造方法に存する。 以下に本発明を更に詳細に説明する。 本発明に用いられる線状低密度ポリエチレンと
は、エチレンと他のα−オレフインとの共重合物
であり、従来の高圧法により製造された低密度ポ
リエチレン樹脂とは異なる。線状低密度ポリエチ
レンは、例えばエチレンと、他のα−オレフイン
としてブテン、ヘキセン、オクテン、デセン、4
メチルペンテン−1等を4〜17重量%程度、好ま
しくは5〜15重量%程度共重合したものであり中
低圧法高密度ポリエチレン製造に用いられるチー
グラー型触媒又はフイリツプス型触媒を用いて製
造されたものであり、従来の高密度ポリエチレン
を共重合成分により短い枝分かれ構造とし、密度
もこの短鎖枝分かれを利用して適当に低下させ
0.91〜0.95g/cm2程度としたものであり、従来の
低密度ポリエチレンより直鎖性があり、高密度ポ
リエチレンより枝分かれが多い構造のポリエチレ
ンである。 このような線状低密度ポリエチレンをヒートシ
ールした際ヒートシール部の収縮が少ないのは線
状低密度ポリエチレンの分子構造は上述のように
短鎖枝分かれであるため、ヒートシールの際に分
子間に熱弛緩が起こるためと考えられる。 上記の線状低密度ポリエチレンはメルトインデ
ツクス1.5g/10分以下のものが用いられる。メ
ルトインデツクスがこの範囲を外れると包装袋と
した際の胴部の強度が低下し好ましくない。 本発明においては上述した線状低密度ポリエチ
レンのみを用いても良いが、線状低密度ポリエチ
レンを主成分とし、これに他の樹脂、例えば低密
度ポリエチレンを5〜70重量%程度配合しても良
い。 この場合、得られた配合物のメルトインデツク
スも1.5g/10分以下とされる。 なお、線状低密度ポリエチレン又は線状低密度
ポリエチレンを主成分とする配合物の流動比は25
〜70程度であるのがヒートシール部強度の上から
望ましい。 上に配合物の一例として挙げた線状低密度ポリ
エチレンに配合される低密度ポリエチレンと、エ
チレンホモポリマー及びエチレンと他の共重合成
分との共重合体を含むものである。 共重合成分としては酢酸ビニル、エチルアクリ
レート、メチルアクリレート等のビニル化合物、
ヘキセン、プロピレン、オクテン、4−メチルペ
ンテン−1等の炭素数3以上のオレフイン類等が
挙げられる。共重合成分の共重合量としては0.5
〜1g重量%、好ましくは2〜10重量%程度であ
る。これらの低密度ポリエチレンは通常の高圧法
(1000〜3000Kg/cm2)により、酸素、有機過酸化
物等のラジカル発生剤を用いラジカル重合により
得たものであるのが望ましいが、流動比が35〜70
の線状低密度ポリエチレンで代用することも可能
である。これらの低密度ポリエチレンの中でも酢
酸ビニル含有量0.5〜18重量%好ましくは2〜10
重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体が特に好
ましい。 本発明方法においてメルトインデツクスとは
JIS K6760に準拠し190℃で測定した値であり、
流動比とは、上記メルトインデツクス測定器を用
い、せん断力106ダイン/cm2(荷重1113g)と105
ダイン/cm2(荷重1113g)の押出量(g/10分)
の比であり、 流動比=荷重1113/gでの押出量(10分間)/荷重11
13gでの押出量(10分間) で算出される。 流動比は用いられる樹脂の分子量分布の目安で
あり、流動比の値が小さければ分子量分布は狭
く、流動比の値が大きければ分子量分布は広いこ
とを表わしている。 前述したように線状低密度ポリエチレンはヒー
トシール部の高度が低く、本発明においては特定
物性の線状低密度ポリエチレンを特定の条件下に
成形することにより線状低密度ポリエチレンのヒ
ートシール強度を向上させるものである。 すなわち、本発明で用いる線状低密度ポリエチ
レンを主成分とするポリエチレンはメルトインデ
ツクス1.5g/10分以下のものであることを必要
とする。 メルトインデツクスが1.5g/10分より大きい
とヒートシールに際熱弛緩により収縮が起こらず
良好なヒートシール部は得られない。 また、上述のポリエチレンをただ単にインフレ
ーシヨン成形してもヒートシール部強度の良好な
ものは得られず、成形に当つては特定の成形条件
を必要とする。 その特定の成形条件とは、ブローアツプ比を
0.9〜2とし、ドラフト率を10〜40とし、冷却速
度指数30秒以下としてインフレーシヨン成形する
ことである。 ここでドラフト率とは下記式によつて得られ
る。 式中、記号は下記の通り。 ドラフト率=pm/pf・G/t・1/BUR 式中、記号は下記の通り。 G:ダイスリツトの幅 t:得られたフイルムの厚み pm:ダイスリツトから押出される樹脂の密度 pf:フイルムの密度 BUR:ブローアツプ比 また、冷却速度指数とは溶融樹脂がダイから押
出されフロストラインに達するまでの時間(秒)
であり、下記式によつて得られる。 τ=FLH/V1−V0ln(V1/V0) (秒) τ:冷却速度指数(秒) FHL:フロストライン高さ(cm) V0:溶融樹脂がリツプ部を通過する時の線速度
(cm/sec) V1:引取速度(cm/sec) ブローアツプ比を2.0以上とするヒートシール
時にヒートシールの長手方向の収縮が生起し袋胴
部の配向と逆方向の歪が発生するため得られた袋
のヒートシール端部の強度が低下し、破袋の原因
となる。 ドラフト率は10以下ではヒートシール時良好な
収縮が生起せず40以下とすれば袋の胴部自体の分
子配向が一方向に大きくなりすぎ胴部自体の引裂
けの生起する原因となる。 冷却速度指数が30秒以上となるとフイルム成形
時にドラフトによりフイルム中に生起した分子配
向が熱弛緩により緩和してしまいヒートシール時
に収縮が起らずヒートシール部の強度がでない。 なお、ヒートシールに当つてはヒートバーやヒ
ートベルト等を用いるが、これらの加熱機により
ヒートシール部を長時間に渡つて押圧すると熱弛
緩を起しヒートシール部の強度が出ないので、
230〜280℃程度の温度でなるべくヒートシール部
に押圧力を加えないようにして迅速に加熱した
後、ヒートシール部を自由状態とすることにより
ヒートシール部に収縮を起させるようなヒートシ
ール方法を用いるのが望ましい。 以下に実施例を示し本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例の限定されるものではない。 実施例 1、2 線状低密度ポリエチレン{メルトインデツクス
(MI):0.5g/10分、流動比20、密度:0.921g/
cm2、共重合成分:ブテン−1、共重合量:10重量
%}をモダンマシナリー社製、デルサ65φ型押出
機に環状スリツト径250mmφのインフレーシヨン
ダイ及び冷却用エアーリングを取付けたインフレ
ーシヨン成形機を用い、押出量100Kg/hr、ブロ
ーアツプ比(B.U.R.)1.1、ドラフト率24の条件
下にエアーリングからの空気吹出量を変化させ、
冷却速度指数16(実施例1)、冷却速度指数28(実
施例2)として150μのインフレーシヨンフイル
ムを得た。 得られたインフレーシヨンフイルムを長さ670
cm、幅440cmの筒状フイルムに切断し、ニユーロ
ング社製HS 22B−2型ヒートシーラー(加熱部
長さ150mm、加熱部クリアランス0.3mm、冷却部長
さ:150mm、冷却部クリアランス1mm)を用いて
ヒートシール温度(加熱部表面温度)250℃、冷
却部温度30℃、フイルム送り速度15m/秒の条件
下に筒状フイルムの開口部の一方を端部から1.5
cmの位置でヒートシールした、ヒートシール部は
フイルムの引取方向(縦方向)に収縮を起して、
元のフイルム厚さより厚くなつていた。 得られた袋に20Kgの肥料を充填し開口部を前記
と同様の条件でヒートシールし落袋試験用の包装
袋を得た。 落袋試験は、上記20Kgの肥料を充填した袋をヒ
ートシール後18〜24時間堆積して放置した後、包
装袋の胴部が床面と平行でヒートシール部が床面
と略垂直となるようにして20袋を落下させる(横
落下)ことにより試験を行ない破袋率を求めた。 落下条件は室温を−5℃とし落下高さ1.5m、
1袋当り落下回数5回とした。破袋率は試験に用
いた包装袋の破袋した袋の百分率で求めた。 偏肉状態は得られた筒状フイルムを円周方向、
等間隔に36点、その厚みをダイヤルゲージで測定
し、得られた測定値が、測定値の平均値の±10%
以内である場合を○、±10%より大きく平均値の
±15%以内にある場合を△、±15%より大きい場
合を×とした。 結果を第1表に示した。 実施例 3 実施例1において、ブローアツプ比を1.4とし、
ドラフト率を14としたほかは実施例1と同様にし
て150μのインフレーシヨンフイルムを得た。次
いて、実施例1と同様にして破袋率及び偏肉状態
を測定した。 結果を第1表に示した。 実施例 4、5 実施例1において、ブローアツプ比を0.9とし、
ドラフト率を29とした(実施例4)、ブローアツ
プ比を1.6とし、ドラフト率を17とした(実施例
5)ほかは実施例1と同様にして150μのインフ
レーシヨンフイルムを得た。次いで実施例1と同
様にして破袋率及び偏肉状態を測定した。 結果を第1表に示した。 実施例 6 実施例1で用いた線状低密度ポリエチレン80重
量部に高圧法低密度ポリエチレン{三菱化成工業
(株)製、ノバテツクL,F100、MI:0.5g/10分、
密度:0.922}{ノバテツクは三菱化成工業(株)の登
録商標}を20重量部混合したブレンド樹脂
(MI0.5)を得、該ブレンド樹脂をブロー比1.4、
ドラフト率14としたほかは実施例1と同様にして
150μのフイルムを得た。 次いで実施例1と同様にして破袋率及び偏肉状
態を測定した。 結果を第1表に示した。 実施例 7 線状低密度ポリエチレン{MI:1.0g/10分、
流動比:20、密度0.920g/cm2、共重合成分:ブ
テン−1、共重合量10重量%}を用い、ブロー比
1.4、ドラフト率14としたほかは実施例1と同様
にして150μのフイルムを得た。 次いで実施例1と同様にして破袋率及び偏肉状
態を測定した。 結果を第1表に示した。 実施例 8 実施例7で用いた線状低密度ポリエチレン80重
量部、実施例6で用いた高圧法低密度ポリエチレ
ン20重量部を混合したブレンド樹脂(MI0.8)を
得、該ブレンド樹脂を実施例1と同一条件で成形
し、150μのフイルムを得た。 次いで実施例1と同様にして破袋率及び偏肉状
態を測定した。 結果を第1表に示した。 比較例 1〜4 実施例1で用いた線状低密度ポリエチレンを用
い、ブロー比、ドラフト率を第1表に示したよう
に変化させ、150μのフイルムを得た。 次いで実施例1と同様にして破袋率、偏肉状態
を測定した。 結果を第1表に示した。 比較例 5 線状低密度ポリエチレン(MI:2g/10分、
流動比:20、密度0.918g/cm2、共重合成分:ブ
テン−1、共重合量:10重量%)を用いて、冷却
速度指数を30秒としたほかは実施例1と同様にし
て150μのフイルムを得た。 次いで実施例1と同様にして破袋率及び偏肉状
態を測定した。 結果を第1表に示した。
る。詳しくは線状低密度ポリエチレンを用いたヒ
ートシール強度の大きい包装袋を製造する方法に
関するものである。 通常、線状低密度ポリエチレンを用いてインフ
レーシヨン成形し、ヒートシールにより包装用の
袋を製造した場合、袋の胴部強度は強いが、ヒー
トシール部の強度が極めて低くなり実用上の問題
があつた。 これは後述する線状低密度ポリエチレンの分子
構造上、線状低密度ポリエチレンは溶融延伸等に
より分子配向を付与して熱収縮性を持たせようと
しても強い収縮性を持たせることができないた
め、ヒートシールを行なつた際ヒートシール部が
熱収縮を起こさず、フイルム肉厚が減少してしま
い、ヒートシール強度が出ないものである。 本発明者等は、線状低密度ポリエチレンを用い
て良好なヒートシール強度を有する包装袋を得る
べく種々検討の結果、特定の線状低密度ポリエチ
レンを、特定の条件下にインフレーシヨン成形を
行なうことにより目的を達成し本発明を完成し
た。 すなわち、本発明の要旨は線状低密度ポリエチ
レンを主成分とするメルトインデツクス1.5g/
10分以下のポリエチレンを、ブローアツプ比0.9
〜2.0、ドラフト率10〜40、冷却速度指数30秒以
下の条件下にインフレーシヨン成形し、得られた
筒状フイルムを引取方向に対して交差する方向を
長手方向としてヒートシール及び切断することを
特徴とする包装袋の製造方法に存する。 以下に本発明を更に詳細に説明する。 本発明に用いられる線状低密度ポリエチレンと
は、エチレンと他のα−オレフインとの共重合物
であり、従来の高圧法により製造された低密度ポ
リエチレン樹脂とは異なる。線状低密度ポリエチ
レンは、例えばエチレンと、他のα−オレフイン
としてブテン、ヘキセン、オクテン、デセン、4
メチルペンテン−1等を4〜17重量%程度、好ま
しくは5〜15重量%程度共重合したものであり中
低圧法高密度ポリエチレン製造に用いられるチー
グラー型触媒又はフイリツプス型触媒を用いて製
造されたものであり、従来の高密度ポリエチレン
を共重合成分により短い枝分かれ構造とし、密度
もこの短鎖枝分かれを利用して適当に低下させ
0.91〜0.95g/cm2程度としたものであり、従来の
低密度ポリエチレンより直鎖性があり、高密度ポ
リエチレンより枝分かれが多い構造のポリエチレ
ンである。 このような線状低密度ポリエチレンをヒートシ
ールした際ヒートシール部の収縮が少ないのは線
状低密度ポリエチレンの分子構造は上述のように
短鎖枝分かれであるため、ヒートシールの際に分
子間に熱弛緩が起こるためと考えられる。 上記の線状低密度ポリエチレンはメルトインデ
ツクス1.5g/10分以下のものが用いられる。メ
ルトインデツクスがこの範囲を外れると包装袋と
した際の胴部の強度が低下し好ましくない。 本発明においては上述した線状低密度ポリエチ
レンのみを用いても良いが、線状低密度ポリエチ
レンを主成分とし、これに他の樹脂、例えば低密
度ポリエチレンを5〜70重量%程度配合しても良
い。 この場合、得られた配合物のメルトインデツク
スも1.5g/10分以下とされる。 なお、線状低密度ポリエチレン又は線状低密度
ポリエチレンを主成分とする配合物の流動比は25
〜70程度であるのがヒートシール部強度の上から
望ましい。 上に配合物の一例として挙げた線状低密度ポリ
エチレンに配合される低密度ポリエチレンと、エ
チレンホモポリマー及びエチレンと他の共重合成
分との共重合体を含むものである。 共重合成分としては酢酸ビニル、エチルアクリ
レート、メチルアクリレート等のビニル化合物、
ヘキセン、プロピレン、オクテン、4−メチルペ
ンテン−1等の炭素数3以上のオレフイン類等が
挙げられる。共重合成分の共重合量としては0.5
〜1g重量%、好ましくは2〜10重量%程度であ
る。これらの低密度ポリエチレンは通常の高圧法
(1000〜3000Kg/cm2)により、酸素、有機過酸化
物等のラジカル発生剤を用いラジカル重合により
得たものであるのが望ましいが、流動比が35〜70
の線状低密度ポリエチレンで代用することも可能
である。これらの低密度ポリエチレンの中でも酢
酸ビニル含有量0.5〜18重量%好ましくは2〜10
重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体が特に好
ましい。 本発明方法においてメルトインデツクスとは
JIS K6760に準拠し190℃で測定した値であり、
流動比とは、上記メルトインデツクス測定器を用
い、せん断力106ダイン/cm2(荷重1113g)と105
ダイン/cm2(荷重1113g)の押出量(g/10分)
の比であり、 流動比=荷重1113/gでの押出量(10分間)/荷重11
13gでの押出量(10分間) で算出される。 流動比は用いられる樹脂の分子量分布の目安で
あり、流動比の値が小さければ分子量分布は狭
く、流動比の値が大きければ分子量分布は広いこ
とを表わしている。 前述したように線状低密度ポリエチレンはヒー
トシール部の高度が低く、本発明においては特定
物性の線状低密度ポリエチレンを特定の条件下に
成形することにより線状低密度ポリエチレンのヒ
ートシール強度を向上させるものである。 すなわち、本発明で用いる線状低密度ポリエチ
レンを主成分とするポリエチレンはメルトインデ
ツクス1.5g/10分以下のものであることを必要
とする。 メルトインデツクスが1.5g/10分より大きい
とヒートシールに際熱弛緩により収縮が起こらず
良好なヒートシール部は得られない。 また、上述のポリエチレンをただ単にインフレ
ーシヨン成形してもヒートシール部強度の良好な
ものは得られず、成形に当つては特定の成形条件
を必要とする。 その特定の成形条件とは、ブローアツプ比を
0.9〜2とし、ドラフト率を10〜40とし、冷却速
度指数30秒以下としてインフレーシヨン成形する
ことである。 ここでドラフト率とは下記式によつて得られ
る。 式中、記号は下記の通り。 ドラフト率=pm/pf・G/t・1/BUR 式中、記号は下記の通り。 G:ダイスリツトの幅 t:得られたフイルムの厚み pm:ダイスリツトから押出される樹脂の密度 pf:フイルムの密度 BUR:ブローアツプ比 また、冷却速度指数とは溶融樹脂がダイから押
出されフロストラインに達するまでの時間(秒)
であり、下記式によつて得られる。 τ=FLH/V1−V0ln(V1/V0) (秒) τ:冷却速度指数(秒) FHL:フロストライン高さ(cm) V0:溶融樹脂がリツプ部を通過する時の線速度
(cm/sec) V1:引取速度(cm/sec) ブローアツプ比を2.0以上とするヒートシール
時にヒートシールの長手方向の収縮が生起し袋胴
部の配向と逆方向の歪が発生するため得られた袋
のヒートシール端部の強度が低下し、破袋の原因
となる。 ドラフト率は10以下ではヒートシール時良好な
収縮が生起せず40以下とすれば袋の胴部自体の分
子配向が一方向に大きくなりすぎ胴部自体の引裂
けの生起する原因となる。 冷却速度指数が30秒以上となるとフイルム成形
時にドラフトによりフイルム中に生起した分子配
向が熱弛緩により緩和してしまいヒートシール時
に収縮が起らずヒートシール部の強度がでない。 なお、ヒートシールに当つてはヒートバーやヒ
ートベルト等を用いるが、これらの加熱機により
ヒートシール部を長時間に渡つて押圧すると熱弛
緩を起しヒートシール部の強度が出ないので、
230〜280℃程度の温度でなるべくヒートシール部
に押圧力を加えないようにして迅速に加熱した
後、ヒートシール部を自由状態とすることにより
ヒートシール部に収縮を起させるようなヒートシ
ール方法を用いるのが望ましい。 以下に実施例を示し本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例の限定されるものではない。 実施例 1、2 線状低密度ポリエチレン{メルトインデツクス
(MI):0.5g/10分、流動比20、密度:0.921g/
cm2、共重合成分:ブテン−1、共重合量:10重量
%}をモダンマシナリー社製、デルサ65φ型押出
機に環状スリツト径250mmφのインフレーシヨン
ダイ及び冷却用エアーリングを取付けたインフレ
ーシヨン成形機を用い、押出量100Kg/hr、ブロ
ーアツプ比(B.U.R.)1.1、ドラフト率24の条件
下にエアーリングからの空気吹出量を変化させ、
冷却速度指数16(実施例1)、冷却速度指数28(実
施例2)として150μのインフレーシヨンフイル
ムを得た。 得られたインフレーシヨンフイルムを長さ670
cm、幅440cmの筒状フイルムに切断し、ニユーロ
ング社製HS 22B−2型ヒートシーラー(加熱部
長さ150mm、加熱部クリアランス0.3mm、冷却部長
さ:150mm、冷却部クリアランス1mm)を用いて
ヒートシール温度(加熱部表面温度)250℃、冷
却部温度30℃、フイルム送り速度15m/秒の条件
下に筒状フイルムの開口部の一方を端部から1.5
cmの位置でヒートシールした、ヒートシール部は
フイルムの引取方向(縦方向)に収縮を起して、
元のフイルム厚さより厚くなつていた。 得られた袋に20Kgの肥料を充填し開口部を前記
と同様の条件でヒートシールし落袋試験用の包装
袋を得た。 落袋試験は、上記20Kgの肥料を充填した袋をヒ
ートシール後18〜24時間堆積して放置した後、包
装袋の胴部が床面と平行でヒートシール部が床面
と略垂直となるようにして20袋を落下させる(横
落下)ことにより試験を行ない破袋率を求めた。 落下条件は室温を−5℃とし落下高さ1.5m、
1袋当り落下回数5回とした。破袋率は試験に用
いた包装袋の破袋した袋の百分率で求めた。 偏肉状態は得られた筒状フイルムを円周方向、
等間隔に36点、その厚みをダイヤルゲージで測定
し、得られた測定値が、測定値の平均値の±10%
以内である場合を○、±10%より大きく平均値の
±15%以内にある場合を△、±15%より大きい場
合を×とした。 結果を第1表に示した。 実施例 3 実施例1において、ブローアツプ比を1.4とし、
ドラフト率を14としたほかは実施例1と同様にし
て150μのインフレーシヨンフイルムを得た。次
いて、実施例1と同様にして破袋率及び偏肉状態
を測定した。 結果を第1表に示した。 実施例 4、5 実施例1において、ブローアツプ比を0.9とし、
ドラフト率を29とした(実施例4)、ブローアツ
プ比を1.6とし、ドラフト率を17とした(実施例
5)ほかは実施例1と同様にして150μのインフ
レーシヨンフイルムを得た。次いで実施例1と同
様にして破袋率及び偏肉状態を測定した。 結果を第1表に示した。 実施例 6 実施例1で用いた線状低密度ポリエチレン80重
量部に高圧法低密度ポリエチレン{三菱化成工業
(株)製、ノバテツクL,F100、MI:0.5g/10分、
密度:0.922}{ノバテツクは三菱化成工業(株)の登
録商標}を20重量部混合したブレンド樹脂
(MI0.5)を得、該ブレンド樹脂をブロー比1.4、
ドラフト率14としたほかは実施例1と同様にして
150μのフイルムを得た。 次いで実施例1と同様にして破袋率及び偏肉状
態を測定した。 結果を第1表に示した。 実施例 7 線状低密度ポリエチレン{MI:1.0g/10分、
流動比:20、密度0.920g/cm2、共重合成分:ブ
テン−1、共重合量10重量%}を用い、ブロー比
1.4、ドラフト率14としたほかは実施例1と同様
にして150μのフイルムを得た。 次いで実施例1と同様にして破袋率及び偏肉状
態を測定した。 結果を第1表に示した。 実施例 8 実施例7で用いた線状低密度ポリエチレン80重
量部、実施例6で用いた高圧法低密度ポリエチレ
ン20重量部を混合したブレンド樹脂(MI0.8)を
得、該ブレンド樹脂を実施例1と同一条件で成形
し、150μのフイルムを得た。 次いで実施例1と同様にして破袋率及び偏肉状
態を測定した。 結果を第1表に示した。 比較例 1〜4 実施例1で用いた線状低密度ポリエチレンを用
い、ブロー比、ドラフト率を第1表に示したよう
に変化させ、150μのフイルムを得た。 次いで実施例1と同様にして破袋率、偏肉状態
を測定した。 結果を第1表に示した。 比較例 5 線状低密度ポリエチレン(MI:2g/10分、
流動比:20、密度0.918g/cm2、共重合成分:ブ
テン−1、共重合量:10重量%)を用いて、冷却
速度指数を30秒としたほかは実施例1と同様にし
て150μのフイルムを得た。 次いで実施例1と同様にして破袋率及び偏肉状
態を測定した。 結果を第1表に示した。
【表】
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 線状低密度ポリエチレンを主成分とするメル
トインデツクス1.5g/10分以下のポリエチレン
を、ブローアツプ比0.9〜2.0、ドラフト率10〜
40、冷却速度指数30秒以下の条件下にインフレー
シヨン成形し、得られた筒状フイルムを引取方向
に対して交差する方向を長手方向としてヒートシ
ール及び切断することを特徴とする包装袋の製造
方法。 2 線状低密度ポリエチレンは密度0.915〜0.935
g/cm2のものであることを特徴とする特許請求の
範囲第1項に記載の方法。 3 ヒートシールはヒートシール部を230〜280℃
の温度でフイルム同志が融着するまで加熱し、そ
の後ヒートシール部を自由状態とすることにより
ヒートシール部に収縮を生起させることを特徴と
する特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58182411A JPS6072715A (ja) | 1983-09-30 | 1983-09-30 | 包装袋の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58182411A JPS6072715A (ja) | 1983-09-30 | 1983-09-30 | 包装袋の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6072715A JPS6072715A (ja) | 1985-04-24 |
JPH0450887B2 true JPH0450887B2 (ja) | 1992-08-17 |
Family
ID=16117820
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58182411A Granted JPS6072715A (ja) | 1983-09-30 | 1983-09-30 | 包装袋の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6072715A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4780264A (en) * | 1987-05-22 | 1988-10-25 | The Dow Chemical Company | Linear low density polyethylene cast film |
DE3851667T2 (de) * | 1987-07-13 | 1995-02-16 | Mitsubishi Chem Ind | Lineare Polyäthylen-Folie und Verfahren zu ihrer Herstellung. |
JP4930300B2 (ja) * | 2007-09-13 | 2012-05-16 | アイシン精機株式会社 | スタビライザ制御装置 |
-
1983
- 1983-09-30 JP JP58182411A patent/JPS6072715A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6072715A (ja) | 1985-04-24 |
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