JPH0450354Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） この考案は建設業において、足場作業を必要と
する内装工事並びに、この考案の使用目的に合致
するすべての建物管理に使用する内装用仮設足場
に関するものである。

（従来の技術） 従来、建設中の建物の内装工事において、脚立
使用が必要な場合には、その作業に携わる作業員
が複数の脚立、足場板、ゴムバンド等によつて足
場を設営し、その仮設足場に上がつて作業を行つ
ていた。

又、仮設足場として利用可能な可搬式或いは折
りたたみ式の舞台、演壇、テーブル等に関する折
りたたみ式舞台構造体がある。

（考案が解決しようとする問題点） 前者は脚立、足場板、ゴムバンド等の資材を使
用して構築した仮設足場は、その構築する者の熟
練度よつて安全性に欠陥が生じ易く、この仮設足
場の転倒や倒壊に係る事故防止を図る為に、これ
ら資材の使用基準と設営方法に係る注意事項を策
定して、これを遵守、励行するにとどまつてい
る。しかしながら、その仮設足場の設営及び使用
方法は各作業員における危険予知能力と熟練度の
個人差により一定ではなく、不安定なもとでの不
安全行動は後を絶たない。従来の仮設足場も正し
い使用基準と設営方法を遵守すれば安全であろう
が、その使用状態を十分に満足させるためには、
脚立による足場板の３点支持の遵守、足場板端
部、並び、重ね合わせ連結部分へのゴムバンドに
よる締付け、たわみ防止のための足場板の２枚重
ね等、適材適所に仮設足場を正しく構築する判断
力を必要とし、その熟練された技術的要素以外に
も特異な作業環境においては、作業員の心理的な
要素も相い重なり的確な仮設足場の設置は大変困
難な現状である。

又、特に高層の大型現場においては、クレー
ン、及び、建設リフト等を使用し、資材搬入と施
工の能率を改善し工期短縮を目標に取り組んでい
るが、内部の仕上げ工程期には内装業者の作業が
集中し、作業場は資材や不要材が煩雑も残置点材
し易く、整理整頓の励行が叫ばれている。又、天
井作業においては、フロアー全体に安全な足場を
設営せねばならず、従来の仮設足場では脚立の構
造上、脚立の両肩が足場板より両側に突出し、
又、従来の脚立と足場板の組合せでは完全な隙間
なく敷く詰める事は不可能であつて、上向きに作
業する作業員の足元は危険極まりのない状態であ
る。

後者は、折りたたみ式舞台構造体を折り畳んだ
時、折りたたみ式舞台構造体の平らな上部要素
（舞台構造体の床面）が、背中合わせに起立した
状態になるが、この状態を維持する為には、二枚
の上部要素が近接した外端部をかぎ留めしなけれ
ば、折り畳みが偶然開くといつた危険性があつ
た。建設現場という特殊環境では、資材や材料の
搬入が頻繁に発生し、設営や撤去の繰り返しが何
度も重なり、通路や比較的広いフロアーでさえ、
資材や不要材が煩雑に残置点在し、通行にも不便
な程で、他人の資材や機器をその取り扱いを知ら
ない第三者が勝手に移動させることもある。僅か
な取り扱いミスや物が当たつた衝撃で、偶然にも
折り畳が開くといつた事は大変危険なため回避し
なければならない問題である。

（問題点を解決するための手段） そこで、本考案は上記の問題と欠点とを解決す
るために、二重管によるストツパーピン付きの伸
縮柱を四つ角に配置し、これらの二重管である伸
縮柱の外管同志を梁材と桁材とで接合する軸組本
体と、軸組本体の梁間の中間付近を境として背中
合わせに起立できる二枚の作業床と、キヤンテイ
ーレバーを外管の上部に形設させた二重管による
ストツパーピン付き伸縮柱とを設け、展開した作
業床の上面のヒンジに一部を突出させず、かつ、
二枚の作業床が背中合わせに起立できるように、
Ｌ字状の平板を二枚一組に組み合わせた特殊ヒン
ジ二組で、前記軸組本体の梁材と二枚の作業床の
一端とをそれぞれ枢支連結し、該二枚の作業床の
角々の他端裏面に対して、前記キヤンテイーレバ
ーを外管の上部に形設させた二重管によるストツ
パーピン付き伸縮柱のキヤンテイーレバーの末端
付近を枢着させ、該キヤンテイーレバーを外管の
上部に形設させた二重管によるストツパーピン付
き伸縮柱の内管の下端付近に梁ブラケツトを突設
させ、該梁ブラケツトと前述の軸組本体の桁材と
をコンネクテイングロツドで枢支連結し、前述の
各々の伸縮柱の下端にキヤスターを設置したこと
を特徴とする内装用仮設足場を提供しようとする
ものである。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
すると、作業床４，５にかかる荷重を支える柱と
して、二重管である伸縮柱２，２′を設ける。こ
れらの伸縮柱２，２′の外管には、ストツパーピ
ン１０を付設する。ストツパーピン１０は、二重
管の外管と内管とに一定の関係で穿設した貫穴に
貫入できる物として設置する。二枚の作業床４，
５の各々の他端裏面にたいして、枢着させる伸縮
柱２′には、外管の先端にキヤンテイーレバー
（伸縮柱に対し片持ち梁式に90度に折り曲げて横
に持ち出したレーバー）を形設させる。該キヤン
テイーレバーの末端付近を上記二枚の作業床４，
５の各々の他端裏面に対して枢着させるのであ
る。又、この伸縮柱２′の内管の下端付近に梁ブ
ラケツト９を突設させる。この梁ブラケツト９と
軸組本体３を構成する桁材７′とをコンネンテイ
ングロツド８で枢支連結し、一つのリンクを構成
させる。軸組本体３の梁材７は軸組本体３の上部
に、又、軸組本体３の桁材７′は軸組本体３の下
部にそれぞれ設置する。この場合に梁材７は桁材
７′より短くする。つまり、梁間を桁行より短く
設定する。伸縮柱２の上端面は、作業床４，５を
水平に展開した時、これらの作業床の裏面に対し
て当接衝止できるように設定する。

二枚の作業床４，５を軸組本体３の梁間の中間
付近を境として背中合わせに起立できるように、
この二枚の作業床４，５を軸組本体３の梁材６に
枢着させるには、Ｌ字状の平板６，６′を二枚一
組に組み合わせ、かつ、二枚のＬ字状の平板６，
６′が互いに交差したり当接することのないヒン
ジ二組で行う。

尚、伸縮柱２，２′の下端には、ストツパー付
きのキヤスター１を設置する。

（作用） 作業床４，５の高さ調節は、各々の伸縮柱２，
２′の内管を外管から繰り出させて、二重管の外
管と内管とに一定の関係で穿設した貫穴を重なり
合わせ、この重なり合つた貫穴に対してストツパ
ーピン１０を貫入させて、内管を外管から繰り出
した伸縮柱２，２′の長さを固定する。従来、脚
立に足場板を架ける慣習に於いて、主に三通りの
高さ位置のどれかを必要に応じ選択し使い分ける
が、この考案による内装用仮設足場においても、
その使用頻度の高い高さに応答する高さを得れる
ように、伸縮柱２，２′に貫穴を穿設するものと
する。

軸組本体３を構成する桁材７′に対して枢着す
るコンネクテイングロツド８のもう一方の端は、
伸縮柱２′の内管に突設させる梁ブラケツト９の
端に枢着させているので、作業床４，５を互いに
背中合わせになるように折り畳んで起立させたと
き、伸縮柱２′はコンネクテイングロツド８に引
つ張られ折り畳まれることとなる。また、コンネ
クテイングロツド８は、作業床４，５を開いて水
平に展開した時、伸縮柱２′に働くモーメントを
梁ブラケツト９とコンネクテイングロツド８との
連結部から、コンネクテイングロツドに対する軸
方向力として伝達することとなるし、又コンネク
テイングロツドは引つ張り材としても働くので、
伸縮柱２′は倒れることがなくなる。

本考案の内装用仮設足場は、第３図に示すよう
に、作業床４，５を一度、背中合わせに折り畳ん
で起立させれば、もはや、この折り畳み状態が偶
然かつ容易にとけて、作業床が衝撃的に展開する
といつた危険な動作に至ならない。

なぜなら、作業床４，５を背中合わせに折り畳
んで起立させた時、梁ブラケツト９とコンネクテ
イングロツド８とがクランクを形成し、このクラ
ンクが起立した作業床の裏面に衝止して、簡易ス
トツパーの役割を得ることができるのである。

その解除は、折り畳まれた伸縮柱２′を持ち上
げるようにして、その折り畳み状態を押し広げて
解除させると共に、梁ブラケツト９とコンネクテ
イングロツド８とが形成するクランクを解消して
初めて可能となる。

〔考案の効果〕

上述のように、この考案による内装用仮設足場
は、不使用時にはコンパクトに畳み込まれ、使用
時にクランク状態を解除させるという安全ロツク
解除の意志と手の介添えをもつて、作業床を一気
に拡げることで、建設現場において安全で理想的
な内装用仮設足場を短時間に設営できる。本考案
の構成上から発生する簡易ストツパー機能は、作
業床を起立させるだけで自動的にロツクがかかる
ので、忙しく煩雑な建設現場において、極めて平
易、合理的に折り畳み状態を崩さない安全な内装
用仮設足場を提供できる。

折り畳んだ作業内容によつては、垂直方向に伸
縮固定可能な伸縮柱により作業床の高さ調整が適
宜に行なえる。

又、建設現場においては、大面積に精度よく平
坦に出来上がつた作業床面（スラブ面に対して左
官のモルタルコテ押さえが済んだ床面）を利用す
ることができるようになる。即ち、コンパクトに
格納ができる内装用仮設足場を迅速、多量に適材
適所に配置し、短時間内に能率良く、安全で、し
かも作業性のの良い作業床を提供でき、一度、作
業が終了すればコンパクトに畳み込んで場所をと
くことなく、整然と多数収納でき、見かけ良く仮
置き場所を有効に使用できるたけでなく、従来工
法と比較して仮設足場の設営時間を大幅に短縮と
できるという数々の多大な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は内装用仮設足場の使用時の正面図、第
２図、第３図は折り畳みの過程を示す内装用仮設
足場の正面図、第４図は伸縮柱を縮めた使用状態
を示す正面図、第５図は内装用仮設足場の斜視図
である。 １……キヤスター、２……伸縮柱、２′……伸
縮柱、３……軸組本体、４……作業床、５……作
業床、６……Ｌ字状の平板、６′……Ｌ字状の平
板伸縮柱、７……梁材、７′……桁材、８……コ
ンネクテイングロツド、９……梁ブラケツト、１
０……ストツパーピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 二重管によるストツパーピン付きの伸縮柱を四
   つ角に配置し、これらの二重管である伸縮柱の外
   管同志を梁材と桁材とで接合する軸組本体と、軸
   組本体の梁間の中間付近を境として背中合わせに
   起立できる二枚の作業床と、キヤンテイーレバー
   を外管の上部に形設させた二重管によるストツパ
   ーピン付き伸縮柱とを設け、展開した作業床の上
   面にヒンジの一部を突出させず、かつ、二枚の作
   業床が背中合わせに起立できるように、Ｌ字状の
   平板を二枚一組に組み合わせた特殊ヒンジ二組
   で、前記軸組本体の梁材と二枚の作業床の一端と
   をそれぞれ枢支連結し、該二枚の作業床の各々の
   他端裏面に対して、前記キヤンテイーレバーを外
   管の上部に形設させた二重管によるストツパーピ
   ン付き伸縮柱のキヤンテイーレバーの末端付近を
   枢着させ、該キヤンテイーレバーを外管の上部に
   形設させた二重管によるストツパーピン付き伸縮
   柱の内管の下端付近に梁ブラケツトを突設させ、
   該梁ブラケツトと前述の軸組本体の桁材とをコン
   ネクテイングロツドで枢支連結し、前述の各々の
   伸縮柱の下端にキヤスターを設置したことを特徴
   とする内装用仮設足場。