JPH044970B2 - - Google Patents

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JPH044970B2
JPH044970B2 JP57054503A JP5450382A JPH044970B2 JP H044970 B2 JPH044970 B2 JP H044970B2 JP 57054503 A JP57054503 A JP 57054503A JP 5450382 A JP5450382 A JP 5450382A JP H044970 B2 JPH044970 B2 JP H044970B2
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phosphorus
ray diffraction
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は結晶性バナジウム−リン系複合酸化物
に関するものである。さらに詳しくは、炭素数4
のアルカンまたはアルケンの気相酸化に使用され
る触媒の中間体として有用な、結晶性バナジウム
−リン系複合酸化物に関するものである。 従来、バナジウムとリンを含む複合酸化物に
は、種々の結晶型が知られているが、バナジウム
の原子価を四価のものに限定しても、なお数種の
結晶型の組成物が知られている。 特開昭52−156193号には、バナジウムに対する
リンの原子比(以下P/Vと略記する)が1であ
る二種類の結晶型の触媒中間体が記載されてい
る。そのX線回折ピークを表−1に示す。
【表】 同明細書には、これ等の中間体は、少なくとも
50原子%の四価のバナジウムを与え、そして中間
体を形成させるような条件下で、リン酸および亜
リン酸、シユウ酸もしくはホルムアルデヒドなら
びにバナジウム化合物を反応帯域に一緒に導入
し、そしてこの中間体を還流下で数十時間充分加
熱することにより製造できると記載されている。
また触媒を製造する場合には、これ等二種の中間
体を更に130℃以上の温度で加熱して触媒前駆体
を形成させ、次いでこの触媒前駆体を約300〜600
℃の間で焼成する。 特開昭54−95990号には、、やはりP/Vの原子
比が1である触媒の中間体の製造方法について記
載している。同明細書では、塩酸のような非酸化
性酸性水溶液に溶解した4価のバナジウムの塩を
リン酸と反応させ、生成した可溶性バナジウム−
リン系複合酸化物を、水を加えて沈澱させること
により製造している。この複合酸化物のX線回折
スペクトルは表−2に示すようなものであるが、
表−1のデータとは明らかに異なつている。なお
この複合酸化物は、必要に応じて焼成することに
よりブタンからの無水マレイン酸を製造する触媒
として有用である。
【表】 本発明者等の知見では、これ等の複合酸化物の
化学組成は(V2O4)(P2O5)(2H2O)で記述で
きる。上述してきた結晶性複合酸化物の他にも、
いくつかのバナジウム−リン系の複合酸化物が知
られているが、それ等を整理すると表−3のよう
になる。
【表】 このようにバナジウム−リン系の化学は極めて
複雑であり、結晶製造条件を厳密に守らないと、
再現性が不良で目的とするもの以外の結晶に変化
する場合もある。本発明者等はこのような複雑な
バナジウム−リン系複合酸化物結晶の化学につい
て詳細に検討をしてきたが上述した各種の結晶と
は全く異なる新しい結晶を有するバナジウム−リ
ン系複合酸化物を発見した。この複合酸化物は特
徴的なX線回折スペクトルを有するが、適当な水
熱処理により炭化水素、特にブタン、ブテン等の
C4炭化水素と気相酸化による無水マレイン酸の
製造触媒に変換せしめることができることが判明
した。 本発明の複合酸化物は、四価のバナジウム、五
価のリンおよび酸素とからなる骨格を有し、表−
4に示すような主要X線回折ピークを有する。
【表】 表−4から明らかなように、本発明の複合酸化
物は、X線回折ピークのうち、強度の最も大きい
ピーク、2番目に大きいピーク、3番目に大きい
ピークのブラツグ角2θ(±0.2゜)が順に9.1゜、
18.2゜、31.0゜であることを特徴とする。 また、結晶性バナジウム−リン系酸化物の常識
からして、本発明の結晶性複合酸化物もバナジウ
ム及びリン原子と酸素原子とで結晶の骨格が形成
されており、もし水素原子が存在するとすれば骨
格構造に末端に結合するか、又は結晶水等として
存在しているものと考えられる。従つて、原子量
が小さく結晶中の含有量が相対的に小さい水素原
子を別にしてバナジウム、リン及び酸素原子だけ
に着目すればこの複合酸化物は〔VxO4〕〔PyO5
(ここで、y/x=0.8〜1.5である)なる組成を
有する。 また複合酸化物中のP/Vは0.8〜1.5の範囲が
好ましい。 この複合酸化物は種々の方法で製造し得るが、
あらかじめ四価のバナジウムとリン酸を含むリン
酸バナジルを含有する水性溶液を調整し、これを
緩やかに100〜130℃で加熱し製造するのが好まし
い。 水性媒体としては、一般に水が使用される。所
望によりアルコール、カルボン酸、エーテル、ケ
トン類等の親水性有機溶媒を併用してもよい。 具体的には、五酸化バナジウムのような五価の
バナジウム化合物を、ヒドラジン(通常、抱水ヒ
ドラジン)、ヒドロキシルアミンまたはそれらの
塩酸塩、リン酸塩等の塩、シユウ酸、乳酸等の有
機酸等に代表される五価のバナジウムを、四価ま
で速やかに還元する能力がある無機あるいは有機
還元剤で還元し、還元と同時に、あるいは還元後
に四価のバナジウムとイオンとリン酸を反応させ
る。亜リン酸のような還元速度の遅い還元剤と五
酸化バナジウムおよびリン酸を含む反応液よりリ
ン酸バナジル溶液を調製するには、長時間の還流
加熱が必要であるが、この場合には既に還元段階
で一部水熱反応が進行して別種の化合物に向かう
可能性もあり、本発明に従う新規複合酸化物を高
純度で製造するのに好適な還元剤とは言えない。
還元剤の使用量は五価のバナジウムを四価に還元
するに必要な化学量論量で十分であり、通常その
95〜120%の範囲で使用される。 還元剤、リン酸および五価のバナジウムの水性
媒体中への添加順序は特に限定されない。リン酸
の添加量はP/Vを0.8〜1.5とする範囲とするの
が好ましい。水性媒体中のリン酸の濃度は5〜35
重量%とするのが好ましい。反応は必要に応じて
加温し、均一のリン酸バナジルを含有する溶液を
調製し、オートクレーブのような密閉容器内で緩
やかに昇温して、100〜170℃、より好ましくは
105〜150℃の温度範囲で0.2時間〜20時間加熱す
ることにより結晶性の複合酸化物が得られる。こ
こで昇温を緩やかに行うことは重要である。昇温
スピードは1時間で20℃以下程度とすべきであ
り、昇温スピードを上げると、表−2に示すよう
なX線回折スペクトルを有する結晶が得られる。 このような製造方法は一見特開昭52−156193号
に記載された方法と類似しているが、還元操作と
水熱処理条件に違いがあり、生成する結晶には明
瞭な差がある。 水熱処理を施さないで、リン酸バナジルを含有
する溶液を放置した場合には、更に異なる種類の
淡青色の結晶が生成する。このものは表−5に示
すような特徴的なX線回折ピークを示す。この結
晶が生成したスラリーを、直接または結晶のみを
分離し、水共存下に密閉容器内で100℃以上で数
時間〜数10時間水熱処理しても、表−4に示すよ
うな特性回折ピークを示す複合酸化物を得ること
ができる。
【表】 なお複合酸化物の製造段階で、ブタンと酸化反
応の活性促進成分を添加してもよい。活性促進成
分としては、鉄、クロム、アルミニウム、チタ
ン、コバルト、マグネシウム等が挙げられ、添加
形態は無機塩、有機塩等で、溶液に可溶な化合物
ならばよい。これらの添加量はバナジウム元素1
モルあたり金属として0.01〜04モルの範囲が好ま
しい。得られる複合酸化物のX線回折スペクトル
の2θは表−4に示した数値からわずかに外れる
が、±0.2゜の範囲内である。 以上の方法により本発明の、触媒中間体である
結晶性複合酸化物が得られるが、この中間体をブ
タンあるいはブテンの酸化に好適な触媒とするに
はいくつかの方法が可能である。 一つは、この中間体を含むスラリーを直接、ま
たは結晶のみを分離後、水共存下に密閉容器内で
110℃以上の温度で水熱処理する方法である。こ
の場合、水熱処理温度を150℃以上の高温とする
と、本発明の中間体は表−2に示すX線回折スペ
クトルを示す結晶に変化する。この結晶は乾燥、
成型、必要に応じて焼成することにより、触媒化
できる。また本発明の中間体に110℃〜140℃程度
の比較的低温で加熱処理を行えば表−1の中間体
Aに変化する。中間体Aは表−2のX線スペクト
ルを有する複合酸化物を種晶として加え、水熱処
理すればすべて表−2のX線スペクトルを示す複
合酸化物に変化する。また乾燥後焼成しても触媒
化可能である。 他の方法として本発明の中間体に表−2に示す
X線回折スペクトルを示す種晶を混合し、110℃
以上の温度に水熱処理を行うことにより、やはり
すべて表−2の複合酸化物にすることができる。
また最も簡便には、本発明の中間体を、濾過、蒸
発乾固等の方法で、加熱活性化して触媒として用
いることもできる。しかしこの場合には活性面で
やや不満足な結果が得られる。 以上、詳述したように、本発明では炭素数4の
アルカンまたはアルケンの気相酸化に使用される
触媒の中間体として有用な、新規の複合酸化物が
得られる。 実施例 1 グラスライニングを施した100容器に85%リ
ン酸14.527Kg、80%抱水ヒドラジン溶液1.878Kg
および水43を仕込み、水溶液を調製し、撹拌
下、五酸化バナジウム10.914Kgを発泡を観察しな
がら添加した。容器外側ジヤケツトに熱媒を流し
て冷却した。液温は約60℃に上昇したが、添加終
了后、熱媒の加温を開始し、気泡発生の停止を確
認してから容器を密閉した。約5時間をかけて
120℃まで昇温し更に120℃に12時間保持した。容
器内に淡緑色のP/Vが約1.0であるバナジウム
−リン系複合酸化物の結晶性沈澱を生じたが、少
量を濾別し、X線回折測定を行つたところ、表−
4に示す回折ピークに一致することが判明した。 実施例 2 85%リン酸66.870g、85%抱水ヒドラジン7.36
g、水180mlを混合し、五酸化バナジウム45.475
gを添加した。約15分で発泡は低下したが、更に
10分間煮沸させて還元を完了させた。得られた濃
青色の均一溶液を室温に放置したところ数時間で
淡青色沈澱が析出し始め、更に48時間静置して析
出をほぼ完結させた。析出したP/Vが約1.05で
あるバナジウム−リン系複合酸化物結晶を濾別し
X線回折測定を行つたところ、表−5に示す回折
ピークに一致することが判明した。この結晶10g
に水60mlを加えてスラリーを調合し密閉容器中
150℃で4時間加熱した。生成物を再度濾別しX
線回折測定を行つたところ、表−5に示すピーク
群は完全に消失しており、得られたスペクトルは
表−4に示すものとほぼ一致することが判明し
た。然し低強度ながら、表−2に示す複合酸化物
のピーク群もわずかに存在していた。 比較例 1 実施例2の全く同様にして濃青色の均一溶液を
得たのち、直ちに25mlのテフロンボトルに移しオ
ートクレーブ内に密閉して130℃に加温した。昇
温には約30分を要した。加熱は更に12時間継続し
た。得られたスラリーを濾過し、X線回折測定を
行つたところ、表−2に示す複合酸化物のスペク
トルに一致した。 実施例 3 85%リン酸27.67g、水100mlの混合液に、DL
−乳酸90%溶液10gを添加混合し、60〜100℃に
加熱しつつ五酸化バナジウム18.19gを添加した。
還元は速やかに進行し、青色の均一溶液を得るこ
とができた。この溶液を室温に一夜放置したとこ
ろ、P/Vが約1.08であるバナジウム−リン系複
合酸化物結晶の析出が検出された。このものを濾
別し、洗滌后、X線回折測定を行つたところ、表
−5に示すスペクトルが得られた。この結晶性生
成物の水熱処理による構造変化は実施例2の場合
と同様であり、2θ=9.1゜等に主要ピークを有する
新規結晶相の生成を確認できた。 参考例 1 (中間体Aの製造) 実施例1で得た結晶性沈澱を含有するスラリー
の一部を、更に120℃20時間再加熱処理した。得
られたスラリーを濾過し、X線回折測定を行つた
ところ、今度は表−1に示す中間体Aに大体一致
するパターンに変化していることが判明した。既
に記したように、このものは特開昭52−156193号
において記載されている中間体であり、本発明で
得られた結晶性複合酸化物は、同明細書記載中間
体を製造するための有力な中間体になり得る。 参考例 2 (表−2に示す複合酸化物の製造) 実施例1で得た結晶性沈澱を含有するスラリー
の一部に、比較例1で得られた複合酸化物の濾過
品を少量(1重量%)添加し、130℃、22時間再
加熱処理した。生成したスラリーはX線回折で結
果、表−4の回折ピークは全く消失し、また表−
1の回折ピークも検出されず、表−2に示す複合
酸化物に100%変換していることが判明した。ま
た比較例1の場合に比して濾過性が良好で粒径が
大きい。 反応例 実施例1、参考例1〜2で得られたスラリー濾
過品を乾燥し、500℃で2時間、窒素気流下に焼
成した。粉末を打錠成型し、更に破砕して14−24
メツシユ(JIS規格)の粒子分を得、触媒とした。
触媒1mlを6mmφのガラス製反応器につめ、1.5
%ブタン/空気混合ガスをGHSV2000で活性テ
ストを行つた。生成物は保温ガスサンプラーを経
由して直接ガスクロマトグラムに導き分析定量し
た。反応結果は次のとおりである。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 四価のバナジウム、五価のリンおよび酸素と
    からなる骨格を有し、該バナジウムに対する該リ
    ン原子比が0.8〜1.5であり、下記の主要X線回折
    ピークを示し、かつX線回折ピークのうち強度の
    最も大きいピーク、2番目に大きいピーク、3番
    目に大きいピークのブラツグ角2θ(±0.2゜)が順
    に9.1゜、18.2゜、31.0゜であることを特徴とする結晶
    性バナジウム−リン系複合酸化物。 [対陰極(Cu−Kα) 2θ゜(±0.2゜) 9.1 12.9 18.2 20.0 22.8 26.3 28.5 29.1 31.0]
JP57054503A 1982-04-01 1982-04-01 結晶性バナジウム−リン系複合酸化物 Granted JPS58172208A (ja)

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