JPH0449326Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用説明分野〕 本考案は、コンクリートミキサ車に上下に揺動
（回動）可能に取り付けられたシユートを支持し
てそのシユートから投入される生コンクリートを
打設現場へ圧送するようにしたコンクリートポン
プにおけるシユートのリフト装置に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

一般に、生コンクリートの打設現場がコンクリ
ートミキサー車から離れた位置、例えば、道路か
ら奥まつた場所や高所にあつて、生コンクリート
をコンクリートミキサー車から直接打設すること
ができない場合、生コンクリートを例えば第３図
に示すようなコンクリートポンプ１によつて打設
現場へ圧送することが行われている。

すなわち、該コンクリートポンプ１は、生コン
クリートが投入されるホツパ２と、該ホツパ２内
の生コンクリートを打設現場へ送り込むための圧
送手段（図示略）とを備えている。そして、前記
ホツパ２への生コンクリートの投入は、コンクリ
ートポンプ１に対向させれたコンクリートミキサ
ー車３のドラム４から、コンクリートミキサー車
３の後部に上下及び左右に揺動可能に設けられた
シユート５を経て行われるようになつている。

ところで、前記シユート５は、コンクリートミ
キサー車３の走行時に、コンクリートミキサー車
３の後部に収納した状態に保持されていることか
ら、コンクリートポンプ１への生コンクリートの
投入時に、前記シユート５をコンクリートミキサ
ー車３から引き出して、その揺動端部をホツパ２
の上部に位置合わせする必要がある。

そこで従来では、コンクリートミキサー車３
を、一旦、コンクリートポンプ１の近傍に停止さ
せ、次いで、作業員により、第３図に実線で示す
ように、前記シユート５をコンクリートミキサー
車３から引き出すとともに、第３図に鎖線で示す
ように、その端部がホツパ２の後方斜め上方に位
置するように上に揺動させ、しかるのちに、コン
クリートミキサー車３をコンクリートポンプ１へ
向けて移動させてシユート５の端部をホツパ２の
直上に位置させるようにしている。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案は、前述した従来の技術における次のよ
うな問題点を解決させんとするものである。

すなわち、前述した従来の技術にあつては、前
記コンクリートミキサー車３のシユート５とコン
クリートポンプ１のホツパ２との位置合わせを作
業員によつて行つているが、該シユート５の重量
が大きいことから、かなりの労力を要し、作業性
や保安の面からその対策が要望されているといつ
た問題点である。特に、通常は、１台のコンクリ
ートポンプ１に、複数台のコンクリートミキサー
車３によつて生コンクリートを投入するものであ
り、コンクリートミキサー車３が入れ代わる毎
に、前述したシユート５の位置合わせ作業を行わ
なければならないから、前述した問題点が助長さ
れやすい。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、前述した従来の技術における問題点
を有効に解消し得るコンクリートポンプにおける
シユートのリフト装置を提供せんとするもので、
コンクリートミキサー車に上下に揺動可能に取り
付けられたシユートからホツパに投入された生コ
ンクリートを打設現場へ圧送するようにしたコン
クリートポンプにおいて、生コンクリートが投入
されるホツパの後部に、左右の支持脚の先端に係
合ロツドを架設するとともに、上記支持脚の中間
部に補助ロツドを上記係合ロツドとほぼ平行に架
設した広幅の支え枠を、支持脚の根端部をブラケ
ツトに枢着して上下に回動自在に設け、上記ホツ
パと補助ロツドとの間に、支え枠を上に回動させ
てシユートを係合ロツドに受け、該シユートをホ
ツパよりも高い位置に上昇させるシリンダよりな
るアクチユエータを設けた構成とした。

〔作用〕

支え枠は広幅とされているので、コンクリート
ポンプの中心線に対してコンクリートミキサー車
の中心線が横に多少ずれるようなことがあつて
も、支え枠の係合ロツドにシユートを受け損うお
それがない。また左右の支持脚の間に係合ロツド
と補助ロツドが互いにほぼ平行に設けられている
ので、支え枠を梯子として利用することもでき、
コンクリートポンプの保守点検等がやり易い。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図および第２図
に基づき説明する。

なお、以下の説明中、第３図と共通する部分は
同一符号を用いて説明を簡略化する。

第１図中符号７は、本実施例に係わるシユート
のリフト装置である。リフト装置７は、コンクリ
ートミキサー車３のシユート５の揺動端部を支持
してホツパ２の上部まで移動させるものであり、
前記シユート５を受ける揺動可能な作動部材（支
え枠）８と、該作動部材８を揺動させるアクチユ
エータ９とを備えた概略構成となつている。

次いで、これらの詳細について説明すれば、前
記作動部材８は、第２図に示すように、一対の平
行な支持脚８ａと、両支持脚８ａの一端部を連結
する係合ロツド８ｂと、前記両支持脚８ａをその
長さ方向の中間部において連結する補助ロツド８
ｃとから成り、前記両支持脚８ａの他端部が、前
記ホツパ２の後端上部に、ブラケツト１０を介し
て上下に揺動自在に取り付けられている。なお、
作動部材８は第２図のようにシユート５に対して
広幅とされ、また２本のロツド８ｂ，８ｃは互い
に平行にされている。

前記アクチユエータ９は、本実施例では油圧シ
リンダあるいは空圧シリンダが用いられており、
このアクチユエータ９の一端は、前記ホツパ２の
後端下部にブラケツト１１を介して上下に回動可
能に連結され、また、他端は前記補助ロツド８ｃ
に回動可能に連結されている。そして、該アクチ
ユエータ９は、コンクリートポンプ１上に搭載さ
れたコンプレツサ１２にコントロールバルブ１３
を介して接続されている。

次いで、このように構成された本実施例のコン
クリートポンプにおけるシユートのリフト装置の
作用について説明すれば、以下のとおりである。

まず、アクチユエータ９によつて作動部材８を
揺動させて、該作動部材８の係合ロツド８ｂを最
下降位置まで下降させておく。

次いで、コンクリートポンプ１の後方に停止さ
せれているコンクリートミキサー車３からシユー
ト５を引き出して、前記係合ロツド８ｂの上方に
位置させたのちに、アクチユエータ９を再度作動
させて作動部材８を上方へ向けて揺動させること
により、第１図実線で示すように、係合ロツド８
ｂをシユート５の下面に当接させ、さらに、前記
アクチユエータ９の作動を継続することにより、
前記シユート５の揺動端部がホツパ２の後方斜め
上方に位置するまで作動部材８を揺動させる。

これにより、コンクリートミキサー車３をコン
クリートポンプ１へ向けて移動させることによ
り、あるいは、コンクリートポンプ１をコンクリ
ートミキサー車３へ向けて移動させることによ
り、前記シユート５の端部をホツパ２の真上に位
置させる。

しかるのちに、アクチユエータ９を逆方向へ作
動させて、作動部材８を最下降位置へ復帰させて
待機状態とする。

このような操作によつて、コンクリートミキサ
ー車３のシユート５とコンクリートポンプ１のホ
ツパ２との位置合わせが行われている。

このような操作に際して、シユート５の持ち上
げ操作が、アクチユエータ９によつて揺動させら
れる作動部材によつて行われるから、作業員の労
力が大幅に軽減されるとともに、シユート５の位
置合わせが迅速かつ精度よく行われて作業生の向
上が図られる。

上記において、作動部材８はシユート５に対し
て広幅とされているので、ホツパ２の中心位置か
らシユート５の位置が横に多少ずれていても、係
合ロツド８ｂにシユート５を受け損うことなく、
常に的確にシユート５を上昇させることができ
る。また、作動部材８に設けられた２本のロツド
８ｂ，８ｃを梯子のステツプに利用することがで
きるので、コンクリートポンプ１の保守点検等が
容易である。

なお、前記実施例において示した各構成部材の
諸形状や寸法等は一例であつて、ホツパ２の形状
や併用されるコンクリートミキサー車３の種類等
に基づき種々変更可能である。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案に係わるコンクリ
ートポンプにおけるシユートのリフト装置は、コ
ンクリートミキサー車に上下に揺動可能に取り付
けられたシユートからホツパに投入された生コン
クリートを打設現場へ圧送するようにしたコンク
リートポンプにおいて、生コンクリートが投入さ
れるホツパの後部に、左右の支持脚の先端に係合
ロツドを架設するとともに、上記支持脚の中間部
に補助ロツドを上記係合ロツドとほぼ平行に架設
した広幅の支え枠が、支持脚の根端部をブラケツ
トに枢着されて上下に回動自在に設けられ、上記
ホツパと補助ロツドの間に、支え枠を上に回動さ
せてシユートを係合ロツドに受け、該シユートを
ホツパよりも高い位置に上昇させるシリンダより
なるアクチユエータが設けられた構成とされてい
るので、最も労力を必要とするシユートの持ち上
げ操作を、アクチユエータによつて揺動させられ
る作動部材によつて行い、作業員の労力を大幅に
軽減することができるとともに、シユートの位置
合わせを迅速かつ精度よく実施して作業性を大幅
に向上させることができ、また、多数のコンクリ
ートミキサー車に対して１個のリフト装置によつ
て対応することができるので、リフト装置を総て
コンクリートミキサー車に個々に設ける必要がな
くコストの高騰を極力抑えることができる。

更にまた、支え枠は広幅とされているので、コ
ンクリートポンプの中心線に対してコンクリート
ミキサー車の中心線、つまりシユートが横に多少
ずれるようなことがあつても、支え枠の係合ロツ
ドにシユートを受け損うおそれがなく、常に的確
にシユートを上に持ち上げることができ、しかも
支え枠を梯子としても利用できるので、コンクリ
ートポンプの保守点検等がやりやすい等の優れた
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の一実施例を示す
もので、第１図は一部を省略した側面図、第２図
は要部の平面図、第３図は一従来例を示す第１図
と同様の図である。 ２……ホツパ、３……コンクリートミキサー
車、４……ドラム、５……シユート、７……リフ
ト装置、８……作動部材（支え枠）、９……アク
チユエータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンクリートミキサー車３に上下に揺動可能に
   取り付けられたシユート５からホツパ２に投入さ
   れた生コンクリートを打設現場へ圧送するように
   したコンクリートポンプにおいて、生コンクリー
   トが投入されるホツパ２の後部に、左右の支持脚
   ８ａ，８ａの先端に係合ロツド８ｂを架設すると
   ともに、上記支持脚８ａ，８ａの中間部に補助ロ
   ツド８ｃを上記係合ロツド８ｂとほぼ平行に架設
   した広幅の支え枠８が、支持脚８ａ，８ａの根端
   部をブラケツト１０に枢着されて上下に回動自在
   に設けられ、上記ホツパ２の補助ロツド８ｃの間
   に、支え枠８を上に回動させてシユート５を係合
   ロツド８ｂに受け、該シユート５をホツパ２より
   も高い位置に上昇させるシリンダよりなるアクチ
   ユエータ９が設けられたことを特徴とするコンク
   リートポンプにおけるシユートのリフト装置。