JPH0449315B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は一連の電気的映像信号すなわちビデ
オ信号から多色の動画像を再生する方法に関す
る。

多色動画像を再生するのに同時に３つの信号列
を使用することは知られている。ところで、多数
の信号列を同時に受信し、記憶しかつ伝送するに
は大きな技術的問題が伴ない、高価な装置が必要
とされることは経験の示すところである。この理
由から、良好な色再現に必要とされる信号を時間
的に順次伝送することが既に多々提案されてい
る。フリツカーや色縁を回避するために、信号を
複数回再生することが知られている。しかしなが
ら、良質の色再現に必要な３つの信号の線ベース
での繰返しによる多重再生では、再生像の垂直分
解能が著るしく減少し、かつ鮮明度が劣下する。
３つの信号のフレーム・ベースでの信号繰返しを
行えば、通常のテレビジヨン走査方式でも鮮明な
像が発生されるが、しかしながら像の運動が間欠
的に現われたり、クリープ線が現われたりする。
加うるに、家庭用装置ととしてこの様な像再生装
置はあまりにも高価である。

よつて、本発明の目的は上記のような欠点を有
しない方法を提案することにあり、映像信号すな
わちビデオ信号の順次伝送において単純な受信、
記憶および伝送装置を用いて良好な像を再生でき
る。さらに、非常に単純な家庭用設備を用いて良
好な像再生が可能となるばかりでなく、さらに、
非常に単純なスタジオ装置を用いて極めて良質の
像再生が可能となる多色動画像再生方法を提供す
ることにある。

上述の目的は、本発明によれば、走査線ラスタ
での像走査および像再生に対応する映像信号列を
用い、この映像信号列が１線毎に交互に第１およ
び第２の信号を含んでおり、前記第１の信号は原
画像の第１の分解色に対応し、そして前記第２の
信号は順次に原画像の２つの異なつた別の第２及
び第３の分解色に対応し、少なくとも前記第１の
信号は１フイールドの期間遅延された後に１回又
はそれ以上繰り返えされて再生され、そして前記
第２の信号をその分解色に関連した信号成分に分
解し、さらに前記第１の信号ならびに前記第２の
信号の信号成分をこれに対応する異なつた色で発
光する像軌跡に変換され、前記用いられる映像信
号列は情報担体に記憶され、また、前記第１の信
号の繰り返しは情報担体に記憶されている信号列
を反復して走査して行われることを特徴とする多
色動画像再生方法により解決される。

鮮明な像再生を達成するためには、上記第１の
分解色がスタジオ・ランプで証明した場合に、最
明色の物体色に対し少くとも50％の相対明度基準
値を有する色に対応するようにするのが合目的的
である。

垂直方向の分解能が完全な良質の像を得るため
には、飛越し走査線ラスタでの像走査および像再
生に対応する映像信号列を用いるのが好ましい。

単純な再生装置を得ることを可能にするために
は、第１の信号を時間的に線ベースで順次繰り返
えすのが合目的々である。

再生装置に費用をかけないで良好な垂直方向分
解能もしくは解像力を有する像を得るためには、
上記第１の信号をフイールド・ベースでフイール
ド走査時間±1/2Ｘ線走査時間に等しい時間順次
繰り返すのが有利である。

テレビジヨン放送と両立しかつ主観的に放送品
質に対応する品質を達成するためには、第１の信
号を時間的にフレーム・ベースで順次繰り返すの
が合目的々である。

いろいろな多数の使用目的に対しては、信号を
例えば磁気テープのような情報担体に記憶してお
くのが有利である。

簡単な像繰返し装置を得るためには、時間的に
順次相次いで行なわれる繰返しを、情報担体に記
録されている信号列の繰返し走査により発生する
のが好ましい。

簡単な映像信号記録を可能にするためにはさら
に、上記第２の信号の２つの異なつた分解色が順
次かつ交互に、第１のスペクトル分布を有する第
１の色と、該第１のスペクトル分布を有すると共
に第２のスペクトル分布を有する第２の色とに対
応するようにするのが有利である。

簡単な仕方で分解を行なうには、周波数選択手
段により信号成分に分解するのが合目的々であ
る。

色縁のラシタ・パターンを回避するためには、
第２の信号の少くとも１つの成分を線分ベースで
繰り返すのが有利である。

次に添付図面を参照して本発明の具体例に関し
て説明する。

第１図から明らかなように、客体１の光ビーム
S₁は対物レンズ系２および像スプリツタ（３色分
解光学系）３によつてビーム成分SG₁，SR₁およ
びSB₁に分解される。光電変換器４は客体１の結
像を走査することにより、上記の光ビーム成分に
対応する３つの電気信号EG₁，ER₁およびEB₁を
発生する。

マトリツクス５により、上記の電気信号から、
逐次伝送されて記憶される信号EG₂，ER₂および
EB₂が発生される。２つの信号ER₂およびEB₂か
ら1.5MHzの周波数で動作する切換スイツチ６に
より信号EX₂が形成され、そして信号EG₂および
信号EX₂から切換スイツチ７によりビデオ信号列
EGX₂が形成される。

切換スイツチ７はこの場合、線周波数即ちほぼ
15KHzで動作する。このビデオ信号列は符号化せ
ずに無線周波数で伝送することができるし、ある
いはまた第１図の実施例の場合のように、磁気テ
ープ８に記録することもできる。

伝送された（または読み出される）ビデオ信号
列EGX₃の再生にあたつては、該ビデオ信号列
EGX₃は遅延線９を介して、切換スイツチ１０を
用いて２倍にされる。この場合、切換は線の始端
と同期してほぼ15KHzで行なわれ、ビデオ信号列
EGX₃は信号列EG₃およびEX₃に分割される。遅
延線路９による遅延はほぼ64μ秒かまたは繰返し
の場合にはほぼ20μ秒に設定される。

信号列EX₃は、周波数に応答する分離回路１１
により、その成分ER₃およびEB₃に分割される。
信号EG₃，ER₃およびEB₃はマトリツクス１２に
より、３色のカラー陰極線管１３のための制御信
号EG₄，ER₄およびEB₄に変換される。陰極線管
１３は電気一光変換器としての働きをなし、客体
１に対応する像１４を発生する。

像スプリツタ（分割器）３は分光機能により光
束SG１，SR₁およびSB₁に分割する。例として第
２図には、これに適した分光特性曲線が示されて
いる。

光電変換器４は像スプリツタ３によつて発生さ
れる分解色像を走査することによつて、電気ビデ
オ信号EG₁，ER₁およびEB₁を発生する。この走
査は放送と両立するように飛越し走査で行なわれ
る。第３図は最初から４つのフイールド像ａ，
ｂ，ｃおよびｄのための線走査方式を略示すもの
である。ERとEBとの間の線分ベースでの切換え
は像スプリツタ３で光学的に行なうこともできる
し、また第１図に示すように切換器６を用いて行
なうことも可能である。

第３図から理解されるように、１つの走査線時
間dT₁の後に、線情報を繰返すことにより、均質
ではあるが幅が拡大された線で描かれるラスタが
生ずる。第３図にdT₂で示すように、各フイール
ド後毎、即ち、１フイールド像時間±1/2線走査
時間の遅延の後に、繰返しを行なう像再生でも同
様に均質なラスタが得られ、線繰返しと比較して
線幅が小さいラスタ線での像再生が達成される。
さらに第３図から明らかなように、第３図にdT₃
で示すように、フレーム後毎の像繰返しによれ
ば、線幅が大きなラスタ線のない像再生が可能と
なる。後者の場合には、例えば映写機での映写で
経験する様な間欠的な運動の再生が生ずる可能性
がある。しかしながら驚くべきことに、この様な
効果は毎秒僅か12.5フレームでも現われないこと
が判つた。

１フイールド像時間±1/2線走査時間後の繰返
しまたは１フレーム像毎の繰返しには、それぞれ
20ミリ秒または40ミリ秒間の非常に大きな情報量
の記憶が要求される。第４図は１つの例として、
フイールド像またはフレーム像ベースでの繰返し
のための磁気テープ記憶装置を備えた装置を示
す。斜線で示したトラツクの読取りは磁気テープ
８と接触している２つのヘツド１５および１６を
用いて行なわれる。これらヘツドを担持している
円板１７の半回転の後に、２つの別の磁気ヘツド
１５′および１６′が磁気テープ８と接触状態にな
る。これら合計４つのヘツド１５，１５′および
１６，１６′は円板１７に次のような仕方で配設
されている。即ち２つのヘツド１５および１５′
が常に信号EGX₃に対応するトラツクを走査し、
そして他の２つのヘツド１６および１６′が次の
フイールド又はフレームの信号EGX₃に対応する
トラツクを走査する様に配設されている。

機械的な不正確さならびに磁気テープ８の弾性
が原因で、再生時間ベースには小さいながら不規
則性が生ずる。このような不規則性は２つの相続
く走査線間で１走査線時間の端数値に過ぎない。
従つてこのような不規則性は単純なデジタル形走
査線時間補償回路１８を用いて除去することがで
きる。

第５図には周波数選択回路を用いて信号EX₃を
２つの成分ER₃およびEB₃に分解する例が示され
ている。

第５図から明らかなように、先ず低域フイルタ
１９により信号ER₃＋1/2EB₃が分離される。帯
域フイルタ２０を用いて、1.5MHzで変調されて
いる信号EB₃が選別される。検出器２１および低
域フイルタ２２によつて信号EB₃が形成される。
インバータ段２３では1/2EB₃の負の値が発生さ
れる。この負の値が信号ER₃＋1/2EB₃に加算さ
れて、その結果信号ER₃が発生する。

本願発明においては、次の効果が得られる。

従来の多色動画像の再生において３つの映像信
号列を同時に使用しなければならないのに対し
て、本願発明においては、走査線ラスタでの１線
毎に交互に対応する第１及び第２の２つの信号を
含む映像信号列を用い、第１の信号は原画像の第
１の分解色に対応し、第２の信号は第２及び第３
の分解色に対応しているので、原画像の伝送に必
要な信号の数が二つと少なくてよいので、信号の
受信、記憶のための回路が簡単になる。

また、従来の再生方法においては、フリツカー
及び色歪みを避けるために３つの信号を１線毎に
繰り返すと垂直分解能が減少し、かつ鮮明度が劣
下する欠点があり、また３つの信号をフレーム毎
に繰り返すと鮮明な像が生じるが像が急激に動い
たり水平方向のドリフトが生じる欠点があるが、
本願発明においては、少なくとも第１の信号を１
フイールドの期間遅延された後に１回又はそれ以
上繰り返しているので、垂直分解能が低下したり
像が急激に動いたりすることがなく鮮明な良好な
像が再生される。

また、本願発明においては、繰り返したりまた
１フイールドの遅延の対象となる信号も、従来の
ように３つの信号ではなく、少なくとも第１の信
号（最大でも２つの信号）であり信号の数が少な
いので、これらの繰り返し及び遅延処理に必要な
記憶装置等が複雑でなく比較的に単純な構造のも
のを使用することができ、信頼性が向上する。

また、本願発明の上述の再生方法のために使用
される装置も従来のものに較べて極めて単純な安
価な家庭用設備を用いることができるので、特に
安価で、頑丈な装置を必要とする特定の分野、例
えば、軍事用ロケツト、標的等において有用であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による方法を実施するための装
置を略示し、第２図は用いられる３つの色分解像
を得るための分解光学系の分光特性を略示し、第
３図は像走査および像再生のための走査線方式を
図解し、第４図は２回の反復もしくは繰返し信号
を再生を行なうための像繰返し装置を略示し、そ
して第５図は信号を２つの信号成分に分解するた
めの装置を示す。 １……客体、２……対物レンズ系、３……像ス
プリツタ、４……光電変換器、５，１２……マト
リツクス、６，７，１０……スイツチ、８……磁
気テープ、９……遅延線、１１……分離回路、１
３……カラー陰極線管、１４……像、１５，１６
……磁気ヘツド、１７……円板、１８……補償回
路、１９，２２……低域フイルタ、２０……帯域
フイルタ、２１……検出器、２３……インバー
タ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 電気的映像信号列から多色の動画像を再生す
   るための多色動画像再生方法であつて、 走査線ラスタでの像走査および像再生に対応す
   る映像信号列を用い、この映像信号列が１線毎に
   交互に第１および第２の信号を含んでおり、 前記第１の信号は原画像の第１の分解色に対応
   し、そして前記第２の信号は順次に原画像の２つ
   の異なつた別の第２及び第３の分解色に対応し、 前記第１の信号は１フイールドの期間遅延され
   た後に１回又はそれ以上繰り返えされて再生さ
   れ、 そして前記第２の信号をその分解色に関連した
   信号成分に分解し、さらに前記第１の信号ならび
   に前記第２の信号の信号成分をこれに対応する異
   なつた色で発光する像軌跡に変換され、 前記用いられる映像信号列は情報担体に記憶さ
   れ、また、前記第１の信号の繰り返しは情報担体
   に記憶されている信号列を反復して走査して行わ
   れることを特徴とする多色動画像再生方法。 ２ 前記第１の信号は、時間に対して１フイール
   ド毎に、１フイールド走査期間±1/2線走査期間
   にわたつて次々に反復されることを特徴とする特
   許請求の範囲第１項に記載の多色動画像再生方
   法。 ３ 前記第２の信号の２つの異なつた分解色が、
   順次かつ交互に、第１のスペクトル分布を有する
   第１の色と、該第１のスペクトル分布を有すると
   共に第２のスペクトル分布を有する第２の色とに
   対応する特許請求の範囲第１項又は第２項に記載
   に多色動画像再生方法。 ４ 前記第２の信号の信号成分への分解は、周波
   数選択手段により行うことを特徴とする特許請求
   の範囲第１項に記載の多色画動像再生方法。 ５ 前記第２の信号の少なくとも１つの成分が反
   復的に再生されることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項に記載の多色動画像再生方法。