JPH0448800Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は室内において使用することができ、洗
濯物用の物干しとしての用途のほか、各種衣類の
一時的吊り掛け、整頓等の用途にも使用される物
掛け台に関するものである。

（従来の技術） 本考案者は物干し装置、器具類について幾多の
考案をし、登録を得たが、従来の物干し装置は物
干し杆などを一体に組付けたものが多く、従つ
て、それらを外したり、他のものと交換したりす
ることができない。従来のものは特定の用途、機
能のみを有していたからである。また、この種の
ものは従来金属製であり、特に大型のものほど強
度上の問題のため金属が多用されている。

（技術的課題） しかし大型で金属製となると物々しく、また重
量化する問題があり、屋内装置品としては到底使
用できなくなる。本考案の目的は、本体に相当す
る部分には物干し専用の部材を備えず、何種かの
物干し具を用意して、それを選択的に本体に装着
して使用できるようにすることにより、物干しと
いう用途以外にも抵抗なく使用可能であるととも
に、装着部品の着脱、交換により、使用者におい
て用途、用法を変更することが可能であり、しか
も合成樹脂を主体とし、大型の物に適した物掛け
台を提供することにある。

（技術的手段） 前記目的は、合成樹脂によつて成形され、下端
に前後の脚部２１を有し、その上部に上方へ突出
した台部２２を有しており、夫々が一定の間隔に
配置された左右一対の基枠１，２を備え、かつ両
基枠１，２に両端部で結合された、金属よりなる
平行な前後一対の連結杆３，４及び両連結杆３，
４に固定された補強用の掛渡し部材５によつて構
成される台枠Ａと、各基枠１，２に上下方向の嵌
合孔３６，３７を形成してそこに下部を嵌合する
ことにより互いに平行に立設された、金属よりな
る直状の杆体６，７と、合成樹脂によつて成形さ
れ、杆体６，７の上端に嵌合手段により着脱可能
に装着された架材８と、各杆体６，７に上下可能
かつ着脱可能に取付けられる１種又は２種以上の
物干し具等９と、該物干し具等９を適宜の高さで
支えるため杆体６，７に沿つて摺動可能に固定さ
れる位置決め機構１０を備えた物掛け台により達
成される。

（考案の作用） この考案の物掛け台では、台枠Ａは左右の基枠
１，２を前後の連結杆３，４で結合するととも
に、掛け渡し部材５で補強しているので、合成樹
脂を主体とするにも拘らず基枠１，２に立設し洗
濯物その他の荷重を負担する杆体６，７を支える
のに十分な構造と強度が得られ、かつまた一対の
杆体６，７も頂部に取付けた架材８によつて固定
されているので、合成樹脂製物掛け台全体として
の強度も十分強化される。杆体６，７の上端に固
定された架材８は着脱可能であり、それ故各杆体
６，７に取付けられる物干し具等９は、架材８を
取外すことによつて、本体部分から容易に外した
り交換したりすることが可能である。また各種の
物干し具等９は杆体６，７に取付けられた位置決
め機構１０によつて任意の位置に固定される。そ
れ故、大型を利してワンピース型の丈の長い衣類
でも難なく吊り掛けることが可能になる。

（実施例） 以下図面を参照して説明すると、第１図、第２
図、第４，５図に示す実施例の台枠Ａは荷重を負
担する前後方向の脚部２１とその上方に突出した
台部２２から成る左右一対の基枠１，２を有し、
それらの前後叉部に夫々連結杆３，４を取付け、
前後連結杆３，４は短杆状の掛渡し部材５により
補強したものである。第７図に示すように、内端
２３を中実とし、外端２４を中空とするとともに
その中途にナツト２５を固着した二つ割部材２
６，２６を管状の連結杆３，４の端部に嵌合し、
スペーサ２７を介して位置決めした最外側の橋渡
し部材５の連結杆挿通部２８にビス２９を螺着す
ることにより、二つ割部材２６と連結杆３，４及
び橋渡し部材５を固定し、かつ同時に外側方から
基枠１，２の叉部に成形した保持筒３０を嵌合
後、その端壁に形成した小孔３１より結合ねじ３
２を挿入し、ナツト２５に螺合させ、これによつ
て台枠Ａを組立てている。３３は結合ねじ３２を
着脱するための摘みである。

橋渡し部材５は短杆状のものだけでなく、様々
の形状、構造のものを組み合わせ得る。第５図に
示す例では基枠１，２間を塞ぐようなネツト状部
３４を全面に設けた板状のものとして、物置き棚
に利用している。物置き棚は少なくとも四隅に連
結杆３，４に嵌合する連結筒部３５を有する。こ
れに対し、第３図、第６図の例のものは基枠１，
２の台部２２にもう一対の連結杆３′，４′を設
け、それにも物置き棚を取付けて２段にしたもの
で、連結杆３′，４′及び物置き棚の取付け方は前
記と同様で良い。

杆体６，７は基枠、１，２の中央に上下方向に
形成された嵌合孔３６，３７に下部を嵌合し、適
所をビス２９により止着して立設したもので、略
中央部において接続具３８，３９により継ぎ足し
分離可能になつている。３８ａは挿入型接続具３
８のフランジで杆体外径と同径であり、３９ａは
嵌合筒型接続具３９の内突部である。またこの杆
体６，７は前記連結杆３，３′，４，４′と共に樹
脂被覆金属製であるが、他の部品は樹脂成形品に
より形成されているので量産性が良く、色、形の
変化もつけ易い。架材８は杆体６，７の頂部に嵌
合手段により着脱可能に取付けられる。実施例の
架材８は略目の字型の枠状を有する。即ち、上下
に横方向の桟状の掛止部１１，１１′を設けてお
り、下部掛止部１１′の下側左右に、杆体６，７
を嵌合する上下方向の嵌合筒４０，４０を形成
し、かつそれらの直上の上部掛止部１１には杆体
頂部を嵌合する同方向の冠状穴４１，４１を形成
している。

而して杆体６，７等には各種の物干し具等９が
取付けられるが、その主なものは第１図、第１
５、第１６図に例示する放射状物干し具９Ａ，第
４図に例示する腕木状物干し具９Ｂ、第１１図に
例示するフツク状掛け具９Ｃなどである。放射状
物干し具９Ａは杆体６，７に緩挿する挿通孔４１
を形成した略半円状の中空な基部１２を有し、そ
の上部外縁に沿つて列設した孔より多数の物干し
杆４２の基部を挿し込み、そこに設けた軸を中心
にはね上げ展開可能とした構造を有し、半円形の
ため壁際に寄せられ、第１６図に示す大型のもの
と、第１５図に示す小型のものなどが用意され、
物干し杆先端に挾持機能を有するフツク４３を有
し、さらに小型のものは掛止鉤に吊下したピンチ
４５を有する。

第４図、第１７図に示す腕木状の物干し具９Ｂ
は、杆体６，７に嵌挿する筒状基部１３と、その
側方に突設した一対の取付片４７，４７及び、両
片間にはねあげ可能に軸支した腕木４８とから成
り、支軸４９の軸受を横長孔５０としているの
で、張出し時は腕木背面５１が取付片間の当接面
５２に当つて安定する一方、はね上げてから横長
孔５０に沿つて押下げると上面５３が当接面５２
に当つてそのまま安定する。４６ａは物干し竿Ｒ
の掛止凹部、４６ｂはハンガー類の掛止め部を示
す。以上の物干し具９Ａ，９Ｂは杆体６，７に嵌
挿するため上下に動き得るので、これを適宜の位
置に（高さ）で固定する位置決め機構１０として
固定部材１０′を併用している。該部材１０′は物
干し具９Ａ，９Ｂと一体でも良いが、図例のもの
について述べれば杆体６，７に嵌挿する基筒５４
と、その側面窓口５５より進退自在な圧接固定手
段である緊締子５６と、これを進出させかつ後退
を許すカム面５７を設けたレバー５８とから成
り、レバー５８は基筒側片５９に軸６０により取
付けてある。６１は緊締子５６の抜止段部、６２
は抑え片、６３は別体の場合に物干し具等特に腕
木状物干し具９Ｂが回つてしまうのを防ぐ係合凹
部で、相手の係合凸部６４は腕木状物干し具９Ｂ
の下面に設けてある。

また、６５は補助具、備品の取付け具で、杆体
６，７に嵌挿する通孔６６と、取付用突片６７及
び係止片６８を有し、係止片６８は弾性片で補助
具、備品を取外し可能とする。備品として反射鏡
６９を示したが、これは本案物掛け台が衣装掛け
として室内で使用されることを予定して用意した
ものである。７０は前記突片６７に嵌める小孔、
また７１，７２はフツク状掛け具９Ｃの２個のフ
ツクである。このフツク状掛け具９Ｃはハンガー
を掛けられるので、物干し具９の一つであると同
時に、物干し以外にも使用できるから一般吊掛け
用の補助具でもある。

（考案の効果） 本考案は以上の如く構成され、かつ作用するの
で、大型で合成樹脂より成る一対の基枠１，２
や、同様の架材８、或いは掛渡し部材５のほか、
金属製の連結杆３，４と杆体６，７等、比較的小
数の量産性ある単純な部品によつて、強固に形成
される。それ故合成樹脂を主体とする、大型のも
のであるにも拘らず、立設した杆体６，７に各種
の物干し具等９や衣装等が安定に掛けられるとい
う特徴を発揮する。なお、基枠１，２間の掛渡し
部材５は物品載置棚として使用することもでき
る。物干し具等９は杆体６，７への装着し位置決
め機構１０の圧接固定手段５６により任意の位置
に固定できるほか、取外しも可能であり、各種の
ものを交換、増減したりして、使用者の必要なも
ののみを使用し、不要なものは使用しないことが
可能であるから、単に物干し用、衣装掛け用とし
てだけでなく、家具のように各種の物の整頓用と
しても使用することができる。

従つて本考案の物掛け台は合成樹脂を主体とす
るので大型化しても軽く、屋内装置品に適してお
り、吊り或いは掛けたものに錆や腐蝕食その他の
汚れを付着させる虞れがない。また合成樹脂を主
体として、全体をスマートに形成できるので大形
であつても室内に置いて異和感をおこさず、調和
し易く、使用上の工夫により様々な用途が広がる
顕著な効果を奏するものである。特に在来構造で
は、鉄製の多数の部品をスポツト溶接等の手段で
組立てるので、製造の手順が制約され、能率を向
上できないが、本考案のものは格別の工具を必要
とせずに組立てられ、防錆等後処理も不要である
から、製造効率が著しく高められる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る物掛け台の実施例を示すも
ので、第１図は正面図、第２図は一部省略右側面
図、第３図は変形例の同様な右側面図、第４図は
第１実施例のものを示す全体斜視図、第５図、第
６図は第２、第３実施例の台枠の斜視図、第７図
は基枠、連結杆の接続部の垂直断面図、第８図は
同じく水平断面図、第９図は第５図第６図の掛渡
し部材の隅部底面図、第１０図は同じく隅部の横
断面図、第１１図、第１２図は杆体接続部２例の
断面説明図、第１３図は架材要部の正面図、第１
４図は側面断面図、第１５図、第１６図は放射状
物干し具の斜視図、第１７図は腕木状物干し具の
要部断面図、第１８図はその基部の部分側面図、
第１９図と第２０図は位置決め部材の上面図と水
平断面図、第２１図はフツク状掛け具の正面図で
ある。 １，２……左右の基枠、３，４，３′，４′……
前後の連結杆、５……掛渡し部材、６，７……杆
体、８……架材、９……物干し具等、１０……位
置決め機構、１１……掛止部、１２，１３……基
部、５６……圧接固定手段。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 合成樹脂によつて成形され、下端に前後の脚
   部２１を有し、その上部に上方へ突出した台部
   ２２を有しており、夫々が一定の間隔に配置さ
   れた左右一対の基枠１，２を備え、かつ両基枠
   １，２に両端部で結合された、金属よりなる平
   行な前後一対の連結杆３，４及び両連結杆３，
   ４に固定された補強用の掛渡し部材５によつて
   構成される台枠Ａと、各基枠１，２に上下方向
   の嵌合孔３６，３７を形成してそこに下部を嵌
   合することにより互いに平行に立設された、金
   属よりなる直状の杆体６，７と、合成樹脂によ
   つて成形され、杆体６，７の上端に嵌合手段に
   より着脱可能に装着された架材８と、各杆体
   ６，７に上下可能かつ着脱可能に取付けられる
   １種又は２種以上の物干し具等９と、該物干し
   具等９を適宜の高さで支えるため杆体６，７に
   沿つて摺動可能に固定される位置決め機構１０
   を備えた物掛け台。 (2) 基枠１，２は、上下２段の連結杆３，３′，
   ４，４′を有する実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の物掛け台。 (3) 上下２対の連結杆３，３′，４，４′に夫々固
   定する掛渡し部材５が略板状であり、物置き棚
   を兼ねている実用新案登録請求の範囲第１項又
   は第２項記載の物掛け台。 (4) 杆体６，７は、継ぎ足し、分離可能である実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の物掛け台。 (5) 架材８は、ハンガーなどの掛止部１１を有す
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の物掛け
   台。 (6) 衣類や干し物の吊り掛けのため、杆体６，７
   に嵌挿する基部１２より放射状に多数の物干し
   杆を開閉可能に取付けた放射状の物干し具が組
   合された実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   物掛け台。 (7) 物干し具等９を支える位置決め機構１０は、
   杆体６，７に沿つて上下可能に取付けられ、杆
   体外面に対する圧接固定手段５６と操作レバー
   ５８とを有する実用新案登録請求の範囲第６項
   記載の物掛け台。 (8) 物干し具等９は、杆体６，７に乾燥する基部
   １３へ取付けた物干し竿を支える腕木状のもの
   を含む実用新案登録請求の範囲第６項記載の物
   掛け台。