JPH044871Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、主として循環ろ過式の活魚水槽等
において、汚物等の浮遊状成分をろ過するための
ろ過装置に関する。

従来の技術 従来、この種のろ過装置としては、例えば第２
図に示されるようなものがある。このものでは、
図示のように、グラスウールマツト等の物理ろ過
材１を備えた一次ろ過槽２と、生物ろ過材３を備
えた生物ろ過槽４ａとを２段階に設けており、図
外の水槽から取り出した水を、取水管５を介して
上流側の一次ろ過槽２に最初に流し込んで物理的
にろ過するとともに、ろ過後の一次ろ過水を生物
ろ過槽４ａの流し込んで、その一次ろ過水が生物
ろ過材３の間を上から下へ移動する間に、残存す
る汚物等の浮遊状有機成分を、好気性菌によつて
分解処理させるようにしている。また、第３図の
ものでは、生物ろ過槽４ｂに設けた生物ろ過材３
の上に、グラスウールマツト等の物理ろ過材１を
敷設するようにしている。この場合においても、
水槽から取り出した水を、取水管５を介して上記
の物理ろ過材１の上部側に供給して物理的にろ過
するとともに、生物ろ過材３の間をろ過水が上か
ら下へ移動する間に、残存する汚物等の浮遊状有
機成分を、好気性菌によつて分解・処理させるよ
うになつている。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、上記従来技術では、前処理用と
してグラスウールマツト等の物理ろ過材を設けて
いるため、目詰まりが生じやすくなつており、１
日〜１週間に一度は物理ろ過材を洗浄しなければ
ならず、メンテナンス性が悪いという問題点があ
つた。しかも、上記の物理ろ過材によつては小さ
な粒子を取り除くことが難しいため、小さな浮遊
状有機成分の処理は生物ろ過材に略全面的に依存
することになり、生物ろ過材の負荷容量を大きく
しなければならず、生物ろ過槽が全体に大型化す
るという難点がある。

この考案は、このような問題点に鑑みて、メン
テナンス性に優れるとともに、コンパクトな構造
をしたろ過装置を提供することを目的として成さ
れたものである。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するための手段を、この考案の
一実施例を示す第１図を用いて説明する。すなわ
ち、生物ろ過材７を備えた生物ろ過槽６と、泡沫
発生器９を備えた泡沫分離槽８とを、両者の下部
側において互いに連通させている。泡沫分離槽８
には、その泡沫分離槽８の水面１６上に浮かぶ泡
沫１７を、上記泡沫発生器９で連続的に発生した
空気流で自動的に排出する泡沫排出口１４を設け
ている。

作 用 上記のような構成とすることにより、泡沫発生
器９から発生する泡沫１７によつて、泡沫分離槽
８に供給される水に浮遊する浮遊状成分が捕らえ
られて、前記の泡沫排出口１４から泡沫１７とと
もに排出される。

実施例 以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。第１図において、６は、生物ろ過材７を
備えた生物ろ過槽を示し、８は、この生物ろ過槽
６に付設して泡沫分離槽を示している。これら生
物ろ過槽６及び泡沫分離槽８は、両者間の下部側
において互いに連通状態となつている。９は、泡
沫分離槽８の下部側に設けられた泡沫発生器を示
している。この泡沫発生器９には、泡沫分離槽８
を内外に貫通して設けた送信管１０を介して、外
部のブロワー１１から吸い込まれた空気が供給さ
れている。１２は、泡沫分離槽８の上部に形成さ
れた取水口を示しており、この取水口１２に図示
しない水槽からの取水管１３が接続されている。
１４は、上記泡沫発生器９の上方において、泡沫
分離槽８の側壁部分に形成された泡沫排出口を示
している。この泡沫排出口１４には、泡沫分離槽
８の外部において上下方向に配設された泡沫分離
管１５が接続されている。すなわち、前記の水槽
からポンプ（図示せず）等によつて取り出された
水は、上記の取水管１３を介して泡沫分離槽８へ
と供給されるようになつている。なお、泡沫分離
槽８に流入した水の水面１６は、前記の泡沫排出
口１４よりもやや低いところで略一定の高さを保
つようになつている。そして、泡沫分離槽８の下
部側には、前記のブロワー１１によつて吸い込ま
れた空気が、前記の泡沫発生器９から泡状に噴出
するようになつている。それゆえ、前記のように
泡沫分離槽８に流入する水に含まれる浮遊状成分
の大半は、水面１６に浮かぶ泡沫１７によつて捕
らえられ、その泡沫１７とともに前記の泡沫排出
口１４を通つて泡沫分離管１５から排出されるこ
とになる。そして、泡沫分離槽８において大半が
除去された浮遊状有機成分の残部を含む水が、泡
沫分離槽８の下部側において、連通口１８を通つ
て前記の生物ろ過材７の下部空間１９に流入し、
その生物ろ過材７を下から上へ移動する間に、残
存する有機成分が好気性菌によつて分解・処理さ
れることになる。なお、２０は、生物ろ過材７の
上部側において、生物ろ過槽６の側壁部分に形成
された浄水取出口を示し、生物ろ過材７の上部側
に溜つた浄水が、この浄水取出口２０から取り出
されて水槽へと戻されることになる。

考案の効果 以上のように、この考案では、生物ろ過材を備
えた生物ろ過槽と、気体を泡状に噴出させる泡沫
発生器を備えた泡沫分離槽とを、両者間の下部側
において互いに連通させるとともに、上記の泡沫
分離槽には、その泡沫分離槽の水面上に浮かぶ泡
沫を排出する排出口を、前記の散気部材よりも高
い位置に設けたことにより、泡沫分離槽に供給さ
れる水中の浮遊状成分が、泡沫によつて捕らえら
れて排出されることになり、従来のようにグラス
ウールマツト等の物理ろ過材が不要となつてメン
テナンス性が向上するという利点がある。更に、
水中の浮遊状有機成分の大半が、泡沫分離槽にお
いて泡沫に捕らえられて排出されるから、生物ろ
過材に要する負担が少なくなつて、装置全体をコ
ンパクトにすることができるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す概略図、第
２図及び第３図は、それぞれ従来例を示す概略図
である。 ６……生物ろ過槽、７……生物ろ過材、８……
泡沫分離槽、９……泡沫発生器、１４……泡沫排
出口、１６……泡沫分離槽の水面、１７……泡
沫。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 生物ろ過材を備えた生物ろ過槽と、泡沫発生器
   を備えた泡沫分離槽とを、両者間の下部側におい
   て互いに連通させるとともに、上記の泡沫分離槽
   には、その泡沫分離槽内の水面に浮かぶ泡沫を、
   上記泡沫発生器で連続的に発生した空気流で自動
   的に排出する排出口を設けたことを特徴とするろ
   過装置。