JPH0448396Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は合成樹脂製ホースに関し、詳しくは粉
体輸送等に用いられるホースにおける静電気の帯
電防止構造の改良に関する。

（従来の技術とその問題点） 粉体輸送等に用いられる合成樹脂製ホースで
は、そのホースの内周壁と輸送される粉体との摩
擦によつて発生した静電気の放電ルートがないた
め、大量の静電気が帯電してノイズを発生し、粉
体等の自動計量機器を制御する電気、電子機器に
誤動作を誘発するといつた問題が生じる。このた
め、合成樹脂製ホースに静電気の帯電防止構造を
具備することが試みられている。

その従来構造として実開昭48−81163号公報が
ある。このものは、管壁内面に導電層を融着一体
化し、且つ管肉厚内に硬質螺旋芯を有したもので
ある。

しかして、導電層が内面に設けられているため
粉体との摩擦で導電層が摩耗し、帯電防止効果が
使用に伴ない減少し、且つ粉体との摩擦で生じる
微粉末は不純物となり、輸送粉体に混入するとい
つた問題を有する。しかも、管内に介在されてい
る螺旋芯が硬質合成樹脂であるため外圧によつて
クラツクが生じるといつた難点を有する。

（考案の目的） 本考案は上述の問題点を解決するためになされ
たもので、その目的は導体が摩耗せず、長期に渉
つて安定した帯電防止効果を維持できると共に、
内部透視が可能で耐圧強度に優れた合成樹脂製ホ
ースを提供することにある。

（考案の構成） 前述の目的を達成するために本考案が講じた技
術的手段は、合成樹脂材で形成したホース本体の
肉厚内に、導電性を有した金属線の外表面を導電
性樹脂の外被で被覆した補強体を螺旋状に埋設す
る。導電性の金属線の外表面を被覆する導電性樹
脂の外被は合成樹脂に鉄粉、カーボン等の導電性
材料を混入したものである。

（作用） 上記構成によれば、ホース内を輸送される粉体
とホース内壁面との摩擦で静電気が生じたとして
も、肉厚内の補強体（金属線及び外被）によつて
放電され、且つその補強体を地面等に触れさせる
ことによりアースできる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
ると、１は合成樹脂の押出し成形によつて形成さ
れるホース本体で、そのホース本体１のインナー
チユーブ１ａと、アウターチユーブ１ｂとの間に
補強体２が螺旋状に介在されている。

上記補強体２は導電性を有した金属線２ａの外
表面を導電性樹脂の外被２ｂを被覆したもので、
金属線２ａとしてピアノ線を使用し、それを合成
樹脂に鉄粉、カーボン等の導電性材料を練り込ん
だ導電性樹脂の外被２ｂで被覆したものである。

尚、ホース本体１を構成するインナーチユーブ
１ａとアウターチユーブ１ｂを透明材とした場合
は、ホース内を輸送される粉体等の状態を外部よ
り透視することができるものである。

（考案の効果） 本考案の合成樹脂製ホースは以上詳述した如
く、合成樹脂材で形成したホース本体の肉厚内
に、導電性を有した金属線の外表面を導電性樹脂
の外被で被覆した補強体を螺旋状に埋設したもの
であるから、次のような効果が発揮する。

粉体等の流体を輸送してホース内周面と摩擦
が起きても、導電性の補強体はホース肉厚内に
設けてあるため、補強体が摩擦によつて粉体化
し、不純物となつて流体に混入するといつたこ
とがないと共に、補強体の構造（肉厚等）を長
期に渉つて維持でき、安定した放電効果を確保
できる。

補強体を構成する線材と、その外表面を被覆
する外被が何れも導電性を有しているため、帯
電防止をはかる体積、表面積が大きく、それに
よつて帯電防止効果も増大できる。

補強体の線材は金属線であるため、硬質樹脂
線の場合に生じたクラツクの発生は無く、耐圧
強度の大なホースを提供できる。

導電性の補強体はホースに対し部分的に埋設
されているため、該ホースを透明体とした場合
は輸送される粉体等の状態を外部から透視観察
することが出来、別途観察窓を設けるといつた
必要がない。

【考案の詳細な説明】 図面は本考案の実施例を示す一部切欠正面図で
ある。

図中、１……ホース本体、２……補強体、２ａ
……金属線、２ｂ……外被。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂材で形成したホース本体の肉厚内に、
   導電性を有した金属線の外表面を導電性樹脂の外
   被で被覆した補強体を螺旋状に埋設した合成樹脂
   製ホース。