JPH0447790Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えばビデオテープレコーダに適用
するのに最適なカセツト装着装置に関し、特に、
カセツト挿入位置とカセツト装着装置との間を往
復動自在のカセツトホルダを有するカセツト装着
装置に関する。

〔考案の概要〕

本考案は、シヤーシのベース板上に立設された
一対の支持板によりカセツトホルダを支持し、そ
のカセツトホルダをカセツト挿入位置とカセツト
装着位置との間で往復動自在に構成したカセツト
装着装置において、ベース板に設けられた嵌合部
に一対の支持板の下端部を上方から着脱自在に嵌
合させ、それら一対の支持板の上端部に配置され
た弾性を有する取付板の両側の自由端を、弾性的
に下方に撓ませた状態でベース板に設けられた一
対の側板の上端部にねじ止め固定し、一対の支持
板の下端部をベース板に弾性的に圧着させること
により、支持板をベース板に確実に固定でき、し
かもベース板からの支持板の取外しを容易にでき
るようにしたものである。

〔従来の技術〕

従来のカセツト装着装置は、カセツトが挿入さ
れるカセツト挿入位置とその挿入されたカセツト
を記録再生装置に装着するカセツト装着位置との
間を往復動する金属製のカセツトホルダを有し、
そのカセツトホルダは垂直に立設された一対の支
持板に支持されている。

一対の支持板は、その下端部がＬ字形に屈曲さ
れ、その屈曲された下端部が、シヤーシのベース
板上に複数のねじによりねじ止め固定されてい
る。支持板には複数の逆Ｌ形のガイド溝が形成さ
れており、そのガイド溝でカセツトホルダの側部
に設けられたガイドピンをガイドすることによつ
て、カセツトホルダを逆Ｌ形の移動軌跡に沿つて
移動させるように構成している。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記従来装置においては、金属製の重いカセツ
トホルダを往復動させるために、ギヤ等の可動部
品が疲労し易く、それらの部品の交換および点
検、整備のために、カセツトホルダを支持する一
対の支持板を頻繁にベース板から取外す必要があ
る。そして、一対の支持板をベース板から取外す
ためには、支持板をベース板に固定している複数
のねじを取外さなければならない。

しかしながら、それらのねじは、垂直に立設さ
れている支持板の下端部に配置され、しかもそれ
らのねじの側方や上方には、駆動モータ、駆動ギ
ヤ等が配置されているので、ねじの取外し作業が
困難を極め、支持板の取外しに非常に時間と労力
を要していた。

そこで本考案は、一対の支持板をベース板に固
定するねじを、取外しが容易な位置に配置するこ
とができるカセツト装着装置を提供しようとする
ものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、シヤーシのベース板に立設された一
対の支持板によりカセツトホルダを支持し、その
カセツトホルダをカセツト挿入位置とカセツト装
着装置との間で往復動自在に構成したカセツト装
着装置において、前記ベース板に前記一対の支持
板の下端部が上方から嵌合する嵌合部を設け、前
記嵌合部に前記一対の支持板の下端部を着脱自在
に嵌合し、前記一対の支持板を連結する弾性を有
する取付板を前記一対の支持板の上端部に配置
し、前記ベース板に一対の側板を設け、前記取付
板の両側の自由端を弾性的に下方に撓ませた状態
でその自由端をそれぞれ前記一対の側板の上端部
にねじ止め固定し、前記一対の支持板の下端部を
前記ベース板に弾性的に圧着させるようにしたも
のである。

〔作用〕

本考案によれば、ベース板の嵌合部に一対の支
持板の下端部を上方から着脱自在に嵌合させ、取
付板の両側の自由端を弾性的に下方に撓ませた状
態で、その自由端をベース板に設けられた一対の
側板の上端部にそれぞれねじ止め固定することに
より、一対の支持板の下端部はベース板に弾性的
に圧着されて支持板はベース板に固定される。そ
して部品の交換等のために、一対の支持板をベー
ス板から取外す際には、取付板の自由端ほ側板に
ねじ止めしている側板上端部のねじを取外し、支
持板を上方へ引き上げて支持板の下端部をベース
板の嵌合部から離脱させるだけで、容易に一対の
支持板をベース板から取外すことができる。

〔実施例〕

以下、本考案を大小２種類のカセツトを使い分
けることができるカセツト式VTRのカセツト装
着装置に適用した一実施例を第１図〜第３図に基
づき説明する。

第１図に示すように、シヤーシ１のベース板２
の両側端には、左右一対の側板３が複数のねじ４
によつてねじ止めされている。これら一対の側板
３の上端部は、互いに内側に屈曲されて取付板取
付面３ａが形成されている。そして、この取付板
取付面３ａの略中央部には、ねじ挿入孔５が設け
られている。

上述の一対の側板３の内側には、左右一対の支
持板６が設けられている。これら一対の支持板６
の下端部６ｂは、ベース板２上に条設された一対
の溝からなる嵌合部７に上方から着脱自在に嵌合
されている。そして一対の支持板６の側部６ａに
は、それぞれ略逆Ｌ形のガイド溝８が３つづつ形
成されている。支持板６の上端部は、外方に屈曲
されて連結板取付面９が形成され、この連結板取
付面９には複数のねじ挿入孔１０が設けられてい
る。なお、この連結板取付面９は、側板３の取付
板取付面３ａよりも高い位置に設定されている。

一対の支持板６には、大小２種類のカセツトが
選択的に挿入されるカセツトホルダ１２が支持さ
れている。カセツトホルダ１２の底板１２ａ上の
略中央部には、カセツトホルダ１２内に挿入され
るカセツトをガイドするカセツトガイド２１が一
体に設けられており、カセツトホルダ１２の両側
部には、それぞれ３つのガイドピン２２が設けら
れている。ガイドピン２２の先端部にはガイドロ
ーラ１３が設けられており、これらのガイドロー
ラ１３が上述のガイド溝８にそれぞれガイドされ
ることによつて、カセツトホルダ１２はカセツト
が挿入されるカセツト挿入位置とカセツトが記録
再生装置に装着されるカセツト装着位置との間を
第１図の矢印ａ，ｂ方向に略逆Ｌ形の移動軌跡に
沿つて往復動させられる。

一対の支持板６の上端部の連結板取付面９に
は、２本の連結板１１が掛け渡されており、これ
らの連結板１１の両端部は、ねじ１４によつて連
結板取付面９にねじ止め固定されている。

両連結板１１の略中間位置には、取付板１５が
配置されている。取付板１５は、略長方形の本体
１５ａとその両側部に設けられた自由端１５ｂと
から成り、弾性を有する金属板で一体成形されて
いる。この取付板１５はまず、ねじ１７を本体１
５ａのねじ孔１６を介して支持板６のねじ挿入孔
１０に挿入してねじ止めした後、両自由端１５ｂ
を弾性的に下方に撓ませ、その状態でこの自由端
１５ｂを側板３の上端部に固定することにより取
付けられる。自由端１５ｂの側板３上端部への固
定は、自由端１５ｂの端部に設けられたねじ孔１
８を介して側板３のねじ挿入孔１５にねじ１９を
挿入し、これをねじ止めすることにより行う。取
付板１５が取付けられた状態を示したのが第２
図、第３図である。このように取付板１５が取付
けられることによつて、取付板１５の弾性によ
り、一対の支持板６の下端部６ｂがベース板２に
弾性的に圧着固定される。

次に、上述の装置の動作を説明する。

カセツト挿入位置でカセツトホルダ１２内にカ
セツト５０が第１図の矢印ｃ方向に選択的に挿入
されると、駆動モータ４０が駆動される。駆動モ
ータ４０の駆動により連動軸４１が回転させら
れ、ギヤトレイン４２を介してカセツトホルダ１
２が第１図の矢印ａ方向に往動させられて、カセ
ツト５０が記録再生装置（図示せず）に装着され
る。そして所望の記録再生が行われた後、駆動モ
ータ４０が逆回転されると、カセツトホルダ１２
がカセツト装着位置からカセツト挿入位置まで矢
印ｂ方向に復動され、カセツト挿入位置でカセツ
ト５０がカセツトホルダ１２内から抜き取られ
る。

次に、上述のようにベース板に固定されている
支持板６の取外し方法について説明する。

装置の部品の交換等のために、一対の支持板６
をベース板２から取外す必要が生じた場合には、
取付板１５の自由端１５ｂを側板３にねじ止めし
ているねじ１９を取外し、支持板６を上方へ引き
上げる。支持板６を上方へ引き上げることによつ
て、支持板６の下端部６ｂが嵌合部７から離脱さ
れ、支持板６はベース板２から取外される。

上述の実施例によれば、一対の支持板６の下端
部６ｂが、取付板１５の弾性によりベース板２の
嵌合部７に弾性的に圧着されるので、カセツトホ
ルダ１２の往復動に際しての振動等により、支持
板６の下端部６ｂが嵌合部７から外れて位置ずれ
するのを防止でき、また、支持板６の下端部６ｂ
がベース板２から浮くことにより生ずる一対の支
持板６の高さ位置のずれが防止でき、これら一対
の支持板６に設けられた互いに対向するガイド溝
８を平行に保つことができるので、カセツトホル
ダ１２を常に安定した状態で円滑にガイドするこ
とができる。

さらに上述の実施例によれば、取付板１５を側
板３に固定しているねじ１９を取外すだけで、支
持板６を容易にベース板２から取外すことがで
き、しかもこのねじ１９は、側板３の上端部に配
置されているのでその取外しを簡単にできる。従
つて、第２図に仮想線で示したような位置に支持
板固定ねじ２８が配置されていたため、カセツト
ホルダ１２を駆動する駆動モータ４０、ギヤトレ
イン４２等が邪魔になつてねじの取外し作業に非
常な時間と労力を要していた従来装置に比べ、ね
じの取外し作業時間および労力の節減を図ること
ができる。

なお、上述の実施例では、支持板６の下端部６
ｂが嵌合する嵌合部７を溝で構成したが、嵌合部
７は溝に限定されるものではなく、例えば下端部
６ｂに設けられた凸部に嵌合し得る凹部から成る
ものであつてもよく、要は、支持板６の下端部６
ｂを嵌合し得るものであればどようなものであつ
てもよい。

以上、本考案の実施例に付き述べたが、本考案
は実施例に限定されることなく、本考案の技術的
思想に基づいて各種の有効な変更が可能である。

また本考案は、カセツト式VTRのカセツト装
着装置に限定されることなく、その他各種のカセ
ツト式記録再生装置や情報処理装置等における各
種のカセツト装着装置に適用可能である。

〔考案の効果〕

本考案によれば、取付板の自由端を側板にねじ
止めしているねじを取外し、支持板を上方に引き
上げて支持板の下端部をベース板の嵌合部から離
脱させるだけで、容易に支持板をベース板から取
外すことができる。そして支持板をベース板に固
定するねじが、支持板の下端部に取付けられてい
た従来装置と異なり、ねじが側板の上端部に取付
けられているので、ねじの取外しに際して装置の
駆動モータ、駆動ギヤ等が邪魔になることがな
く、ねじの取外し作業を容易に行うことができ
る。従つて、装置の部品の交換時等に要していた
支持板の取外しの時間と労力とを大幅に節約で
き、作業能率の向上を図ることができる。

また、本考案によれば、取付板の弾性により支
持板は弾性的にベース板に圧着固定されるので、
支持板がベース板上で位置ずれするのを防止でき
ると共に、一対の支持板の高さ位置にずれを生ず
るのを防止でき、カセツトホルダを常に安定した
状態で支持、移動させることができる。

さらに、本考案によれば、取付板が、支持板を
ベース板に弾性的に圧着させる部材を兼ねている
ので、支持板をベース板に弾性的に圧着させるた
めに、板ばね等を別に用いる必要がなく、装置製
造コストの低廉化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の一実施例を示したも
のであつて、第１図は要部の分解斜視図、第２図
は要部の縦断面図、第３図は要部の平面図であ
る。 なお図面に用いた符号において、１……シヤー
シ、２……ベース板、３……側板、６……支持
板、６ｂ……下端部、７……嵌合部、１２……カ
セツトホルダ、１５……取付板、１５ｂ……自由
端である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シヤーシのベース板上に立設された一対の支持
   板によりカセツトホルダを支持し、そのカセツト
   ホルダをカセツト挿入位置とカセツト装着位置と
   の間で往復動自在に構成したカセツト装着装置に
   おいて、 前記ベース板に前記一対の支持板の下端部が上
   方から嵌合する嵌合部を設け、 前記嵌合部に前記一対の支持板の下端部を着脱
   自在に嵌合し、 前記一対の支持板を連結する弾性を有する取付
   板を前記一対の支持板の上端部に配置し、 前記ベース板に一対の側板を設け、 前記取付板の両側の自由端を弾性的に下方に撓
   ませた状態でその自由端をそれぞれ前記一対の側
   板の上端部にねじ止め固定し、前記一対の支持板
   の下端部を前記ベース板に弾性的に圧着させるよ
   うにしたことを特徴とするカセツト装着装置。