JP2536576Y2 - カセットホルダ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

［考案の目的］

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、ビデオテープレコーダ
（以下ＶＴＲと称する）などの磁気記録再生装置に設け
られ、記録媒体であるテープが内蔵されたカセットを保
持、搬送するカセットホルダ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ＶＴＲなどの磁気記録再生装置には、テ
ープが内蔵されたカセットを保持して、ＶＴＲのメカデ
ッキに設けられた記録媒体駆動部であるリール台まで搬
送し、カセット内のテープが巻回されたリールをリール
台に装着するカセットホルダが設けられている。

【０００３】このカセットホルダは、カセットの底面を
保持する保持板と、保持板の長手方向の対向する二辺に
直角に取り付けられ、カセットの長手方向の位置決めを
行う規制板と、これらの規制板の上部を連結する上部板
とからなっている。

【０００４】また従来のカセットホルダの上部板には、
カセットホルダ内に挿入されたカセットの上面を押圧し
て、カセットの底面をカセットホルダの保持板上に形成
された突出部に密着させるための１対の板バネまたはレ
バーが設けられていた。

【０００５】一方、カセットの底面には位置決め用の孔
が設けられており、カセットホルダがメカデッキに圧着
されカセット内のリールがリール台に装着されたとき
に、ＶＴＲのメカデッキに立設された位置決め用のピン
が前記孔に嵌合して、カセットの位置決めを行ってい
る。

【０００６】上記の従来のカセットホルダの構造による
と、カセット内のリールをリール台に装着するときに前
記孔とピンとの位置がずれていると、カセットをカセッ
トホルダを介してメカデッキに圧着するために非常に大
きな力が必要となる。このためカセットがメカデッキに
圧着されずに浮いたままの状態でテープがローディング
され、テープが損傷したり、記録再生時の画質や音質に
悪影響を及ぼすことがあった。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】上記のように従来のカ
セットホルダ装置では、カセットをメカデッキに圧着す
るときに位置決め用の孔とピンとの位置がずれている
と、カセットが板バネやレバーによって保持板に押圧さ
れているため横にずれにくく、圧着に非常に大きな力が
必要となる。このため、カセットが完全にメカデッキに
圧着されず、浮いた状態のままでテープローディングが
行われることがあった。この結果、テープが損傷した
り、記録再生時の画質や音質に悪影響を及ぼすという問
題があった。

【０００８】本考案はこのような従来のカセットホルダ
装置の問題点を解決せんとしてなされたもので、その目
的は、カセットを確実にメカデッキに圧着することがで
き、しかもカセットをカセットホルダに対して容易に着
脱することのできるカセットホルダ装置を提供すること
である。 ［考案の構成］

【０００９】

【課題を解決するための手段】本考案では、記録媒体が
内蔵されたカセットを保持して、記録媒体駆動部に搬送
装着するカセットホルダ装置において、カセットホルダ
の両側面にそれぞれ回動可能に設けられ、一端が前記カ
セットの上面を押圧するレバーと、前記カセットホルダ
の搬送中は前記レバーが前記カセットの上面を押圧し、
前記カセットの前記カセットホルダへの着脱時及び前記
記録媒体駆動部への装着時には、前記レバーの前記カセ
ット上面への押圧を解除させる方向に、それぞれ前記レ
バーを回動させる駆動手段とを備えさせてカセットホル
ダ装置を構成した。

【００１０】

【作用】上記構成によると、カセットをカセットホルダ
を介してメカデッキに圧着するときに、レバーによるカ
セット上面への押圧が解除されているため、カセットホ
ルダ上でカセットが容易に移動することができ、位置決
め用のピンと孔とが一致していなくてもピンを無理なく
孔に挿入することができる。またカセットをカセットホ
ルダに着脱するときもレバーによるカセット上面への押
圧が解除されているため、カセットのカセットホルダへ
の挿入、取出しを円滑に行うことができる。

【００１１】

【実施例】以下、本考案の一実施例を説明する。図１は
本考案の一実施例の斜視図である。図１において、カセ
ットホルダ１はカセット２の底面を保持する保持板３
と、保持板３の長手方向の両端に直角に立設されカセッ
ト２の長手方向の位置を規制する規制板４と、１対の規
制板４の上部を連結する上部板５とから構成されてい
る。また保持板３の両端近傍の上面にはカセット２の底
面を保持する突出部６が設けられている。さらに１対の
規制板４にはそれぞれ外側に向って直角に突出する３本
のガイドピン７が設けられている。また、１対の規制板
４の外側にはそれぞれ支軸８を介してレバー９が回動可
能に支持されており、レバー９の両端はほぼ直角に下方
に向って延設されている。そしてレバー９の一方の端部
にはガイドピン10が外側に向って直角に突出して設けら
れており、さらにレバー９の上部には内側に直角に折り
曲げられた押圧部11が設けられている。

【００１２】第２図はカセット２をカセットホルダ１に
挿入したときの状態を示す側面図である。第２図におい
て、ＶＴＲ本体の両側のフレーム12には、直交する２部
分からなる３本のガイド溝13が形成されており、ガイド
溝13にはそれぞれ規制板４に植設されたガイドピン７が
摺動自在に係合している。そしてカセットホルダ１はガ
イド溝13に案内されて、図示しない駆動手段により前後
方向及び上下方向に移動するようになっている。またフ
レーム12にはガイド溝13とほぼ同様の形状のカム溝14が
設けられており、レバー９の一端に設けられたガイドピ
ン10が摺動自在に係合している。さらにフレーム12の外
側面の下部にはカム板15が取り付けられている。

【００１３】次に、上記のカセットホルダ装置の動作を
説明する。カセット２をカセットホルダ１に挿入すると
きには、カセットホルダ１は第２図に示す位置よりさら
に図中左側にあり、レバー９のガイドピン10はカム溝14
の左端にある。この状態ではレバー９は矢印Ａで示す方
向に回動し、押圧部11は上昇している。従ってカセット
２はカセットホルダ１内に容易に挿入することができ
る。

【００１４】第２図に示すようにカセット２をカセット
ホルダ１内に挿入すると、カセットホルダ１は矢印Ｃで
示す方向に移動を開始する。そしてレバー９のガイドピ
ン10がカム溝14に案内されて移動し、レバー９は矢印Ｂ
で示す方向に回動して押圧部11がカセット２の上面を押
圧保持する。

【００１５】第３図に示すようにカセットホルダ１が矢
印Ｃで示す方向の移動端までくると、ガイドピン７がガ
イド溝13に案内されてカセットホルダ１は下降を開始す
る。下降を開始するまではカセット２の上面はレバー９
の押圧部11によって押圧保持されている。

【００１６】カセットホルダ１が下降するとレバー９の
ガイドピン10はカム溝14に案内され、レバー９は徐々に
矢印Ａで示す方向に回動し、レバー９の押圧部11はカセ
ット２の上面から離脱する。そして、カセットホルダ１
が下降端に到達したときには、第４図に示すようにレバ
ー９のガイドピン10が植設されている一端と反対側の一
端がカム板15と係合し、押圧部11がカセット２の上面か
ら離脱した状態で保持される。

【００１７】この状態ではカセット２の底面はカセット
ホルダ１の保持板３に押し付けられていないので、カセ
ット２に設けられた図示しない位置決め用の孔と、図示
しないメカデッキに植設された位置決め用のピンとの位
置がずれていても、カセット２は保持板３に対して容易
に変位することができ、負荷なくピンを孔に嵌合するこ
とができる。

【００１８】また、カセット２をカセットホルダ１から
取り出すときも、挿入時と同様にレバー９の押圧部11が
カセット２の上面から離脱しているので、容易に取り出
すことができる。

【００１９】このように本実施例では、カセット２のカ
セットホルダ１に対する着脱時及びカセット２のメカデ
ッキへの圧着時には、レバー９の押圧部11のカセット２
の上面への押圧を解除するので、カセット２のカセット
ホルダ１への着脱を容易に行うことができる。しかもカ
セット２の位置決め用の孔とメカデッキの位置決め用の
ピンとの位置がすれていても、ピンに負荷をかけること
なく孔に嵌合させることができる。従ってカセットの浮
き上りを防止して確実にメカデッキに圧着することがで
きる。

【００２０】上記実施例ではレバー９の駆動手段として
カム溝14とカム溝14に係合するガイドピン10とを用いた
場合について説明したが、この駆動手段はこれらに限定
されるものではなく、例えばバネなどを用いてもよい。

【００２１】

【考案の効果】以上説明したように本考案によれば、カ
セットホルダにカセットの上面を押圧するレバーを回動
可能に設けて、カセットのカセットホルダへの着脱時及
びメカデッキへの押圧時にはレバーのカセット上面への
押圧を解除するようにしたので、カセットのカセットホ
ルダへの着脱を容易に行うことができ、カセットのメカ
デッキへの圧着時にカセットの浮き上りを防止して、小
さい圧着力で確実にメカデッキに圧着することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の斜視図。

【図２】

【図３】

【図４】本実施例の動作を示す説明図。

【符号の説明】

１…カセットホルダ ２…カセット ９…レバー 10…ガイドピン（駆動手段） 15…カム溝（駆動手段）

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録媒体が内蔵されたカセットを保持し
   て、記録媒体駆動部に搬送装着するカセットホルダ装置
   において、カセットホルダの両側面にそれぞれ回動可能
   に設けられ、一端が前記カセットの上面を押圧するレバ
   ーと、前記カセットホルダの搬送中は前記レバーが前記
   カセットの上面を押圧し、前記カセットの前記カセット
   ホルダへの着脱時及び前記記録媒体駆動部への装着時に
   は、前記レバーの前記カセット上面への押圧を解除する
   方向に、それぞれ前記レバーを回動させる駆動手段とを
   備えることを特徴とするカセットホルダ装置。