JPH0447368Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「考案の利用分野」 この考案は、内燃機関に用いるバルブステムシ
ールに関するものである。

「従来の技術及びその問題点」 一般にバルブステムシールは、そのリツプ部に
おいてオイル側のバルブステム周囲のエンジンオ
イルを掻取つてバルブステム周囲に所定厚みの油
膜を形成し、バルブガイドとの焼着を防止する
が、油膜のリーク量が多過ぎても燃焼室へのオイ
ル漏れを生じ、また少な過ぎても焼着きの問題が
あり、そのため適格なリーク量を常に確保する必
要があるが、リーク量の厳格な調整は必ずしも容
易ではない。

また、長期間にわたつてエンジオイルの交換を
しないような場合、燃焼生成物等のスラツジ、ワ
ニス等を洗い落す作用をする洗浄剤が入つている
エンジオイルの清浄作用がなくなり、このスラツ
ジ等がコイルバネの鋼線間に堆積してコイルバネ
の伸縮性を阻害し、この結果シール能力が低下し
てバルブガイド側へのオイルの漏れ量が多くな
り、エンジオイルの消費量の増大、燃料へのオイ
ルの混入等の悪影響を招来する欠点があつた。

「問題点を解決するための手段」 この考案は前記従来の課題を解決するために、
下方の補強環の上部外周に上方の補強環の下部を
嵌合一体化し、上下の補強環の上端フランジ内周
にリツプ部を形成してリツプ部を上下二段に配す
ることにより、上下二段のリツプ部でリーク量を
確実に調整でき、しかも上段のリツプ部において
下段のリツプ部のスラツジ等の付着防止して正常
に機能するようにしたバルブステムシールを提案
するものである。

「実施例」 以下この考案を図面に示す実施例について説明
すると、下方の補強環１の上部外周に上方の補強
環１′の拡径した下部が嵌合一体化され、上下の
補強環１，１′の上端フランジ内周にそれぞれ環
状のゴム製リツプ部２，２′が形成されており、
各リツプ部２，２′の外周側にはコイルバネ３が
装着されている。

下方の補強環１の内周には、リツプ部２と一体
にゴム製嵌合シール部４が焼着されている。

「考案の効果」 以上の通りこの考案によれば、下方の補強環の
上部外周に上方の補強環の下部を嵌合一体化し、
上下の補強環の上端フランジ内周にリツプ部を形
成してなるので、上下二段のリツプ部でリーク量
を確実に調整でき、しかも下段のリツプ部は上段
のリツプ部とその補強環によつて保護されるの
で、スラツジ等の付着防止して常に正常に機能さ
せることができる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示す部分縦断面図であ
る。 １，１′……補強環、２，２′……リツプ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下方の補強環の上部外周に上方の補強環の下部
   を嵌合一体化し、前記上下の補強環の上端フラン
   ジの内周にそれぞれリツプ部を形成してなること
   を特徴とするバルブステムシール。