JPH044724B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、回転型可変抵抗器、ロータリスイツ
チ等の回転型電気部品における固定側部材の製造
方法に関するものである。

〔発明の背景〕

回転型電気部品として例えば回転型可変抵抗器
は、円環状に形成した抵抗体に摺動子を摺動可能
に当接させて設け、この摺動子の抵抗体における
円周方向の当接位置を変位させることによつて抵
抗値の調整を行うことができるように構成され
る。ここで、抵抗体は通常基板上に印刷等の手段
を用いて形成され、この基板に抵抗体の両端に接
続されるリード端子を取付け、この基板と端子と
の間の連結部分を絶縁ケースに収納することによ
り形成し、この組立体を固定側部材としている。
また、摺動子はそれを外部から回動操作するため
の調整つまみに組付けられて可動側部材となし、
この可動側部材を前述の固定側部材に回動可能に
組付けることによつて回転型可変抵抗器が形成さ
れる。

而して、前述の固定側部材は、従来、抵抗体を
形成した基板に、該抵抗体に直接接触させるよう
にして取付け、この取付部分を鳩目により止着す
ることによつて固定し、然る後この基板の周囲を
モールド成型によつて絶縁ケース内に収納するよ
うにしていた。

ところで、回転型可変抵抗器等の回転型電気部
品は、その取付けスペース等の観点から、その形
状の小型化が要請される場合があり、そのために
は基板や端子の寸法を短縮する必要があると共
に、抵抗層の面積も少なくする必要がある。しか
しながら、かかる小型の基板に対して端子を取付
けるに際して、前述した従来技術のものの如く、
鳩目で止着するのはその位置合せ等において極め
て困難であるだけでなく、端子と抵抗層との間の
接触面積を十分に確保することができない等の不
都合があつた。

〔発明の目的〕

本発明は前述した従来技術の欠点に鑑みてなさ
れたもので、回転型電気部品の固定側部材を容易
に組立てることができ、しかも基板における配線
部と端子との間の接続を良好に行なうことができ
るようにし、もつて電気部品の全体の構成を小型
化、コンパクト化することができるようにするこ
とを、その目的とするものである。

〔発明の概要〕

前述の目的を達成するために本発明の方法は、
金属板を部分的に打ち抜くことにより端子形成部
と係止部とを形成する工程と、表面に配線パター
ンが形成され裏面に配線パターンと接続する導電
部が形成された基板を、その裏面側における導電
部が前記端子形成部と電気的に接続する状態にし
て積層する工程と、前記係止部を折曲げて前記基
板を前記金属板に固定する工程と、前記基板と端
子形成部との間の連結部分を含み、前記係止部の
折曲げ部から外れた位置に合成樹脂製の固定側部
材をモールド成型する工程と、この固定側部材を
前記金属板から切断して分離する工程とを備えた
ことを、その特徴とするものである。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に
説明するに、本実施例においては回転型電気部品
の一例として回転型可変抵抗器における固定側部
材の製造方法について説明するが、ロータリスイ
ツチ等他の回転型電気部品にも適用し得るのはい
うまでもない。

而して、回転型可変抵抗器は、第３図及び第４
図に示したような構造となつている。即ち、図中
１は有底筒状の絶縁ケースで、該絶縁ケース１内
の底壁部には合成樹脂フイルム、セラミツク等の
絶縁材からなる基板２が設置されており、該基板
２上には印刷等の手段で抵抗体３が円弧状に形成
されている。そして、該抵抗体３の両端部には端
子４，５が接続され、該各端子４，５の先端部は
絶縁ケース１から外部に導出せしめられている。
これら、絶縁ケース１、抵抗体３を設けた基板２
及び端子４，５によつて固定側部材が形成され
る。

抵抗体３上には導電性ばね材からなる摺動子６
の一端部６ａが摺動可能に当接している。この摺
動子６は絶縁ケース１に回動可能に取付けた第１
の調整つまみ７に固定されると共に、第１の調整
つまみ７の取付け側とは反対側において、絶縁ケ
ース１の底部を貫通して延びる第２の調整つまみ
８とも係合している。そして、これら第１、第２
の調整つまみ７，８にはドライバ等の治具によつ
て回動操作される操作溝７ａ，８ａがそれぞれ形
設されている。また、第２の調整つまみ８側には
摺動子６と接続した端子９が突出している。これ
ら、摺動子６、第１、第２の調整つまみ７，８及
び端子９により可動側部材が構成されている。

前述のようにして構成される回転型可変抵抗器
はその端子４，５，９をプリント配線板１０に取
付けた状態で使用されるようになつており、第
１、第２の調整つまみ７，８のいずれかを適宜回
動操作することによつて、所望の抵抗値を得るこ
とができるように調整することができるようにな
つている。

次に、この回転型可変抵抗器における固定側部
材の製造方法について説明する。

まず基板２は、第１図ａに示したように、馬蹄
形の本体部２ａと、該本体部２ａの上部に形成し
た三角形状の取付部２ｂとからなり、本体部２ａ
には該本体２ａの表面に形成した抵抗体３の両端
部または両端部に近接した位置に透孔１１，１１
が開設されており、該各透孔１１を介して抵抗体
３を裏面側に延在させる導電部１２が形成されて
いる。一方、端子４，５は金属板のフープ材１３
で形成され、第１図ｂに示したように、必要個所
を打ち抜いて一対の端子形成部４′，５′を形成す
ると共に、上端に前記基板２の取付部２ｂを係止
する係止部１４，１４を形成する。

次に、第１図ｃに示したように、基板２をフー
プ材１３上に積層する。而して、該基板２はその
導電部１２，１２がそれぞれ端子形成部４′，
５′上に設置するように位置決めをする。そして、
第１図ｄに示したように、係止部１４を曲折する
ことにより該係止部１４によつて基板２の取付部
２ｂを挟持固定する。このときに、基板２に形成
した抵抗体３を導電部１２を介して端子形成部
４′，５′と電気的に接続するようにする。この基
板２と端子形成部４′，５′とは単に当接させただ
けでもよいが、電気的接続を良好に行うために、
基板２の本体部２ａの裏面または端子形成部４′，
５′の表面に導電性の接着剤またはヒートシール
材を塗布し、その間を圧着するようにすればよ
い。

さらに、第１図ｅに示したように、前述のよう
に端子形成部４′，５′と基板２との積層体に対し
てその周囲と端子形成部４′，５′の裏面側に有底
円筒状の絶縁ケース１をモールド成型する。この
場合、同図から明らかなように、絶縁ケース１は
前記係止部１４の折曲げ部分から外れた内側に位
置する。

そして、この成型完了後、この絶縁ケース１及
び該絶縁ケース１から突出する状態となつた端子
形成部４′，５′をフープ材１３から切断し、第１
図ｆに示したように、固定側部材を形成する。こ
の切断工程によつて、前記係止部１４の折曲げ部
と係止部１４に係止された基板２の取付部２ｂと
は、絶縁ケース１から分離されたフープ材１３側
に残る。

然る後に、端子４，５を折り曲げると共に、絶
縁ケース１の底壁中央部に形成した貫通孔１ａ
（第２図参照）に可動側部材である第１、第２の
調整つまみ７，８及び摺動子６、さらに端子９を
装着することによつて、回転型可変抵抗器を形成
することができる。

前述の如く、基板２をフープ材１３に連結した
状態で送られる端子形成部４′，５′上に設置する
ことによりそれらの間を連結すると共に、該基板
２の本体部２ａに設けた抵抗体３と端子形成部
４′，５′との間を電気的に接続することができ、
従来技術の如く端子を鳩目で基板２に止着する必
要がないから、固定側部材の組立てを容易に行う
ことができると共に、抵抗体３と端子４，５との
間の電気的な接続も容易に行うことができる。ま
た、基板２の位置決めは、該基板２の取付部２ａ
の上端部とフープ材１２に形成される係止部１４
とを当接させることによつて行うようにすれば、
該基板２の端子形成部４′，５′の連結がさらに容
易に行われる。さらに、基板２は第１図ａのよう
に単体として製造してもよいが、端子形成部４′，
５′側と同様ループ材に連設するようにしてもよ
い。

〔発明の効果〕

本発明は以上の如くであつて、係止部を折曲げ
ることにより基板を金属板上に確実に固定し、モ
ールド成型後は、その成型工程で形成された固定
側部材によつて基板と端子との間の電気的および
機械的な接続を図ると共に、係止部による固定部
分を固定側部材から分離するものであるから、小
型でコンパクトな回転型電気部品の固定側部材を
簡単な工程で製造することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の方法を回転型可変抵抗器に適用
したものを示すもので、第１図ａ乃至ｆは工程説
明図、第２図は第１図ｆの−断面図、第３図
は回転型可変抵抗器の断面図、第４図は第３図の
−断面図である。 １…絶縁ケース、２…基板、３…抵抗体、４，
５…端子、４′，５′…端子形成部、６…摺動子、
１１…透孔、１２…導電部、１３…フープ材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 金属板を部分的に打ち抜くことにより端子形
   成部と係止部とを形成する工程と、表面に配線パ
   ターンが形成され裏面に配線パターンと接続する
   導電部が形成された基板を、その裏面側における
   導電部が前記端子形成部と電気的に接続する状態
   にして積層する工程と、前記係止部を折曲げて前
   記基板を前記金属板に固定する工程と、前記基板
   と端子形成部との間の連結部分を含み、前記係止
   部の折曲げ部から外れた位置に合成樹脂製の固定
   側部材をモールド成型する工程と、この固定側部
   材を前記金属板から切断して分離する工程とを備
   えたことを特徴とする回転型電気部品の固定側部
   材の製造方法。