JPH044659Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） この考案は、食品の煮炊と湯わかしを兼ねた鍋
に関する。

（従来の技術） 周知の如く鍋は各種商品の煮炊に広く使用され
ていると共に、煮炊の用途に応じた鍋が多種類使
用されている。例えば実開昭53−855号の如く鍋
蓋に吹きこぼれ防止用の蒸気排出装置を設けた
鍋、実開昭55−78020号の如く煮炊の効率を高め
るために、鍋蓋の下部に落とし蓋を設けた鍋、実
公昭43−30694号の如く鍋本体の上周部を蓋嵌合
部より外側まで張出し、噴き汁の横溢を防止した
鍋等が使用されている。一方、水を温める器具と
して湯わかしが専用に使用されている。

（考案が解決しようとする問題点） 鍋で食品を煮炊する際、火を使用するので、台
所から離れることは少ないが、とろ火で煮なけれ
ばならない煮物等にあつては、煮上がるまで時間
がかかるので台所から離れることがあり、その間
に食品が煮上つたり水が蒸発して焦げることもあ
つた。又鍋で湯をわかすことはできるが、湯の注
出が困難であるため、湯は湯わかしによつてわか
されていた。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） そこでこの考案は、鍋蓋に笛付きの注口を設
け、鍋蓋と鍋本体を密嵌係止可能とし、安全な煮
炊と湯わかしを可能にしたものである。

（作用） 鍋蓋に設けた笛が煮炊の状態に合せて高低音に
変化するので、笛の音色によつて煮炊状態を知る
ことができるし、鍋蓋を取外さないで注口から湯
を注出し得る。

（実施例） 以下、本案鍋の構造を実施例の図面により説明
すると、１は上部が開口している鍋本体で、鍋本
体１の外側上部に片手式か両手式の持手２、或は
吊手式の持手（図示せず）を取付けると共に、持
手２の取付位置より離れた上部に蓋止具３を固着
している。４は鍋本体１の上部に嵌合する鍋蓋
で、鍋蓋４に摘み９を取付けると共に、鍋蓋４の
外縁部に前記蓋止具３の係止部７を設けるか、蓋
４の外周部に蓋止具３と係止する止具８を取付け
る。圧力式の鍋蓋４にあつては外縁に嵌合部１０
を設け、該嵌合部１０にパツキン１１を嵌装す
る。鍋本体１とこれに嵌合する鍋蓋４の係止手段
としては、例えば実開昭51−128660号、実公昭47
−37844号、実公昭49−40002号等を用いることも
可能である。６は鍋蓋４に取付ける笛で、笛６は
止具８の取付位置から離れた蓋壁１４に直接取付
けるか、蓋壁１４より上部に向けて注口５を設
け、該注口５内に取付け、或は注口５の先部に軸
支し、注口５に対して嵌脱可能となし、鍋より発
生する蒸気によつて吹鳴する。

本案の鍋は上記構造であるから、鍋本体１に持
手２と蓋止具３を取付けておく一方、鍋蓋４に注
口５を設けておき、該注口５に笛６を嵌脱可能に
軸支すると共に、鍋本体１の蓋止具３に対応した
位置に止具８を取付けておく。

本案の鍋を用いて煮物をする場合、鍋本体１の
上部に鍋蓋４を嵌合し、鍋蓋４を係止することな
く使用する。本案の鍋を湯わかしとして使用する
場合、鍋本体１とこれに嵌合した鍋蓋４を、鍋本
体１に設けた蓋止具３と鍋蓋４に設けた止具８を
係止し、鍋蓋４を離脱不能にして使用する。

本案鍋を煮物用として、或は湯わかしとして使
用している間に、鍋より蒸気が発生すると、その
蒸気は鍋蓋４の注口５より、注口５に嵌合する笛
６を通り外部に流出する。笛６を通る蒸気量が一
定以上になると吹鳴し、煮上がり状態や沸騰状態
を知らせる。

尚、本案の鍋は上記実施例に限定されるもので
はなく、例えば笛６の内部に厚さの異なる板状弁
１６を二種類以上取付けてハーモニカ構造とし、
弁１６が鍋から発生する蒸気量の大小によつて振
動するようにしておけば、笛６の音色によつて煮
上がり具合や湯の沸騰具合を知ることができる。
又鍋本体１の蓋止具３と鍋蓋４の止具８を省略
し、注口５に笛６を固定式に設けることもできる
ばかりか、鍋本体１に止具８を、鍋蓋４に止具３
を取付けることこともできる。鍋本体１と鍋蓋４
の係止手段、注口５に対する笛６の取付手段、鍋
蓋４に設ける注口５の形状構造等は本案の要旨に
反しない限り適宜変更可能である。

〔考案の効果〕

従つて本案の鍋は従来通り煮物に使用し得る
外、鍋蓋には注口が設けられ、鍋本体に設けた蓋
止具と、鍋蓋に設けた係止部又は止具によつて、
鍋本体と鍋蓋を一体に係止することができるた
め、湯わかしとしても使用し得る大きな利点があ
る。しかも鍋より発生した蒸気は、鍋蓋に設けた
注口より外部に排出し、その際、注口に嵌合した
笛を通り、笛を吹鳴するため、笛の音によつて煮
物の煮上がり具合や湯の沸騰状態を知ることがで
きる。特にハーモニカ構造の笛にあつては、鍋か
ら発生する蒸気量に応じて音色が変化するので、
笛の音色によつて煮上がり具合や湯の沸騰状態を
知ることができる。又鍋蓋に設けた笛付きの注口
は、鍋としての使用に支障となることがないし、
蒸気の発生によつて笛が吹鳴した後、笛を注口よ
り離反して煮炊を続行することもできる等、本案
の鍋は湯わかしを兼ねた前記特徴と共に、日常生
活の向上に有益な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図と第２図は本案鍋の使用例を示す一部切
欠正面図、第３図は本案鍋の分離状態における一
部切欠正面図、第４図は笛の軸支例を示す要部平
面図、第５図はその縦断面図、第６図は笛の平面
図、第７図はその縦断面図である。 １……鍋本体、２……持手、３……蓋止具、４
……鍋蓋、５……注口、６……笛、７……係止
部、８……止具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部が開口する鍋本体１に持手２を取付け、鍋
   本体に嵌合する鍋蓋４に摘み９と、外部に向けて
   突出する注口５を設け、該注口の先部に、注口に
   対して嵌脱可能となる笛６を軸支し、鍋本体と鍋
   蓋を係止可能となるようにした湯わかし兼用鍋。