JPH0446306Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は画像の特に顕著性を有する部分におい
て明暗対照性が極めて良好な透光性の複数層印刷
体に関する。

〔従来の技術〕

従来、自動販売機等に適用される広告板等の表
示物にあつては、背面の光源からの透過光により
模様、図柄等を明るく見せる手段がとられている
が、実際に照明してみると、全体が明るく暈され
てしまい、画像の明暗対照性が劣り甚だ見映えの
しないものとなつていた。また、透過光を使用し
ないと、画像が暗いため中間色が殆んど見えない
ことが起り、これまた適当なものとは云えなかつ
た。

このため、広告板に使用できるものであつて、
背面の光源による照明を利用する方式による画像
の明暗対照性が一段と良好な表示物の出現が強く
要望されていたものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は敍上の実状に鑑みてなされたもので、
背面の光源から照明を受けるガラス、プラスチツ
ク等の透明な基本のうえに施された透明性の複数
の印刷層からなる印刷体であつて、その画像の明
暗対照性が、全体に渉つて一様に良好である許り
でなく、就中顕著な明暗対照性を必要とする個所
に係る所定面積に関して透光性の白色系の印刷層
が設けられ、この部分が特別に輝いて見映のする
ように構成された広告板等の表示物を形成する印
刷体を提供することをその目的とするものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記の問題点を解決するために、 ａ 背面の光源からの投光を透過するガラス、プ
ラスチツク等の透明な基板１の上面に施された
複数の印刷層を有してなる印刷体１０であつ
て、 ｂ 基板１の直上面に模様、図柄等を印刷した透
光性の第１印刷層２を配設するとともに、 ｃ 第１印刷層２のなかで顕著な明暗対照性を必
要とする個所について基板１と第１印刷層２と
の間に所定面積を有する透光性の白色系の無地
の第２印刷層３を設け、 ｄ また、第１印刷層２と同一の模様、図柄等を
印刷した透光性の第３印刷層４を第１印刷層１
の上面に設けて相互の模様、図柄等を重合せし
めて積層し、 ｅ さらに、第３印刷層４の上面に透光性の無地
の白色系の第４印刷層５を設けて 構成される透光性複数層印刷体 をその要旨として成立するものである。

〔作用〕

本印刷体は基板の上に積み重ねられる４つの印
刷層からなり、第１印刷層と第３印刷層は、同一
の模様、図柄等を有して、相互に該模様、図柄等
が重合せしめられているので画像の明暗対照性が
著しく強調され、深味のある色調をもつて現われ
る。また、第１印刷層と基板との間に部分的に介
在する白色系の第２印刷層によつて、該印刷層の
設けられている部分の模様、図柄等が特に顕著な
明暗対照性を有して見映えがよく、さらに、該部
分は左右45°程度傾いた側部からも判然と見える
良好な画像が得られる。さらに、照明光に最も近
くに無地の白色系の第４印刷層が存在することに
より、光源からの投光の均一分散性が向上して、
画像の鮮明度が一段と増大し、中間色が良好に視
認される等透光性表示物として多くの利点を有す
るものができる。

〔実施例〕

以下図面を参照し実施例に基づいて本考案を説
明する。

第１図は本考案に係る印刷体を示す断面図であ
る。

この印刷体１０は、透明な基板１とその上面に
複数の印刷層２，３，４，５とが設けられてなる
ものである。

基板１には、透明なガラス又はプラスチツク等
が用いられる。プラスチツクには、アクリル、塩
化ビニル、ポリエチレン等が使用される。

透光性の第１印刷層２には、適宜の模様、図柄
等が印刷される。また、第２印刷層３は、基板と
第１印刷層２との間に介在するが、第１印刷層２
のなかで、特に顕著な明暗対照性と鮮明度を必要
とする個所にのみ所定面積を有して設けられる。

第２印刷層は無地で透光性を有する白色系の印
刷層から形成される。ここで、白色系とは、薄い
白色又は乳白色を総称している。さらに、第３印
刷層４は、第１印刷層２と同一の模様、図柄等を
有して、第１印刷層２の上面に形成される。そし
て、この２つの層における模様、図柄等は実質的
に重合して配設される。第３印刷層も透光性を有
する。最後に、印刷体１０の最上面の第４印刷層
５は、前述の第２印刷層３と同じく白色系の無地
印刷物からなつている。

かくして、基板の上面に上述の４つの印刷層が
積み重ねられて、本考案に係る印刷体が形成され
る。

第２図は、本考案に係る印刷体の使用状態を示
す説明図で、光源１１からの照明光は印刷体１０
を透過して観察者の目１２に到達し、観察者は明
暗対照性が良好で、鮮明度が高く、側方等広い範
囲から視認可能となつている。

〔考案の効果〕

本考案は、以上の如き構成に基づくもので、同
じ模様、図柄等を有する第１印刷層と第３印刷層
とを重合せしめることにより、画像の明暗対照性
即ちコントラストが良好となり、また、白色系無
地の第２印刷層が基板と第１印刷層との間に部分
的に介在するため、その部分において特に顕著な
明暗対照性が生じることになつて画像が見映えの
するものとなり、さらに、照明側に対向する白色
系の無地の第４印刷層の存在によつて光源の投光
の均一分散が行われ、画像の鮮明度の一段の増大
に寄与するとともに中間色が良好に認められる等
多くの利点を有するもので、極めて有用な考案で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る印刷体の構成を示す断面
図、第２図は該印刷体の使用状態を示す説明図で
ある。 １……基板、２，３，４，５……印刷層、１０
……印刷体、１１……光源。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 背面の光源からの投光を透過するガラス、プラ
   スチツク等の透明な基板の上面に施された複数の
   印刷層を有してなる印刷体であつて、基板の直上
   面に模様、図柄等を印刷した透光性の第１印刷層
   を配設するとともに、該第１印刷層のなかで顕著
   な明暗対照性を必要とする個所について前記基板
   と前記第１印刷層との間に所定面積を有する透光
   性の白色系の無地の第２印刷層を設け、また、第
   １印刷層と同一の模様、図柄等を印刷した透光性
   の第３印刷層を前記第１印刷層の上面に設けて相
   互の模様、図柄等を重合せしめて積層し、さら
   に、第３印刷層の上面に透光性の無地の白色系の
   第４印刷層を設けて構成されることを特徴とする
   透光性複数層印刷体。