JPH0446145B2 - - Google Patents

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JPH0446145B2
JPH0446145B2 JP63011854A JP1185488A JPH0446145B2 JP H0446145 B2 JPH0446145 B2 JP H0446145B2 JP 63011854 A JP63011854 A JP 63011854A JP 1185488 A JP1185488 A JP 1185488A JP H0446145 B2 JPH0446145 B2 JP H0446145B2
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JP
Japan
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nonwoven fabric
filament
load
fibers
present
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JP63011854A
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Masaru Ogawa
Kenji Kanekyo
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は使い捨て可能な衛生材料、特に紙おむ
つ、生理用ナプキン、産褥用ナプキン等の衛生材
料に関する。 より詳しくは良好な肌ざわりを有すると共に、
実用時の排液の濡れもどりを少なくした不織布を
表面シートとして具備する使い捨て衛生材料に関
する。 〔従来の技術と発明が解決しようとする課題〕 従来の使い捨て衛生材料、例えば紙オムツ、生
理用ナプキンは、綿状パルプ、吸収紙、高吸水性
樹脂等からなる吸収体を挟んで、肌に接する面の
液透過性シート及び裏面に液不透過性のシートを
配した構造を有しており、排液は液透過性シート
(以下、表面シートと記す)を通過し、吸収体に
吸収保持され、裏面の液不透過性のシートで排液
が外側にもれるのを防ぐ。この表面シートには一
般に不織布が用いられている。 このような表面シートとして用いる不織布には
種々の性能が要求されるがその重要なものは、特
に直接肌に接触する点から、その優れた肌ざわり
(触感と柔らかさ)を有すること、また、実用上
および衛生面から液体の吸収体への透過速度が速
いこと、吸収された液体の濡れもどりが少ないこ
とがあげられる。 又使用時における衛生材料をして要求される実
用上の強力を充たすことを要すると共に、近年に
おける衛生材料の生産スピードの高速化に伴つて
発生する工程中で不織布に加わる張力によつて生
ずる寸法変化、例えば幅縮みに耐える性能が要求
される。 前記諸要求を満すべく研究された各種不織布が
提案されている。 例えば疎水性繊維、例えばポリプロピレンから
成るスパンボンド法による不織布が衛生材料用表
面シートとして広く用いられている。この不織布
は、強力が強いため使用時において破断しにくく
且つ衛生材料の生産時における寸法安定性が優
れ、したがつて比較的低目付例えば15g/m2
25g/m2の不織布にして用いることができる。し
かし、この不織布中での繊維配列が平面的てある
ために嵩高性に劣り、且つ触感と柔らかさが不充
分である。 又疎水性繊維の短繊維をカードを用いてウエブ
にし、部分熱圧着によつて繊維を接合する不織布
が知られている。この不織布は用いる繊維の捲縮
によつて、厚み感とソフト感を与えることができ
るが、他面不織布の強度が使用上および製造工程
中で不充分であり、それを補うために比較的大き
い目付の不織布、例えば20g/m2〜35g/m2の不
織布として用いられている。 又、例えば二成分複合繊維のように潜在捲縮繊
維のステープルをウエブ化した後にオーブン中で
熱処理することにより捲縮を発現させると共に繊
維間を結合させて得る不織布が知られている。こ
の不織布は前述の短繊維使いの部分熱圧着による
不織布よりも充分な捲縮を有するので、より優れ
た厚み感とソフト感を有するが、使用上および製
造上での強度が不足するという問題を有し、した
がつてこれら問題点を補うために、高目付の不織
布を用いざるを得ない。 又濡れもどり性に関しては一般的に疎水性繊維
を用い且つ不織布の厚さを厚くすることによつて
改善される。しかし衛生材料使用時における荷重
下、例えば使い捨てオムツにおける幼児の体重下
における濡れもどり性は用いられる不織布のタイ
プによつて種々異り、このような使用時における
濡れもどり性を充分に解決する不織布、特に低目
付であつても使用時における充分な濡れもどり性
を有する不織布は出現していない。 本発明は従来公知の使い捨て衛生材料における
表面シートの有する問題点を解決して、強度、寸
法安定性および透過性について使用に耐える充分
な性能を有すると共に、特に肌ざわりと濡れもど
り性において優れている不織布を具備した使い捨
て衛生材料を提供することを目的とする。 〔課題を解決するための手段〕 本発明の前述の目的は、人体からの排出液を透
過することができる表面シートと、液不透過性裏
面シートと、前記表裏面シートの間に位置する吸
収体を含む使い捨て衛生材料であつて、前記表面
シートが、異形断面を有すると共に捲縮を有する
結晶性熱可塑性繊維の連続フイラメントから成る
ウエブを該ウエブ全面に均一に施した部分熱圧着
によつて結合させた不織布であることを特徴とす
る使い捨て衛生材料によつて解決される。 以下本発明の使い捨て衛生材料および不織布の
一例を示す添付図面を参照して本発明を詳述す
る。 第4図に本発明の使い捨て衛生材料の一品種で
ある使い捨ておむつの一例の平面図を示し、第5
図にその断面図を示す。第4図および第5図に示
すように、使い捨ておむつ1は表側の表面シート
(トツプシート)2、裏側の液不透過性裏面シー
ト(バツクシート)4および前記表面シート2と
裏面シート4の間に配置された吸収体3から成
り、使い捨ておむつ1の両側部にはギザー5が設
けられると共に上方の両側部にテープフアスナー
6が取付けられている。使用時には表面シート2
を人体側にして用いられ、人体からの排出液は表
面シート2を通つて吸収体3に吸収保持され、そ
の排出液は液不透過性裏面シート4によつて外部
への漏洩が防がれる。このような使い捨ておむつ
の構造自体は公知であるので、表面シート2以外
の各構成要素についての説明は以下省略する。 本発明による使い捨て衛生材料に用いられる表
面シートは前述のように異形断面を有すると共に
捲縮を有する結晶性熱可塑性繊維の連続フイラメ
ントから成るウエブを、そのウエブ全面に均一に
施した部分熱圧着によつて結合させた不織布であ
ることを特徴とし、この不織布は後述の実施例で
詳細に説明するように強度、寸法安定性および透
過性について使用に耐える充分な性能を有すると
共に、特に肌ざわりと濡れもどり性において優れ
ている。 そこで先ず本発明の使い捨ておむつに用いられ
る不織布(以下本発明不織布と略称する)の優れ
たもどり性について説明する。第1図は使い捨て
おむつの表面シートとして用いられることを想定
して用意された3種類の不織布について濡れもど
り性(測定法は後述)と荷重(g/4cm2)との関
係を示すグラフである。第1図中曲線aは本発明
不織布の後述の実施例1に相当する目付20g/m2
の不織布の濡れもどれ量対荷重曲線であり、曲線
bは後述の比較例2に相当する従来のスパンボン
ド不織布(目付20g/m2)の濡れもどり量対荷重
曲線であり、曲線cは後述の比較例3に相当する
ポリプロピレン・ポリエチレン複合繊維の短繊維
(3d×51mm)から成る嵩高不織布(目付23g/m2
の濡れもどり量対荷重曲線である。一般に乳児が
腰をおろした時に使い捨ておむつに加わる荷重は
3.6Kg/10cm×10cmといわれており、この数値は
第1図の横軸の値に換算すると144g/4cm2とな
る。したがつて第1図は乳児によつて使い捨てお
むつに加わる荷重を含んだ荷重に対する不織布の
濡れもどり性を示すことになる。 第1図から明らかなように、荷重が増加するに
つれて濡れもどり量が増加し、特に曲線aおよび
曲線bで示す従来の不織布では荷重の増加につれ
て濡れもどり量が急激に増加する。濡れもどり量
の実用上の限界は0.10gといわれていることから
見ると従来の不織布の濡れもどれ量は高荷重下で
は充分とはいえない。これに対して本発明の不織
布の濡れもどり量は限界値0.10gよりも低いだけ
でなく、荷重増加にともなう濡れもどり量の増加
程度が低いという利点を有する。 第1図に対応して、第2図に不織布の圧縮荷重
に対する厚さ変化のグラフを示す。曲線a,b,
cで示す不織布は第1図で曲線a,b,cで示し
た不織布に対応する。曲線bで示す従来のスパン
ボンド不織布は荷重による圧縮変化量が少く、且
つ高荷重下での厚さの絶対値が低い。この事が従
来のスパンボンド不織布が柔軟性および濡れもど
り性において劣ることにつながると思われる。曲
線cで示す従来の嵩高短繊維不織布は荷重0での
厚さは大きいが荷重が増えるにつれて厚さは急激
に減少し続ける。この事から従来の嵩高短繊維不
織布は柔かさを有する荷重が加わるにつれて濡れ
もどり性が劣ることが推量できる。これに対して
曲線aで示す本発明の不織布では荷重0での厚さ
は、嵩高短繊維不織布より低いが荷重が増えるに
つれて急激に減少し、20g/4cm2を越える附近か
ら厚さはなだらかに減少する。この事から本発明
の不織布は柔らかさを有すると共に優れた濡れも
どり性を有することが推量される。 前述説明から明らかなように、表面シートとし
て特に要求される柔かさ(肌ざわりの一特性)と
濡れもどり性は圧縮荷重対厚さの曲線によつてほ
ぼ把握することができる。 第3図に実施例1の不織布(目付20g/m2)を
目付だけを変え、他の条件は実施例1と同一にし
て得た不織布3種についての圧縮荷重対厚さの曲
線を示す。曲線d,e,fはそれぞれ目付15g/
m2,18g/m2,25g/m2の不織布について示す。
第3図から明らかなように目付が大きくなるにつ
れて各荷重に対する厚さは当然厚くなるが曲線の
傾向は各不織布共同一である。 本発明不織布は異形断面を有すると共に捲縮を
有する結晶性熱可塑性繊維の連続フイラメントか
ら成る。ここにいう結晶性熱可塑性繊維としては
ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維ポリエス
テル繊維等を用いることができるが、疎水性であ
り且つ後述のらせん状捲縮を与えやすいポリプロ
ピレン繊維を用いるとより好ましい。 異形断面としては各種の断面形状のものを用い
ることができる前記異形断面が第6図に例示する
ように3本以上の凸部を中心部の外側に有する多
角断面であると好ましい。この場合第6図に示す
ように、前記凸部の底部の幅をtとし、凸部の長
さをとし、繊維の断面積をSとする時に構成フ
イラメントの大部分が下記の条件を満たす断面形
状を有すると好ましい。 ≧ t フイラメントに与えられる捲縮は、らせん状捲
縮であつて、そのらせん径が1mm以下であると好
ましく、更にフイラメントが不織布中で捩じれな
がら立体中に配置されていると好ましい。前記捲
縮らせん径が1.0〜0.3mmであるとより好ましい。
捲縮らせん径が1.0mmを越える場合は単位長当り
の捲縮数が少くなるので嵩高性が劣り、又0.3mm
未満の場合はらせん形状によつて得られる空間が
極度に小さくなりすぎることにより嵩高性が劣る
ことになると共にフイラメント間にからみが強く
なりすぎるためにウエブ製造時に筋斑が発生しや
すい。 不織布中でのフイラメントの捩れはフイラメン
トの長さ15mm内に1個以上あると好ましい。 第7図に基づいて本発明不織布を構成するフイ
ラメントが捩れるメカニズムを説明する。本発明
の不織布を製造するに際して、後述のように非対
称に紡糸されたフイラメントを冷却するための第
1冷却装置の他に、フイラメントに捩れを与える
ための第2冷却装置を用いる。この時のフイラメ
ントの状態を第7図Aに示す。すなわち三角断面
の上流の各頂点a,b,cは下流ではa′,b′,
c′で示すように捩れている。この捩れた状態にお
いて第1冷却装置から冷却風が当てられるので冷
却風側すなわち第7図Aで手前側が先に冷却して
固定して低密度部Dを形成する。紡糸されて引取
られている状態でのフイラメントでは、第7図B
に示すように、三角断面の上流の各頂点a,b,
cと下流の各頂点a′,b′,c′とは互いに対応する
位置に戻り、これに対して低密度部Dが捩れて配
置されている。 したがつて第8図に例示するように、本発明不
織布を構成するフイラメントでは図中で2.5回の
捲縮に対して一つの成分(斜線部分)が4回見え
かくれする。 これに対して第9図に示すように、従来公知の
長繊維不織布中の捩れのないフイラメントのらせ
ん捲縮では、らせん捲縮の回数と一つの成分の見
えかくれする回数が同様である。すなわちらせん
形状の外側に配置された例えば低密度部のような
一つの成分はフイラメントの長手方向で常に外側
にある。 本発明不織布を構成するフイラメントの繊度は
各種のものを用いることができる。しかし使い捨
ておむつの表面シート用の薄物嵩高不織布として
用いるためには0.5d〜5.0dの繊度を有するフイラ
メントが好んで用いられる。 本発明不織布は表面シートとしての要求特性及
び経済性の面から15〜30g/m2の目付のものが好
んで用いられる。本発明不織布は後述の実施例で
より明らかにされるように、濡れもどり性に優れ
ているので、目的とする濡れもどり性の確保が従
来の不織布より軽い目付の不織布によつて達成で
きるという利点を有する。 柔軟な不織布である程経方向および緯方向で不
織布は伸びやすくなる。特に経方向に伸びやすい
不織布を表面シートに用いると、使い捨ておむつ
の製造工程中で不織布が経方向に延び、それにつ
れて緯方向の幅が狭くなるという問題がある。前
記問題を解消するために、本発明不織布が20g/
m2目付の場合において、タテ方向での5%モジユ
ラスが0.4Kg/3cm幅以上であると好ましい。 本発明不織布の他の特性を説明するに先立ち、
本発明不織布の製造方法の一例を第10図を参照
して先に説明する。本発明のスパンボンド不織布
はポリプロピレンを異形の口金11から溶融押出
しし、紡口直下で糸条Yの走行方向と直角な方向
から冷却風を以下に述べる特殊な条件にて吹当
て、糸条Yの断面方向に非対称な冷却を行いなが
ら高速エアーサツカーなどの高速牽引引取装置1
4で引取る。 高速牽引引取装置14を出た糸条は帯電装置1
5を通過して移動する金網コンベアー16の上の
ウエブ20として捕集され搬送されて部分熱接着
ロール17によつて熱接着される。続いて透液剤
処置装置18で透液剤を付与され、スパンボンド
不織布21として巻取機19で巻取る。 本発明不織布の製造方法では紡口面より下部10
〜15cm位置に上端をもつ通常の冷却風供給装置1
2(以下第1冷却装置12という)とは別に更に
紡口面に近い位置に、水平方向に吐出する通常の
冷却風に対して水平面内で5°〜45°異なる向きに
0.5〜1.0m/secで吐出する冷却風用供給装置13
(以下第2冷却装置13という)を配置する。こ
こで言う冷却風とは吹出し口で70%RH,20℃程
度のものである。本発明での捲縮フイラメントは
通常の冷却風よりも紡口面に近い位置に通常の冷
却風とは異なる角度で別の冷却風を用いることに
より、異形フイラメントをフイラメントの長手軸
を中心として回転させる力が働き、そのために先
に冷却固化する場所が長さ方向でランダムに変化
する。それによつて第7図に基づいて説明するよ
うにさせん状捲縮フイラメント自身が長さ方向に
捩れたものとなる。 らせん状捲縮を有するフイラメントを製造する
に際して、異形フイラメントは風上側がまず冷却
固化し、その後風下側が固化する。これを高速牽
引しながら行うことによつて糸条が高速牽引から
解放され捕集面上にウエブとして捕集される時に
顕在捲縮としてあらわれる。 風上側は冷却固化するものの高速牽引の牽引力
によつて、伸長され、その状態で風下側が冷却固
化するために、牽引力から解放された時に伸長さ
れていた風上側のみが縮むために顕在捲縮を生じ
るものと思われる。本発明での捲縮フイラメント
がポリプロピレンの場合その密度は0.900以下で
あるが、通常の捲縮のない従来フイラメントは密
度が0.905を越えるもので風上側の先に冷却固化
する部分の密度は0.805程度の結晶化の極度に抑
えられたものとなつていると思われる。 このようにして得られた本発明不織布を構成す
るフイラメントは第8図に示すようにフイラメン
トの断面のある部分がフイラメントのらせんの外
側に配置されたり、内側に配置されたりして移動
している。 次に部分熱圧着について説明する。 部分熱圧着は彫刻を施したロール、または平板
を押しあてる方法が行われるが、生産面ではロー
ル法が好ましい。一方を彫刻ロールとし、他方を
平滑な金属ロールとする組合せ、また上、下共彫
刻ロールとして、つき合わせる方法等が採用され
る。熱圧着程度は、得られる不織布の強力あるい
は、毛羽立ち性等の要求性能に応じて、上、下ロ
ールの温度、接圧を設定することによつて定めら
れるが、風合上温度は使用する繊維融点以下に設
定するのが好ましい。 また、出来上がつた不織布の風合には彫刻のエ
ンボス柄の影響が大きく、中でも熱圧着面積率、
彫刻間隔、彫刻深さが重要なポイントとなる。 第11図に本発明不織布を製造するのに好んで
用いられるエンボスパターンの各例を示し、第1
表に対応する各エンボスパターンの寸法の諸元を
示す。第11図中tは各エンボス間の最小間隔を
示す。
〔実施例〕
以下実施例により本発明をさらに詳述する。 実施例の説明に先立ち、本発明で用いられる物
性値の定義および測定方法を以下に一括して示
す。 ◎ 目付:不織布1m2当りの重量(g)で表す。 ◎ らせん径:不織布の顕微鏡写真下でループの
直径を測定し、その平均値(mm)を用いる。 ◎ 繊維断面の突起部の幅t(μ) 繊維断面における突起の根元位置での突起の幅
でフイラメント10本の平均値。 ◎ 繊維断面の突起の長さ(μ) 繊維の断面における突起の根元から突起の先端
までの距離でフイラメント10本の平均値。 ◎ フイラメントの長手方向での捩れ 電子顕微鏡写真において、フイラメントの捩れ
の強い部分(捩れの角度が10°を越える)および
捩れが逆転する部分のことで、フイラメントの長
手方向の、この部分の間隔をmm単位で表わす。 ◎ 圧縮荷重による厚さ変化 中山電気産業(株)製、圧縮弾性試験機E−2型を
用い、測定面積4cm2下にて、圧縮荷重を0,10,
20,50,100,150gと変化させ、それぞれの荷重
時の不織布の厚さT(μ)を測定する。 ◎ 透過速度(sec/5c.c.)&濡れもどり量(g) 吸収体として、吸収体の特性を一定化しておく
ため、特定ろ紙(Eaton Dikeman 社製#939,
10cm角×3枚重ね)を測定器(約800g,10cm角
で中央に直径25mmの穴を設けたもの)の下部に置
く。 この吸収体の上に試験布(10cm角)を置く。ま
ず、この上部25mmから5c.c.の人工尿を滴下する。
人工尿は生理食塩水に非イオン活性剤を添加し25
℃において45±3dyne/cm(乳幼児の尿に相当)
に調整した。滴下速度は3.5sec/25c.c.とした。こ
れを透過速度(sec/5c.c.)とした。 次いで、このまま人工尿を追加し、吸収体に含
まれる液量が一定化するように、全液量が吸収体
重量の約4倍にする。このまま試験布の上から
800g/10cm角の荷重を3分間かけ、吸収体中の
液の分布を一定化させる。次いで試験布の上に予
め秤量したろ紙(Eaton Dikeman)社製#631,
12.5cm角×2枚)を重ね、速やかに3600g/10cm
角の荷重(乳幼児のオムツに加わる荷重に相当)
を2分間かけろ紙の重量増加を測定し、濡れもど
り量(g)とした。同様にして低荷重130g/10
cm角及び高荷重5000g/10cm角での濡れもどり量
(g)を測定して、荷重と濡れもどり量の変化を
見た。 ◎ 引張強力、破断伸度及びタテ5%モジユラス 不織布をタテ、ヨコ方向にそれぞれ3cm中の試
料をとり、東洋ボールドウイン(株)製テンシロンに
て、把握間隔10cm、引張スピード30cm/分にて引
張試験を行ない、引張強力(Kg/3cm巾)、破断
伸度(%)及び、タテ方向の5%伸張時の応力を
タテ5%モジユラス(Kg/3cm巾)として表わ
す。 ◎ 柔軟度 JIS LI096 の剛軟性をE法(6,
19,5ハンドルオメータ法)にて測定した。 実施例 1 65mm直径の押出機でポリプロピレン(MFR=
38 JIS K7210表の条件4で測定)を押出温度240
℃にて1300g/mm定量的に押出し、1540ホールの
三角断面異形ノズル(長手方向に220行で幅方向
に7列に等間隔に配置)をもつた長手方向1m幅
5cmの短型紡糸口金を使用することにより、異形
フイラメント群を紡出し、これを短型高速気流牽
引装置を使用することにより3500m/分の速度で
牽引し、この出口で帯電装置により帯電させた
後、移動する吸引装置のついた金網製ウエブコン
ベアに受けウエブを作つた。 紡糸口金と短型高速気流牽引装置との間にフイ
ラメント群の冷却のために、フイラメントの走行
方向に50cmの長さを有する第1冷却装置12及び
第1冷却装置12より紡口面に近い位置に長さ5
cmの第2冷却装置13を装着して、フイラメント
群の走行方向に直角に冷却風(70%R,H,20
℃)で吹き当てた。第1冷却装置12の冷風吹出
し位置の上端は紡口面から15cmでその冷却風速は
1.0m/sec、第2冷却装置13では5cmおよび
0.5m/secであつた。また第1冷却装置および第
2冷却装置の冷風の吹出し方向は水平面内での
10°の差をつけた。得られた嵩高長繊維ウエブを
構成するフイラメントは捲縮数が平均10個/25mm
である。 このウエブを金網コンベアー16で搬送し、第
11図1の横断線模様(2.6m/m巾×0.4mm長、
最小間隔1.2mm、熱圧着面積率11.4%、深さ
0.6m/m)の彫刻ロールと平滑ロールを組合わ
せた熱圧着ロール17にて上下ロール共135℃か
つ60Kg/cmの圧力で部分熱圧着して目付20g/m2
の嵩高なスパンポンド不織布を得た。この不織布
に処理剤として非イオン系透水液剤(オクチルフ
エノールエチレンオキサイイド(8〜10モル)付
加物)を0.5%付与した。 得られた実施例1のスパンボンド不織布中のフ
イラメントの捲縮らせん径は0.8mmでフイラメン
トの長手方向の捩れの発生間隔の平均値は1.0mm
であつた。構成するフイラメントの断面写真から
得たtは8.5μ、は13μであり、単糸デニールは
2.2デニールであつた。 実施例1の本発明不織布の圧縮荷重に対する厚
さの変化を第2図し示し、圧縮荷重に対する濡れ
もどり量の変化を第1図に示す。又諸物性値を第
2表に示す。第1図および第2図から容易に判る
ように実施例1の本発明不織布は高圧縮荷重でも
厚み変化が少く、又濡れもどり量も少い。 この不織布を使い捨ておむつの表面シートとし
て使用した場合、ふつくらしたソフトな感触で下
側の吸収体の感触を感じさせないものが得られ、
液を吸収させた後も濡れもどりを感じさせないも
のであつた。 実施例 2 実施例1で得られたウエブを用い、コンベア、
熱圧着ロール、捲取機の速度を変えて目付15,
18,25g/m2の不織布を得た。これら不織布の圧
縮荷重に対する厚さの変化を第3図に示し、諸物
性値を第2表に示す。 実施例 3 糸条の第1冷却装置12、および第2冷却装置
13の冷風吹出し位置の上端の紡口面からの距離
をそれぞれ20cm,10cmとし冷却風速をいずれも
1.0m/secとした以外は実施例1と同一条件にて
20g/m2目付のスパンボンド不織布を得た。 得られた不織布の捲縮らせん径は0.9mmであり、
構成フイラメントの長手方向の捩れの発生間隔の
平均値は11mmであつた。不織布の厚さは560μ
(10g/4cm2荷重下)であり、柔軟度はタテ方向
12.3g,タテ方向5.0gであつた。フイラメントの
断面形状はトリローバルでtは8.5μ、は12μで
あつた。 このものの人工尿の透過速度は2.3sec/5c.c.、
濡れもどり量は87mg(3600g/10cm角荷重)であ
つた。 実施例 4 熱圧着ロールの彫刻のパターンを第11図2の
ピンポイント柄に、又は第11図3のヘリンボン
柄にする以外は実施例1の条件で各々目付20g/
m2のスパンボンド不織布を得た。得られた不織布
の諸物性を第3表に示す。熱圧着ロールの彫刻の
最小間隔が大きいものほど、また深いもの、熱圧
着率の小さいものが、柔軟で、嵩高であるが、間
隔が大きくなるにしたがい、表面が毛羽立ち気味
になる傾向であつた。しかし、捲縮のないウエブ
でも同じ彫刻のパターンと比べると、毛羽立ちは
目立たないものであつた。 比較例 1 紡糸ノズルの形状が丸型断面短型紡糸口金を用
いる以外は実施例1と同一の条件で20g/m2のス
パンボンド不織布を得た。 熱圧着する前のウエブに捲縮はあるものの捲縮
数は3個/25mmと少いものであり、得られた不織
布の厚みは320μであり、嵩高性に欠けるもので
あつた。このものの人工尿の透過速度は2.6sec/
5c.c.、濡れもどり量は95mg(3600g/10cm角荷
重)であつた。 比較例 2 第2冷却装置13を取除く以外は、比較例1と
同一条件にて、20g/m2の従来のスパンボンド不
織布を得たフイラメントに捲縮は全くなく強力面
では良好だが柔軟性、嵩高性に欠けるものであつ
た。得られた不織布の諸物性値を第2表に示す。 比較例 3 ポリプロピレン−ポリエチレン複合繊維
(113d×51mm)の短繊維をカーデイングし、熱風
処理をして捲縮発現と接着が与えられた嵩高短繊
維不織布(目付23g/m2)を得た。この不織布の
顕微鏡写真を第15図に示す。又得られた不織布
の諸物性値を第2表に示す。第1図および第2図
に示すようにこの比較例の不織布は捲縮の効果に
よつて嵩高ではあるが、圧縮荷重が増すにしたが
い変形程度は大きく、濡れもどり量も著しく増加
する。
【表】
【表】
【表】
【表】 実施例 5 実施例1において、紡糸ノズルをV形断面異形
ノズルに変えた以外は同一条件で、20g/m2の衛
生材料用スパンボンド不織布を得た。 得られた不織布は第16図に示すようなV形断
面を有する捲縮した繊維で構成され、その捲縮ら
せん径は1.0mm、捩れであつた。不織布の厚さは
480μであり、柔軟度はタテ方向14.0g/ヨコ方向
5.8gであつた。このもの人工尿の透過速度は
2.5sec、濡れもどり量は、92mg/(3600g/10cm
角荷重)であつた。 〔発明の効果〕 本発明による使い捨て衛生材料は前述のように
構成されているので、肌ざわりと濡れもどり性に
ついて優れた性能を有し、且つ紙おむつ、生理用
ナプキン等の衛生材料の製造時および使用時にお
いて充分な諸性能を具備するので、従来にない優
れた衛生材料として有用に用いられる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の使い捨ておむつの表面シート
として用いられる不織布(以下本発明不織布と称
す)の一例と比較例の不織布の濡れもどり性と荷
重との関係を示すグラフであり、第2図は前記第
1図に示したそれぞれの不織布の圧縮荷重に対す
る厚さ変化を示すグラフであり、第3図は本発明
不織布の目付を変更した他の実施例の圧縮荷重に
対する厚さ変化を示すグラフであり、第4図は使
い捨ておむつの構造の一例を示す平面図であり、
第5図は第4図に示した使い捨ておむつの断面図
であり、第6図は本発明不織布を構成するフイラ
メントの断面図の一例であり、第7図は本発明不
織布を構成するフイラメントが捩れるメカニズム
を説明する斜視図であつて、第7図Aは紡糸直後
のフイラメントが捩られながら非対称に冷却され
る状態を示し、第7図Bはこのようにして作られ
たフイラメントが引取られている状態でのフイラ
メントを示し、第8図は本発明不織布を構成する
フイラメントの形状を模式的に示す図であり、第
9図は従来公知の長繊維不織布中のフイラメント
の形状を模式的に示す図であり、第10図が本発
明不織布の製造装置の一例を示す側面図であり、
第11図は本発明不織布を製造する際に用いられ
るエンボスパターンを第11図1〜第11図6迄
にわたつて示す図であり、第12図は本発明不織
布の一例の部分熱圧着部を含む部分における繊維
の形状を断面で示す顕微鏡写真であり、第13図
は本発明不織布における部分熱圧着部の機能の説
明する図であつて、第13図1は断面図、第13
図2は繊維の接合状態をモデル的に示す図であ
り、第14図は融着繊維を用いて単繊維同志を融
着し接合させた不織布における接合の機能を説明
する図であり、第14図1は断面図、第14図2
は繊維の接合状態をモデル的に示す図であり、第
15図は第14図に示したような接合状態を有す
る不織布中の繊維の形状を示す顕微鏡写真であ
り、第16図はV形断面を有するフイラメントか
ら成る不織布中の繊維の形状を示す顕微鏡写真で
ある。 1……使い捨ておむつ、2……表面シート、3
……吸収体、4……液不透過性裏面シート、5…
…ギザー、6……テープフアスナー、7……熱圧
着部、8……繊維、11……口金、12……第1
冷却装置、13……第2冷却装置、14……高速
牽引引取装置、15……帯電装置、16……金網
コンベアー、17……部分熱圧着ロール、18…
…透液剤処理装置、19……捲取機、20……ウ
エブ、21……不織布。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 人体からの排出液を透過することができる表
    面シートと、液不透過性裏面シートと、前記表裏
    面シートの間に位置する吸収体を含む使い捨て衛
    生材料において、 前記表面シートが、異形断面を有すると共に捲
    縮を有する結晶性熱可塑性繊維の連続フイラメン
    トから成るウエブを該ウエブ前面に均一に施した
    部分熱圧着によつて結合させた不織布であること
    を特徴とする使い捨て衛生材料。
JP63011854A 1988-01-23 1988-01-23 使い捨て衛生材料 Granted JPH01192802A (ja)

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JPS62117868A (ja) * 1985-10-07 1987-05-29 キンバリ− クラ−ク コ−ポレ−シヨン 改良された軟かさをもつ不織ウエブ

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