JPH0445429Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、高精度駆動用リニアーパルスモータ
に関する。

［従来の技術］ 従来、この種のリニアーパルスモータは、第４
図に示す如く、駆動巻線３を施した固定子４によ
り挾持された永久磁石６と、可動子１と、固定子
４との間隔ｄを一定に保ちながら円滑な直線運動
を行なわせる鋼球５と、鋼球を支える基体７を有
し、固定子４の励磁状態を切り換えることで可動
子１を送るように動作する。つまり、ある励磁状
態では可動子１は固定子４に吸引され安定した位
置で静止しており、次に励磁状態が切り換わると
可動子１は次の安定状態まで吸引されて移動し、
その位置で静止する。これを繰り返すことで可動
子１は次々と送られていく。

［考案が解決しようとする問題点］ 上述した従来のリニアーパルスモータは、可動
子１の運動に対して、何らの抑制手段を有しない
ため、ある安定状態から次の安定状態に移動する
際に与えられる起動力によつて、第５図に示すよ
うに、可動子１はその固有振動数に共振しながら
移動を始め、安定位置を若干行き過ぎてから戻
り、次第に減衰しながら定位置に収束する。従つ
て、高速駆動時には、駆動電流のパルス間隔が短
くなるため、上述した固有振動のため、誤動作を
起し易くなり、従つて可動子１の駆動を高速化で
きないという欠点があつた。

［問題点を解決するための手段］ 本考案のリニアパルスモータは、固定子磁極の
外周に電気的良導体の短絡環を一体的に設けたこ
とを特徴とする。

［実施例］ 次に、本考案について図面を参照して説明す
る。

第１図は本考案の一実施例の分解図であり、第
２図はその断面図である。

基体７には永久磁石６を挾持し、磁極部４ａに
駆動巻線３と短絡環２が装着された一対の固定子
４が設けられる。鋼球５は基体７の転動面７ａ上
に設けられ、可動子１と磁極部４ａとの間隔ｄを
一定に保ちながら可動子１に矢印方向の円滑な水
平運動を行なわせる。可動子１は複数個の鋼球５
上に装着される。

短絡環２は導体により作られており、磁極部４
ａの外周においては、磁極部から発生する磁束の
急激な変化分をうず電流に変換して消費し、可動
子１に作用する磁束の急激な変化を抑制し、ま
た、磁極部間の可動子１に対向した部分では、磁
化された可動子１から発生する磁束を受けてうず
電流を発生し、このうず電流で逆に磁束を発生さ
せて可動子１の運動を押さえるように作用する。
従つて、可動子の固有振動を抑え、収束時間を大
巾に短縮する効果がある。

第３図は、本考案の一実施例の短絡環による可
動子の固有振動を抑えた可動子の立上りから、収
束に至る運動軌跡である。この結果から収束まで
の時間短縮効果を概算すると、第５図に比較し
て、定位置の90％迄収束するに要する時間は82
％、定位置の95％迄収束するに要する時間は58
％、定位置の97％迄収束するに要する時間は、46
％に短縮されている。

［考案の効果］ 本考案は以上説明したように、固定子の磁極部
に短絡環を設けることによつて、可動子の固有振
動を抑えることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例のリニアパルスモー
タの分解斜視図、第２図は本考案の一実施例のリ
ニアパルスモータの断面図、第３図は、本考案の
一実施例のリニアパルスモータ可動子の立上りか
ら定位置に収束するまでの運動軌跡を示す図、第
４図は従来のリニアパルスモータの断面図、第５
図は従来のリニアパルスモータ可動子の立上りか
ら定位置に収束するまでの運動軌跡を示す図であ
る。 １……可動子、２……短絡板、３……駆動巻
線、４……固定子、４−ａ……磁極、５……鋼
球、６……永久磁石、７……基体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 永久磁石とこの永久磁石に連結され、個々にコ
   イルが巻回された複数の磁極部とを有する固定子
   と、 この固定子の全ての磁極部に対向し、前記固定
   子に対して平行移動可能に支持された可動子と、 前記固定子の前記可動子に近接対向する面上で
   かつ前記磁極部の外周および前記複数の磁極部間
   に設けられた導体の平板状の短絡環とを有するこ
   とを特徴とするリニアパルスモータ。