JPH0445294B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 Ａ 発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、複数種類の工具を主軸に選択的に取
付けてトリル、タツプおよび座ぐり等の加工をワ
ークに施すための工作機械に関する。

(2) 従来の技術 従来、この種の工作機械では、移動テーブルが
水平方向に移動可能にして固定のベツド上に載置
され、その移動テーブル上で移動テーブルの移動
方向と直交する水平方向に移動可能なコラムに、
主軸を有する主軸頭装置が昇降可能に支承され、
その主軸の軸線上に工具を割出すための自動工具
交換装置が側方に張出して主軸頭装置に設けられ
ている。

(3) 発明が解決しようとする問題点 上記従来のものでは、主軸頭装置および自動工
具交換装置を、昇降可能にしてコラムで片持ち支
持するので、コラムが必然的に大型化し、それに
応じて移動テーブルおよびベツドも大型化して製
作コストが大となり、また据付け面積が大きくな
るので加工ラインの採用が困難となる。

本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので
あり、コンパクトに構成することを可能にして製
作コストの低減および据付け面積の減少を図つた
工作機械を提供することを目的とする。

Ｂ 発明の構成 (1) 問題点を解決するための手段 本発明によれは、固定のベツド上で水平なＺ軸
方向に移動可能な移動テーブルに略鉛直の４本の
支柱が立設され、それら支柱には、該支柱に沿う
Ｙ軸方向に摺動可能に昇降テーブルが支承される
と共に、その昇降テーブルと前記移動テーブル間
に、該昇降テーブルを移動テーブルに対し昇降駆
動し得る昇降駆動装置が前記支柱より独立して設
けられ、前記昇降テーブル上には、前記Ｚ軸及び
Ｙ軸と直交する水平なＸ軸方向に延びる回転可能
な主軸を有して該昇降テーブルに対し前記Ｘ軸方
向に移動し得る主軸頭装置と、この主軸頭装置に
選択的に供給すべき複数の工具を保持し得ると共
に前記主軸軸線上の所定の工具交換位置に工具を
割出し可能な自動工具交換装置とが併設されたこ
とを特徴とする。

(2) 作用 Ｙ軸方向に沿う昇降テーブルの昇降移動を、該
テーブルを傾かせることなく４本の支柱により極
めて安定よく案内することができ、その際に昇降
駆動装置に対しても昇降テーブルから大きな捩じ
りは作用しない。しかも斯かる昇降テーブルの移
動安定化により移動テーブルの面積を減少させる
ことができてベツドの据付け面積も低減すること
ができる。

また前記昇降テーブル上に主軸頭装置ばかりで
なく、自動工具交換装置をも設置している関係で
該昇降テーブルの昇降に伴い主軸頭装置及び自動
工具交換装置を同時に同量ずつ昇降駆動すること
ができるため、昇降テーブルの昇降作動後に工具
交換を行う場合でも主軸頭装置と自動工具交換装
置との高さ合せを特別に行う必要はなく、主軸頭
装置を単にＸ軸方向に移動させるだけで済む。

(3) 実施例 以下、図面により本発明の一実施例について説
明すると、第１図ないし第５図において、この工
作機械１は、たとえば横型NCマシンであり、固
定のベツド２と、そのベツド２上で水平なＺ軸方
向に移動可能な移動テーブル９と、その移動テー
ブル９に立設された４本の支柱１１，１１，１
２，１２に沿つて鉛直なＹ軸方向に移動可能な昇
降テーブル１４と昇降テーブル１４で前記Ｚ軸お
よびＹ軸に直交する水平なＸ軸方向に移動可能な
主軸頭装置３４と、複数種類の工具（図示せず）
を主軸頭装置３４の主軸３６に択一的に連結する
ための自動工具交換装置３９とを備える。

ベツド２上には、Ｚ軸方向に延びる一対のガイ
ドレール８，８が相互間に所定の間隔をあけて並
設されており、移動テーブル９は、それらのガイ
ドレール８，８に沿つてＺ軸方向に移動可能であ
る。

両ガイドレール８，８間で、ベツド２上にはボ
ールねじ３のスクリユウシヤフト４が、Ｚ軸方向
に延びる軸線を有して回転自在に支承されてお
り、このスクリユウシヤフト４の一端は、ベツド
２の側部に固定された駆動モータ６に、ベルトお
よびプーリ等の回転伝動機構７を介して連結され
る。また移動テーブル９は、略方形状に形成され
ており、リニアベアリング１０，１０を介してガ
イドレール８，８に嵌合される。しかもこの移動
テーブル９の下部にはナツト部５が設けられてお
り、このナツト部５に前記スクリユウシヤフト４
が貫通、螺合される。これにより駆動モータ６の
作動に応じたスクリユウシヤフト４の回転により
移動テーブル９がＺ軸方向に移動する。

移動テーブル９上には、その前部側（第２図の
左側）の一対の支柱１１，１１と、その後部（第
２図の右側）の一対の支柱１２，１２とが、仮想
四辺形の各頂点位置に対応するようにして立設さ
れる。しかも後方側の支柱１２，１２の高さは、
前方側の支柱１１，１１よりも高く、両支柱１
２，１２の上端間には連結支持枠１３が架設され
る。

昇降テーブル１４は、略方形状に形成されてお
り、この昇降テーブル１４には、、前記支柱１１，
１１，１２，１２に摺合するガイド筒１５，１
５，１６，１６が一体に固設される。しかも後方
側のガイド筒１６，１６は、前方側のガイド筒１
５，１５よりもわずかに長く形成されており、両
ガイド筒１５，１６間には補強枠１７がそれぞれ
架設される。このようにして昇降テーブル１４は
各支柱１１，１１，１２，１２に沿つてＹ軸方向
すなわち鉛直方向に移動可能である。

前記後方側のガイド筒１６，１６の一方には、
昇降用筒体１８が一体に設けられており、この昇
降用筒体１８には、スクリユウシヤフト２０とと
もに昇降用ボールねじ１９を構成するナツト部材
２１が着脱可能に嵌着される。スクリユウシヤフ
ト２０は、移動テーブル９および連結支持枠１３
間で鉛直軸線を有して回転自在に配置されるもの
であり、スクリユウシヤフト２０の下端部は移動
テーブル９上に設けた軸受部２２で回転自在に支
承される。また連結支持枠１３には電磁ブレーキ
２４を内蔵した軸受ボツクス２３が固設されてお
り、スクリユウシヤフト２０の上端部は軸受ボツ
クス２３に挿通、支持されるとともに、連結支持
枠１３に取付けられた駆動モータ２５の出力軸に
カツプリング２６を介して連結される。したがつ
て駆動モータ２５の作動に応じてスクリユウシヤ
フト２０が回転することにより昇降テーブル１４
が各支柱１１，１１，１２，１２に沿つて昇降作
動する。而して前記駆動モータ２５、カツプリン
グ２６、ボールねじ１９及び昇降用筒体１８は互
いに協働して、支柱１１，１２から独立して昇降
テーブル１４を移動テーブル９に対し昇降駆動す
るための本発明の昇降駆動装置Ｄを構成してい
る。

昇降テーブル１４の上部には、前方に張出した
支持板２７が設けられており、この支持板２７上
には前記Ｚ軸およびＹ軸と直交する水平なＸ軸方
向に延びる一対のガイドレール３２，３２が設け
られる。これらのガイドレール３２，３２上に
は、Ｘ軸方向に沿う軸線まわりに回転可能な主軸
３６を有する主軸頭装置３４の本体３５が、リニ
アベアリング３８，３８を介して摺動可能に配置
される。また両ガイドレール３２，３２間の支持
板２７上には、ボールねじ２８のスクリユウシヤ
フト２９がＸ軸方向に沿う軸線を有して回転自在
に支承されており、このスクリユウシヤフト２９
は、前記本体３５の下部に設けたナツト部３０に
貫通、螺合される。また昇降テーブル１４には駆
動モータ３１が取付けられており、この駆動モー
タ３１がスクリユウシヤフト２９の一端に連結さ
れる。したがつて、駆動モータ３１を作動せしめ
てスクリユウシヤフト２９を回転駆動することに
より、主軸頭装置３４がＸ軸方向に移動する。

主軸頭装置３４における本体３５の前方側上部
に、工具装着孔（図示せず）を有する主軸３６が
Ｘ軸まわりに回転自在に支承されており、本体３
５の後部に設けた主軸駆動モータ３７と主軸３６
とが、本体３５に内蔵した伝動機構（図示せず）
を介して連結される。

前記両ガイドレール３２，３２の両側で支持板
２７上には一対の支持枠３３，３３が立設されて
おり、これらの支持枠３３，３３の上端に自動工
具交換装置３９が配設される。この自動工具交換
装置３９は、前記主軸３６の軸線に対して角度α
だけ上方に傾斜した軸線まわりに角変位可能な工
具マガジン４０と、その工具マガジン４０を角変
位駆動する駆動モータ４１とを備える。工具マガ
ジン４０は、略円錐台状のターレツト型に形成さ
れており、複数の工具をその周面に保持可能であ
る。しかも保持された各工具は、工具マガジン４
０の角変位に応じて主軸３６の軸線上に設定され
た工具変換位置Ｓに割出される。

前記移動テーブル９、昇降テーブル１４および
主軸頭装置３４のＺ軸、Ｙ軸およびＸ軸方向に沿
う移動は、検出器によりそれぞれ検出され、各駆
動モータ６，２５，３１，４１および主軸駆動モ
ータ３７の作動は図示しない数値制御装置により
それぞれ制御される。

次にこの実施例の作用について説明すると、工
作機械１の前方に固定配置されるワーク（図示せ
ず）に対応して、自動工具交換装置３９の工具マ
ガジン４０が角変位駆動され、所望の工具が工具
交換位置Ｓに割出される。その状態で、主軸頭装
置３４をＸ軸方向に沿う前方に移動せしめ、工具
交換位置Ｓにある工具を主軸３６に装着すること
ができる。

工具を装着した主軸３６をＸ軸方向にさらに前
進させて主軸駆動モータ３７を作動せしめること
によりワークを加工することができる。この際、
主軸頭装置３４は、Ｙ軸方向に移動可能な昇降テ
ーブル１４上にあり、昇降テーブル１４はＺ軸方
向に移動可能な移動テーブル９上にあるので、主
軸頭装置３４は、Ｘ軸、Ｙ軸およびＺ軸のいずれ
の方向にも移動可能であり、固定状態にあるワー
クを広い範囲にわたつて有効に加工することがで
きる。

ワークの加工が終了した後には、主軸頭装置３
４を工具交換位置Ｓまで後退させ、工具マガジン
４０との間で所望の工具を交換することができ、
そのような動作を繰返してワークに一連の加工を
施すことができる。

かかる工作機械１において、昇降テーブル１４
は４本の支柱１１，１１，１２，１２により案内
されるものであり、そのＹ軸方向に沿う移動は極
めて安定となる。このため各支柱１１，１１，１
２，１２を立設した移動テーブル９の面積を比較
的小さくすることができ、それに応じてベツド２
の必要面積も減少することができる。したがつて
据付け面積を小さくすることができるとともに全
体をコンパクトに構成することができ、主軸頭装
置３４がＸ軸方向に独立して移動可能であること
と相俟つて加工ラインへの配設を容易にすること
ができる。

Ｃ 発明の効果 以上のように本発明によれば、固定のベツド上
で水平なＺ軸方向に移動可能な移動テーブルに略
鉛直の４本の支柱が立設され、それら支柱には、
該支柱に沿うＹ軸方向に摺動可能に昇降テーブル
が支承されると共に、その昇降テーブルと前記移
動テーブル間に、該昇降テーブルを移動テーブル
に対し昇降駆動し得る昇降駆動装置が前記支柱よ
り独立して設けられ、前記昇降テーブル上には、
前記Ｚ軸及びＹ軸と直交する水平なＸ軸方向に延
びる回転可能な主軸を有して該昇降テーブルに対
し前記Ｘ軸方向に移動し得る主軸頭装置と、この
主軸頭装置に供給すべき複数の工具を保持し得る
と共に前記主軸軸線上の所定の工具交換位置に工
具を割出し可能な自動工具交換装置とが併設され
るので、Ｙ軸方向に沿う昇降テーブルの昇降移動
を、該テーブルを傾かせることなく４本の支柱に
より極めて安定よく案内することができ、その際
に昇降駆動装置にも昇降テーブルから大きな捩じ
りは作用しないため、その昇降駆動を常に無理な
くスムーズに行わせることができる。しかも斯か
る昇降テーブルの移動安定化により移動テーブル
の面積を減少させることができてベツドの据付け
面積も低減することができるから、装置を全体と
してコンパクト化することができてコストダウン
に寄与し得ることは勿論、主軸頭装置３がＸ軸方
向に独立して移動可能であることとも相俟つて加
工ラインへの設備を容易とすることができる。

また前記昇降テーブル上に主軸頭装置ばかりで
なく、自動工具交換装置をも設置している関係
で、該昇降テーブルの昇降に伴い主軸頭装置及び
自動工具交換装置を同時に同量ずつ昇降駆動する
ことができるから、昇降テーブルの昇降作動後に
工具交換を行う場合でも主軸頭装置と自動工具交
換装置との高さ合せを特別に行う必要はなく、主
軸頭装置を単にＸ軸方向に移動させるだけで足り
るため、それだけ工具交換の際の作業能率の向上
に寄与することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
は正面図、第２図は第１図の矢視側面図、第３
図は第２図と同一方向から見た一部切欠き縦断側
面図、第４図は一部切欠縦断背面図、第５図は第
１図の平面図である。 １……工作機械、２……ベツド、９……移動テ
ーブル、１４……昇降テーブル、３４……主軸頭
装置、３６……主軸、３９……自動工具交換装
置、Ｄ……昇降駆動装置、Ｓ……工具交換位置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 固定のベツド２上で水平なＺ軸方向に移動可
   能な移動テーブル９に略鉛直の４本の支柱１１，
   １２が立設され、それら支柱１１，１２には、該
   支柱１１，１２に沿うＹ軸方向に摺動可能に昇降
   テーブル１４が支承されると共に、その昇降テー
   ブル１４と前記移動テーブル９間に、該昇降テー
   ブル１４を移動テーブル９に対し昇降駆動し得る
   昇降駆動装置Ｄが前記支柱１１，１２より独立し
   て設けられ、前記昇降テーブル１４上には、前記
   Ｚ軸及びＹ軸と直交する水平なＸ軸方向に延びる
   回転可能な主軸３６を有して該昇降テーブル１４
   に対し前記Ｘ軸方向に移動し得る主軸頭装置３４
   と、この主軸頭装置３４に選択的に供給すべき複
   数の工具を保持し得ると共に前記主軸３６軸線上
   の所定の工具交換位置Ｓに工具を割出し可能な自
   動工具交換装置３９とが併設されたことを特徴と
   する、工作機械。