JPH0445268B2 - - Google Patents
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- JPH0445268B2 JPH0445268B2 JP61060495A JP6049586A JPH0445268B2 JP H0445268 B2 JPH0445268 B2 JP H0445268B2 JP 61060495 A JP61060495 A JP 61060495A JP 6049586 A JP6049586 A JP 6049586A JP H0445268 B2 JPH0445268 B2 JP H0445268B2
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- Arc Welding In General (AREA)
- Butt Welding And Welding Of Specific Article (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、一パス一ランで溶接を完了する横向
エレクトロガス溶接方法の改良に関する。 (従来の技術) 横向溶接方法の高能率な溶接方法の一つとし
て、特開昭54−23049号公報で、狭開先横向自動
溶接方法すなわち、第4図、第5図に示す横向エ
レクトロガス溶接方法が提案されている。第4図
は、その溶接方法を実施している状況を示す斜視
図であり、第5図はその前面側の部分断面図であ
る。第4図において、1,2はそれぞれ上母材、
下母材を示し、I形、又はI形に近いV形、レ形
開先を示している。 又、開先裏面には、固定裏当材3、開先表面に
はシールドノズル付摺動銅当金4を当接してい
る。なお固定裏当材の代りに、摺動銅当金が裏面
に用いられる場合もある。これらにより形成され
ている空間内に、溶接ワイヤ5を偏平にしたチツ
プ6を通して挿入し、溶接ワイヤの先端部を、下
板開先面に対し0〜5°の角度、および母材裏面に
対し0〜10°の角度で狙い、かつ、溶接ワイヤの
先端部を板厚方向、すなわち第4図における矢印
Aの方向に揺動しながら溶接金属7を形成し、前
記開先を一パスーランで溶接を行なつている。 この時、摺動銅当金4およびチツプ6等を塔載
した溶接用台車(図示されていない)は、第5図
に示すチツプ6と、溶融金属8の湯面9との間の
チツプ、湯面間距離Pの変化を溶接電流変化とし
て検知し、Pを一定に保つように、台車速度が制
御されながら自動走行している。 上記溶接方法は、一パス一ランで横向溶接を行
うことができる高能率な溶接方法ではあるが、溶
接条件によつては、第6図に示す如く溶融金属8
の先行による溶接不良、又は第7図に示す如く、
上母材側の溶け込み不良10等が発生し易く、そ
の溶接は必ずしも安定したものではない。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは、上記問題点に鑑み、溶接条件を
種々検討した結果、上記問題点と溶接条件との間
に関連性を見い出した。よつて本発明は溶接条件
を規定することにより、湯面先行や、上母材側の
溶け込み不良がなく、安定した溶接が行える横向
エレクトロガス溶接方法を提供することを目的と
している。 (問題点を解決するための手段) 本発明の要旨とするところは、上母材と下母材
とをI形、又はI形に近いV形、レ形開先に形成
し、開先裏面に固定裏当材、又は摺動裏銅当金を
当接し、かつ開先表面に摺動銅当金を当接し、前
記開先面および固定裏当材又は摺動裏銅当金と摺
動銅当金とによつて、形成される空間内に溶接ワ
イヤを偏平したチツプを通して挿入し、溶接ワイ
ヤの先端部を板厚方向に摺動し、台車走行が溶接
電流を検知することにより、自動制御走行する溶
接用台車を用い、前記開先を一パス一ランで溶接
する横向エレクトロガス溶接方法において、ワイ
ヤ直径1.2mm〜2.0mmのソリツドワイヤ、又はフラ
ツクス入りワイヤを用い、かつ、ソリツドワイヤ
の時には、溶接電流I(単位A)/ワイヤ直径D
(単位mm)で規定されるI/Dが、下記の(1)式を
満足する溶接電流Iを使用し、 210≦I/D≦280 ……(1) 又、フラツクス入りワイヤの時には、溶接電流
I(単位A)/ワイヤ直径D(単位mm)で規定され
るI/Dが下記の(2)式を満足する溶接電流Iを使
用し、 160≦I/D≦220 ……(2) かつ、上母材の板厚TA(単位mm)、下母材の板
厚TB(単位mm)に関連して、溶接速度V(単位
cm/min)を下記の(3)、(4)式を満足する下限値
Va、上限値Vbの間 Va≦V≦Vb ここで、 Va=3201/TA+TB−1.5 ……(3) Vb=3201/TA+TB+1.0 ……(4) になるように、ワイヤ送給速度を調整しておこな
うことを特徴とする横向エレクトロガス溶接方法
にある。 (作用) 第4図に示す状態で、板厚TA+TB、開先間隙
量Gを種々変化させて、ワイヤ直径1.2mm〜2.0mm
のソリツドワイヤ、及びフラツクス入りワイヤを
用い、溶接条件に対して、良好な溶接結果を得る
状態、溶接金属の先行により、溶接不良がおこる
状態、及び上母材側に溶け込み不良が起こる状態
とのそれぞれの関連性を調べた。 その結果、ワイヤ直径1.2mm〜2.0mmのソリツド
ワイヤ、及びフラツクス入りワイヤにおいて、溶
接電流条件について、ワイヤ直径との関連で、あ
る相関関係があることを見い出した。その関係を
ソリツドワイヤの場合については第1図、フラツ
クス入りワイヤの場合については第2図に示す。 第1図、第2図において、直線aとbの間にあ
るA範囲は、適正領域を示し、これら直線aに対
応する値は、溶接電流I(単位A)/ワイヤ直径
D(単位mm)が、第1図に示すソリツドワイヤの
場合 I/D=210 第2図に示すフラツクス入りワイヤの場合 I/D=160 であり、又、直線bに対応するI/Dの値が、第
1図に示すソリツドワイヤの場合 I/D=280 第2図に示すフラツクス入りワイヤの場合 I/D=220 である。従つて、ソリツドワイヤにおける適正な
溶接電流範囲AのI/Dは 210≦I/D≦280 ……(1) フラツクス入りワイヤにおける適正な溶接電流
範囲AのI/Dは 160≦I/D≦220 ……(2) の関係を有する。 なおB、Cは不適正領域を示す。 この適正な溶接電流範囲Aは、例えばワイヤ直
径1.6mmのソリツドワイヤを使用する場合には、
336A〜448Aに相当する。例えば、シールドガス
CO2:30/min、ワイヤ突き出し長さ30mm〜60
mm、板厚TA+TB:28〜50mm、開先形状I型、開
先幅G:8〜17mmの条件で、横向エレクトロガス
溶接を行なう場合に、溶接電流Iが336Aより低
いC範囲においては、アークの移行状態が、横向
エレクトロガス溶接には通さず、第5図に示す湯
面9の安定が悪く、スパツタの発生が多く、第7
図に示す上母材側に溶け込み不良のある溶接結果
を招くことがある。 又溶接電流Iが448Aより高いB範囲において
は、アークが強すぎ、第5図に示す湯面9を大き
く振動させるので、やはり湯面9の安定が悪く、
スパツタの発生が多く、上母材側に溶け込み不良
のある溶接結果を招くことがある。 同じ現象は、ワイヤ直径1.2mm〜2.0mmのソリツ
ドワイヤ及びフラツクス入りワイヤを用い、又
CO2シールドガスにO2ガス又はArガスの1種又
は2種を加えた混合シールドガスを用いる場合に
おいてもあり、横向エレクトロガス溶接に適する
溶接電流範囲Aは、ソリツドワイヤの場合(1)式、
フラツクス入りワイヤの場合(2)式を満足するもの
である。 次に、溶接速度Vと板厚TA+TBとの間にも、
ある相関関係を見い出した。その関係を第3図に
示す。 第3図において、曲線aとbの間にあるA範囲
は適正領域を示し、これら曲線a,bに対応する
溶接速度Va、Vb(単位cm/min)と、板厚TA+
TB(単位mm)との関係は、図より次式のように求
められる。 Va=3201/TA+TB−1.5 ……(3) Vb=3201/TA+TB+1 ……(4) 従つて適正溶接速度 Va≦V≦Vb ……(5) の関係を有する。 なお、B、Cは不適正領域を示し、Bは溶融金
属の先行により、溶接不良を生ずる範囲、Cは上
母材側に溶け込み不良を生ずる範囲である。 このことにより、安定した溶接を行うために
は、板厚TA+TBが決まれば、上記(3)〜(5)式を守
るように溶接速度を調整すればよいわけである。 ところで本溶接法では、第4図において説明し
た如く一パス一ランの溶接方法であり、開先内に
溶接金属を鋳込む形式の溶接方法であるために、
開先断面積及び余盛断面積の和が決まれば、溶接
速度は開先内に送り込まれるワイヤの単位時間当
りの量、つまりワイヤ送給速度によつて決定され
る。 よつて開先幅が変動し、開先断面積及び余盛断
面積が種々変動する現場溶接において、溶接速度
を調整するということは、間接的にワイヤ送給速
度を調整することになる。 TA+TBの上限は50mmである。それ以上になる
と、溶け込み不良の発生が多くなる。又下限は28
mmである。それ以下になるとアンダーカツトの発
生があり、多大の手直しを要する。又、TA−TB
の絶対値は6mm以下に抑える必要があり、それ以
上では板厚違いの段差が大きく、健全な溶接を行
えない。 又、この発明の方法を実施するに際しては、好
適なワイヤ突き出し長さは30〜60mmであり、30mm
より短い場合には、チツプを損傷する恐れがあ
り、又60mmより長い場合には、ワイヤ先端の振れ
が大きくなり、アーク狙い位置の調整が困難とな
る。又、シールドガスとしては、CO2ガス又はO2
ガス、Arガスとの1種又は2種以上の混合ガス
を用いることが望ましい。 又ワイヤ径については、ワイヤ直径1.2mm未満
のワイヤを使用する場合には、アークの広がりが
小さく、第7図に示す上板側に溶け込み不良のあ
る溶接結果を生じることがあり、よつてワイヤ直
径1.2mm以上のワイヤを使用することが望ましく、
又ワイヤ直径2.0mmより大きい直径のワイヤを使
用する場合には、アークの広がりが大きく、上母
材を溶かしすぎ、上母材側に大きなアンダーカツ
トを生じる溶接結果を招くので、ワイヤ直径2.0
mm以下のワイヤを使用することが望ましく、よつ
て本発明においては、ワイヤ直径1.2mm〜2.0mmの
ワイヤを使用することが望ましい。 又フラツクス入りワイヤについては、溶着金属
量に対して、スラグが覆うべき表面積が少ないこ
とから、スラグ発生量の少ないものが望ましく、
スラグ生成剤をワイヤ全重量に対して、5%以下
に抑えたワイヤを使用することが望ましい。 (実施例) ここで実施した条件を下記に示す。 鋼種;SM−41B 板厚TA+TB;28mm〜50mm 開先形状;I型 開先間隙;8〜17mm シールドガス流量;30/min 極性;直流逆極性 アークの揺動幅;下母材板厚TB−4mm アークの揺動回数;40回〜100回/min 他の条件は第1表に記載した。 第1表から明らかなように、本発明による溶接
条件実験No.1〜15で行えば、いずれも湯面先行と
上母材側溶け込み不足はなく、良好な継手が得ら
れたが、比較例のNo.16〜40は、板厚と溶接速度と
の関係が、No.41〜51は、溶接電流I(単位A)/
ワイヤ直径D(単位mm)が本発明の条件からはず
れているために、満足な継手が得られなかつた。 第1表において、湯面先行の有無、上母材側の
溶け込み不足等の溶接結果の判定を示す。上母材
の溶け込み不足の判定について、横線を引いてい
るものは、湯面先行の判定が×であつたために、
溶接が安定せず、上母材の溶け込み不足の判定に
まで至らなかつたものである。
エレクトロガス溶接方法の改良に関する。 (従来の技術) 横向溶接方法の高能率な溶接方法の一つとし
て、特開昭54−23049号公報で、狭開先横向自動
溶接方法すなわち、第4図、第5図に示す横向エ
レクトロガス溶接方法が提案されている。第4図
は、その溶接方法を実施している状況を示す斜視
図であり、第5図はその前面側の部分断面図であ
る。第4図において、1,2はそれぞれ上母材、
下母材を示し、I形、又はI形に近いV形、レ形
開先を示している。 又、開先裏面には、固定裏当材3、開先表面に
はシールドノズル付摺動銅当金4を当接してい
る。なお固定裏当材の代りに、摺動銅当金が裏面
に用いられる場合もある。これらにより形成され
ている空間内に、溶接ワイヤ5を偏平にしたチツ
プ6を通して挿入し、溶接ワイヤの先端部を、下
板開先面に対し0〜5°の角度、および母材裏面に
対し0〜10°の角度で狙い、かつ、溶接ワイヤの
先端部を板厚方向、すなわち第4図における矢印
Aの方向に揺動しながら溶接金属7を形成し、前
記開先を一パスーランで溶接を行なつている。 この時、摺動銅当金4およびチツプ6等を塔載
した溶接用台車(図示されていない)は、第5図
に示すチツプ6と、溶融金属8の湯面9との間の
チツプ、湯面間距離Pの変化を溶接電流変化とし
て検知し、Pを一定に保つように、台車速度が制
御されながら自動走行している。 上記溶接方法は、一パス一ランで横向溶接を行
うことができる高能率な溶接方法ではあるが、溶
接条件によつては、第6図に示す如く溶融金属8
の先行による溶接不良、又は第7図に示す如く、
上母材側の溶け込み不良10等が発生し易く、そ
の溶接は必ずしも安定したものではない。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは、上記問題点に鑑み、溶接条件を
種々検討した結果、上記問題点と溶接条件との間
に関連性を見い出した。よつて本発明は溶接条件
を規定することにより、湯面先行や、上母材側の
溶け込み不良がなく、安定した溶接が行える横向
エレクトロガス溶接方法を提供することを目的と
している。 (問題点を解決するための手段) 本発明の要旨とするところは、上母材と下母材
とをI形、又はI形に近いV形、レ形開先に形成
し、開先裏面に固定裏当材、又は摺動裏銅当金を
当接し、かつ開先表面に摺動銅当金を当接し、前
記開先面および固定裏当材又は摺動裏銅当金と摺
動銅当金とによつて、形成される空間内に溶接ワ
イヤを偏平したチツプを通して挿入し、溶接ワイ
ヤの先端部を板厚方向に摺動し、台車走行が溶接
電流を検知することにより、自動制御走行する溶
接用台車を用い、前記開先を一パス一ランで溶接
する横向エレクトロガス溶接方法において、ワイ
ヤ直径1.2mm〜2.0mmのソリツドワイヤ、又はフラ
ツクス入りワイヤを用い、かつ、ソリツドワイヤ
の時には、溶接電流I(単位A)/ワイヤ直径D
(単位mm)で規定されるI/Dが、下記の(1)式を
満足する溶接電流Iを使用し、 210≦I/D≦280 ……(1) 又、フラツクス入りワイヤの時には、溶接電流
I(単位A)/ワイヤ直径D(単位mm)で規定され
るI/Dが下記の(2)式を満足する溶接電流Iを使
用し、 160≦I/D≦220 ……(2) かつ、上母材の板厚TA(単位mm)、下母材の板
厚TB(単位mm)に関連して、溶接速度V(単位
cm/min)を下記の(3)、(4)式を満足する下限値
Va、上限値Vbの間 Va≦V≦Vb ここで、 Va=3201/TA+TB−1.5 ……(3) Vb=3201/TA+TB+1.0 ……(4) になるように、ワイヤ送給速度を調整しておこな
うことを特徴とする横向エレクトロガス溶接方法
にある。 (作用) 第4図に示す状態で、板厚TA+TB、開先間隙
量Gを種々変化させて、ワイヤ直径1.2mm〜2.0mm
のソリツドワイヤ、及びフラツクス入りワイヤを
用い、溶接条件に対して、良好な溶接結果を得る
状態、溶接金属の先行により、溶接不良がおこる
状態、及び上母材側に溶け込み不良が起こる状態
とのそれぞれの関連性を調べた。 その結果、ワイヤ直径1.2mm〜2.0mmのソリツド
ワイヤ、及びフラツクス入りワイヤにおいて、溶
接電流条件について、ワイヤ直径との関連で、あ
る相関関係があることを見い出した。その関係を
ソリツドワイヤの場合については第1図、フラツ
クス入りワイヤの場合については第2図に示す。 第1図、第2図において、直線aとbの間にあ
るA範囲は、適正領域を示し、これら直線aに対
応する値は、溶接電流I(単位A)/ワイヤ直径
D(単位mm)が、第1図に示すソリツドワイヤの
場合 I/D=210 第2図に示すフラツクス入りワイヤの場合 I/D=160 であり、又、直線bに対応するI/Dの値が、第
1図に示すソリツドワイヤの場合 I/D=280 第2図に示すフラツクス入りワイヤの場合 I/D=220 である。従つて、ソリツドワイヤにおける適正な
溶接電流範囲AのI/Dは 210≦I/D≦280 ……(1) フラツクス入りワイヤにおける適正な溶接電流
範囲AのI/Dは 160≦I/D≦220 ……(2) の関係を有する。 なおB、Cは不適正領域を示す。 この適正な溶接電流範囲Aは、例えばワイヤ直
径1.6mmのソリツドワイヤを使用する場合には、
336A〜448Aに相当する。例えば、シールドガス
CO2:30/min、ワイヤ突き出し長さ30mm〜60
mm、板厚TA+TB:28〜50mm、開先形状I型、開
先幅G:8〜17mmの条件で、横向エレクトロガス
溶接を行なう場合に、溶接電流Iが336Aより低
いC範囲においては、アークの移行状態が、横向
エレクトロガス溶接には通さず、第5図に示す湯
面9の安定が悪く、スパツタの発生が多く、第7
図に示す上母材側に溶け込み不良のある溶接結果
を招くことがある。 又溶接電流Iが448Aより高いB範囲において
は、アークが強すぎ、第5図に示す湯面9を大き
く振動させるので、やはり湯面9の安定が悪く、
スパツタの発生が多く、上母材側に溶け込み不良
のある溶接結果を招くことがある。 同じ現象は、ワイヤ直径1.2mm〜2.0mmのソリツ
ドワイヤ及びフラツクス入りワイヤを用い、又
CO2シールドガスにO2ガス又はArガスの1種又
は2種を加えた混合シールドガスを用いる場合に
おいてもあり、横向エレクトロガス溶接に適する
溶接電流範囲Aは、ソリツドワイヤの場合(1)式、
フラツクス入りワイヤの場合(2)式を満足するもの
である。 次に、溶接速度Vと板厚TA+TBとの間にも、
ある相関関係を見い出した。その関係を第3図に
示す。 第3図において、曲線aとbの間にあるA範囲
は適正領域を示し、これら曲線a,bに対応する
溶接速度Va、Vb(単位cm/min)と、板厚TA+
TB(単位mm)との関係は、図より次式のように求
められる。 Va=3201/TA+TB−1.5 ……(3) Vb=3201/TA+TB+1 ……(4) 従つて適正溶接速度 Va≦V≦Vb ……(5) の関係を有する。 なお、B、Cは不適正領域を示し、Bは溶融金
属の先行により、溶接不良を生ずる範囲、Cは上
母材側に溶け込み不良を生ずる範囲である。 このことにより、安定した溶接を行うために
は、板厚TA+TBが決まれば、上記(3)〜(5)式を守
るように溶接速度を調整すればよいわけである。 ところで本溶接法では、第4図において説明し
た如く一パス一ランの溶接方法であり、開先内に
溶接金属を鋳込む形式の溶接方法であるために、
開先断面積及び余盛断面積の和が決まれば、溶接
速度は開先内に送り込まれるワイヤの単位時間当
りの量、つまりワイヤ送給速度によつて決定され
る。 よつて開先幅が変動し、開先断面積及び余盛断
面積が種々変動する現場溶接において、溶接速度
を調整するということは、間接的にワイヤ送給速
度を調整することになる。 TA+TBの上限は50mmである。それ以上になる
と、溶け込み不良の発生が多くなる。又下限は28
mmである。それ以下になるとアンダーカツトの発
生があり、多大の手直しを要する。又、TA−TB
の絶対値は6mm以下に抑える必要があり、それ以
上では板厚違いの段差が大きく、健全な溶接を行
えない。 又、この発明の方法を実施するに際しては、好
適なワイヤ突き出し長さは30〜60mmであり、30mm
より短い場合には、チツプを損傷する恐れがあ
り、又60mmより長い場合には、ワイヤ先端の振れ
が大きくなり、アーク狙い位置の調整が困難とな
る。又、シールドガスとしては、CO2ガス又はO2
ガス、Arガスとの1種又は2種以上の混合ガス
を用いることが望ましい。 又ワイヤ径については、ワイヤ直径1.2mm未満
のワイヤを使用する場合には、アークの広がりが
小さく、第7図に示す上板側に溶け込み不良のあ
る溶接結果を生じることがあり、よつてワイヤ直
径1.2mm以上のワイヤを使用することが望ましく、
又ワイヤ直径2.0mmより大きい直径のワイヤを使
用する場合には、アークの広がりが大きく、上母
材を溶かしすぎ、上母材側に大きなアンダーカツ
トを生じる溶接結果を招くので、ワイヤ直径2.0
mm以下のワイヤを使用することが望ましく、よつ
て本発明においては、ワイヤ直径1.2mm〜2.0mmの
ワイヤを使用することが望ましい。 又フラツクス入りワイヤについては、溶着金属
量に対して、スラグが覆うべき表面積が少ないこ
とから、スラグ発生量の少ないものが望ましく、
スラグ生成剤をワイヤ全重量に対して、5%以下
に抑えたワイヤを使用することが望ましい。 (実施例) ここで実施した条件を下記に示す。 鋼種;SM−41B 板厚TA+TB;28mm〜50mm 開先形状;I型 開先間隙;8〜17mm シールドガス流量;30/min 極性;直流逆極性 アークの揺動幅;下母材板厚TB−4mm アークの揺動回数;40回〜100回/min 他の条件は第1表に記載した。 第1表から明らかなように、本発明による溶接
条件実験No.1〜15で行えば、いずれも湯面先行と
上母材側溶け込み不足はなく、良好な継手が得ら
れたが、比較例のNo.16〜40は、板厚と溶接速度と
の関係が、No.41〜51は、溶接電流I(単位A)/
ワイヤ直径D(単位mm)が本発明の条件からはず
れているために、満足な継手が得られなかつた。 第1表において、湯面先行の有無、上母材側の
溶け込み不足等の溶接結果の判定を示す。上母材
の溶け込み不足の判定について、横線を引いてい
るものは、湯面先行の判定が×であつたために、
溶接が安定せず、上母材の溶け込み不足の判定に
まで至らなかつたものである。
【表】
【表】
(発明の効果)
以上説明した如く、溶接条件を適正に設定した
本発明溶接法は、安定した高能率な横向溶接を提
供することができ、その工業的価値は極めて高い
ものである。
本発明溶接法は、安定した高能率な横向溶接を提
供することができ、その工業的価値は極めて高い
ものである。
第1図、第2図は本発明のワイヤ直径と溶接電
流の関係を示す線図、第3図は本発明の板厚と溶
接速度との関係を示す線図、第4図は横向エレク
トロガス溶接方法の実施状況を示す斜視図、第5
図は第4図における正面部分断面図、第6図は溶
接不良状態を示す斜視図、第7図は溶接欠陥を示
す溶接線に直角な断面図である。 1:上母材、2:下母材、3:固定裏当材、
4:摺動銅当金、5:溶接ワイヤ、6:チツプ、
7:溶接金属、8:溶融金属、9:湯面、10:
溶け込み不良、TA:上母材の板厚、TB:下母材
の板厚、G:開先間隙量、P:ワイヤ突き出し長
さ。
流の関係を示す線図、第3図は本発明の板厚と溶
接速度との関係を示す線図、第4図は横向エレク
トロガス溶接方法の実施状況を示す斜視図、第5
図は第4図における正面部分断面図、第6図は溶
接不良状態を示す斜視図、第7図は溶接欠陥を示
す溶接線に直角な断面図である。 1:上母材、2:下母材、3:固定裏当材、
4:摺動銅当金、5:溶接ワイヤ、6:チツプ、
7:溶接金属、8:溶融金属、9:湯面、10:
溶け込み不良、TA:上母材の板厚、TB:下母材
の板厚、G:開先間隙量、P:ワイヤ突き出し長
さ。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 上母材と下母材とをI形、又はI形に近いV
形、レ形開先に形成し、開先裏面に固定裏当材、
又は摺動裏銅当金を当接し、かつ開先表面に摺動
銅当金を当接し、前記開先面および固定裏当材又
は摺動裏銅当金と、摺動銅当金とによつて形成さ
れる空間内に、溶接ワイヤを偏平にしたチツプを
通して挿入し、溶接ワイヤの先端部を板厚方向に
揺動し、台車走行が溶接電流を検知することによ
り、自動制御走行する溶接用台車を用い、前記開
先を一パス一ランで溶接する横向エレクトロガス
溶接方法において、ワイヤ直径1.2mm〜2.0mmのソ
リツドワイヤを用い、溶接電流I(単位A)/ワ
イヤ直径D(単位mm)で規定されるI/Dが、下
記の(1)式を満足する溶接電流Iを使用し、 210≦I/D≦280 ……(1) かつ、上母材の板厚TA(単位mm)、下母材の板
厚TB(単位mm)に関連して、溶接速度V(単位
cm/min)を、下記の(3)、(4)式を満足する下限値
Va、上限値Vbの間になるように、ワイヤ送給速
度を調整しておこなうことを特徴とする横向エレ
クトロガス溶接方法。 Va≦V≦Vb ここで、 Va=3201/TA+TB−1.5 ……(3) Vb=3201/TA+TB+1.0 ……(4) 2 上母材と下母材とをI形、又はI形に近いV
形、レ形開先に形成し、開先裏面に固定裏当材、
又は摺動裏銅当金を当接し、かつ開先表面に摺動
銅当金を当接し、前記開先面および固定裏当材又
は摺動裏銅当金と、摺動銅当金とによつて形成さ
れる空間内に、溶接ワイヤを偏平にしたチツプを
通して挿入し、溶接ワイヤの先端部を板厚方向に
揺動し、台車走行が溶接電流を検知することによ
り、自動制御走行する溶接用台車を用い、前記開
先を一パス一ランで溶接する横向エレクトロガス
溶接方法において、ワイヤ直径1.2mm〜2.0mmのフ
ラツクス入りワイヤを用い、溶接電流I(単位
A)/ワイヤ直径D(単位mm)で規定されるI/
Dが、下記の(2)式を満足する溶接電流Iを使用
し、 160≦I/D≦220 ……(2) かつ上母材の板厚TA(単位mm)、下母材の板厚
TB(単位mm)に関連して、溶接速度V(単位cm/
min)を、下記の(3)、(4)式を満足する下限値Va、
上限値Vbの間になるように、ワイヤ送給速度を
調整しておこなうことを特徴とする横向エレクト
ロガス溶接方法。 Va≦V≦Vb ここで Va=3201/TA+TB−1.5 ……(3) Vb=3201/TA+TB+1.0 ……(4)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6049586A JPS62220284A (ja) | 1986-03-20 | 1986-03-20 | 横向エレクトロガス溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6049586A JPS62220284A (ja) | 1986-03-20 | 1986-03-20 | 横向エレクトロガス溶接方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62220284A JPS62220284A (ja) | 1987-09-28 |
JPH0445268B2 true JPH0445268B2 (ja) | 1992-07-24 |
Family
ID=13143931
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6049586A Granted JPS62220284A (ja) | 1986-03-20 | 1986-03-20 | 横向エレクトロガス溶接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62220284A (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5423049A (en) * | 1977-07-23 | 1979-02-21 | Nippon Steel Corp | Three o'clock automatic narrow gap welding method |
JPS54148156A (en) * | 1978-05-15 | 1979-11-20 | Nippon Steel Corp | Vertical-horizontal combination automatic welder |
JPS6036346A (ja) * | 1983-08-08 | 1985-02-25 | Kokusai Denshin Denwa Co Ltd <Kdd> | フツ化物ガラス光フアイバの製造方法及び装置 |
JPS60191662A (ja) * | 1984-03-09 | 1985-09-30 | Nippon Steel Corp | 横向エレクトロガス溶接法 |
JPS6250877B2 (ja) * | 1984-05-31 | 1987-10-27 | Musashi Eng Kk |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6250877U (ja) * | 1985-09-18 | 1987-03-30 |
-
1986
- 1986-03-20 JP JP6049586A patent/JPS62220284A/ja active Granted
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5423049A (en) * | 1977-07-23 | 1979-02-21 | Nippon Steel Corp | Three o'clock automatic narrow gap welding method |
JPS54148156A (en) * | 1978-05-15 | 1979-11-20 | Nippon Steel Corp | Vertical-horizontal combination automatic welder |
JPS6036346A (ja) * | 1983-08-08 | 1985-02-25 | Kokusai Denshin Denwa Co Ltd <Kdd> | フツ化物ガラス光フアイバの製造方法及び装置 |
JPS60191662A (ja) * | 1984-03-09 | 1985-09-30 | Nippon Steel Corp | 横向エレクトロガス溶接法 |
JPS6250877B2 (ja) * | 1984-05-31 | 1987-10-27 | Musashi Eng Kk |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62220284A (ja) | 1987-09-28 |
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Legal Events
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