JPH044463B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 内燃機関のための燃料噴射ポンプであつて、軸
によつて駆動されるポンププランジヤを有し、こ
のポンププランジヤが軸線方向で支持された複数
のローラを介して転動し、それによつて該ポンプ
ランジヤに付加的な行程運動が与えられており、
また前記ローラへの行程板の接触を作用形成すべ
き第１と第２の少なくとも１つの圧縮ばねが配設
されており、この圧縮ばねがポンププランジヤの
ばねブリツジとピンによつて案内されたばね受け
との間に締め込まれており、更に緩衝ピストンと
シリンダとによつて形成された緩衝室が配設され
ており、この緩衝室が吸込み行程時には燃料で充
填され、また吐出行程時には絞り個所を介して部
分的にドレーンされ、それによつてポンププラン
ジヤを有する行程板の前記ローラからの離動を回
避又は少なくとも減少すべき油圧力が形成されて
いる形式のものに関する。

従来の技術 例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第
3144277号明細書で公知の上記形式を有する噴射
ポンプにおいては、その緩衝ピストンがポンププ
ランジヤの１部分であり、また該緩衝ピストンと
共に緩衝室を形成するシリンダは分配器ヘツド内
に配置されている。この場合、燃料噴射を制御す
べきポンププランジヤがこのいずれにせよ過負荷
である範囲において、更に付加的な機能を果さな
ければならないので、ローラからのポンププラン
ジヤの離動を防ぐべきこの緩衝機構の配設は問題
が多い。

発明が解決しようとする問題点 本発明は公知例における、ローラからのポンプ
プランジヤの離動を防ぐ機構の配置がポンププラ
ンジヤの本来の機能を妨げているという問題点を
解決しようとするものである。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するための本発明による手段
は、ばね受けが、入口開口を備えたシリンダを有
し、また前記のピンによつて、この入口開口を制
御すべき緩衝ピストンが形成されていることであ
る。

本発明の基本となつた考えは、油圧力を形成す
べき緩衝室を噴射ポンプの、荷うべき機能が少な
い部分に配設し、それによつていずれにせよ絞り
や分配等の多くの機能を荷つているポンププラン
ジヤを有効に負荷軽減することである。本発明に
よる、全てのばね範囲に均一なばね作用を惹起す
るための構成は、冒頭に述べた形式の噴射ポンプ
に補足的に有利に配設可能であり、何故ならこの
場合一方のばね受けをシリンダ套壁によつて拡大
するだけでよくまたピンが緩衝ピストンの機能を
引受けるからであり、即ちケーシングとばね受け
との協動範囲においては何ら変更は必要とされな
い。

実施態様 特許請求の範囲第２項記載の実施態様によれ
ば、ばね受けとケーシングとの間に製造誤差に規
定されて生じる漏れを簡単な方向で活用して技術
的に単純に形成される絞り個所が提案されてい
る。また特許請求の範囲第３項及び特に第４項に
よれば油圧力を連続的に柔らかく形成することが
可能である。

更に噴射ポンプの吸込み行程時にシリンダ内に
燃料を迅速に流入可能であると有利であるが、こ
れは特許請求の範囲第５項及び第６項記載の構成
によつて可能である。またばねブリツジに緩衝ピ
ストンを十分に固定するためには特許請求の範囲
第７項記載の実施態様が有利である。

作 用 ポンププランジヤ１３が吸込み行程に入ると
（矢印１９）、該プランジヤをローラ１６に対して
圧着保持するためのばね２６のばね受け２８に配
設されたシリンダ３２の入口開口３７が開放され
て燃料が緩衝室３４内に流入し、プランジヤが吐
出行程に入ると（矢印２０）前記ばね受けを案内
するピンである緩衝ピストン３３によつてこの燃
料が圧縮されて吐出方向と逆方向への油圧力を形
成し、それによつて吐出行程時にプランジヤがロ
ーラから離動しないように確保されている。

実施例 第１図には内燃機関の燃料噴射ポンプが示され
ており、ポンプケーシング１０を有しその分配器
ヘツド１１にはシリンダブシユ１２とポンププラ
ンジヤ１３とが配設されており、このポンププラ
ンジヤ１３は図示されていない軸によつて矢印１
４の方向で駆動されかつ、ローラリング１７の、
軸線方向で支持されたローラ１６の上で転動する
行程板１５によつて付加的に、往復運動（行程運
動）を与えられる。

この回転行程運動によつてポンププランジヤ１
３は、その矢印１９の方向での吸込み行程時には
燃料ポンプ内室１８から図示されていない高圧室
（作業室）内へ吸込み、また矢印２０の方向での
吐出行程時には燃量を導管系２１を介して内燃機
関のその都度の図示されていないシリンダ内に吐
出する。有効行程（吐出行程の１部分）は、調節
スライダ２３によつて導管系２１の制御孔２２が
開放されることによつて終了せしめられる。

ポンププランジヤ１３には、ポンプ軸線２５に
関して互いに反対側に配置された２つの戻しばね
２６のためのばねブリツジ２４が配置されている
（第２のばねは図平面から回り外れてる）。一方の
戻しばね２６の範囲内には、ポンププランジヤ１
３を有する行程板１５がローラ１６から離動する
ことを防ぐか又は少なくとも軽減するための機構
２７が配設されている。

第２図は第１図の部分拡大図である。この機構
２７は補償板２９を介してケーシング１０の分配
器ヘツド１１に当接されたばね受け２８を有し、
このばね受け２８は、分配器ヘツド１１の袋孔３
１内に差込まれたスリーブ３０と、ポンプ内室１
８に突入したシリンダ３２とを有している。シリ
ンダ３２の緩衝室３４は緩衝ピストン３３によつ
て閉じられており、この緩衝ピストン３３のつば
３５は第２のばね受け３６によつてブリツジ２４
に押付けられており、しかも戻しばね２６が両ば
ね受け２８，３６に支持されている。

シリンダ３２のシリンダ套壁が有する入口開口
３７は緩衝ピストン３３と円錐部３８によつて開
閉制御されている。緩衝ピストン３３の端面範囲
内でボール３９と弁座４０とによつて逆止め玉弁
が形成されており、この弁座４０からはＴ字形吸
込み通路４１がポンプ内室１８まで延びている。
スリーブ３０の軸線方向の貫通孔４２によつて緩
衝室３４が袋孔３１の下側範囲と接続されてお
り、絞り個所として作用している。

ポンププランジヤ１３を有する行程板１５がロ
ーラ１６から離動されるのを防ぐ機構２７の作動
は以下の通りである。図面にはポンププランジヤ
１３がその吸込み行程（矢印１９）の最後の位
置、即ちその下死点で示されている。この場合緩
衝室３４、孔４２、残りの袋孔３１は燃料を充填
されており、即ちそれは吸込み行程と同時的な、
入口開口３７を通つてまた逆止め弁３９，４０と
吸込み通路４１とを介しての後流入によつて行な
われている。吐出行程（矢印２０）時には緩衝ピ
ストン３３によつて入口開口３７が閉じ制御さ
れ、当該の密閉された燃料を圧縮せしめる。ポン
ププランジヤ１３がほぼ最高速度に達つした後は
この燃料によつて、矢印２０の吐出行程に抗する
油圧力が矢印４３の方向で形成され、この際に絞
り個所として形成された孔４２と分配器ヘツド１
１とスリーブ３０と補償板２９との間に製造誤差
に規定されて形成された環状ギアツプとを介し
て、この燃料が絞られて流出せしめられる。

矢印４３で示された油圧力によつてポンププラ
ンジヤ１３の離動が回避又は減少されており、そ
れによつて高い吐出速度と延いては高い噴射量の
場合にも燃料を申し分なく噴射することが可能で
ある。

効 果 本発明の、プランジヤをローラに対して圧着保
持すべき機構は、当該プランジヤの本来の機能を
損うことなく効果的に作動可能であり、それによ
つてプランジヤを介しての燃料噴射が広い範囲に
亘つて確実なものとなる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の１実施例を示すものであつて、
第１図は内燃機関のための燃料噴射ポンプの、圧
縮ばねの範囲を部分的に断面し実寸で示す図、第
２図は第１図のばねの範囲のみを示す軸線方向拡
大断面図である。 １０……ケーシング、１１……分配器ヘツド、
１２……シリンダブシユ、１３……ポンププラン
ジヤ、１４，１９，２０，４３……矢印、１５…
…行程板、１６……ローラ、１７……ローラリン
グ、１８……ポンプ内室、２１……導管系、２２
……制御孔、２３……調節スライダ、２４……ば
ねブリツジ、２５……ポンプ軸線、２６……戻し
ばね、２７……機構、２８，３６……ばね受け、
３９……補償板、３０……スリーブ、３１……袋
孔、３２……シリンダ、３３……緩衝ピストン、
３４……緩衝室、３５……つば、３７……入口開
口、３８……円錐部、３９……ボール、４０……
弁座、４１……吸込み通路、４２……貫通孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内燃機関のための燃料噴射ポンプであつて、
   軸によつて駆動されるポンププランジヤを有し、
   このポンププランジヤが軸線方向で支持された複
   数のローラを介して転動し、それによつて該ポン
   ププランジヤに付加的な行程運動が与えられてお
   り、また前記ローラへの行程板の接触を作用形成
   すべき第１と第２の少なくとも１つの圧縮ばねが
   配設されており、この圧縮ばねがポンププランジ
   ヤのばねブリツジとピンによつて案内されたばね
   受けとの間に締め込まれており、更に緩衝ピスト
   ンとシリンダとによつて形成された緩衝室が配設
   されており、この緩衝室が吸込み行程時には燃料
   で充填され、また吐出行程時には絞り個所を介し
   て部分的にドレーンされ、それによつてポンププ
   ランジヤを有する行程板の前記ローラからの離動
   を回避又は少なくとも減少すべき油圧力が形成さ
   れている形式のものにおいて、前記ばね受け２８
   が、入口開口３７を備えたシリンダ３２を有し、
   また前記のピンによつて、この入口開口３７を制
   御すべき緩衝ピストン３３が形成されていること
   を特徴とする、内燃機関のための燃料噴射ポン
   プ。 ２ ばね受け２８が、ポンプケーシング１０の袋
   孔３１内にそう入されたスリーブ３０を有し、該
   スリーブ３０の孔４２が絞り個所を形成してい
   る、特許請求の範囲第１項記載のポンプ。 ３ 緩衝ピストン３３の、入口開口３７を制御す
   べき区分３８が、吐出行程時に形成される油圧力
   ４３を連続的に形成せしめるように成形されてい
   る、特許請求の範囲第１項又は第２項記載のポン
   プ。 ４ 緩衝ピストン３３の制御区分が円錐部３８と
   して形成されている、特許請求の範囲第３項記載
   のポンプ。 ５ 緩衝ピストン３３内に、ポンププランジヤ１
   ３の吸込み行程１９時にポンプ内室１８に向つて
   開放される逆止め弁３９，４０が配設されてい
   る、特許請求の範囲第１項から第４項までのいず
   れか１項記載のポンプ。 ６ 前記逆止め弁が逆止め玉弁３９，４０として
   形成されており、ポンプ内室１８と弁座４０とを
   接続すべき吸込み通路４１が緩衝ピストン３３内
   に配置されており、この緩衝ピストン３３によつ
   てポンプ内室１８から緩衝室３４内への燃料の流
   入が作用せしめられる、特許請求の範囲第５項記
   載のポンプ。 ７ ポンププランジヤ１３のための戻しばね２６
   として作用する圧縮ばねとばねブリツジ２４との
   間に第２のばね受け３６がそう入されており、緩
   衝ピストン３３が半径方向に突出した少なくとも
   １つのストツパを有し、このストツパが前記ばね
   受け３６によつてばねブリツジ３６に押しつけ保
   持されている、特許請求の範囲第１項から第６項
   までのいずれか１項記載のポンプ。