JPH0444267Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、防振ゴム装置用の円筒金具等を加工
するためのプレス装置に関する。

〔従来の技術〕

防振ゴム装置用の円筒金具のような被加工物を
絞り加工等するための各種のプレス装置が知られ
ている。

これらのプレス装置は、プレス治具のダイスを
載置する治具設置部を有するプレス台と、プレス
台とその上方の上定盤とを互いに間隔を保つて固
定した複数の支柱と、支柱に上下動可能に支持さ
れプレス用駆動装置によりプレス台と上定盤との
間を上下に駆動する可動盤と、可動盤にプレス台
の治具設置部と同軸上に設けられプレス治具の押
棒を把持する押棒チヤツクとを具備したプレス本
体を備えている。例えば絞りプレス装置では、ダ
イスに被加工物を人手で又は機械的に挿入し、一
方向から押棒を押込んで被加工物をダイスの反対
側の狭い開口から押出すことにより、被加工物を
所定の寸法に加工できるようになつている。

しかしながら、処理すべき被加工物に応じて夫
夫必要なダイス及びこれに対応する押棒が決まつ
ているから、作業者は被加工物が変わる毎に定め
られたダイスと押棒を選択し、いちいちプレス本
体に取り付けていた。この作業は非常に面倒で時
間を要し、その間はプレス作業を停止しなければ
ならず、多品種を少量宛加工する場合には極めて
非能率的であつた。

（考案が解決しようとする問題点〕 本考案はかかる従来の事情に鑑み、ダイス及び
押棒の交換を自動的に行なうようにしたプレス装
置を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案では、プレス
治具のダイスを載置する治具設置部を有するプレ
ス台と、プレス台とその上方の上定盤とを互いに
間隔を保つて固定した複数の支柱と、支柱に上下
動可能に支持されプレス用駆動装置によりプレス
台と上定盤との間を上下に駆動する可動盤と、可
動盤にプレス台の治具設置部と同軸上に設けられ
プレス治具の押棒を把持する押棒チヤツクとを具
備したプレス本体を備えるプレス装置において；
プレス本体を移動可能に支持するレールと、プレ
ス本体をレールに沿い移動及び停止させる本体駆
動装置と、プレス本体を停止位置に固定させる本
体固定装置と、プレス本体の一支柱に上下動及び
回動可能に支持され、プレス治具を着脱自在に保
持する治具保持部を有する治具保持部材と、治具
保持部材を前記一支柱を中心に回動させる実質的
にプレス本体に取付けた回動用駆動装置と、治具
保持部材を前記一支柱に沿い上下動させる実質的
にプレス本体に取付けたリフト装置と、プレス本
体の停止位置でレールの一側方に固定され、ダイ
スとダイス中に挿入された押棒とからなるプレス
治具を載置する治具載置部を有する治具置台とを
備え、停止位置においてプレス台の治具設置部と
治具置台の治具載置部とがプレス本体の前記一支
柱を中心とする同一円周上にあり、治具保持部材
の治具保持部が前記一支柱を中心として前記円周
上を回動することを特徴とする。

〔実施例〕 図面に示した一実施例に基づいて本考案を具体
的に説明する。

この絞りプレス装置は第１図に示すように、プ
レス本体１が床のベース上に載置したレール２上
に車輪３で支持され、プレス本体１の下部に固定
された本体駆動用モーター４により車輪３を回転
させて、レール２に沿い移動できるようになつて
いる。プレス本体１はレール２に沿つて定めた複
数の停止位置に任意の順序で停止し、停止位置で
床に固定した受部６にプレス本体１に固定したピ
ストン８の挿入端７を係合してプレス本体１を固
定する。尚、本体駆動用モーター４及び下記する
プレス本体１に設置された全ての駆動装置は、油
圧ポンプ５で発生させた油圧エネルギーにより夫
夫一定トルクで駆動するようになつている。

一方、各停止位置毎にレール２の一側方に治具
置台９が所定の高さに設置され、各治具置台９毎
に一種の絞り治具１０が挾持され下端を露出する
ようにして載置されている。各治具置台９に載置
された絞り治具１０は夫々ダイス１１とダイス１
１中に挿入された状態で収納されている押棒１２
とからなつている。

プレス本体１は第１図に示すごとく、絞り治具
１０のダイス１１を載置する治具設置部を有する
プレス台１８と、プレス台１８とその上方の上定
盤３１とを互いに間隔を保つて固定した複数の支
柱１３と、複数の支柱１３に上下動可能に支持さ
れプレス用シリンダ２３等のプレス用駆動装置に
よりプレス台１８と上定盤３１との間を上下に駆
動する可動盤２４と、可動盤２４にプレス台１８
の治具設置部と同軸上に設けられ絞り治具１０の
押棒１２を把持する押棒チヤツク２５とを具備し
ている。

第３図に示すように、プレス本体１の一つの支
柱１３には筒状の回動軸１４が同心的に設けてあ
り、回動軸１４にはアーム部３２を介し、治具保
持部材として絞り治具１０を載置できる形状の治
具保持板１５が取付けてある。回動軸１４と支柱
１３の間には回動軸１４と上下にのみ移動可能に
係合した筒状のスプライン軸１６が支柱１３に対
して回転のみ可能に支持され、その下端に取付け
たギヤ円板１７がプレス本体１のプレス台１８に
固定した回動用モーター２０の駆動歯車１９と噛
み合いスプライン軸１６を回転させ、その回転に
伴つてスプライン軸１６に係合した回動軸１４が
同時に回転するようになつている。又、回動軸１
４の上部にはリフト用シリンダ２１が取付けてあ
り、そのシリンダロツド２２の下端をスプライン
軸１６に取付けたギヤ円板１７に固定してある。
従つて、リフト用シリンダ２１を作動させてシリ
ンダロツド２２を押し出せば、ギヤ円板１７とス
プライン軸１６はプレス台１８等に当接して下降
を制限されるので、リフト用シリンダ２１を固定
した回動軸１４がスプライン軸１６に沿い上昇す
る。又、上昇した回動軸１４は、逆にシリンダロ
ツド２２を縮めることによりスプライン軸１６に
沿い元の位置に下降する。

尚、回動用モーター２０及びリフト用シリンダ
２１の取付位置は図示した実施例に限定されず、
例えばプレス台１８の下方であつても、レール２
上を移動する実質的にプレス本体１に含まれる箇
所に取り付けることが出来る。

更に、第１図に示すように、プレス本体１の支
柱上部に固定したプレス用シリンダ２３が支柱に
沿つて移動する可動盤２４に連結してあり、可動
盤２４には押棒１２の先端を把持することができ
る押棒チヤツク２５がプレス台１８の治具設置部
２６と同軸上に下向きに設けてある。押棒チヤツ
ク２５は、可動盤２４に伴なつて上下動し、又自
身でも上下動できるようになつている。

〔作用〕

プレス本体１がレール２上を移動して、例えば
加硫成形装置毎に対応して設けられた停止位置の
一つに停止すると、床に固定した受部６にピスト
ン８の挿入端７が挿入され、プレス本体１が正確
な停止位置に固定される。

そこで回動用モーター２０によりギヤ円板１７
が回動し、スプライン軸１６を介して回動軸１４
が支柱１３の回りに回動する。停止位置におい
て、プレス台１８の治具設置部２６と治具置台９
の治具載置部（治具を載置している箇所）とはプ
レス本体１の一支柱１３を中心とする同一円周上
にあり、治具保持板１５の治具保持部（治具を保
持している箇所）も一支柱１３を中心として前記
円周上を回動するようになつている。従つて、回
動軸１４に固定した治具保持部材であるが、第２
図に示すように支柱１３の回りを水平に回動して
プレス台１８の治具設置部２６から治具置台９の
方向に移動し、治具置台９の先端に設けた治具載
置部に載置された絞り治具１０の下で停止する。
次に、リフト用シリンダ２１のシリンダロツド２
２を押出すと回動軸１４及びこれに固定した治具
保持板１５が上昇し、絞り治具１０が治具置台９
から離れて治具保持板１５の治具保持部上に載置
される。その状態で回動モーター２０を逆回転さ
せ、スプライン軸１６を介して回動軸１４及び治
具保持板１５を元の方向に回動させて治具設置部
２６の上に移動させる。更にリフト用シリンダ２
１により回動軸１４及び治具保持板１５を下降さ
せ、治具設置部２６に治具保持板１５ごと絞り治
具１０を載置することができる。

その後、押棒チヤツク２５が下降し、絞り治具
１０のダイス１１中から押棒１２の先端を把持し
て上昇する。プレス本体１の治具置台９と反対側
に設けたベルトコンベア２７等により加硫成形装
置等から送られてきた被加工物２８をロボツトア
ーム（図示せず）等を用いてダイス１１内に投入
し、プレス用シリンダ２３で可動盤２４を下降さ
せることにより、押棒チヤツク２５でダイス１１
内の被加工物２８を絞り加工する。治具保持板１
５、治具設置部２６及びプレス台１８にはダイス
１１と同心的に貫通孔２９が形成してあるので、
加工後の被加工物２８は貫通孔２９を通つて製品
受箱３０に入るようになつている。

加工終了後は、押棒１２をダイス１１内に収納
し、上記と同様の操作により治具設置部２６から
絞り治具１０を治具置台９に戻す。そして、プレ
ス本体１はレール２上を次に用いる絞り治具１０
の置かれた治具置台９まで移動する。

尚、上記実施例では絞りプレス装置について説
明したが、ダイスと押棒とを用いる他のプレス装
置についても同様であることは無論である。

又、上記実施例では、プレス本体の停止位置毎
に治具置台を配置した例を示したが、本考案では
少なくとも一停止位置に１つの治具置台が配置し
てあれば良いことは言うまでもない。

〔考案の効果〕

本考案によれば、プレス本体が本来備える支柱
を利用し、この支柱を支点とする治具保持部材の
上下動及び回動動作により治具交換を行うので、
極めて簡単な機構で自動的な治具交換が可能とな
り、又プレス本体への治具の設置及び取り出しも
精度良く且つ迅速に行うことができる。従つて、
被加工物が多品種で少量宛のプレス加工であつて
も、プレス本体を各々の被加工物の供給場所に移
動して、その場で自動的に治具交換を行い、極め
て能率的に加工処理することが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一具体例を示す概略の側
面図であり、第２図は本考案装置のプレス台上方
からみた要部の概略平面図であり、第３図は第２
図の−線に沿つた要部の断面図である。 １……プレス本体、２……レール、４……本体
駆動用モーター、９……治具置台、１０……絞り
治具、１１……ダイス、１２……押棒、１３……
支柱、１４……回動軸、１５……治具保持板、１
６……スプライン軸、１７……ギヤ円板、１８…
…プレス台、２０……回動用モーター、２１……
リフト用シリンダ、２３……プレス用シリンダ、
２５……押棒チヤツク、２６……治具設置部、２
８……被加工物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プレス治具のダイスを載置する治具設置部を有
   するプレス台と、プレス台とその上方の上定盤と
   を互いに間隔を保つて固定した複数の支柱と、支
   柱に上下動可能に支持されプレス用駆動装置によ
   りプレス台と上定盤との間を上下に駆動する可動
   盤と、可動盤にプレス台の治具設置部と同軸上に
   設けられプレス治具の押棒を把持する押棒チヤツ
   クとを具備したプレス本体を備えるプレス装置に
   おいて；プレス本体を移動可能に支持するレール
   と、プレス本体をレールに沿い移動及び停止させ
   る本体駆動装置と、プレス本体を停止位置に固定
   させる本体固定装置と、プレス本体の一支柱に上
   下動及び回動可能に支持され、プレス治具を着脱
   自在に保持する治具保持部を有する治具保持部材
   と、治具保持部材を前記一支柱を中心に回動させ
   る実質的にプレス本体に取付けた回動用駆動装置
   と、治具保持部材を前記一支柱に沿い上下動させ
   る実質的にプレス本体に取付けたリフト装置と、
   プレス本体の停止位置でレールの一側方に固定さ
   れ、ダイスとダイス中に挿入された押棒とからな
   るプレス治具を載置する治具載置部を有する治具
   置台とを備え、停止位置においてプレス台の治具
   設置部と治具置台の治具載置部とがプレス本体の
   前記一支柱を中心とする同一円周上にあり、治具
   保持部材の治具保持部が前記一支柱を中心として
   前記円周上を回動することを特徴とするプレス装
   置。