JPH0443687Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、液体と微粉固体燃料あるいは液体燃
料と微粉固体燃料とからなるスラリー燃料を使用
するボイラ、化学工業炉等で用いるバーナ燃焼装
置に関する。

従来の技術 従来のバーナ燃装装置として、第３図に示すよ
うなものがある。

第３図において、１はバーナ風箱、２はバーナ
ガン３と保炎器４及び１次空気ノズル５とを有す
る燃料コンパートメント、６はバーナガン７と１
次空気ノズル８とを有する燃料コンパートメン
ト、９は２次空気ノズル１０を有する２次空気コ
ンパートメント、１１，１２はスラリー燃料、１
３，１４は噴霧媒体、１５，１６は１次空気、１
７は２次空気、１８，１９は火炎、２０は炉内、
２１，２２はアトマイザである。

しかして、燃焼用空気は、図示されていない通
風装置によつてバーナ風箱１へ送られて来るが、
バーナ風箱１へ入る前で、１次空気１５、１次空
気１６及び２次空気１７に分流されて、夫々バー
ナ風箱１内の燃料コンパートメント２、燃料コン
パートメント６及び２次空気コンパートメント９
へ送り込まれ、各コンパートメントの先端に設け
られた１次空気ノズル５、１次空気ノズル８及び
２次空気ノズル１０から炉内２０へ噴出される。

一方、スラリー燃料は、図示されていないスラ
リー燃料供給装置からバーナガン３及びバーナガ
ン７へ送り込まれ、別途噴霧媒体供給装置から送
り込まれて来た噴霧媒体（蒸気又は圧縮空気）１
３及び１４と、バーナガン３及び７の先端に設け
られたアトマイザ２１及び２２で混合され、炉内
２０へ噴射される。そして、炉内２０へ噴射され
たスラリー燃料１１及び１２は、図示されてない
着火源によつて着火されて、火炎１８及び火炎１
９を形成する。

火炎１８は、１次空気ノズル５に設けられた保
炎器４により、１次空気ノズル５先端近くでしつ
かりと着火し、その保炎が確保される。

火炎１９は、火炎１８との干渉を避けるため、
１次空気ノズル８先端から離して着火させ、その
保炎は隣接して存在する火炎１８によつて行なわ
れる。

第４図は一般的に知られているNO_Xと空気比
λ（＝１次空気量／スラリー燃料量×理論空気量）の関
係線図 であるが、NO_Xは空気比λ≒0.5以下ではλの増
大と共に増加し、λ≒0.5〜1.0の範囲では逆にλ
の増大と共に減少する。又、λ＞1.0ではNO_Xは
λの増大と共に上昇する傾向にある。

そこで、火炎１８はλ≒0.1〜0.5に、火炎１９
は、λ≒0.5〜1.0となるよう、１次空気１５の量
及び１次空気１６の量と、スラリー燃料１１の量
及びスラリー燃料１２の量を設定する。

スラリー燃料１１の量とスラリー燃料１２の量
との比率は、夫々、全スラリー燃料量の40〜60％
の範囲で適な値に設定する。

一方、全スラリー燃料の燃焼は１次空気１５及
び１６中の酸素のみでは不足するので、この不足
分は２次空気ノズル１０から炉内２０へ吹き込ま
れる２次空気１７によつて、まかなわれる。

この２次空気１７は隣接した燃料コンパートメ
ント２に装着されたバーナガン３によつて形成さ
れる火炎１８と干渉するが、急激な拡散混合をせ
ぬよう２次空気ノズル１０の吹出方向を5°〜40°
の角度で外向きにしてある。

考案が解決しようとする問題点 以上述べたように、スラリー燃料を使用燃料と
するボイラ等の火炉に、２本のバーナガンを装着
し、NO_X抑制に効果がある火炎の形成が可能な
単一バーナを複数個、上下方向に積み重ねて１組
のバーナゾーンを構成する場合、従来は、第３図
に示すように、空気比が高い火炎１９を形成する
燃料コンパートメント６と、隣接単バーナの２次
空気コンパートメント９とを相接して組込んでい
たゝめ、火炎１９と２次空気１７とが干渉して、
第４図に示す如く、火炎１９の空気比が上昇し、
NO_X発生量がP_B点からP′_B点へ移行して、バーナ
全体としてのNO_X発生量もP_M点からP′_Mへと移行
し、増大していた。

そこで、本考案は、このような従来の問題点を
解決するためになされたもので、火炎１９と２次
空気１７との干渉を防止してバーナゾーン全体と
してのNO_X発生量の増加を抑制することを目的
とする。

問題点を解決するための手段 本考案は、この目的を達成するために、バーナ
ガンと保炎器および１次空気ノズルとを有し空気
比が0.1ないし0.5のスラリ燃料と１次空気とを噴
出する第１の燃料コンパートメントを中心に、両
側に、バーナガンと１次空気ノズルとを有し空気
比が0.5ないし1.0のスラリ燃料と１次空気とを噴
出する第２の燃料コンパートメントと、２次空気
を噴出する２次空気コンパートメントとが配置さ
れて形成されたバーナを隣り合うバーナのコンパ
ートメントが同一種のコンパートメントとなるよ
う複数段設けている。

作 用 このようなコンパートメント配置によれば、空
気比が高い火炎を形成する燃料コンパートメント
と２次空気コンパートメントとが隣接することが
無くなるので、その火炎と２次空気との干渉を防
止でき、よつてNO_X発生量の増加を抑制できる。

実施例 以下第１図及び第２図を参照して本発明の一実
施例について詳述する。これらの図において、第
３図に示したものと同一の部分には同一の符号を
付して、その詳細な説明は省略する。

しかして、空気比が高い火炎１９から発生する
NO_X量は、空気比が低い火炎１８から発生する
NO_X量よりも大きいが、この火炎１９が高温領
域において燃焼用空気と干渉すると更に空気比が
高まりNO_X発生量が増加する。

そこで、火炎１９を形成する燃料コンパートメ
ント６が、隣接バーナの２次空気コンパートメン
ト９と相接することが無いよう、単一バーナを複
数段積み重ねている。

このように、燃料コンパートメント６と、隣接
バーナの２次空気コンパートメント９とが相接す
ることのないよう、各コンパートメントを配置し
たことにより、空気比が高い火炎１９と２次空気
１７との干渉を防止でき、これによりバーナ全体
としてのNO_X発生量も、第４図におけるP_M点を
キープできるので、従来のものに比して低NO_X
となる。

考案の効果 以上詳述したように、本考案によれば、１個の
バーナに２本のバーナガンを装着して空気比が異
なる２種類の火炎を形成することが出来るバーナ
を複数個、ボイラ等の火炉に組込む場合、空気比
が高い火炎を形成する燃料コンパートメントと空
気コンパートメントが隣接することが無いよう各
バーナのコンパートメント配置を考慮することに
よりNO_Xの発生を有効に抑制することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案によるバーナ燃焼装
置の一例を示す縦断面図及び正面図で、第１図は
第２図の−線断面図及び第２図は第１図の
−線矢視図である。第３図は従来のバーナ燃焼
装置を示す縦断面図、第４図はNO_Xと空気比と
の関係を示す線図である。 １……バーナ風箱、２，６……燃料コンパート
メント、３，７……バーナガン、４……保炎器、
５，８……１次空気ノズル、９……２次空気コン
パートメント、１０……２次空気ノズル、１１，
１２……スラリー燃料、１３，１４……噴霧媒
体、１５，１６……１次空気、１７……２次空
気、１８，１９……火炎、２０……炉内、２１，
２２……アトマイザ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バーナガンと保炎器および１次空気ノズルとを
   有し空気比が0.1ないし0.5のスラリ燃料と１次空
   気とを噴出する第１の燃料コンパートメントを中
   心に、両側に、バーナガンと１次空気ノズルとを
   有し空気比が0.5ないし1.0のスラリ燃料と１次空
   気とを噴出する第２の燃料コンパートメントと、
   ２次空気を噴出する２次空気コンパートメントと
   が配置されて形成されたバーナを隣り合うバーナ
   のコンパートメントが同一種のコンパートメント
   となるよう複数段設けたことを特徴とするバーナ
   燃焼装置。