JPH0442696Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は冷蔵室と冷凍室に冷気を強制循環させ
る２温度式冷蔵庫の特に冷蔵室のダクト出口部を
開閉するダンパーサーモのバツフル部の氷結防止
に関する。

従来の技術 従来例を第４図及び第５図に示す。１は冷蔵庫
本体で、２は冷凍室、３は冷蔵室で、仕切壁４が
前記両室を区画している。５は冷却器、６は冷気
循環用フアンで各々仕切壁３の内部に収納されて
いる。

冷気はダクト７を介して冷凍室２及び、冷蔵室
３内の上部奥面に配設されたコントロールボツク
ス８に送られ、コントロールボツクス８から、冷
蔵室３の上部に設けられた低温容器９と冷蔵室３
内へ各々左右前面の上部吐出口１０及び左右下面
の冷蔵室用吐出口１１により吐出される。

また、冷蔵室３の温度調節はコントロールボツ
クス８内に備えられたダンパーサーモ１２が庫内
の温度を検知して、ダクト出口部７−１に対向し
ダクト出口部７−１側にシール用テープ１２−１
を有するバツフル１２−２を開閉させることによ
う吐出冷気量を調節して行う。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら上記のような構成では冷蔵室３内
が十分冷えてダンパーサーモ１２が作動してバツ
フル１２−２がダクト出口部７−１を閉塞する
と、冷蔵室３内の湿つた暖気が冷蔵室用吐出口１
１よりコントロールボツクス８内に侵入しコント
ロールボツクス８内の風路上面Ａ部に結露する。
これは、コントロールボツクス８内はフラツプ１
２−２開時には十分冷やされていることと、更
に、コントロールボツクス８上部の仕切壁４内の
冷却器５及び背面のダクト７による熱伝導でＡ部
が最も低温となることによる。

更に、この結露水は増加すると、ダンパ１２や
フラツプ１２−２へと落下し、落下水が凍結する
ことにより、ダンパ１２の可動各部やダクト出口
部７−１とシール用テープ１２−１間のシール性
に不都合が生じ正常な温度調節作用が出来なくな
つてしまう支障が度々生じていた。

特に周囲温度の低い冬期等ダンパーサーモ１２
のバツフル１２−２の開度率の少ない時に冷蔵室
に多湿な食品が収納されたときはこの傾向が強
く、その為、コントロールボツクス８内の風路上
面Ａ部に保温用ヒータを設けたり、又、ダクト出
口部７−１とバツフル１２−２のシール用テープ
１２−１の当接部に一部切り欠き等を設けて冷気
を漏らして暖湿気を侵入上昇を抑制する等の手段
が一般にとられているが、前者の場合は部品点数
の増加による取付作業の増加及びコスト、消費電
力量等の増加等の不都合を有するものであり、又
後者はバツフルのシール用テープによるシール性
を無駄にするものであり、全閉制御率の高い軽負
荷の低外気温時には冷蔵室内温度が漏れ冷気で冷
えすぎるという不都合が生じるという欠点を有し
ていた。

本考案は上記問題点に鑑み、コントロールボツ
クス内への保温用ヒーターの配設なしで、且つバ
ツフルのシール性を低下させることなく、ダンパ
ーサーモ本体及びバツフル部の氷結を防止して安
定した庫内温度制御を確保させるものである。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本考案は、コント
ロールボツクス内の風路上面をダンパーサーモ上
部で高くし左右へ下方に傾斜させるという構成を
備えたものである。

作 用 本考案は上記した構成によつてコントロールボツ
クスの風路上面に発生した結露水を左右の風路又
は冷蔵室吐出口へと流出させることにより、ダン
パーサーモ部ヘの落下凍結を防止するものであ
る。

実施例 以下本考案の一実施例について第１図から第３
図に従い説明する。尚、従来と同一構成において
は同一符号を付してその詳細な説明は省略する。

第１図は本考案の第１の実施例における冷蔵庫
のコントロールボツクス正面断面図であり、１３
はコントロールボツクス、１４はダンパーサー
モ、１５はダンパーサーモ１４のバツフルでダク
ト出口部７−１に対向する面にはシール用テープ
１５−１を備えている。

コントロールボツクス１３は、バツフル１５に
対向する風路部上面１３−１が中央部から左右へ
下方向に傾斜しており、左右端前面上部に上部吐
出口１６と、その下方に風路部側面１３−２によ
り冷蔵庫吐出口１７を構成し、更に、ダンパーサ
ーモ１４の本体をアーム部１８を除いて風路部と
区画している。

以上のように構成された冷蔵庫についてその動
作を第１図、第２図を用いて説明する。

冷気は冷気循環用フアン６により冷凍室２，冷
蔵室３内のコントロールボツクス１３へとダクト
７を介して送風され、冷蔵室３へはダクト出口部
７−１からコントロールボツクス１３により構成
された冷蔵室用吐出口１７，冷蔵室３内上部に設
えられた低温容器９へは上部吐出口１６から各々
吐出される。冷蔵室３内の温度調節はダンパーサ
ーモ１４が冷蔵室３内温度を感知してバツフル１
５をアーム部１８を介して連動させて、ダクト出
口部を開閉することにより行なう。ここで、冷蔵
室３内の温度が十分低い場合、バツフル１５はダ
クト出口部７−１を閉塞するが、バツフル１５に
はシール用テープ１５−１を備えているため冷気
漏れは殆んどない。すなわち、コントロールボツ
クス１３の上部吐出口１６、冷蔵室用吐出口１７
の冷気吐出量は殆んどなく、逆に、冷蔵室３内の
湿つた暖気が冷蔵室用吐出口１７より侵入上昇
し、コントロールボツクス１３の風路上面１３−
１で冷却され結露する。この結露水が増加する
と、風路部上面１３−１は左右へ傾斜しているた
め、左右方向へ流れ、更に、風路部側面１３−２
により冷蔵室３へと流出する。

以上の様に本実施例によれば風路部上面１３−
１を左右に傾斜させることにより、発生した結露
水を冷蔵室３内へと流出させることができ、バツ
フル部への落下凍結を防止することができる。

第３図は本考案の第２の実施例を示す冷蔵庫の
第１の実施例における第１図と同様の正面断面図
であり、１９はコントロールボツクス、１９−１
は左右方向へ傾斜を設けた風路部上面、１９−２
は風路部側面、２０は上部吐出口、２１は冷蔵室
用吐出口であり、第１図の構成と異なるのは風路
をフラツプ１５から左右へ下方向に設けた点であ
る。

上記のように構成された冷蔵庫について以下そ
の動作を説明する。

冷蔵室３内の温度が低い場合、第１の実施例と同
様冷蔵室吐出口２１から湿つた暖気が逆流し、若
干の暖気がバツフル１５上部の風路部上面１９−
１に達し結露する。そしてこの結露水は風路部上
面１９−１の傾斜に沿つて流れ風路部下面１９−
３へと流れる。ここで風路部下面１９−３はバツ
フル１５がダクト吐出口７−１を閉塞している場
合は温度が高く結露水は徐々に蒸発し、また、バ
ツフル１５開時には乾燥した冷気により蒸発促進
され冷蔵室３内へと吐出され、第１の実施例と同
様、ダンパーサーモ１４の本体やバツフル１５へ
の結露水の落下凍結を防止できる。

考案の効果 以上のように本考案はコントロールボツクス内
のダンパーサーモ収納部上面の風路を左右方向へ
下方に傾斜させるものであるから、風路部上面に
結露が発生しても、冷蔵室内又はコントロールボ
ツクス内の風路へと流し、着霜防止ヒータを配設
したり、バツフルとダクト出口部のシール性を低
下させたり、又、特別な部材の追加もなく、ダン
パーサーモ本体及びバツフルの氷結による温度調
節作用の不具合の発生を防止するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例を示す冷蔵庫の
コントロールボツクスの正面断面図、第２図は第
１の実施例を示す冷蔵庫の要部断面図、第３図は
第２の実施例を示すコントロールボツクスの正面
断面図、第４図は従来例を示す冷蔵庫の要部断面
図、第５図は従来例のコントロールボツクス正面
断面図である。 ２……冷凍室、３……冷蔵室、７……ダクト、
７−１……ダクト出口部、１３……コントロール
ボツクス、１３−１……風路部上面、１４……ダ
ンパーサーモ、１９……コントロールボツクス、
１９−１……風路部上面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 冷蔵室と、冷凍室と、両室に冷気を通風させる
   ダクトと、冷蔵室温度を感知して前記ダクト出口
   部を開閉させるダンパーサーモと、前記ダンパー
   サーモを収納し、左右の吐出口より冷蔵室内へ冷
   気を吐出するよう構成した風路部の上面を略中央
   部から左右方向へ下方に傾斜させたコントロール
   ボツクスとよりなる冷蔵庫。