JPH0441832Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、殺虫剤、芳香剤、殺菌剤などの薬剤
を空中に蒸散させる加熱蒸散装置に関する。

〔従来の技術〕

かかる加熱蒸散装置の一型式として、実公昭44
−7009号公報に示すように、本体の中央部に筒状
部を設け、該筒状部の上部に、等間隔に区画され
た放射状の複数の薬剤含浸部を有する円板状の加
熱蒸散板を回転自在に取付け、前記本体には、該
加熱蒸散板における複数の薬剤含浸部のうち１つ
に下方で対峙する位置に発熱体を設けると共に、
前記本体の上方に位置し前記加熱蒸散板を覆う上
ケースには、前記発熱体と対向する通気孔を設
け、前記加熱蒸散板の中央下部に連結したツマミ
棒を前記本体の中央部に設けた筒状部内に突出さ
せ、筒状部内においてツマミ棒を回転して、加熱
蒸散板における薬剤含浸部の１つを発熱体上に位
置させ蒸散させるようにした加熱蒸散装置が知ら
れている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

前述の如き従来の加熱蒸散装置においては、加
熱蒸散板の中央部より突出したツマミ棒を回動す
ることにより加熱蒸散板を回転させるので、ツマ
ミ棒は径が小さく加熱蒸散板は径が大きいことか
ら加熱蒸散板の回転に大きな力を必要とする。

また、前述の如くツマミ棒は径が小さく加熱蒸
散板は径が大きいことから、ツマミ棒の僅かな回
転でも加熱蒸散板の外周移動量は大きくなり、加
熱蒸散板の外周移動量を小さくするにはツマミ棒
を微少角度回転させねばならず、加熱蒸散板の外
周移動量を正確に微調整することは非常にむつか
しくなるものであつて、延いては、区画された薬
剤含浸部の１つを発熱体上に正しく位置させるこ
とは大変困難で位置ずれが生じ易く薬剤蒸散不良
が発生する。

さらに、ツマミ棒は、本体の下方より回転操作
するようになつているから、回転操作毎に本体を
持ち上げねばならず、不便である。

本考案は前述の問題点を解消する加熱蒸散装置
を提供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係る加熱蒸散装置は、 本体１００に、筒体部１０３の上部に蓋１０４
を開閉可能に設けた支持部材１０２を回転可能に
設け、 該支持部材１０２に、その中央部に環状突起１
０６を設けると共に、その一側部に発熱体１０７
を設け、 前記支持部材１０２の筒体部１０３に、開口部
１０８と切欠凹部１０９を径方向に対向して形成
し、 前記蓋１０４に、前記発熱体１０７に対応する
位置に蒸散口１１０を設けると共に、前記開口部
１０８に対応する位置に切欠部１０４ａを形成
し、 前記筒体部１０３に嵌合収納される外径を有し
かつ区画された薬剤収納部１２４を放射状に有す
る加熱蒸散板１２０を、前記支持部材１０２の環
状突起１０６に嵌合支持させた ことを特徴とするものであつて、支持部材１０２
の筒体部１０３に形成した開口部１０８とこの開
口部１０８に対応して蓋１０４に形成された切欠
部１０４ａとによつて形成される開口を介して、
支持部材１０２の筒体部１０３に収納された加熱
蒸散板１２０の外周を手でもつて回転できるよう
すると共に、前記開口部１０８と当該開口部１０
８に径方向に対向して形成された切欠凹部１０９
を介して、支持部材１０２の筒体部１０３に収納
された加熱蒸散板１２０を指先で左右から挟み容
易に取り出しできるようにしたものである。

〔実施例〕

第１図〜第３図は本考案の実施例を示し、方形
中空状の本体１００に加熱蒸散板の支持部材１０
２が回転自在に取付けられて蒸散器を構成し、該
支持部材１０２は筒体部１０３に蓋１０４をヒン
ジ等で開閉自在に設け、その底板１０５の中心に
突部となる環状突起１０６を一体形成すると共
に、一側部に発熱体１０７を設けてあり、筒体部
１０３には開口部１０８と切欠凹部１０９が径方
向に対向して形成され、蓋１０４には、前記発熱
体１０７と対向する蒸散口１１０と、前記切欠凹
部１０９に嵌まり込む突片１１１と、前記開口部
１０８と対向する切欠部１０４ａが形成してあ
り、その開口部１０８と切欠部１０４ａで切欠開
口を構成している。

なお、前記筒体部１０３の下部（前記本体１０
０内に収容された部分）にはコード１１２が巻装
され、コード１１２を引張ると筒体部１０３が回
転して繰り出しされると共に、筒体部１０３を回
転するとコード１１２を巻き取りできるようにし
てある。

前記環状突起１０６には弾性を有する逆転防止
爪、例えばバネ１１３が発熱体１０７と対向して
設けてあると共に、ランプ１１４が設けてある。

加熱蒸散板１２０は、リング状の外側枠１２１
と内側枠１２２を放射状に配置された多数の連結
枠１２３で連結して、区画された収納部１２４を
周方向に等間隔に多数形成した本体１２５及び各
収納部１２４にそれぞれ収納された蒸散片１２６
とにより構成され、内側枠１２２が環状突起１０
６の外周に嵌まり込み、外側枠１２１が筒体部１
０３の内周に嵌まり込むと共に、いずれか１つの
蒸散片１２６が発熱体１０７上に位置するように
取付けられると共に、開口部１０８より外側枠１
２１を指先で軽く押して回転でき、しかも開口部
１０８と切欠凹部１０９より外側リング１２１を
指先で左右からはさみ容易に取り出しできるよう
にしてある。

前記内側枠１２２の内周には前記バネ１１３が
係合する係止凹部１２７が周方向に間隔を置いて
各収納部１２４の数だけ形成され、この係止凹部
１２７とバネ１１３とで加熱蒸散板１２０の回転
方向を一方向に規則していると共に、回転角度を
規制して常に蒸散片１２６が発熱体１０７上に位
置決めされるようにしてある。

しかして、加熱蒸散板１２０の外周部を手で一
方向へ押すことで回転でき、この時のトルクは径
に比例して大きくなるから小さな力で回転できる
と共に、持ち上げたりしなくとも良いことから、
両者が両々相俟つて加熱蒸散板１２０の回転操作
が極めて容易となる。

また、加熱蒸散板１２０の外周移動量は手によ
る押し回転量と同一となり、薬剤含浸部の移動量
を微調整できて薬剤含浸部を容易かつ正確に発熱
体１０７に位置決めでき、加熱使用時の薬剤蒸散
を安定できる。

また、加熱蒸散板１２０は内側枠１２２と環状
突起１０６で位置決めして設置され、簡単に設置
できる。

また、逆転防止爪となるバネ１１３は１つの蒸
散片１２６が発熱体１０７上に載置すると係止凹
部１２７に嵌まり込むようになり、加熱蒸散板１
２０の回転方向を一方向に規制すると共に、回転
角度を規制して常に未使用の蒸散片１２６が発熱
体１０７上に位置決めして載置するようにしてあ
る。

つまり、逆転防止爪となるバネ１１３がないと
加熱蒸散板１２０が正逆両方向に回転できるか
ら、使用した蒸散片１２６が発熱体１０７上に載
置するように誤まつて回転することがあると共
に、１つの蒸散片１２６が発熱体１０７上に正し
く位置決めして載置できないことがある。

なお、加熱蒸散板の外周に鋸歯状の切欠を形成
し、この切欠に逆転防止爪を係合して回転方向を
規制しても良く、逆転防止爪としては板バネ、ス
プリング、ゴム片などを用いても良い。

また、蒸散口と切欠開口とは隣接しても良い
し、分離して任意の位置に設けても良い。

又、加熱蒸散板１２０は第４図、第５図に示す
ように、中央に円形開口２１を有する円板状と
し、複数のスリツト状の通気孔２２を放射状に形
成して複数の薬剤含浸部２３を区画していると共
に、外周面に各通気孔２２と対向してＵ字状の切
欠２４が形成されたものとしても良い。

すなわち、加熱蒸散板は中央に円形開口を有
し、かつ複数の薬剤部分を放射状に有するものと
すれば良い。

〔考案の効果〕

本考案は、支持部材１０２の筒体部１０３に形
成した開口部１０８とこの開口部１０８に対応し
て蓋１０４に形成された切欠部１０４ａとによつ
て形成される開口を介して、支持部材１０２の筒
体部１０３に収納された加熱蒸散板１２０の外周
を手でもつて容易に回転できるものであつて、加
熱蒸散板１２０の外周移動量と回転操作量が同一
となることから、薬剤収納部の移動量を微調整す
ることができて薬剤収納部を容易かつ正確に発熱
体１０７に位置決めして薬剤蒸散を安定化でき
る。また、この時のトルクは径に比例して大きく
なることから小さな回転操作力で済み、しかも、
加熱蒸散板１２０の回転操作はその外周で行なわ
れるから、本体１００を持ち上げたりしなくても
良く、便利である。

さらに、本考案によれば、前記開口部１０８と
当該開口部１０８に径方向に対向して形成された
切欠凹部１０９を介して、支持部材１０２の筒体
部１０３に収納された加熱蒸散板１２０を指先で
左右から挟み容易に取り出すことができるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は分解斜
視図、第２図は組立状態の平面図、第３図は加熱
蒸散板の平面図、第４図、第５図は加熱蒸散板の
異なる実施例を示す平面図、断面図である。 １００は本体、１０２は支持部材、１０３は筒
体部、１０３は蓋、１０４ａは切欠部、１０６は
環状突起、１０７は発熱体、１０８は開口部、１
０９は切欠凹部、１１０は蒸散口、１２０は加熱
蒸散板、１２４は薬剤収納部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 本体１００に、筒体部１０３の上部に蓋１０４
   を開閉可能に設けた支持部材１０２を回転可能に
   設け、 該支持部材１０２に、その中央部に環状突起１
   ０６を設けると共に、その一側部に発熱体１０７
   を設け、 前記支持部材１０２の筒体部１０３に、開口部
   １０８と切欠凹部１０９を径方向に対向して形成
   し、 前記蓋１０４に、前記発熱体１０７に対応する
   位置に蒸散口１１０を設けると共に、前記開口部
   １０８に対応する位置に切欠部１０４ａを形成
   し、 前記筒体部１０３に嵌合収納される外径を有し
   かつ区画された薬剤収納部１２４を放射状に有す
   る加熱蒸散板１２０を、前記支持部材１０２の環
   状突起１０６に嵌合支持させた ことを特徴とする加熱蒸散装置。