JPH0441273Y2 - - Google Patents
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- JPH0441273Y2 JPH0441273Y2 JP10182586U JP10182586U JPH0441273Y2 JP H0441273 Y2 JPH0441273 Y2 JP H0441273Y2 JP 10182586 U JP10182586 U JP 10182586U JP 10182586 U JP10182586 U JP 10182586U JP H0441273 Y2 JPH0441273 Y2 JP H0441273Y2
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- rotary valve
- rotor
- chamber
- bypass port
- suction
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Landscapes
- Rotary Pumps (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本考案は、シリンダと、このシリンダの開口端
面に接合されたサイドプレートとにより形成され
るロータ室内で複数枚のベーンを備えたロータを
回転させることによつて圧縮室の容積を変化させ
て圧縮作用を行なうベーン式の回転型圧縮機に係
り、詳しくは圧縮室内の圧縮ガス量を加減するこ
とによつて吐出容量を変化させるようにした可変
容量式回転型圧縮機に関する。
面に接合されたサイドプレートとにより形成され
るロータ室内で複数枚のベーンを備えたロータを
回転させることによつて圧縮室の容積を変化させ
て圧縮作用を行なうベーン式の回転型圧縮機に係
り、詳しくは圧縮室内の圧縮ガス量を加減するこ
とによつて吐出容量を変化させるようにした可変
容量式回転型圧縮機に関する。
(従来の技術)
このような圧縮機は、たとえば自動車の車室冷
房用として使用されている。一般に、車室の冷房
は室内温度を下げる冷却形態と、室内を快適な温
度に保つ保温形態との2つの形態で行なわれる。
従つて、圧縮機としては運転初期の冷房負荷の大
きい冷却形態では大きい吐出容量で運転し、冷房
負荷が低下する保温形態では小吐出容量運転に移
行することが望ましい。
房用として使用されている。一般に、車室の冷房
は室内温度を下げる冷却形態と、室内を快適な温
度に保つ保温形態との2つの形態で行なわれる。
従つて、圧縮機としては運転初期の冷房負荷の大
きい冷却形態では大きい吐出容量で運転し、冷房
負荷が低下する保温形態では小吐出容量運転に移
行することが望ましい。
このような要望に応える圧縮機として、たとえ
ば特開昭61−76793号公報に開示されているよう
に、冷房負荷が減少するに従つて吸入室から圧縮
室へ吸入されるガスの流入量を絞る一方、圧縮行
程途上の圧縮室内における圧縮ガスの一部を吸入
室側に逃がすようにしたものが提案されている。
すなわち、この方式はシリンダの開口端面に接合
されるサイドプレートには、吸入室と圧縮室とを
つなぐガス吸入用の吸入口とガス逃がし用のバイ
パスポートとをロータ回転方向に関して適宜間隔
を置いて設け、またサイドプレートとシリンダと
の接合端面間には、前記サイドプレートの場合よ
りも狭い間隔で吸入口とバイパスポートとを備え
たロータリバルブをロータ及びベーンの端面にほ
ぼ接触した状態で回動可能に配設し、そして冷房
負荷が大きいときには吸入口の有効連通面積を大
とし、かつバイパスポートを遮断した状態とする
ことにより大吐出容量で運転し、また冷房負荷が
低下したときにはその低下の程度に応じてロータ
リバルブを回動させ、吸入口の有効連通面積を減
少させる一方、圧縮行程途上の圧縮室内の一部の
ガスをバイパスポートを経て吸入室側に逃がすこ
とにより小吐出容量で運転させるようにしたもの
である。また、ロータリバルブの吸入口はガスの
吸入量を絞る機能に加え、圧縮行程途上の圧縮室
のガスを吸入行程途上の圧縮室に逃がすバイパス
通路としても機能し、このことによつてベーンに
よる圧縮開始時期を遅らせ、吐出容量を小さくす
るようになつている。
ば特開昭61−76793号公報に開示されているよう
に、冷房負荷が減少するに従つて吸入室から圧縮
室へ吸入されるガスの流入量を絞る一方、圧縮行
程途上の圧縮室内における圧縮ガスの一部を吸入
室側に逃がすようにしたものが提案されている。
すなわち、この方式はシリンダの開口端面に接合
されるサイドプレートには、吸入室と圧縮室とを
つなぐガス吸入用の吸入口とガス逃がし用のバイ
パスポートとをロータ回転方向に関して適宜間隔
を置いて設け、またサイドプレートとシリンダと
の接合端面間には、前記サイドプレートの場合よ
りも狭い間隔で吸入口とバイパスポートとを備え
たロータリバルブをロータ及びベーンの端面にほ
ぼ接触した状態で回動可能に配設し、そして冷房
負荷が大きいときには吸入口の有効連通面積を大
とし、かつバイパスポートを遮断した状態とする
ことにより大吐出容量で運転し、また冷房負荷が
低下したときにはその低下の程度に応じてロータ
リバルブを回動させ、吸入口の有効連通面積を減
少させる一方、圧縮行程途上の圧縮室内の一部の
ガスをバイパスポートを経て吸入室側に逃がすこ
とにより小吐出容量で運転させるようにしたもの
である。また、ロータリバルブの吸入口はガスの
吸入量を絞る機能に加え、圧縮行程途上の圧縮室
のガスを吸入行程途上の圧縮室に逃がすバイパス
通路としても機能し、このことによつてベーンに
よる圧縮開始時期を遅らせ、吐出容量を小さくす
るようになつている。
(考案が解決しようとする問題点)
ところで、車両空調用として搭載される圧縮機
の場合は、機体の軽量化が重要な要望事項となつ
ている。そのため、可変容量式回転型圧縮機にお
いてもシリンダ、ロータ、サイドプレート及びロ
ータリバルブ等をアルミニウム製とすることによ
つて上記要望に応えている。ただし、ベーンは焼
付きの問題を考慮して鉄製となつているのが普通
である。ところが、可変容量式回転型圧縮機の場
合は、その構造上、停止状態ではバイパスポート
が連通した最小容量となつている。また、圧縮機
が長時間停止状態にあり、かつ外気温度が低い場
合には、冷媒の大部分が液状態となつていること
がある。かかる状態で圧縮機が起動されると、圧
縮室では液圧縮が行なわれるとともに、圧縮室か
らバイパスポートを経て吸入室側へ抜ける液流れ
が生じ、そしてベーンがバイパスポートを通過す
るときにこの液流れの影響によつて横方向(ロー
タの軸方向)に激しく振動し、その結果強度的に
ベーンよりも弱い側であるロータリバルブのバイ
パスポート周辺にベーンによる圧痕が付いたり、
強く摺動することでバイパスポート付近が摩耗し
たりして、その結果バイパスポートが遮断した状
態で行なわれる大容量運転時のシール性が悪化す
るという不具合があつた。
の場合は、機体の軽量化が重要な要望事項となつ
ている。そのため、可変容量式回転型圧縮機にお
いてもシリンダ、ロータ、サイドプレート及びロ
ータリバルブ等をアルミニウム製とすることによ
つて上記要望に応えている。ただし、ベーンは焼
付きの問題を考慮して鉄製となつているのが普通
である。ところが、可変容量式回転型圧縮機の場
合は、その構造上、停止状態ではバイパスポート
が連通した最小容量となつている。また、圧縮機
が長時間停止状態にあり、かつ外気温度が低い場
合には、冷媒の大部分が液状態となつていること
がある。かかる状態で圧縮機が起動されると、圧
縮室では液圧縮が行なわれるとともに、圧縮室か
らバイパスポートを経て吸入室側へ抜ける液流れ
が生じ、そしてベーンがバイパスポートを通過す
るときにこの液流れの影響によつて横方向(ロー
タの軸方向)に激しく振動し、その結果強度的に
ベーンよりも弱い側であるロータリバルブのバイ
パスポート周辺にベーンによる圧痕が付いたり、
強く摺動することでバイパスポート付近が摩耗し
たりして、その結果バイパスポートが遮断した状
態で行なわれる大容量運転時のシール性が悪化す
るという不具合があつた。
そこで本考案は、以上の問題に鑑み、機体の軽
量化を損うことなく、バイパスポート付近の強化
を図ることを、その解決すべき技術的課題とする
ものである。
量化を損うことなく、バイパスポート付近の強化
を図ることを、その解決すべき技術的課題とする
ものである。
(問題点を解決するための手段)
上記課題解決のための技術的手段は、シリンダ
とこのシリンダの開口端面に接合されたサイドプ
レートとにより形成されたロータ室内には、複数
枚のベーンを有するロータを回転可能に備え、前
記サイドプレートには容量可変用としてのロータ
リバルブを前記ロータの軸方向端面と対向状態で
回転可能に配置し、このロータリバルブとサイド
プレートには、常には最大有効通路面積で吸入室
と圧縮室とを連通し、ロータリバルブがロータの
回転方向と同方向に回動したときには有効通路面
積を絞ることにより吸入ガス量を減少する吸入口
と、常には遮断状態に保持され、ロータリバルブ
がロータの回転方向と同方向に回動したときには
圧縮室を吸入室に連通させて圧縮ガスの一部を吸
入室へ逃がすバイパスポートとを設けた可変容量
式回転型圧縮機において、前記ベーンを鉄系材料
製とするとともに、ロータリバルブをアルミニウ
ム製とし、このロータリバルブに形成されるバイ
パスポートの少なくとも前記ベーンとの対向面側
周辺を前記ベーンと同一又は同硬質の材料製とし
たことである。
とこのシリンダの開口端面に接合されたサイドプ
レートとにより形成されたロータ室内には、複数
枚のベーンを有するロータを回転可能に備え、前
記サイドプレートには容量可変用としてのロータ
リバルブを前記ロータの軸方向端面と対向状態で
回転可能に配置し、このロータリバルブとサイド
プレートには、常には最大有効通路面積で吸入室
と圧縮室とを連通し、ロータリバルブがロータの
回転方向と同方向に回動したときには有効通路面
積を絞ることにより吸入ガス量を減少する吸入口
と、常には遮断状態に保持され、ロータリバルブ
がロータの回転方向と同方向に回動したときには
圧縮室を吸入室に連通させて圧縮ガスの一部を吸
入室へ逃がすバイパスポートとを設けた可変容量
式回転型圧縮機において、前記ベーンを鉄系材料
製とするとともに、ロータリバルブをアルミニウ
ム製とし、このロータリバルブに形成されるバイ
パスポートの少なくとも前記ベーンとの対向面側
周辺を前記ベーンと同一又は同硬質の材料製とし
たことである。
(作用)
このように構成された本考案の可変容量式回転
型圧縮機にあつては、バイパスポートが連通した
状態での起動時において、ベーンがバイパスポー
トを通過する時に圧縮室からバイパスポートを経
て吸入室に向かう液流れの影響を受けて横方向の
振動が発生したとしても、バイパスポート付近は
ベーンと同等の材料によつて強化されていること
から、ベーンの振動による衝撃力に十分に対抗す
ることができる。
型圧縮機にあつては、バイパスポートが連通した
状態での起動時において、ベーンがバイパスポー
トを通過する時に圧縮室からバイパスポートを経
て吸入室に向かう液流れの影響を受けて横方向の
振動が発生したとしても、バイパスポート付近は
ベーンと同等の材料によつて強化されていること
から、ベーンの振動による衝撃力に十分に対抗す
ることができる。
(実施例)
以下、本考案の実施例を図面に基いて具体的に
説明する。図において、1は楕円筒状のシリンダ
であり、その開口端面にはフロントサイドプレー
ト2及びリヤサイドプレート3が接合され、それ
らによつてロータ室4が形成されている。また、
それらの外側は、フロントハウジング5とリヤハ
ウジング6とによつて囲まれ、この両ハウジング
5,6とシリンダ1及び両サイドプレート2,3
は図示しない共通のボルトによつて一体的に締結
されている。そして、フロントハウジング5とフ
ロントサイドプレート2との間には吸入室7が形
成され、この吸入室7はフロントハウジング5に
形成された圧縮機入口8を介して外部回路と連通
されている。また、リヤハウジング6とリヤサイ
ドプレート3との間には油分離室9が形成され、
この油分離室9はリヤハウジング6に形成された
圧縮機出口10を介して外部回路と連通されてい
る。なお、油分離室9の底部は油溜室を兼用して
いる。
説明する。図において、1は楕円筒状のシリンダ
であり、その開口端面にはフロントサイドプレー
ト2及びリヤサイドプレート3が接合され、それ
らによつてロータ室4が形成されている。また、
それらの外側は、フロントハウジング5とリヤハ
ウジング6とによつて囲まれ、この両ハウジング
5,6とシリンダ1及び両サイドプレート2,3
は図示しない共通のボルトによつて一体的に締結
されている。そして、フロントハウジング5とフ
ロントサイドプレート2との間には吸入室7が形
成され、この吸入室7はフロントハウジング5に
形成された圧縮機入口8を介して外部回路と連通
されている。また、リヤハウジング6とリヤサイ
ドプレート3との間には油分離室9が形成され、
この油分離室9はリヤハウジング6に形成された
圧縮機出口10を介して外部回路と連通されてい
る。なお、油分離室9の底部は油溜室を兼用して
いる。
一方、上記ロータ室4には、円形端面のロータ
11がシリンダ1の楕円状内周面の短軸上の2箇
所に極く接近した状態で配置されている。このロ
ータ7の両端面中央部からは回転軸12が突出さ
れるとともに、軸受13,14を介して両サイド
プレート2,3に回転可能に支承されている。回
転軸12の前端部はフロントハウジング5の中央
部に形成された中心孔15内に延出し、フロント
ハウジング5と回転軸12との気密は軸封装置1
6によつて保たれている。そして、ロータ11に
は複数個(図は4個の場合を示す)のベーン溝1
7が全幅にわたつて形成されるとともに、それら
ベーン溝17に摺動可能に嵌合されたベーン18
の先端がシリンダ1の内周面に当接されており、
このことによつて、隣合うベーン18、ロータ外
周面、シリンダ内周面及びサイドプレート内側面
により囲まれる気密な複数の圧縮室19が形成さ
れ、それら圧縮室19はロータ11の図示矢印方
向の回転によつて容積が変化される。
11がシリンダ1の楕円状内周面の短軸上の2箇
所に極く接近した状態で配置されている。このロ
ータ7の両端面中央部からは回転軸12が突出さ
れるとともに、軸受13,14を介して両サイド
プレート2,3に回転可能に支承されている。回
転軸12の前端部はフロントハウジング5の中央
部に形成された中心孔15内に延出し、フロント
ハウジング5と回転軸12との気密は軸封装置1
6によつて保たれている。そして、ロータ11に
は複数個(図は4個の場合を示す)のベーン溝1
7が全幅にわたつて形成されるとともに、それら
ベーン溝17に摺動可能に嵌合されたベーン18
の先端がシリンダ1の内周面に当接されており、
このことによつて、隣合うベーン18、ロータ外
周面、シリンダ内周面及びサイドプレート内側面
により囲まれる気密な複数の圧縮室19が形成さ
れ、それら圧縮室19はロータ11の図示矢印方
向の回転によつて容積が変化される。
しかして、圧縮室19は前記フロントサイドプ
レート3とシリンダ1とに跨つて形成された副吸
入通路20及びシリンダ1の内周側に形成された
吸入孔21を介して前記吸入室7と連通され、冷
媒ガスが容積増大過程で吸入されるように設定さ
れている。また、圧縮室19はシリンダ1に形成
された吐出口22を介して2個の吐出室23と連
通されており、それら吐出室23はシリンダ1の
外周面に形成された切欠とリヤハウジング6の内
周面との間に形成され、そしてリヤハウジング6
に形成された連通孔24を介して前記油分離室9
と連通されている。なお、25は吐出口22に設
けられた吐出弁、26はその弁押えである。
レート3とシリンダ1とに跨つて形成された副吸
入通路20及びシリンダ1の内周側に形成された
吸入孔21を介して前記吸入室7と連通され、冷
媒ガスが容積増大過程で吸入されるように設定さ
れている。また、圧縮室19はシリンダ1に形成
された吐出口22を介して2個の吐出室23と連
通されており、それら吐出室23はシリンダ1の
外周面に形成された切欠とリヤハウジング6の内
周面との間に形成され、そしてリヤハウジング6
に形成された連通孔24を介して前記油分離室9
と連通されている。なお、25は吐出口22に設
けられた吐出弁、26はその弁押えである。
前記フロントサイドプレート2とシリンダ1と
の間には容量変更用としてのリング状をなすロー
タリバルブ27が配置されている。このロータリ
バルブ27は、フロントサイドプレート2の内側
面に形成された浅いリング溝28内においてシリ
ンダ中心線回りに回動し得るように保持されると
ともに、その一面がフロントサイドプレート2の
内側面と連続するほぼ同一平面に設定され、前記
ロータ11及びベーン18に対して接触又は極く
接近した状態となつている。
の間には容量変更用としてのリング状をなすロー
タリバルブ27が配置されている。このロータリ
バルブ27は、フロントサイドプレート2の内側
面に形成された浅いリング溝28内においてシリ
ンダ中心線回りに回動し得るように保持されると
ともに、その一面がフロントサイドプレート2の
内側面と連続するほぼ同一平面に設定され、前記
ロータ11及びベーン18に対して接触又は極く
接近した状態となつている。
しかして、ロータリバルブ27にはその厚さ方
向に貫通する第一吸入口29がバルブ中心に関し
て対称な位置に設けられ、またフロントサイドプ
レート2にはその厚さ方向に貫通し、かつ第一吸
入口27と連通する2個の第二吸入口30がプレ
ート中心線に関して対称な位置に形成されてお
り、これら第一吸入口29と第二吸入口30とに
よつて主吸入通路31が構成され、吸入室7の冷
媒ガスが圧縮室19の容積増大過程で吸入される
ように設定されている。第一吸入口29と第二吸
入口30は共にロータ11の回転方向に沿つてベ
ーン18の厚さより十分に長い円弧状に形成さ
れ、このことによつて第一吸入口29は、小容量
運転時には先行する圧縮行程途上の圧縮室19を
後続の吸入行程途上の圧縮室19に連通させるバ
イパス通路としても機能するようになつている。
向に貫通する第一吸入口29がバルブ中心に関し
て対称な位置に設けられ、またフロントサイドプ
レート2にはその厚さ方向に貫通し、かつ第一吸
入口27と連通する2個の第二吸入口30がプレ
ート中心線に関して対称な位置に形成されてお
り、これら第一吸入口29と第二吸入口30とに
よつて主吸入通路31が構成され、吸入室7の冷
媒ガスが圧縮室19の容積増大過程で吸入される
ように設定されている。第一吸入口29と第二吸
入口30は共にロータ11の回転方向に沿つてベ
ーン18の厚さより十分に長い円弧状に形成さ
れ、このことによつて第一吸入口29は、小容量
運転時には先行する圧縮行程途上の圧縮室19を
後続の吸入行程途上の圧縮室19に連通させるバ
イパス通路としても機能するようになつている。
また、ロータリバルブ27には円形状の2個の
第一バイパスポート32が厚さ方向に貫設され、
それら第一バイパスポート32は第一吸入口29
よりもロータ進み側に設けられている。同様にフ
ロントサイドプレート2にも円形状の2個の第二
バイパスポート33が厚さ方向に貫設され、それ
ら第一バイパスポート33は第二吸入口30より
もロータ進み方向の吐出口22側に設けられてい
る。そして、第一、第二の両バイパスポート3
2、33は大容量運転時には遮断され、小容量運
転時にはロータリバルブ27の回動によつて連通
され、圧縮行程途上の圧縮室19内の冷媒ガスを
吸入室7へ逃がすように作用する。なお、容量変
更のためにロータリバルブ27を回動する手段に
ついては図示を省略するが、このバルブ回動手段
は冷房負荷、すなわち車室の室内温度に対応して
変化する冷媒ガスの吸入圧力の変化を利用してピ
ストンを作動させ、このピストンの移動によつて
ロータリバルブ27を回動させるよう構成されて
おり、停止時には第6図に示すように第一バイパ
スポート32と第二バイパスポート33とが連通
した最小容量状態になるよう設定されている。
第一バイパスポート32が厚さ方向に貫設され、
それら第一バイパスポート32は第一吸入口29
よりもロータ進み側に設けられている。同様にフ
ロントサイドプレート2にも円形状の2個の第二
バイパスポート33が厚さ方向に貫設され、それ
ら第一バイパスポート33は第二吸入口30より
もロータ進み方向の吐出口22側に設けられてい
る。そして、第一、第二の両バイパスポート3
2、33は大容量運転時には遮断され、小容量運
転時にはロータリバルブ27の回動によつて連通
され、圧縮行程途上の圧縮室19内の冷媒ガスを
吸入室7へ逃がすように作用する。なお、容量変
更のためにロータリバルブ27を回動する手段に
ついては図示を省略するが、このバルブ回動手段
は冷房負荷、すなわち車室の室内温度に対応して
変化する冷媒ガスの吸入圧力の変化を利用してピ
ストンを作動させ、このピストンの移動によつて
ロータリバルブ27を回動させるよう構成されて
おり、停止時には第6図に示すように第一バイパ
スポート32と第二バイパスポート33とが連通
した最小容量状態になるよう設定されている。
そして、上述の如く構成された可変容量式回転
型圧縮機は、以下の如く作動する。停止状態では
上述のようにロータリバルブ27は第一バイパス
ポート32と第二バイパスポート33とが連通し
た最小容量位置に保持されており、従つて圧縮機
の起動は最小容量で行なわれるが、起動後におい
て、車室の室内温度が高い冷房負荷の大なる状態
では、吸入圧力が高いことから、それに応動する
バルブ回動手段の作動によつてロータリバルブ2
7は第4図に示す位置に回動保持される。従つ
て、このとき第一吸入口29と第二吸入口30と
が重なり合つて主吸入通路31の有効連通面積が
最大となり、また第一バイパスポート32と第二
バイパスポート33とが隔離して遮断状態とな
る。そのため、この状態では主吸入通路31での
吸入ガスの絞り作用が行なわれず、ベーン18の
進み側端面が第一吸入口29を通過すると同時に
圧縮室19の密閉状態での圧縮作用が開始される
ため、圧縮機は最大容量で運転され、大きい冷房
能力が得られる。
型圧縮機は、以下の如く作動する。停止状態では
上述のようにロータリバルブ27は第一バイパス
ポート32と第二バイパスポート33とが連通し
た最小容量位置に保持されており、従つて圧縮機
の起動は最小容量で行なわれるが、起動後におい
て、車室の室内温度が高い冷房負荷の大なる状態
では、吸入圧力が高いことから、それに応動する
バルブ回動手段の作動によつてロータリバルブ2
7は第4図に示す位置に回動保持される。従つ
て、このとき第一吸入口29と第二吸入口30と
が重なり合つて主吸入通路31の有効連通面積が
最大となり、また第一バイパスポート32と第二
バイパスポート33とが隔離して遮断状態とな
る。そのため、この状態では主吸入通路31での
吸入ガスの絞り作用が行なわれず、ベーン18の
進み側端面が第一吸入口29を通過すると同時に
圧縮室19の密閉状態での圧縮作用が開始される
ため、圧縮機は最大容量で運転され、大きい冷房
能力が得られる。
一方、室内温度が低下して冷房負荷が低下して
くると、それに伴いロータリバルブ27がロータ
11の回転方向と同方向に徐々に回動され、たと
えば第5図に示すように、第一バイパスポート3
2と第二バイパスポート33とが連通する直前の
状態では、第一吸入口29と第二吸入口30との
重なりがずれて主吸入通路31の有効連通面積が
減少し、吸入ガスに対して絞り作用が与えられ、
それと同時に第一吸入口29が先行の圧縮室19
と後続の圧縮室19との間のバイパス通路として
機能し、圧縮開始時期を遅らすことになる。この
ような圧縮開始時期の遅れと、吸入絞り効果とに
よつて吐出容量が減少し、圧縮機は中容量で運転
される。
くると、それに伴いロータリバルブ27がロータ
11の回転方向と同方向に徐々に回動され、たと
えば第5図に示すように、第一バイパスポート3
2と第二バイパスポート33とが連通する直前の
状態では、第一吸入口29と第二吸入口30との
重なりがずれて主吸入通路31の有効連通面積が
減少し、吸入ガスに対して絞り作用が与えられ、
それと同時に第一吸入口29が先行の圧縮室19
と後続の圧縮室19との間のバイパス通路として
機能し、圧縮開始時期を遅らすことになる。この
ような圧縮開始時期の遅れと、吸入絞り効果とに
よつて吐出容量が減少し、圧縮機は中容量で運転
される。
そして、室内温度がさらに低下したときはロー
タリバルブ27が第6図に示すように最大回動角
度位置まで回動され、このときは第一吸入口29
の第二吸入口30に対するずれが最大となつて主
吸入通路31の有効連通面積が最小となるととも
に、第一バイパスポート32と第二バイパスポー
ト33とが連通する。従つて、圧縮室19への吸
入ガス量がさらに減少するとともに圧縮開始時期
も遅れ、また圧縮室19内の圧縮ガスの一部が吸
入室7へ逃げることによつて吐出容量がさらに低
下される。つまり圧縮機は最小容量で運転され
る。
タリバルブ27が第6図に示すように最大回動角
度位置まで回動され、このときは第一吸入口29
の第二吸入口30に対するずれが最大となつて主
吸入通路31の有効連通面積が最小となるととも
に、第一バイパスポート32と第二バイパスポー
ト33とが連通する。従つて、圧縮室19への吸
入ガス量がさらに減少するとともに圧縮開始時期
も遅れ、また圧縮室19内の圧縮ガスの一部が吸
入室7へ逃げることによつて吐出容量がさらに低
下される。つまり圧縮機は最小容量で運転され
る。
さて、上述のように構成され、かつ作用する可
変容量式回転型圧縮機において、機体の軽量化を
図るべく、圧縮機を構成する部材のうち、少なく
ともシリンダ1、フロントサイドプレート2、リ
ヤサイドプレート3、ロータ4及びロータリバル
ブ27はアルミニウム製となつており、またロー
タ4とリヤサイドプレート3及びロータリバルブ
27に対してそれぞれ摺動するベーン18は、摺
動面の焼付きを考慮してアルミニウムよりも硬度
の高い金属製、望ましくは鉄系材料製となつてい
る。一方、ロータリバルブ27の第一バイパスポ
ート32は、第7図及び第8図に示すように、ア
ルミニウムよりも硬度の高い金属製、具体的には
ベーン18と同一の鉄系材料製又はそれと同硬質
の材料からなるブツシユ34によつて形成されて
おり、このブツシユ34は外周のほぼ中間部にフ
ランジ35を備えていて、ロータリバルブ27の
鋳造による製作に際して鋳ぐるまれ、フランジ3
5によつて離脱し難い一体構造となつている。す
なわち、ロータリバルブ27の第一バイパスポー
ト32は、その周辺がベーン18と同一又はそれ
に近い硬度の材料による強化構造となつている。
変容量式回転型圧縮機において、機体の軽量化を
図るべく、圧縮機を構成する部材のうち、少なく
ともシリンダ1、フロントサイドプレート2、リ
ヤサイドプレート3、ロータ4及びロータリバル
ブ27はアルミニウム製となつており、またロー
タ4とリヤサイドプレート3及びロータリバルブ
27に対してそれぞれ摺動するベーン18は、摺
動面の焼付きを考慮してアルミニウムよりも硬度
の高い金属製、望ましくは鉄系材料製となつてい
る。一方、ロータリバルブ27の第一バイパスポ
ート32は、第7図及び第8図に示すように、ア
ルミニウムよりも硬度の高い金属製、具体的には
ベーン18と同一の鉄系材料製又はそれと同硬質
の材料からなるブツシユ34によつて形成されて
おり、このブツシユ34は外周のほぼ中間部にフ
ランジ35を備えていて、ロータリバルブ27の
鋳造による製作に際して鋳ぐるまれ、フランジ3
5によつて離脱し難い一体構造となつている。す
なわち、ロータリバルブ27の第一バイパスポー
ト32は、その周辺がベーン18と同一又はそれ
に近い硬度の材料による強化構造となつている。
従つて、第一バイパスポート32と第二バイパ
スポート33とが連通された最小容量状態で行な
われる圧縮機の液圧縮起動に際し、前述したよう
にベーン18が第一バイパスポート32を通過す
るときに、圧縮室19から第一バイパスポート3
2及び第二バイパスポート33を経て吸入室7側
へ抜ける液流れの影響によつて横方向に振動し、
その振動による衝撃力が第一バイパスポート32
の周辺に作用しても、第一バイパスポート32の
周辺は上述のようにベーン18と同等の強度を保
有している関係で上記衝撃力に十分に対抗するこ
とができる。
スポート33とが連通された最小容量状態で行な
われる圧縮機の液圧縮起動に際し、前述したよう
にベーン18が第一バイパスポート32を通過す
るときに、圧縮室19から第一バイパスポート3
2及び第二バイパスポート33を経て吸入室7側
へ抜ける液流れの影響によつて横方向に振動し、
その振動による衝撃力が第一バイパスポート32
の周辺に作用しても、第一バイパスポート32の
周辺は上述のようにベーン18と同等の強度を保
有している関係で上記衝撃力に十分に対抗するこ
とができる。
以上、本考案の実施例を説明したが、本考案は
これに限定されるものではなく、ロータが円筒状
シリンダの内周面の一箇所に極く近接する状態で
偏心配置されたタイプのベーン圧縮機、又はロー
タがシリンダ内周面に摺接しつつ偏心回転させら
れるローリングピストンタイプ等、他の回転型圧
縮機に適用することが可能であり、また冷媒ガス
以外の気体を圧縮する回転型圧縮機に適用するこ
と等を始めとして、当業者の知識に基づき種々の
変更、改良を施した態様で実施することが可能で
ある。さらに本実施例ではバイパスポート形成用
のブツシユ34をロータリバルブ27の厚さ一杯
に鋳ぐるむ場合を図示したが、少なくともベーン
18との対向面側に存在していれば足りるもので
ある。
これに限定されるものではなく、ロータが円筒状
シリンダの内周面の一箇所に極く近接する状態で
偏心配置されたタイプのベーン圧縮機、又はロー
タがシリンダ内周面に摺接しつつ偏心回転させら
れるローリングピストンタイプ等、他の回転型圧
縮機に適用することが可能であり、また冷媒ガス
以外の気体を圧縮する回転型圧縮機に適用するこ
と等を始めとして、当業者の知識に基づき種々の
変更、改良を施した態様で実施することが可能で
ある。さらに本実施例ではバイパスポート形成用
のブツシユ34をロータリバルブ27の厚さ一杯
に鋳ぐるむ場合を図示したが、少なくともベーン
18との対向面側に存在していれば足りるもので
ある。
(考案の効果)
以上詳述したように、本考案はアルミニウム製
ロータリバルブのバイパスポート周辺にベーンと
同等の強度を持たせて、圧縮機の液圧縮起動時に
生ずるベーンの横振動による衝撃力に対して十分
に対抗できるようにしたものであり、従つて機体
の軽量化を損うことなく、ロータリバルブに圧痕
が発生したり局部的摩耗が発生することを未然に
防止することができ、またそのことに関連して大
容量運転時のシール性を維持し、圧縮機の信頼性
を向上することが可能となる。
ロータリバルブのバイパスポート周辺にベーンと
同等の強度を持たせて、圧縮機の液圧縮起動時に
生ずるベーンの横振動による衝撃力に対して十分
に対抗できるようにしたものであり、従つて機体
の軽量化を損うことなく、ロータリバルブに圧痕
が発生したり局部的摩耗が発生することを未然に
防止することができ、またそのことに関連して大
容量運転時のシール性を維持し、圧縮機の信頼性
を向上することが可能となる。
図面は本考案の実施例を示し、第1図は容量可
変式回転型圧縮機の縦断面図、第2図は第1図に
おける−線断面図、第3図は第1図における
−線断面図、第4図、第5図及び第6図はそ
れぞれ容量変更態様を簡略に示す部分断面図、第
7図はロータリバルブを示す正面図、第8図はバ
イパスポート形成用ブツシユのロータリバルブに
対する鋳ぐるみ構造を示す断面図である。 1……シリンダ、2,3……サイドプレート、
4……ロータ室、5,6……ハウジング、7……
吸入室、11……ロータ、18……ベーン、19
……圧縮室、23……吐出室、27……ロータリ
バルブ、29……第一吸入口、30……第二吸入
口、31……主吸入通路、32……第一バイパス
ポート、33……第二バイパスポート、34……
ブツシユ。
変式回転型圧縮機の縦断面図、第2図は第1図に
おける−線断面図、第3図は第1図における
−線断面図、第4図、第5図及び第6図はそ
れぞれ容量変更態様を簡略に示す部分断面図、第
7図はロータリバルブを示す正面図、第8図はバ
イパスポート形成用ブツシユのロータリバルブに
対する鋳ぐるみ構造を示す断面図である。 1……シリンダ、2,3……サイドプレート、
4……ロータ室、5,6……ハウジング、7……
吸入室、11……ロータ、18……ベーン、19
……圧縮室、23……吐出室、27……ロータリ
バルブ、29……第一吸入口、30……第二吸入
口、31……主吸入通路、32……第一バイパス
ポート、33……第二バイパスポート、34……
ブツシユ。
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 (1) シリンダとこのシリンダの開口端面に接合さ
れたサイドプレートとにより形成されたロータ
室内には、複数枚のベーンを有するロータを回
転可能に備え、前記サイドプレートには容量可
変用としてのロータリバルブを前記ロータの軸
方向端面と対向状態で回転可能に配置し、この
ロータリバルブとサイドプレートには、常には
最大有効通路面積で吸入室と圧縮室とを連通
し、ロータリバルブがロータの回転方向と同方
向に回動したときには有効通路面積を絞ること
により吸入ガス量を減少する吸入口と、常には
遮断状態に保持され、ロータリバルブがロータ
の回転方向と同方向に回動したときには圧縮室
を吸入室に連通させて圧縮ガスの一部を吸入室
へ逃がすバイパスポートとを設けた可変容量式
回転型圧縮機において、前記ベーンを鉄系材料
製とするとともに、ロータリバルブをアルミニ
ウム製とし、このロータリバルブに形成される
バイパスポートの少なくとも前記ベーンとの対
向面側周辺を前記ベーンと同一又は同硬質の材
料製とした可変容量式回転型圧縮機。 (2) 前記バイパスポートを形成するためのフラン
ジ付きブツシユをロータリバルブに鋳ぐるむ構
成とした実用新案登録請求の範囲第1項記載の
可変容量式回転型圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10182586U JPH0441273Y2 (ja) | 1986-07-02 | 1986-07-02 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10182586U JPH0441273Y2 (ja) | 1986-07-02 | 1986-07-02 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS639486U JPS639486U (ja) | 1988-01-22 |
JPH0441273Y2 true JPH0441273Y2 (ja) | 1992-09-28 |
Family
ID=30972908
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10182586U Expired JPH0441273Y2 (ja) | 1986-07-02 | 1986-07-02 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0441273Y2 (ja) |
-
1986
- 1986-07-02 JP JP10182586U patent/JPH0441273Y2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS639486U (ja) | 1988-01-22 |
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