JPH0441267Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、コンプレツサーを収容する密閉形の
コンプレツサー容器の改良に関するものである。

〈従来技術の背景とその問題点〉 圧縮空気を必要とする多くの機器の圧縮空気供
給源として使用されているコンプレツサー、特に
屋外に設置されるコンプレツサーは、その防水
性、防塵性、防音効果を高めるため、密閉状態に
近い容器に収容されているが、このコンプレツサ
ーを収容する容器には、コンプレツサーに外気を
導き入れるための導気口と、コンプレツサーから
吐出される圧縮空気を消費源に向けて送り出す吐
出口を有するのみで、特に外気に通じている導気
口は例えば木の葉や塵埃などにより塞がれること
がある。この閉塞状態に気付かずに、その後も引
き続き、コンプレツサーを駆動させると、容器内
の圧力が大気以下に低下し、遂には大気圧との圧
力差によつて容器を破損することがあつた。ま
た、このコンプレツサーを浄化槽ブロアーとして
使用している場合、コンプレツサーの電源を切つ
た時にコンプレツサーの加圧バルブが完全な逆止
弁の機能を果し得ないため上述のように容器内の
圧力が低下して負圧状態になつていると、吐出口
側から汚水がコンプレツサーに逆流し、コンプレ
ツサーそのものを損傷するおそれがあつた。更に
また導気口の閉塞により、容器内に空気流、言い
換えれば風が通らなくなるため、コンプレツサー
自体の放熱効果が損なわれ異常過熱が生じ、各部
品が熱による悪影響を受けることが多かつた。

〈考案の目的〉 本考案は、従来のコンプレツサー容器が前記の
ような欠点を有する点に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、容器内が所定の負圧力
になつても同容器内を自動的にかつ迅速に大気圧
に戻すことができる安価で組立容易なリリーフバ
ルブを設けたコンプレツサー容器を提供せんとす
ることにある。

〈考案の構成〉 かゝる本考案は、容器内部にコンプレツサーを
収容し、該コンプレツサーに外気を取り入れるた
めの導気口と補助導気口を容器内部に開口させ、
かつ前記コンプレツサーからの圧縮空気を同空気
消費源に向けて送り出すための吐出口を前記導気
口および補助導気口とは独立して容器外部に開口
させてなる密閉形のコンプレツサー容器におい
て、前記補助導気口の容器内側に、前記補助導気
口の内側に添えられて当該補助導気口を塞ぎ、当
該容器内が所定の負圧となつたときに開成する弾
性の板状弁体と、前記補助導気口との間に所要の
間〓を有して前記板状弁体の反りを規制する反り
規制部材と、前記容器側から突出する止め軸に板
状弁体および反り規制部材を固着する止め輪とか
らなるリリーフバルブを設け、更に必要により当
該リリーフバルブに、流入空気の導入により音を
発する警報発生手段や前記容器内が所定の負圧と
なつたときの板状弁体の開成による反り返りによ
り、マイクロスイツチの検出片が押圧されて圧力
を検出する圧力検出手段を併設したものである。

〈作用〉 コンプレツサーの駆動中に密閉形のコンプレツ
サー容器に設けられた外気を導き入れるための導
気口が塵埃等により塞がれ、容器内の大気圧が一
定の負圧となつたとき、補助導気口に設けたリリ
ーフバルブの板状弁板が開成し、反り規制部材ま
で反り返り外気を容器内に流入し大気状態にす
る。このとき、板状弁体が反り規制部材まで反り
返るときに、マイクロスイツチの検出片を押圧し
コンプレツサーの運転を停止し損傷を防止する。
また、警報発生手段を内蔵すれば、板状弁体の開
成とともに音を発生し異常を知らせる。

〈実施例〉 次に、本考案の１実施例を図面により説明す
る。

第１図及び第２図は本実施例に係るコンプレツ
サー容器の全体を示す縦断正面図と縦断側面図
で、図中、１はコンプレツサー２を収容するコン
プレツサー容器（以下容器と言う）である。この
容器１は脚部３，３を底面に有する台筐体４と、
この台筐体４上に重ね合せられる上筐体５とから
なり、両筐体４，５をパツキン６を介して気密的
に結合した密閉形構造で、この容器１の上筐体５
の上部には、エアーフイルター７の内蔵されたカ
バー体８がねじ９により取付けられている。

前記容器１の上部即ちカバー体８に覆れた上筐
体５の上面には、コンプレツサー２に外気を取り
入れるための導気口１０が形成され（第１図）、
また容器１の下部、即ち台筐体４の側方には、可
撓性パイプ１１、脈動防止用タンク１２などを介
してコンプレツサー２から吐出される圧縮空気を
外部の圧縮空気消費源に向けて送り出す吐出口１
３が形成されている（第２図）。また、この容器
１の前記導気口１０は上筐体５とカバー体８との
間の間〓部分を空気取入口１４，１４として外気
と通じている。

上筐体５上面には、この導気口１０の近傍に補
助導気口１７を形成し、該補助導気口１７にリリ
ーフバルブ１５を設ける。このリリーフバルブ１
５は導気口１０が何等かの原因で閉塞され、容器
１内の圧力が負圧になつた時に開成する構造で、
本例の場合、第３図及び第４図の拡大図から明ら
かなように、補助導気口１７の内側に添えられた
板状弁体１６（以下弁体と言う）は、第４図にお
いて下方の圧力が上方の圧力より下がり、それが
所定値以下になると下向きに反り返り、圧力が大
気圧になると原状に戻る弾性弁体で、具体的に
は、上筐体５の上面に設けた外気と通じる補助導
気口１７，１７に、この補助導気口１７，１７を
内側（第２図下側）から塞ぐように容器１内側に
突出した止め軸１８に、前記弁体１６及びこの弁
体１６に重ね合されかつ予め下向きに反り返つて
形成された前記補助導気口１７，１７との間に所
要の間〓を有する弁体１６の反り規制部材１９を
止め輪２０で固着してなるものである。したがつ
て、このバルブ１５は容器内部が負圧になつて、
その値が所定の値に達すると、弁体１６が当該弁
体１６のバネ特性により図中、鎖線に示す如く反
り規制部材１９まで下向きに反り返り、補助導気
口１７，１７を開くため、同口１７，１７より外
気が容器内部に導入される。この弁体１６の作動
点は金属板のバネ定数を変更することにより、任
意の圧力に設定することができる。

また、このリリーフバルブ１５において、例え
ば第４図に示すように補助導気口１７，１７に向
つて外気が導入するとき、その流入空気により音
を発生する笛を警報発生手段２１として内蔵すれ
ば、異常発生を警報音により知ることができる。
更にまた、弁体１６に、当該弁体１６の開成によ
り連係作動するマイクロスイツチを圧力検出手段
２２として設置し、弁体１６が開く（異常発生）
と同時に圧力検出手段２２が作動してコンプレツ
サー２の電源を切断することもできる。

このように構成される本考案のコンプレツサー
容器１では、その正常動作時（容器１内圧が外気
より高いとき）には、リリーフバルブ１５の弁体
１６により、当該容器１の補助導気口１７は閉じ
られているものの、導気口１０は開いているた
め、外気は、当該容器１の空気取入口１４、カバ
ー体８の内側上部、カバー体８内のエアーフイル
ター７、前記導気口１０の順に容器１内に導か
れ、内部に収容されたコンプレツサー２に取り入
れられる。そして、このコンプレツサー２により
圧縮された圧縮空気は、可撓性パイプ１１、脈動
防止用タンク１２、吐出口１３を通じて、外部の
圧縮空気消費源に向けて送り出される。

ところが、何らかの原因で前記容器１の導気口
１０が閉塞される異常が発生し、この異常の状態
でコンプレツサー２の運転が継続されていると、
外気が補給されないままコンプレツサー２からの
吐出のみが行われるため、瞬時のうちに容器２内
の圧力が低下し、負圧状態となる。

そうすると、外気と連通している補助導気口１
７のリリーフバルブ１５の弁体１６が、外気の押
圧力によつて反り規制部材１９位置まで反り返
り、当該リリーフバルブ１５は開成される。した
がつて、本考案の容器１の場合、瞬時には負圧状
態となるが、外気は、直ちに当該容器１の空気取
入口１４、カバー体８の内側上部、カバー体８内
のエアーフイルター７、上記補助導気口１７の順
に通りリリーフバルブ１５を介して容器１内に導
かれるため、負圧状態は解消される。

この負圧状態発生時において、リリーフバルブ
１５に警報発生手段２１や圧力検出手段２２が併
設してあれば、この各手段２１，２２が作動する
ため、異常の発生と同時に音を発して異常を知ら
せたり、コンプレツサー２の運転を停止させる等
の処置を取ることができる。

〈考案の効果〉 以上の本実施例の説明から明らかなように、本
考案のコンプレツサー容器によれば、導気口の他
に補助導気口を設けて、同補助導気口の容器内部
が所定の負圧に達したとき、開成するリリーフバ
ルブも設けてあるため、導気口が閉塞されても、
リリーフバルブが自動的にかつ迅速に改正するの
で、外気が容器内にスムーズに導入され、負圧状
態が解消される。このため、容器が破損すること
がない。また、たとえば浄化槽ブロアーなどに用
いられるコンプレツサーであつて、加圧バルブが
完全に閉まり切れないものであつてもコンプレツ
サーの内部に汚水などが逆流してくることがな
く、更にコンプレツサーの運転中は、容器の中に
常に空気流が生ずるため、異常過熱が生ずること
もなくコンプレツサー自体の耐用年数を著しく延
ばすことができる。

また、当該容器内が所定の負圧となつたときに
開成する弾性の板状弁体と、前記補助導気口との
間に所要の間〓を有して前記板状弁体の反りを規
制する反り規制部材と、前記容器側から突出する
止め軸に板状弁体および反り規制部材を固着する
止め輪とでリリーフバルブを構成しているので、
コストが低く且つ組立が容易であり、しかも、間
〓の小さいところでも取付が可能である。

更にまた、前記リリーフバルブに、流入空気の
導入により音を発生する警報発生手段もしくはマ
イクロスイツチを圧力検出手段として極めて簡単
かつ容易に併設できるため、異常事態を早期に知
ることができ、安全のための必要な処置を極めて
迅速に行うことができると共に、コンプレツサー
の運転を即時に停止することもでき、その実用的
効果は極めて大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るコンプレツサー容器の一実
施例を示すもので、第１図は本容器の縦断正面
図、第２図は同じく本容器の縦断側面図、第３図
はリリーフバルブの一例を示す拡大底面図、第４
図は第３図の−線の縦断面図である。 １……コンプレツサー容器、２……コンプレツ
サー、１０……導気口、１３……吐出口、１５…
…リリーフバルブ、１６……板状弁体、１７……
補助導気口、１９……反り規制部材、２０……止
め輪、２１……警報発生手段、２２……圧力検出
手段。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 容器内部にコンプレツサーを収容し、該コン
   プレツサーに外気を取り入れるための導気口と
   補助導気口を容器内部に開口させ、かつ前記コ
   ンプレツサーからの圧縮空気を同空気消費源に
   向けて送り出すための吐出口を前記導気口およ
   び補助導気口とは独立して容器外部に開口させ
   てなる密閉形のコンプレツサー容器において、
   前記補助導気口の容器内側に、前記補助導気口
   の内側に添えられて当該補助導気口を塞ぎ、当
   該容器内が所定の負圧となつたときに開成する
   弾性の板状弁体と、前記補助導気口との間に所
   要の間〓を有して前記板状弁体の反りを規制す
   る反り規制部材と、前記容器側から突出する止
   め軸に板状弁体および反り規制部材を固着する
   止め輪とからなるリリーフバルブを設け、且
   つ、該リリーフバルブには板状弁体の開成によ
   る反り返りにより、マイクロスイツチの検出片
   が押圧されて圧力を検出する圧力検出手段を有
   することを特徴とするコンプレツサー容器。 (2) リリーフバルブは、流入空気の導入により音
   を発する警報発生手段を内蔵したものである実
   用新案登録請求の範囲第１項記載のコンプレツ
   サー容器。