JPH04407Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、空気等の流体の二次圧を略一定に保
つための圧力調整弁に関し、特に、二次圧を計測
する圧力計の取付位置に改良を加えた圧力調整弁
に関する。

従来の技術及び考案が解決しようとする問題点 圧力調整弁は、ボデイの内部を流入口に連通す
る一次室と流出口に連通する二次室に分ける隔壁
に弁口を設け、その弁口の一次室側に配置した弁
体に連結した連結杆を、二次室に連通する圧力室
とばね室の間に張設したダイアフラムに係合し、
圧力室の圧力とばね室に装着したばねの弾力の釣
り合いにより弁口の開度を変化させて、二次室の
圧力を略一定に維持するようになつている。

ところで、このような圧力調整弁においては、
二次圧が適正に保たれているか否かを確認するた
めに圧力計を取り付けるようになつており、従来
は、ボデイの二次室の外側に対応する位置に、二
次室に連通する通孔を形成した１箇所または２箇
所の取付部に設けて、その取付部に圧力計を取り
付けるようになつていたが、圧力調整弁の取付場
所によつては、隣接する機器が邪魔になつて、圧
力計を見ることができない場合が往々にして生じ
ていた。

問題点を解決するための手段 上記の問題点を解決するための手段として、本
考案の圧力調製弁は、ボデイの一次室側に、弁体
と緊密にかつ相対的摺動自由に嵌合するキヤツプ
を螺着し、該キヤツプと前記弁体の外端面との間
に圧力空間を形成し、前記弁体に、該圧力空間と
前記二次室を連通する通路を設けるとともに、前
記キヤツプに前記圧力空間を外部に連通する通孔
を形成して該通孔に圧力計を接続した構成とした
ものである。

作用及び効果 本考案は、上記の構成になり、弁体がキヤツプ
と緊密に嵌合した状態で摺動することのより、圧
力空間が一次室から遮断された状態にあり、この
弁体の摺動の間、二次室の空気が弁体に設けた通
路を通つて圧力空間に出入りして、圧力空間に二
次圧が取り出され、この二次圧がキヤツプの通孔
を通つて圧力計に導入されて、二次圧が計測され
るのであつて、ボデイの一次室側に螺着したキヤ
ツプに新たに圧力計を接続できるようにしたか
ら、圧力計の取付位置の選択範囲が増え、圧力調
整弁の取付場所に応じて最適の位置に圧力計を取
り付けることによつて、二次圧の監視をより確実
に行ない得る効果がある。

実施例 以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて
説明する。

第１図において、１はボデイであつて、このボ
デイ１の内部が、隔壁２によつて、流入口３に連
通する一次室４と、流出口５に連通する二次室６
に分けられ、この隔壁２に弁口７が形成されてお
り、この弁口７の上面に、下端部に鍔を突成した
弁体９が配置され、この弁体９の中心孔１０に、
上端に鉤部１３を突成し、かつ、すり割を入れた
段付きの連結杆１２の縮径部１２ａが押し込ま
れ、鉤部１３が中心孔１０の口縁に掛止して弁体
９と連結杆１２が連結され、この連結杆１２の下
端部が、ボデイ１の下壁の挿通孔１６を貫通して
下面に突出しており、ボデイ１の下面に突成され
た環形突部１８の下面に、上端部を拡径した筒体
１９が固定されて、その間にダイアフラム２０が
張設され、このダイアフラム２０の上面側に、通
孔２２によつて二次室６に連通する圧力室２１が
形成され、下面側にばね室２３が形成され、ダイ
アフラム２０の上面の中心に前記の連結杆１２の
下端が当てられているとともに、筒体１９の下端
部に回転のみを自由に装着された調節つまみ２５
に、ねじ棒２６が一体回転可能に結合され、この
ねじ棒２６に螺合された押圧体２７とダイアフラ
ム２０の間に調節ばね２８が装着されている。

前記したボデイ１の上面には、内周面に雌ねじ
３１を切つた取付筒部３０が突成され、この取付
筒部３０内に、下面開放の筒形をなす合成樹脂製
のキヤツプ３２が螺着され、このキヤツプ３２の
内周面が、弁体９の外周面の溝に嵌着した０リン
グ４０を介して弁体９と緊密にかつ相対的摺動自
由に嵌合され、キヤツプ３２の下面に穿設された
環形凹部３３の奥面と弁体９の鍔の間に装着され
たコイルばね３４により弁体９が閉弁方向に付勢
されており、また、弁体９の上面とキヤツプ３２
の間に圧力空間３５が形成されているとともに、
前記した連結杆１２の縮径部１２ａの外径が弁体
９の中心孔１０の内径よりも小さく形成されてい
て、連結杆１２の縮径部１２ａの外周面と中心孔
１０の内周面の間に、その圧力空間３５と二次室
６を連通する通路１５が形成されており、さら
に、キヤツプ３２の上面に、圧力空間３５を外部
に連通するねじ孔３６が形成され、このねじ孔３
６に、圧力計３７が、その周面に突成した取入口
３８を螺着することによつて接続されている。

また、ボデイ１の二次室６の外側に対応する位
置である流入口３及び流出口５と直交する位置に
は、夫々二次室６に連通する通孔を有する図示し
ない圧力計の取付部が形成されており、これらの
取付部に圧力計を取り付けない場合には、通孔を
適宜の閉塞手段で閉塞しておくようになつてい
る。

次に、本実施例の作動を説明する。

流入口３から流入した空気が、弁口７を通つて
流出口５から流出する際に、二次室６の圧力が設
定圧力よりも低いか高いかによつて、ダイアフラ
ム２０が上動若しくは下動し、これに伴い、弁体
９がキヤツプ３２の内周面と緊密に嵌合しつつ上
動若しくは下動し、弁口７の開度が大きくなつた
り小さくなつたりすることにより、空気の流通量
が増大または減少して二次室６の圧力が略一定に
維持され、また、調節つまみ２５の回転により調
節ばね２８のばね力を増減させることによつて、
二次室６の設定圧力を調節し得るようになつてお
り、弁体９がキヤツプ３２の内周面と緊密に嵌合
した状態で上下動することにより、圧力空間３５
が一次室４から遮断された状態にあり、この弁体
９の上下動の間、二次室６の空気が弁体９の中心
孔１０と連結杆１２の間の通路１５を通つて圧力
空間３５に出入りして、圧力空間３５の圧力が二
次室６と同一に保たれ、この圧力がねじ孔３６に
螺着された取入口３８から圧力計３７に導入され
て、二次圧が計測される。

なお、上記実施例では、取入口３８を周面に突
成した構造の圧力計３７をキヤツプ３２に接続す
るようにしたが、この他に、取入口を背面に突成
した構造の圧力計を接続するようにしても良い。

また、圧力計を、ボデイ１の二次室６の外側に
対応する位置に設けた取付部に取り付ける場合に
は、前記した取付筒部３０には、第２図に示すよ
うに、ねじ孔３６を閉塞しそれ以外は前記のキヤ
ツプ３２と同一形状になるキヤツプ３２ａを螺着
すれば良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の圧力計の分離した
状態の断面図、第２図は本実施例のキヤツプ３２
に代えてキヤツプ３２ａを螺着した状態の部分断
面図である。 １……ボデイ、２……隔壁、３……流入口、４
……一次室、５……流出口、６……二次室、７…
…弁口、９……弁体、１２……連結杆、１５……
通路、２０……ダイアフラム、２１……圧力室、
２２……通孔、２３……ばね室、２８……調節ば
ね、３２……キヤツプ、３５……圧力空間、３６
……ねじ孔、３７……圧力計、３８……取入口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボデイの内部を流入口に連通する一次室と流出
   口に連通する二次室に分ける隔壁に弁口を設け、
   該弁口の前記一次室側に設置した弁体に連結した
   連結杆を、前記二次室に連通する圧力室とばね室
   の間に張設したダイアフラムに係合し、前記圧力
   室の圧力と前記ばね室に装着したばねの弾力の釣
   り合いにより前記弁口の開度を変化させて、前記
   二次室の圧力を略一定に維持するようにした圧力
   調整弁において、前記ボデイの前記一次室側に、
   前記弁体と緊密にかつ相対的摺動自由に嵌合する
   キヤツプを螺着し、該キヤツプと前記弁体の外端
   面との間に圧力空間を形成し、前記弁体に、該圧
   力空間と前記二次室を連通する通路を設けるとと
   もに、前記キヤツプに前記圧力空間を外部に連通
   する通孔を形成して該通孔に圧力計を接続したこ
   とを特徴とする圧力調整弁。