JPH0439687Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は製図用紙その他の肉薄の紙類、シート
類を収容して運搬するための薄シート収納運搬用
鞄に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、製図用紙等の肉薄の紙類、シート類を、
雛、折り目、丸まり、やぶれ等の損傷をあたえる
ことなく、収納して運搬するための鞄類は存在し
なかつた。

従つて前述の紙類、シート類は、通常の書類鞄
又はケースに収納して運搬していたが、これら収
納された紙類、シート類は運搬中に鞄内又はケー
ス内において乱動し、底部にたぐまり、雛、折り
目、丸まり、やぶれ等の損傷を生じたものであ
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案は肉薄の紙類、シート類の１枚だけ、又
は複数枚を鞄の胴部内面に密着状態で保持し、運
搬中の乱動、底部へのたぐまりを防止し、紙類、
シート類に雛、折り目、丸まり、やぶれ等の損傷
をあたえることなく運搬することができる薄シー
ト収納、運搬専用の鞄を提供しようとするもので
ある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案における薄シ
ート収納運搬用ケースは、ケース体１の胴部１ａ
の内面に磁性体２を固定し、上記磁性体を被覆す
るように保持シート３を設け、上記保持シートの
一方の縁部３ａ附近のみをケース体１の内面に固
定し、上記保持シートの裏面であつて、前記磁性
体２に当接する位置に着磁性金属片４を固定して
なるものである。而してケース体２の胴部１ａの
内面に固定した磁性体２は磁性粉末を接着材によ
り接着してもよいし、肉薄の小板状の多数の磁性
体２を接着剤により接着してもよいし、肉薄の条
板状の磁性体２を縦方向及び又は横方向に従来行
なわれる通常の手段で固定してもよい。又上記条
板状磁性体２を用いる場合は、一条に形成しても
よいし、複数条に形成してもよい。保持シート３
は前記磁性体２を被覆するに足る巾及び長さを有
する。条板状磁性体２を複数条形成した場合には
上記複数条をともに被覆するに足る巾及び長さに
形成するか又は各条板状磁性体２をそれぞれ被覆
することができる条板状磁性体２の条数に応じた
数の保持シート３を形成してもよい。保持シート
３の裏面であつて磁性体２と当接する位置に設け
た着磁性金属片４は厚みの薄い金属片を多数固定
してもよいし、又厚みの薄い条板状に形成しても
よい。

又前記ケース体１の胴部１ａの内面であつて、
前記保持シート３の固定位置と対向する位置に他
の保持シート５の一方の縁部５ａ寄りを固定し、
上記保持シート５の開放縁５ｂ側の一部が前記保
持シート３の開放縁３ｂ側と一部重なり合うよう
に延在し、両開放縁３ｂ，５ｂ側を係止具例えば
ベルベツト式フアスナー６により係脱可能にして
もよい。

又ケース体１に開閉可能に蝶着された他のケー
ス体１１の胴部１１ａの内面であつて前記ケース
体１に設けた磁性体２と対向する位置に防磁処理
１７をほどこしてもよい。

〔作用〕

ケース体１の胴部１ａの内面に固定された磁性
体２上の肉薄の紙類又はシート類２０を置き、保
持シート３を前記紙類又はシート類２０の上に重
ね、前記磁性体２と保護シート裏面の着磁性金属
片４との磁着力により肉薄の紙類又はシート類２
０を胴部１ａの内面に固定し、乱動を防止する。
肉薄の紙類シート類を取り出す際には保護シート
２０を脱外して取り出す。

尚肉薄の紙類又シート類２０を多数重ねて磁性
体２上に置いたゝめ、保持シート３の裏面の着磁
性金属片４と前記磁性体２の磁着力が有効に作用
しないときは、他の保持シート５の開放縁５ｂ側
と前記保持シート３の開放縁３ｂ側の一部重なり
合う部分に設けた係止具６を係止して肉薄の紙類
又はシート類２０をケース体１の胴部１ａの内面
に固定して乱動を防止する。肉薄の紙類、シート
類を取り出す際には保持シート３，５の夫々の係
止具６を脱外して取り出す。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面について説明すれば次の
通りである。

一方のケース体１に他方のケース体１１を蝶番
１２により開閉自在に蝶着する。１３，１３は両
ケース１，１１を開閉する際、閉止状態を保持し
又開放するためのスライドフアスナーであり１
４，１４はさげ手である。

一方のケース体１の胴部１ａの内面に肉薄の条
板状の磁性体２，２を２条平行に固定する。固定
手段は接着その他の常法によつておこなう。ウレ
ータンフオーム、軟質合成樹脂、ゴム、布その他
の素材等からえらばれた素材により形成された保
持シート３を前記条板状磁性体２，２を被覆する
に足る巾、長さに形成して上記磁性体２，２上を
ともに被覆し、一方の縁部３ａ側のみをケース体
１の立上り１ｂの内面に接着その他の固定手段に
より固定する。保持シート３の裏面であつて前記
条板状磁性体２，２と当接する位置に着磁性金属
片４例えば薄い条板状鉄片４を接着その他の固定
手段で固定する。

前記保護シート３を固定したケース体１の立上
り１ｂと相対する立上り１ｃの内面であつて保持
シート３の固定位置と相対する位置に他の保持シ
ート５の一方の縁部５ａ側を接着その他の固定手
段で固定し、両保持シート３，５の開放縁３ｂ，
５ｂ側が重なるようにして、その重なり部に夫々
ベルベツト式フアスナー等の係止具６を取り付け
係脱可能とする。

１５は他のケース体１１に設けたポケツト部で
あり、１６は上記ポケツト部の開口部を閉止する
閉止片である。１７は前記ポケツト部１５に設け
た防磁性小ポケツト部であり、内部に防磁性体が
収納してあり、ポケツト部１５に収納した物品が
磁性体２により受ける影響を防止する。１８は筆
記具挿入部、１９は小ポケツト部１７の開口部に
取付けたスライドフアスナーである。

〔考案の効果〕

本考案は以上述べた構成を有するため、肉薄の
紙類、シート類を鞄の胴部内面に密着状態で保持
し、運搬中の乱動、底部への、たぐまりを防止
し、紙類、シート類に雛、折り目、丸まり、やぶ
れ等の損傷をあたえることなく運搬することがで
きる薄シート収納、運搬用鞄を得ることができ
る。又特に本考案においては１枚のシートのみで
あつても損傷をあたえることなく運搬することが
できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて第
１図は鞄の内部を示す斜視図、第２図は第１図Ｘ
−X′の断面図、第３図は第１図Ｙ−Y′の拡大断
面図である。 １……ケース体、１ａ……ケース体の胴部、２
……磁性体、３……保持シート、３ａ……保持シ
ートの一方の縁部、３ｂ……保持シートの開放
縁、４……着磁性金属片、５……他の保持シー
ト、５ａ……他の保持シートの一方の縁部、５ｂ
……他の保持シートの開放縁、６……係止具、１
１……他のケース体、１１ａ……他のケース体の
胴部、１７……防磁処理用小ポケツト部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ケース体１の胴部１ａの内面に磁性体２を固
   定し、上記磁性体を被覆するように保持シート
   ３を設け、上記保持シートの一方の縁部３ａ附
   近のみをケース体１の内面に固定し、上記保持
   シートの裏面であつて前記磁性体２に当接する
   位置に着磁性金属片４を固定してなる薄シート
   収納運搬用鞄。 ２ ケース体１の胴部１ａの内面に固定した磁性
   体２は厚みの薄い小板状の多数の磁性体からな
   る請求項１記載の薄シート収納運搬用鞄。 ３ ケース体１の胴部１ａの内面に固定した磁性
   体２は粉末状磁性体を用いてなる請求項１記載
   の薄シート収納運搬用鞄。 ４ ケース体１の胴部１ａの内面に固定した磁性
   体２は厚みの薄い条板状に形成してなる請求項
   １記載の薄シート収納運搬用鞄。 ５ 条板状磁性体２を一条に形成した請求項１又
   は４記載の薄シート収納運搬用鞄。 ６ 条板状磁性体２を複数条に形成した請求項１
   又は４記載の薄シート収納運搬用鞄。 ７ 保持シート３は磁性体２を被覆するに足る巾
   及び長さを有する請求項１、又は２、又は３、
   又は４、又は５、又は６記載の薄シート収納運
   搬用鞄。 ８ 保持シート３は磁性体２の条数に応じた数設
   けてなる請求項１又は４又は５又は６又は７記
   載の薄シート収納運搬用鞄。 ９ 保持シート３の裏面であつて磁性体２と当接
   する位置に設けた着磁性金属片４は厚みの薄い
   金属片である請求項１、又は２、又は３、又は
   ４、又は５、又は６、又は７、又は８記載の薄
   シート収納運搬用鞄。 10 着磁性金属片４は厚みの薄い条板状である請
   求項１、又は２、又は３、又は４、又は５、又
   は６、又は７、又は８、又は９記載の薄シート
   収納運搬用鞄。 11 ケース体１の胴部１ａの内面に磁性体２を固
   定し、上記磁性体を被覆するように保持シート
   ３を設け、上記保持シートの一方の縁部３ａ附
   近のみをケース体１の内面に固定し、上記保持
   シートの裏面であつて前記磁性体２に当接する
   位置に着磁性金属片４を固定してなり、ケース
   本体１の胴部２の内面であつて、前記保持シー
   ト３の固定位置と対向する位置に他の保持シー
   ト５の一方の縁部５ａ寄りを固定し、上記保持
   シート５の開放縁５ｂ側の一部が、前記保持シ
   ート３の開放縁３ｂ側と一部重なり合うように
   延在し、両開放縁側を係止具６により係脱可能
   に構成した薄シート収納運搬用鞄。 12 係止具６はベルベツト式フアスナーである請
   求項１１記載の薄シート収納運搬用鞄。 13 ケース体１に開閉可能に蝶着された他のケー
   ス体１１の胴部１１ａの内面であつて、前記ケ
   ース体１に設けた磁性体２と対向する位置に防
   磁処理１７をほどこしてなる特許請求の範囲１
   又は２、又は３、又は４、又は５、又は６、又
   は７、又は８、又は９、又は10、又は11、又は
   12記載の薄シート収納運搬用鞄。