JPH0439445Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は油圧シリンダ構造に関し、詳しくは、
機械式のクラツチあるいはブレーキ等を操作する
よう構成された比較的小型の油圧シリンダ構造に
関する。

〔従来の技術〕

冒記のように構成される油圧シリンダとして
は、例えばコンバインに備えられる操向制御用の
ものがあり、このものを例に挙げると該油圧シリ
ンダは、左右の走行装置夫々の駆動を独立に制御
できるよう一対用いられると共に、通常は、小型
の単動シリンダと復元用のバネとを１つのケーシ
ングに内装して構成されている（参考文献記載せ
ず）。

〔考案が解決しようとする問題点〕

又、この種の制御用の油圧シリンダは高出力を
必要としないため、比較的小さなケーシングに対
してピストンと前記バネ等が収められることにな
る。

ここでケーシングの構造を考えるに、このよう
に比較的小型の油圧シリンダではケーシングが軽
合金等の材料で鋳造されることから分解できない
構造に製作されることが多い。従つて、このよう
に分解できない構造のケーシングに対して例えば
オイルシールを組込む場合にはピストンロツドが
挿通する開口から治具等を用いて作業を行わねば
ならない等、油圧シリンダの組立に手間の掛るこ
ともあり改善の余地がある。

本考案の目的は合理的な改造によつて、楽に油
圧シリンダを組立てることの可能な構造をできる
だけ簡単に構成する点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の特徴は、ピストンを収める油室と、ピ
ストンロツド及び復帰用のバネを収めるロツド室
とがケーシングに一体形式されると共に、ロツド
室と連通する組込み用の開口が、該ケーシングを
側面から密着支持する支持部材への取付け側面に
形成され、該ケーシングの前記支持部材に対する
取付けによつて前記開口が開塞されるよう構成し
てある点にあり、その作用、及び効果は次の通り
である。

〔作用〕

上記特徴を例えば第１図及び第２図に示すよう
に構成すると、油圧シリンダ８を組立てる場合に
は開口２０ａを介してオイルシール２２の組込み
を行え、又、ピストンロツド８ａが挿通するケー
シング２０の下方からピストンロツド８ａと一体
形成されたピストン８ｂを組込む場合にも、前記
開口２０ａからピストン８ｂの位置を確認し乍ら
ピストン８ｂを挿入でき、又、この開口２０ａが
取付け側面に形成されているため、ケーシング２
０を支持部材２１に取付けるだけで開口２０ａを
開塞できることになる。

〔考案の効果〕

従つて、ケーシングに開口を形成するという極
めて簡単な改造によつて油圧シリンダを楽に組立
てると共に、支持部材にケーシングを取付けるだ
けで開口の開塞が可能な構造が簡単に構成され
た。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第７図に示すように、左右の一対のクローラ走
行装置１を備えた車体２に脱穀装置３を搭載し、
かつ、該車体２の前部右側部に運転座席４等を備
えて成る運転部Ｄを形成し、又、車体２の前端に
刈取前処理部５を昇降自在に連結してコンバイン
を構成する。

同図に示すようにクローラ走行装置１は、駆動
スプロケツト１ａと、多数の遊転輪１ｂ…と、こ
れらに巻回するクローラベルト１ｃとで成り、駆
動スプロケツト１ａは車体２の略中央に配設され
た伝動ケース６から動力が伝えられる。

第６図に示すように伝動ケース６には、左右の
駆動スプロケツト１ａ，１ａ夫々に対する動力を
断続し、かつ、駆動スプロケツト１ａ，１ａを制
御する操向操作用のクラツチブレーキ７，７が内
装され、このクラツチブレーキ７，７は人為操作
力あるいは油圧シリンダ８，８の駆動力で操作で
きるよう構成されている。

つまり、第３図乃至第６図に示すように前記運
転部Ｄには左右一対の操向ペダル９，９が備えら
れ、又、前記伝動ケース６の前面にはクラツチブ
レーキ７，７を操作する揺動アーム１０が備えら
れている。

又、運転部Ｄの下方には、前記揺動アーム１
０，１０夫々とロツド１１，１１を介して連動連
結する揺動部材１２，１２が、前後向き軸芯Ｐ，
Ｐ周りで揺動自在に設けられ、この揺動部材１
２，１２に一体形成したアーム部１２ａ，１２ａ
に前記油圧シリンダ８，８のピストンロツド８
ａ，８ａ及び、前記操向ペダル９，９に連係する
接当ロツド１３，１３が押圧作用するよう夫々が
配置されている。

又、油圧シリンダ８，８の制御系は操向ペダル
９，９の踏込み操作によつて揺動する部材１４，
１４と、スイツチ１５，１５とが接当する位置に
配置され、このスイツチ１５，１５はON操作さ
れることで油圧シリンダ８，８に対する電磁バル
ブ１６を駆動操作するよう連係してあり、操向ペ
ダル９，９のうち、いずれか一方が踏込み操作さ
れると、対応する側の油圧シリンダ８の作動によ
つて前記クラツチブレーキ７をクラツチの切れる
位置まで操作する。

又、操向ペダル８，８は前記油圧シリンダ８，
８の油室S₁，S₁に穿設された排油口１７，１７か
らの排油圧を調節するリリーフバルブ１８の排油
圧を調節するよう、操向ペダル９，９の一方の踏
込み操作によつても操作される接当部材１９を介
してリリーフバルブ１８と連係され、前述のよう
に操向ペダル９をクラツチの切れる踏込み位置よ
り更に踏込むことによつて、前記クラツチブレー
キ７をブレーキの作用する位置まで操作するよう
構成されている。

第１図及び第２図に示すように、前記２つの油
圧シリンダ８，８は１つのケーシング２０に内装
され、油圧シリンダ８，８の組立て作業を楽に行
えるよう以下のように構成されている。

つまり、ケーシング２０には前記２つの油室
S₁，S₁と１つのロツド室S₂とが形成され、前記ピ
ストンロツド８ａ，８ａにはピストン８ｂ，８ｂ
が一体形成され、更に、ケーシング２０にはロツ
ド室S₂と連通する組込み用の開口２０ａが、該ケ
ーシング２０を密着支持する支持部材２１の取付
け側面に形成されている。

そして、油圧シリンダ８，８を組立てる場合に
は前記開口２０ａからオイルシール２２，２２を
前記油室S₁，S₁内に装着した後、ケーシング２０
の下方からピストンロツド８ａ，８ａを挿入し、
かつ、復帰用のバネ２３，２３をピストンロツド
８ａ，８ａに外嵌し、更に下面に押え用のプレー
ト２４を取付けることで完了する。

又、このように組立てられた油圧シリンダ８，
８は支持部材２１に取付けることで、前記開口２
０ａが開塞されるようになつている。

尚、油室S₁，S₁には給油ポート２５，２５を介
して作動油が送られると共に、排油ポート２６を
介して作動油が排出されるように構成されてい
る。

〔別実施例〕

本考案は上記実施例以外に、例えば、１つのケ
ーシングに１つの油圧シリンダを組込んだものに
適用して良く、又、油圧シリンダは、どのような
目的に用いられるものであつても良い。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る油圧シリンダ構造の実施例
を示し、第１図は該油圧シリンダの構造を示す縦
断側面図、第２図は該油圧シリンダの開口を示す
図、第３図は操向ペダル及び揺動部材等を示す
図、第４図は操向ペダルと油圧シリンダとの位置
関係を示す側面図、第５図は揺動部材と接当ロツ
ドとの位置関係を示す平面図、第６図は操向操作
系の概要を示す図、第７図はコンバインの全体側
面図である。 ８ａ……ピストンロツド、８ｂ……ピストン、
２０……ケーシング、２０ａ……開口、２１……
支持部材、２３……バネ、S₁……油室、S₂……ロ
ツド室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ピストン８ｂを収める油室S₁と、ピストンロツ
   ド８ａ及び復帰用のバネ２３を収めるロツド室S₂
   とがケーシング２０に一体形式されると共に、ロ
   ツド室S₂と連通する組込み用の開口２０ａが、該
   ケーシング２０を側面から密着支持する支持部材
   ２１への取付け側面に形成され、該ケーシング２
   ０の前記支持部材２１に対する取付けによつて前
   記開口２０ａが開塞されるよう構成してある油圧
   シリンダ構造。