JPH0438971B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は暖房器等に用いられる燃焼器に関する
ものである。

従来の技術 一般にこの種の燃焼器は第３図に示すようにノ
ズル１より供給した液体燃料を気化筒２内で気化
するとともに空気供給管３から供給された燃焼用
の空気と混合し、この空気と燃料との予混合ガス
を気化筒２上部のバーナボデイ４周壁に設けた多
数の炎孔５より噴出させ燃焼させていた。そして
上記バーナボデイ４の外周に設けたフレームロツ
ド６によつて炎孔５に形成される炎の火炎電流を
検出し、燃焼制御していた。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記従来の構成ではフレームロツ
ド６がその取付公差の関係から炎孔と炎孔との間
に位置することがあり、その際火炎との接触面積
が少なくなつて火炎電流の検出が低下することが
あつた。このフレームロツド検出電流が低いと正
しい燃焼をしているにもかかわらず異常燃焼をし
ていると制御器が判断し燃焼を停止させる。例え
ば空燃比が正しい範囲にもかかわらず燃焼を停止
する。すなわちフレームロツドの火炎検出範囲が
狭くなり、見掛上燃焼巾が狭くなつてくる。

また、酸欠状態の時、18％程度の酸素濃度で燃
焼を停止させたいにもかかわらず、例えば、19.5
％時点で燃焼を停止するような早切れ状態を生じ
る。

このような問題は炎孔の面積を大きくしてフレ
ームロツドが取付公差範囲内で多少移動しても必
ず炎孔と対向するようにすれば解決できるが、こ
の場合は燃焼音が高くなり器具総合騒音レベルを
高める等の問題が生じてくる。また炎孔に配設し
た金網の温度が上昇してこれが赤熱劣化し、耐久
性が低下する問題も生じてくる。

本発明はこのような点を考慮してなしたもの
で、フレームロツドの取付状態が多少変化しても
安定した火炎検出電流が得られるようにすること
を目的としたものである。

問題点を解決するための手段 本発明は上記目的を達成するためバーナボデイ
の周壁に縦長で傾斜状の炎孔を多数設け、この炎
孔のうちフレームロツドに対向する炎孔の下部に
複数個の小穴からなる補助炎孔を設けた構成とし
てある。

作 用 本発明は上記した構成により、フレームロツド
の近傍に形成される火炎は炎孔からの炎に補助炎
孔からの炎が加わつて大きなものとなり、しかも
炎孔に形成される炎も相互緩衝によつて安定かつ
ボリユムの大きなものとなるから、火炎検出電流
が高まるとともに、フレームロツドの取付位置が
多少変化しても火炎検出電流のバラツキは少ない
ものとなる。

実施例 以下本発明の一実施例を第１図、第２図を用い
て説明すると、１１は有底筒状の気化兼混合筒
で、その周壁一部の偏心位置に燃料供給用のノズ
ル１２と燃焼用空気供給用の空気供給管１３が臨
ませてある。１４は上記気化兼混合筒１１に埋設
したヒータ、１５は同気化兼混合筒１１の上部開
口に覆着したバーナボデイで、気化兼混合筒１１
内に突出する狭隘部１６を底部に有する。１７は
上記バーナボデイ１５の周壁に形成した多数の縦
長の炎孔で、その炎孔の一部に対向させてフレー
ムロツド２５が設けてあり、図面からも明らかな
ようにフレームロツド２５に対向する炎孔１７の
下部に複数の小穴からなる補助炎口２６が設けて
ある。またこの炎孔１７は傾斜状に設けて隣の炎
孔に形成される炎が互いに緩衝し合うように配慮
してある。１８は上記バーナボデイ１５の周壁内
外に装着した金網等の多孔筒で、各炎孔間をスポ
ツト溶接１９してバーナボデイ１５に固着してあ
る。２０は上記バーナボデイ１５内に設けた均圧
板、２１は同バーナボデイ１５の上部開口に覆設
した二重バーナキヤツプ、２２は二重バーナキヤ
ツプ２１を固定するためのナツト、２３は炎孔１
７の一つに対向させて設けた点火電極、２４は気
化兼混合筒１１を囲むバーナケースである。なお
上記バーナボデイ１５の外周側壁に装備した多孔
筒１８は、その下端を気化筒１１のフランジ部１
１ａで、又上端はバーナキヤツプ２１の折曲縁２
１ａで覆い、バーナボデイ１５に密着して支持さ
れるようになつている。

上記構成において、ポンプ等によつて気化兼混
合筒１１内に噴出された燃料は、シーズヒータ１
４によつて高温に加熱されている気化兼混合筒１
１内で気化し、送風機等により気化兼混合筒１１
内に送られてくる燃焼用空気と予混合する。この
予混合気化ガスは、気化兼混合筒１１内を旋回し
ながらバーナボデイ１５の狭隘部１６及び均圧板
２０の小孔２０ａを介してバーナボデイ１５内に
噴流し外周壁の炎孔より噴出する。そして適当な
点火手段で点火してやると燃焼を開始し炎孔１７
周辺の多孔筒１８に密着した火炎を形成する。

ここで上記炎孔１７のうちフレームロツド２５
を設けた部分の炎孔下部には複数の補助炎口２６
が設けてあるので、フレームロツド２５付近の火
炎量は多くなり、フレームロツド２５の火炎電流
が増大する。特に本実施例では炎孔１７を傾斜さ
せてあるので隣接し合う炎孔同志の炎が緩衝し、
炎孔同志間の火炎量がその分増加するので火炎電
流はさらに増大する。したがつてフレームロツド
２５の取付位置が多少ばらついてもこれを吸収し
安定した火炎電流を検出することが可能となる。
すなわちフレームロツド２５による火炎検出範囲
は広くなり、その分燃焼巾を広げることができる
ようになる。

また同様に酸欠状態で燃焼を行なつた場合も火
炎検出電流が高まることにより、従来よりも低い
酸素濃度で燃焼を停止させるように設定すること
が可能となる。そして炎孔１７そのものは大きく
することなく小さくして火炎電流を増大している
ので、金網１５の赤熱は少なく、金網の耐久性を
向上させることができるとともに燃焼騒音は逆に
低減することができる。

発明の効果 以上実施例の説明で明らかなように本発明によ
れば、耐久性や騒音特性を損うことなくフレーム
ロツドの火炎検出電流を増大させることが可能と
なる。したがつてフレームロツドの取付位置が多
少ズレしても安定した火炎電流を検出することが
でき、燃焼巾が大きく拡大するとともに、酸欠に
よる早切れ等の誤動作もなくなる。また炎孔を縦
長で傾斜状に設定して各炎孔からの炎が緩衝しあ
うようにしてあるからその分火炎量が多くなると
ともに燃焼も安定し、燃焼特性そのものも向上す
る等、高品質の燃焼器を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における燃焼器の要
部断面図、第２図は同全体の断面図、第３図は従
来例を示す断面図である。 １１……混合部（気化兼混合筒）、１５……バ
ーナボデイ、１７……炎孔、１８……多孔筒。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 空気と燃料とを混合する混合部と、混合部か
   らの混合ガスをその外周壁に設けた複数の炎口で
   燃焼させるバーナボデイと、バーナボデイの周壁
   外周に前記炎口を覆う如く配設した多孔筒とを備
   え、上記炎孔は縦長に形成するとともに傾斜状に
   配列し、かつフレームロツドに対向する上記複数
   の炎孔の下部に複数個の小穴からなる補助炎孔を
   設けた燃焼器。