JPH0438934Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、遠心鋳造機から引抜かれた管を受取
って管引抜経路の側方に搬送するのに用いられる
遠心鋳造設備における管受装置に関する。

従来の技術 第３図は、従来の一般的な遠心鋳造設備の概要
を示す平面図である。この図において、遠心鋳造
機１の管軸方向の一端側には、左右一対のレール
からなる管引抜経路２上を走行可能な管引抜台車
３が配置されている。遠心鋳造機１で鋳造された
管４の引抜きに際しは、管引抜台車３のつかみ爪
５により管４の受口４ａの内面がつかまれる。そ
の後は、管引抜き台車３が矢印Ａ方向へ走行する
ことにより、管４が遠心鋳造機１から引抜かれて
支持ローラ１８に支持され、管引抜経路２と直角
な方向に配置された左右一対の輪台からなる管搬
出経路６の入口部６ａに横付けされる。その際、
管引抜台車３は、ピン７を中心に水平旋回可能な
左右一対のアーム８に突き当たり、このアーム８
を管引抜経路２の側方へ押しのける。かつ管引抜
台車３の通過後は、アーム８はカウンタウエイト
などの付勢力により逆方向に旋回して管４の下に
突出する。その後、つかみ爪５が受口４ａから外
され、支持ローラ１８の下降により、この支持ロ
ーラ１８からアーム８上に管４が移される。ま
た、アーム８上に移された管４は管搬出経路６上
に順次搬送される。

考案が解決しようとする問題点 上記従来の構成では、管引抜台車３がアーム８
に衝突するので、これら管引抜台車３およびアー
ム８が故障しやすいという問題点がある。

そこで本考案は上記問題点を解決し、管引抜台
車がアームに突き当たることによる故障の発生を
防止した遠心鋳造設備における管受装置を提供す
ることを目的とする。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するため本考案は、遠心鋳造
機から引抜かれた管を受取り可能であるとともに
水平方向に旋回可能なアームと、このアームを、
管引抜台車の走行に合わせて、管引抜台車が接近
したときには管引抜経路の側方の待避位置に旋回
させ、かつ管引抜台車の通過後は前記管引抜経路
上の管受取位置に旋回させるアーム駆動装置とア
ーム基部に設けられたピンを中心として斜め上方
に傾動してアーム上の管を管引抜経路の側方へ転
動させるレバーと、アーム内で縦向きに配置され
てレバーを直接昇降させて傾動させるアクチユエ
ータと、アームの側部に取り付けられた台車当り
用のガイドローラとを備え、アームの上辺部をレ
バーの側方近傍まで延設したものである。

作 用 上記構成によれば、アームは、管引抜台車とは
別のアーム駆動装置により開閉、すなわち待避位
置と管受取位置との間で旋回されるので、管引抜
台車がアームに衝突することがない、また、アク
チユエータにてレバーを斜め上方に傾動させるこ
とにより、アーム上の管を管引抜経路の側方へ転
動させることができる。

実施例 以下、本考案の一実施例を第１図〜第２図にも
とづいて説明する。遠心鋳造設備の概要は第３図
に示した従来のものと同様である。図において、
管４を水平に支持する左右一対のアーム８は、そ
の基部が、架台９の前部ブラケツト９ａにピン７
により水平方向に旋回可能に支持されている。ア
ーム駆動装置としての油圧シリンダ１１は、その
シリンダ１１ａがピン１２により架台９の設置台
９ｂに水平方向に旋回可能に取付けられ、かつ、
ピストンロツド１１ｂの先端がピン１３によりア
ーム８の基部突片８ａに連結されている。アーム
８の上部には、架台９上に設けられた管搬出経路
６の導入経路となるレバー１４が配置されてい
る。このレバー１４は、その基部がピン１５によ
りアーム８に上下に揺動自在に取付けられてい
る。さらに、アーム８には、レバー１４のアクチ
ユエータとして作用する油圧シリンダ１６が設け
られている。

上記構成において、アーム８は、管引抜台車３
（第３図参照）の走行に合わせて作動する。すな
わち、第３図に示すように、管引抜台車３が矢印
Ａ方向へ走行することにより、遠心鋳造機１から
管４が引抜かれる。管引抜台車３がアーム８に接
近したときには、この管引抜台車３がマイクロス
イツチなどのセンサで検出されることにより、油
圧シリンダ１１のピストンロツド１１ｂが突出し
て、アーム８が管引抜経路２の側方の待避位置に
向けて旋回される。

管引抜台車３の通過後は、再びセンサの働きで
ピストンロツド１１ｂが後退し、待避位置のアー
ム８が元の管受取位置に向け旋回して管４の下方
に突出する。その後は、管４の引抜時にこの管４
を支持した支持ローラ１８が下降して、その支持
ローラ１８からレバー１４上に管４が移される。
さらに、油圧シリンダ１６の駆動によりレバー１
４が揺動して、管４は、レバー１４上を管搬出経
路６に向けて転動する。

なお、アーム８は、管引抜台車３が遠心鋳造機
１の側へ走行するときにも、これに合わせ上記と
同様に旋回し、管引抜台車３との衝突を回避す
る。さらに、レバー１４は油圧シリンダ１６の駆
動により水平状態に戻る。

また、上記実施例では、何らかの故障により管
引抜台車３がアーム８に突き当たる場合を想定し
て、アーム８に台車当たり用のガイドローラ１７
が設けられている。さらに、そのときの油圧シリ
ンダ１１の背圧を逃がすためのリリーフ弁（図示
せず）が設けられている。また、第１図および第
２図に示すように、アーム８の上辺部はレバー１
４の側方近傍まで延設され、レバー１４の横振れ
が防止されている。

考案の効果 以上述べたように本考案によれば、アームは、
管引抜台車とは別のアーム駆動装置により待避位
置と管受取位置との間で旋回されるので、管引抜
台車とアームとの衝突にもとづく故障の発生を防
止できる。またアームは油圧シリンダーなどのア
ーム駆動装置で駆動されるため、待避位置と管受
取位置での位置決めが確実になされ、従来装置の
ごとき両位置でのアームのブレが防止でき、管引
抜台車の正確な発進が可能となる。また、アクチ
ユエータを縦向きに配置して、レバーを直接アク
チユエータにて押し上げる構造としたので、レバ
ーの軸支点はピン１箇所だけで済み、摩耗も最小
限に抑えられて長寿命となる。さらに、アームの
上辺部によつてレバーの横振れが防止され、ま
た、アームの側部に台車当り用のガイドローラが
取り付けられているため、万一、アームに台車が
当接することがあつても、両者の損傷は防止され
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例にもとづく遠心鋳造
設備における管受装置の正面図、第２図は第１図
の平面図、第３図は従来の遠心鋳造設備の概要を
示す平面図である。 １……遠心鋳造機、３……管引抜台車、４……
管、８……アーム、１１……油圧シリンダ（アー
ム駆動装置）、１４……レバー、１６……アクチ
ユエータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 遠心鋳造機から引抜かれた管を受取り可能であ
   るとともに水平方向に旋回可能なアームと、この
   アームを、管引抜台車の走行に合わせて、管引抜
   台車が接近したときには管引抜経路の側方の退避
   位置に旋回させ、かつ管引抜台車の通過後は前記
   管引抜経路上の管受取位置に旋回させるアーム駆
   動装置と、アーム基部に設けられたピンを中心と
   して斜め上方に傾動してアーム上の管を管引抜経
   路の側方へ転動させるレバーと、アーム内で縦向
   きに配置されてレバーを直接昇降させて傾動させ
   るアクチユエータと、アームの側部に取り付けら
   れた台車当り用のガイドローラとを備え、アーム
   の上辺部をレバーの側方近傍まで延設したことを
   特徴とする遠心鋳造設備における管受装置。