JPH0438234Y2

JPH0438234Y2 -

Info

Publication number: JPH0438234Y2
Application number: JP1986099221U
Authority: JP
Priority date: 1986-06-27
Filing date: 1986-06-27
Publication date: 1992-09-08
Also published as: JPS635396U

Description

【考案の詳細な説明】［技術分野］本考案はコンクリートパネルのような板状の被
焼成物の焼成物の焼成治具に関する。

［背景技術］従来より、コンクリートパネルのような被焼成
物１は、第３図に示すように耐火レンガ９を積み
上げて形成された焼成治具A′に横置きして焼成
されているが、被焼成物１に、特に釉薬を施した
場合には、釉薬処理面にごみなどが付着して良好
な釉薬が得られないという問題があつた。このた
め、第４図に示すように被焼成物１を台車８上で
垂直に保持させて焼成されているが、この場合に
あつては、第５図に示すように被焼成物１の自重
により被焼成物１に反りなどが発生してしまつて
いた。このため、本考案者は既に、第６図に示す
ように耐火物からなる載置台４に垂直材５を立設
し、垂直材５に支持板３を所定の角で傾斜させて
取付けた焼成治具A″を考案して、被焼成物１を
傾斜させて縦置きし、被焼成物１の傾斜側面２を
支持板３に支持させると共に下端を受け台７上に
保持した状態で焼成することにより、被焼成物１
に反りが発生することがなく、しかも被焼成物１
に釉薬を塗布しても釉薬処理面にごみが付着する
こともなく、良好な釉薬を得ることができたが、
それでも、焼成時に被焼成物１が軟化して変形し
たり、支持板３がステンレス鋼板等の金属板であ
るため、焼成時の熱膨張率の差により被焼成物１
に変形や寸法誤差を発生させたり、又、支持板３
の熱容量が大きいため生産効率が低くなつてい
た。

［考案の目的］本考案は上記事情に鑑みて為されたものであ
り、その目的とするところは、被焼成物を傾斜さ
せて縦置きする焼成治具であつて、被焼成物に釉
薬を塗布しても釉薬処理面にごみが付着すること
がないのはもちろんのこと、被焼成物の変形を確
実に防止でき、しかも生産効率の向上をもたらす
焼成治具を提供することにある。

［考案の開示］本考案の焼成治具は、板状の被焼成物１を傾斜
して縦置きすると共に、金属材を埋設した長尺の
耐火レンガ３ａを上下に積層して構成された支持
板３で前記被焼成物１の傾斜側面２を支持するも
のであり、この構成により上記目的を達成できた
ものである。即ち、被焼成物１を傾斜させて縦置
きするので、被焼成物１に釉薬を塗布しても釉薬
処理面にごみが付着することがないのはもちろん
のこと、支持板３は耐火物であり、被焼成物１の
傾斜側面２は支持板３に安定且つ密着して縦置き
され、従つて焼成時に被焼成物１が軟化しても支
持板３により変形を阻止でき、しかも支持板３は
熱容量が小さいため、焼成治具Ａ自体の熱容量も
小さくなつて、生産効率を高めることができる。

以下、本考案を添付の図面に示す実施例に基づ
いて説明する。耐火レンガを敷き詰め、ステンレ
ス鋼板を被覆して形成された載置台４には長手方
向に沿つて略中央部に金属フレームである垂直材
５が立設されており、長手方向両側端部には金属
フレームである支持材６が傾斜されその上端が垂
直材４の上端に連結されて取付けられており、
又、この両側端部からは外側方に受け台７が延出
している。支持材６の外面側には、金属材を埋設
した長尺の耐火レンガ３ａを上下に積み上げて支
持板３が形成されている。支持板３の傾斜角度θ
は87°以下が好ましい。これより傾斜角度が大き
くなると、被焼成物１がその自重により変形を生
じさせてしまう恐れがある。被焼成物１は、例え
ば、1m×3mの大サイズのセラミツクコンクリー
トパネルであり、この被焼成物１が焼成治具Ａの
支持板３に傾斜側面２を当接させると共に下端部
を受け台７に載置させて配置される。このように
して被焼成物１を取付けた複数の焼成治具Ａが、
第２図に示すように、台車８に配置され焼成炉内
に搬入され、被焼成物１が、例えば900℃、12時
間かけて焼成される。

［考案の効果］本考案にあつては、板状の被焼成物を傾斜して
縦置きすると共に、金属材を埋設した長尺の耐火
レンガを上下に積層して構成された支持板で前記
被焼成物の傾斜側面を支持するもので、例えば釉
薬を塗布しても釉薬処理面にごみが付着すること
がないのは勿論のこと、支持板は長尺の耐火レン
ガを上下に積層して構成されているので、その耐
火レンガの積層数を変えることにより、板状の被
焼成物の傾斜側面の面積の広狭に応じて任意の面
積の広さを有する支持板を構成することができ、
そのうえ耐火レンガには金属材が埋設されている
ので、支持板の機械的な強度を大きくすることが
できて、重量の大きな被焼成物であつても破損す
ることがなく安全に支持することができ、且つ被
焼成物をその傾斜側面を支持板に安定且つ密着し
て縦置きでき、従つて焼成時に被焼成物が軟化し
ても支持板によりその変形を阻止でき、しかも支
持板は熱容量が小さいため、焼成治具自体の熱容
量も小さくなつて、生産効率を高めることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図は同上による被焼成物の配置を示す斜視図、第
３図は従来例を示す正面図、第４図及び第５図は
他の従来例及びその問題点を示す正面図、第６図
は本考案者により本考案の完成過程で開発された
焼成治具の一例を示す正断面図であつて、Ａは焼
成治具、１は被焼成物、２は傾斜側面、３は支持
板である。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

板状の被焼成物を傾斜して縦置きすると共に、
金属材を埋設した長尺の耐火レンガを上下に積層
して構成された支持板で前記被焼成物の傾斜側面
を支持するようにした焼成治具。