JPH0437996Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、排土圧送ポンプに適用される土砂撹
拌装置に係り、特に撹拌羽根部分が撹拌される土
質に適合して交換できる排土圧送ポンプの土砂撹
拌装置に関する。

〔従来の技術〕

トンネル掘削などにおいて、シールド掘進機に
より掘削された土砂は、水等を混合することで圧
送され易い性状に変質された後、排土圧送ポンプ
により輸送管を通してトンネル外へ搬送される。
この場合、土砂を圧送し易い性状に変質するに
は、推進掘削機からコンベアにより排土圧送ポン
プのホツパ内に順次投入される土砂をホツパ内に
撹拌羽根を設けて成る撹拌装置により水と良く撹
拌する必要がある。

従来、上記のような排土圧送ポンプ用土砂撹拌
装置は、第５図に示すように底部にバルブ収容部
１を一体に形成したホツパ２を有し、ホツパ２の
上部開口内には、投入土砂を撹拌する撹拌羽根３
を水平にかつ回転可能に取り付け、この撹拌羽根
３は図示しない駆動装置により回転駆動される。

また、上記バルブ収容部１内には、一端がバル
ブ収容部１の一側壁に形成した吐出口１ａに回転
可能に支持され、他端がバルブ収容部１の他側壁
に形成したポンプ接続口１ｂ，１ｃに切替え接続
されるバルブ４が配置され、さらにポンプ接続口
１ｂ，１ｃには、排土圧送ポンプ５を構成する排
土砂給送シリンダ５ａ，５ｂが連結されている。

上記構成の排土圧送ポンプ用撹拌装置におい
て、ホツパ２の上方から土砂がホツパ２内に投入
されると、土砂は回転する撹拌羽根３により撹拌
され、同時に注入される水と混合されて比較的流
動し易い土砂に変質される。変質されたバルブ収
容部１内の土砂は、油圧シリンダ５ｃ，５ｄによ
り交互に往復動される排土砂給送シリンダ５ａ，
５ｂの後退動作により、ポンプ接続口１ｂ，１ｃ
から吸入され、そして、排土砂給送シリンダ５ａ
及び５ｂ内に吸入された土砂は、バルブ４がポン
プ接続口１ｂ又は１ｃに切替え接続されている時
に、バルブ接続側の排土砂給送シリンダ５ａ又は
５ｂをそれぞれの油圧シリンダ５ｃ又は５ｄによ
り前進動作させることで吐出口１ａから図示しな
い輸送管へ送り出す。以下、上記の動作を繰り返
すことで土砂を圧送することになる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

一般に、圧送される土砂の性状は粘り気の大き
い粘土から砂礫土まで種々あり、これに伴い撹拌
装置の撹拌羽根を土砂の性状に合つたものにしな
いと、圧送に適合した撹拌ができなくなると共
に、撹拌不足により排土圧送ポンプの圧送に支障
を来す。従つて、撹拌羽根を土砂の性状に合つた
形状のものにする必要がある。

しかるに、上記のような従来の土砂撹拌装置で
は、これを構成する撹拌羽根を有する撹拌機部分
とバルブ収容部分とが一体構造になつているた
め、土砂の性状に適合させるようにすると、少な
くとも撹拌装置全体を他のものに交換しなければ
ならず、その交換作業が煩雑化してするほか、撹
拌羽根部分の異なる撹拌装置を土砂の性状、種類
に合わせて複数設備しておかなければならず、そ
の設備及び管理コストが増大する問題があつた。

〔考案の目的〕

本考案は上記のような問題点がを解決したもの
で、撹拌機部分とバルブ収容部分とを分離可能に
して、対象土砂に簡単に対処できるようにすると
共に、設備及び管理コストの低減を可能にした排
土圧送ポンプの土砂撹拌装置を提供することを目
的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案に係る排土圧送ポンプの土砂撹拌装置
は、上部が開口された有底のバルブハウジングを
有すると共に該バルブハウジング内に配置され、
排土給送シリンダをバルブハウジング内及び輸送
路系へ切替え接続するバルブを有するバルブ収容
部分と、上記バルブ収容部分のバルブハウジング
開口に下端の開口部が着脱可能に結合されかつ内
部が上記バルブハウジング内に連通するホツパを
有すると共に、該ホツパ内に回転可能に支持され
た土砂の性状に合わせたそれぞれ異なる撹拌羽根
及び該撹拌羽根の回転駆動源を有する複数個の撹
拌機部分とを備え、これら撹拌機部分が相互に交
換自在とされたものである。

〔考案の作用〕 本考案においては、撹拌機部分がバルブ収容部
分に対し着脱可能になつているから、撹拌機部分
を土砂の性状に合つた撹拌羽根を有するものを
種々用意し、これら撹拌機部分を交換することに
より撹拌装置を土砂の性状に合つたものに低コス
トで構成し得る。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の実施例を図面について説明す
る。

第１図乃至第３図は本考案にかかる排土圧送ポ
ンプ用土砂撹拌装置の一例を示すもので、第１図
において、全体符号１０で示す土砂撹拌装置は、
撹拌機部分１１及びこれに対し着脱可能にしたバ
ルブ収容部分１２を有し、バルブ収容部分１２に
は、排土圧送ポンプ５の一対の排土砂給送シリン
ダ５ａ，５ｂが連結されている。

上記撹拌機部分１１は、比較的硬い粘性土の撹
拌に適用されるもので、第２図及び第３図に示す
ように上面が開口された四角形状のホツパ１３を
有し、このホツパ１３の底部には、一方に片寄つ
て開口１４が形成されており、この底部の開口１
４には上記バルブ収容部分１２にボルト・ナツト
等により着脱可能に結合できるフランジ１５が設
けられている。また、ホツパ１３内には、一対の
撹拌羽根１６，１７がホツパ１３の長手方向に沿
つて水平にかつ平行に配置されており、この各撹
拌羽根１６，１７は、ホツパ１３の両側壁に設け
た軸受１８ａ，１８ａ，１８ｂ，１８ｂによつて
回転可能に両持ち支持された一対の撹拌軸１６
ａ，１７ａ及びこれら撹拌軸１６ａ，１７ａの外
周に、該軸に対して直交する放射方向に向け、か
つ軸方向に取付位置をずらし、さらに軸に直交す
る面に対し板面を傾斜させて突設した多数の平板
状の撹拌子１６ｂ，１７ｂとから成り、一方の撹
拌羽根１６の撹拌軸１６ａは、ホツパ１３の外側
部に組み付けた減速機付き電動機１９の出力軸１
９ａにカツプリング２０を介して連結され、さら
に各撹拌軸１６ａ，１７ａには互いに噛合する歯
車２１，２２を固着し、これによつて互いに撹拌
子１６ｂ，１７ｂの板面を反対方向に傾斜させた
一対の撹拌羽根１６、１７を互いに内側方向へ回
転できるようにしてある。

上記バルブ収容部分１２は、第１図に示すよう
に上面が開口された有底のハウジング２３を有
し、ハウジング２３の上面開口縁には、上記撹拌
機部分１１のホツパ１３のフランジ１５に着脱可
能に結合されるフランジ２４が形成されており、
そして、ハウジング２３内には、一端がハウジン
グ２３の一側壁に形成した吐出口２３ａに回転可
能に支持され、他端がハウジング２３の他側壁に
形成したポンプ接続口２３ｂ，２３ｃに切替え接
続される折曲パイプ状のバルブ２５が配置されて
いる。このバルブ２５はハウジング２３の外側に
設けたスイングシリンダ２６によつて各ポンプ接
続口２３ｂ，２３ｃに交互に切替え接続されるも
のである。

また、各ポンプ接続口２３ｂ，２３ｃには、従
来と同様に排土圧送ポンプ５を構成する排土砂給
送シリンダ５ａ、５ｂが連結されている。この各
排土砂給送シリンダ５ａ、５ｂは、それぞれの油
圧シリンダ５ｃ，５ｄによりピストン５a₁，５b₁
を往復動作することで撹拌土砂の吸込み、送出し
を交互に行なうものである。

次に、上記のように構成された本実施例の動作
について説明する。

トンネルのシールド掘進機などにより掘削され
た土砂を排土圧送ポンプ５により搬出する場合
は、まず減速機付き電動機１９を起動して、撹拌
羽根１６，１７を回転させ、図示しないシールド
掘進機などにより掘削した土砂を図示しないコン
ベア等により撹拌装置１０の上方からホツパ１３
内に投入する。ホツパ１３内に投入された土砂
は、同時に注入される水と混合撹拌され、圧送に
適した性状の土砂に変質されてバルブ収容部分１
１のハウジング２３内に導入充填される。

ここで、排土圧送ポンプ５が動作することによ
り、排土砂給送シリンダ５ａのピストン５a₁が油
圧シリンダ５ｃにより後退動作すると、開放する
ポンプ接続口２３ｂからハウジング２３内の土砂
が吸い込まれ、そして排土砂給送シリンダ５ｂの
ピストン５b₁が油圧シリンダ５ｄにより前進動作
されることで、撹拌土砂給送シリンダ５ｂ内に吸
い込まれている土砂がポンプ接続口２３ｃからバ
ルブ２５及び吐出口２３ａを通して、図示しない
輸送管へ送り出される。

また、上記と逆に、土砂を吸い込んだ排土砂給
送シリンダ５ａの側のポンプ接続口２３ｂにバル
ブ２５をスイングシリンダ２６により切替え接続
すると共に、撹拌土砂給送シリンダ５ａのピスト
ン５a₁を油圧シリンダ５ｃにより前進動作させる
ことで撹拌土砂給送シリンダ５ａ内の土砂を輸送
管へ送り出し、これと同時に、排土砂給送シリン
ダ５ｂのピストン５b₁を油圧シリンダ５ｄにより
後退動作させて、ハウジング２３内の土砂をポン
プ接続口２３ｃから吸い込む。以下、同様にして
排土砂給送シリンダ５ａ，５ｂを互いに逆に進退
動作させると共にバルブ２５を前進側の排土砂給
送シリンダ側へ交互に切替え接続することによ
り、ハウジング２３内の土砂を連続して圧送する
ことになる。

次に、上記硬い粘性土と異なる性状の土砂、例
えば砂礫土を撹拌して圧送する場合について述べ
る。この場合、砂礫土の攪拌に適用される撹拌機
部分１１Ａを第４図に示す。

図において、撹拌機部分１１Ａは、第２図に示
す実施例の場合と同様に底部に開口３０ａを有
し、その周囲のフランジ３０ｂがバルブ収容部分
１２のハウジング２３のフランジ２４に対して着
脱可能にボルト・ナツト等により連結される四角
状のホツパ３０と、このホツパ３０内の開口３０
ａ上に位置して、ホツパ３０の相対向する側壁間
に水平にかつ回転可能に支持した砂礫土用の撹拌
羽根３１と、ホツパ３０の外側に設置した撹拌羽
根回転用の減速機付き電動機３２とから構成さ
れ、電動機３２の回転は、その出力軸３２ａに固
定したスプロケツト３２ｂと、撹拌羽根の軸３１
ａに固定したスプロケツト３４及びこれらスプロ
ケツト３２ｂ，３４間に巻き掛けたチエーン３５
を介して撹拌羽根３３に伝達されるようになつて
いる。上記撹拌羽根３３は、軸３１ａに対し、放
射方向および軸方向に適宜間隔をあけて突設した
アーム３１ｂの先端に、該軸３１ａの直交面に対
して傾斜させてパドル３１ｃを固定してなるもの
である。また、３６はホツパの上部開口に設けた
格子である。

上記のように構成された撹拌機部分１１を用い
て砂礫土用の撹拌装置１０とする場合は、第１図
に示す粘性土用撹拌機部分１１を、ボルト・ナツ
ト等を外してバルブ部分１２から取り外し、これ
に代えて第４図に示す砂礫土用撹拌機部分１１Ａ
を取り付ける。

従つて、この実施例にあつては、排土圧送ポン
プの撹拌装置１０を砂礫土用にする時は撹拌機部
分だけを交換すれば良く、その他のバルブ収容部
分１２及び排土圧送ポンプ５を兼用し得るのであ
る。このことは、撹拌される土砂の性状に適合し
た撹拌機部分を種々用意しておけば良いので、設
備費が軽減され、交換の手数も軽減されることに
なる。

なお、本考案における撹拌機部分は、上記実施
例に示したものに限らず、特に軟が粘性土等に適
用し得るスクリユー方式の撹拌羽根を備えたもの
などが種々あることは勿論である。

〔考案の効果〕

以上のように本考案においては、撹拌される土
砂の性状に適合した種々の形態の撹拌羽根を持つ
撹拌機部分と、排土圧送ポンプ用のバルブ収容部
分とを着脱可能にし、撹拌機部分を土砂の性状に
合わせて交換することにより撹拌装置を構成する
ようにしたので、対象土砂に合つた撹拌装置を容
易に得ることができると共に、撹拌機部分のみを
撹拌機能の異なるものを複数設備するだけで良い
ため、対象土砂に適合する種々の撹拌装置を得る
ための設備費が軽減できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る排土圧送ポンプの土砂撹
拌装置の一例を示す全体の斜視図、第２図は本考
案における撹拌子部分の一例を示す平面図、第３
図はその縦断側面図、第４図は本考案における撹
拌子部分の他の実施例を示す平面図、第５図は従
来の排土圧送ポンプの土砂撹拌装置の斜視図であ
る。 ５……排土圧送ポンプ、５ａ，５ｂ……排土砂
給送シリンダ、５ｃ，５ｄ……油圧シリンダ、１
０……撹拌装置、１１……撹拌機部分、１２……
バルブ収容部分、１３，３０……ホツパ、１４，
３０ａ……開口、１５……フランジ、１６，１
７，３３……撹拌羽根、１９，３２……減速機付
き電動機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部が開口された有底のバルブハウジングを有
   すると共に該バルブハウジング内に配置され、排
   土給送シリンダをバルブハウジング内及び輸送路
   系へ切替え接続するバルブを有するバルブ収容部
   分と、上記バルブ収容部分のバルブハウジング開
   口に下端開口部が着脱自在に結合されかつ内部が
   上記バルブハウジング内に連通するポツパを有す
   ると共に、該ホツパ内に回転可能に支持された土
   砂の性状に合わせたそれぞれ異なる撹拌羽根及び
   該撹拌羽根の回転駆動源を有する複数個の撹拌機
   部分とを備え、これら撹拌機部分が相互に交換自
   在とされたことを特徴とする排土圧送ポンプの土
   砂撹拌装置。