JPH043712Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、連続鋳造を開始する時に使用される
ダミーバーが、測長ロール押付け力により鋳片か
ら外れることを防止するためのダミーバー押え装
置に関するものである。

「従来の技術」 連続鋳造設備においては、第２図に示されるよ
うに、連続鋳造を開始するに際してダミーバー１
の頭部鉤状片２が鋳型３の中に挿入され、タンデ
イツシユ４の底部から鋳型３に注入された溶鋼５
が、鉤状片２に係合され、凝固される。そして、
第３図に示されるように、鉤状片２に係合された
溶鋼５が鋳片６として多数のロール７により鋳型
３の間から引出され、鋳片６が所定の長さに達し
て大径ロール７を通過した後に、突上げシリンダ
８により鉤状片２を突上げることによつて、多数
の関節状片９からなるダミーバー１の鉤状片２が
鋳片６から外される。しかしながら、鋳片６の長
さを測定するために、測長ロール１０が大径ロー
ル７の間に配置されており、その測長ロール１０
をエアシリンダ１１によつてダミーバー１に押し
付ける力により、ダミーバー１の鉤状片２が鋳片
６から外れることがあるので、鋳片６の進行が中
断され連続鋳造が円滑に行なわれない場合が生ず
るという問題があつた。

「考案が解決しようとする問題点」 本考案は、上記の問題を解決するためになされ
たものであり、測長ロールの押し付け力でダミー
バーの頭部鉤状片が鋳片から外れるのを防止する
ためのダミーバー押え装置を提供することを目的
とする。

「問題点を解決するための手段」 しかして、本考案によれば、第１のエアシリン
ダによりダミーバーに接触可能に設けられた測長
ロールと、その測長ロールと上下に対向した位置
において、第２のエアシリンダによりダミーバー
を押し付け可能に配設された押付ロールと、前記
両エアシリンダに同一の空気圧源から圧力空気を
供給可能に接続された空気圧管路とを備えること
を特徴とするダミーバー押え装置が提供される。

「作用」 上記構成によれば、両エアシリンダに等圧の圧
力空気が供給され、測長ロールに対向して設けら
れた押付ロールにより、ダミーバーの頭部鉤状片
が押えられ鋳片から外れることを防止されると共
に、測長ロールはダミーバーに所要の押付け力で
接触される。

「実施例」 次に、本考案の実施例を第１図および従来技術
を示す第３図について説明する。

測長ロール１０は、エアシリンダ１１によりダ
ミーバー１に接触可能に設けられている。押付ロ
ール１２が、測長ロール１０と上下に対向した位
置においてエアシリンダ１３によりダミーバー１
に押し付け可能に配設されている。測長ロール１
０にはパルス発信機１４が連結されており、パル
ス発信機１４から発生されたパルスはデジタル・
アナログ変換回路またはパルス・カウンタなどに
よる制御回路１５に導入され、制御回路１５の出
力信号は電磁バルブ１６に導入されており、電磁
バルブ１６の開閉により突上げシリンダ８の作動
が制御される。

測長ロール１０を作動させるエアシリンダ１
０、および押付ロール１２を作動させるエアシリ
ンダ１３は同一のシリンダ径を持つたエアシリン
ダであり、両エアシリンダ１１，１３には、同一
の空気圧源１７か四方切替弁１８を介して圧力空
気を供給可能に空気圧管路１９が接続されてい
る。また、エアシリンダ１１，１３の低圧室側は
排気管路２０および切替弁１８を介して大気に連
通可能にされている。

「作動」 上記構成において、ダミーバー１が大径ロール
７により駆動され連続鋳造が開始されると、切替
弁１８が第１図に示されるごとく切替えられ、空
気圧源１７からの圧力空気が切替弁１８および空
気圧管路１９を介して、エアシリンダ１１，１３
の高圧室側に等圧の圧力空気として供給されると
共に、両エアシリンダ１１，１３の低圧室側は排
気管路２０および切替弁１８を通して大気に開放
される。したがつて、測長ロール１０および押付
ロール１２は等しい押付け力によりダミーバー１
に押し付けられるため、多数の関節状片９からな
るダミーバー１は極めて円滑に測長ロール１０お
よび押付ロール１２の間を通過して大径ロール７
により進行方向へ引出される。第１図に示される
ように、ダミーバー１の頭部鉤状片２が測長ロー
ル１０および押付ロール１２の間まで進行した時
にも、鉤状片２が測長ロール１０により押し上げ
られる力は、押付ロール１２が鉤状片を押し下げ
る力と釣合い均衡が保たれているため、鉤状片２
が鋳片６から外されるようなことがない。そし
て、第３図に示されるように、鋳片６が所要の長
さまで連続鋳造されたとき、パルス発信機１４お
よび制御回路１５を介して電磁バルブ１６が作動
され、突上げシリンダ８により鉤状片２が上方へ
突上げられることにより、鉤状片２と鋳片６との
係合が外される。

なお、鋳片６が測長ロール１０と押付ロール１
２の間にまで進行し鉤状片２と鋳片６との係合が
外された以後において、切替弁１８が第１図図示
の下方へ切替えられると、空気圧管路１９が切替
弁１８を介して大気に開放され、排気管路２０に
空気圧源１７から圧力空気が供給されるため、エ
アシリンダ１１および１３が収縮し測長ロール１
０および押付ロール１２は鋳片６の表面から引き
離される。

「その他の実施例」 鉤状片２と鋳片６の係合が外された後において
も、測長ロール１０のみは鋳片６の下面に接触さ
れ、図示されないシヤーにより鋳片６を切断する
際の測長信号を発生するために使用されてもよ
く、このためには、測長ロール１０のエアシリン
ダ１１に別途の切替弁を介して空気圧源１７の圧
力空気が導入されると共に、制御回路１５の出力
側が切替スイツチ手段を介してシヤー作動回路に
切替接続されるように構成される。

「効果」 以上述べたごとく、本考案のダミーバー押え装
置は上記の構成を有するから、測長ロールの押し
付け力によりダミーバーの頭部鉤状片が鋳片から
外れることが防止され、円滑に連続鋳造を行なう
ことができるという優れた効果ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す構成図、第２図
および第３図は従来技術を示す断面図である。 １……ダミーバー、２……頭部鉤状片、６……
鋳片、１０……測長ロール、１１，１３……エア
シリンダ、１２……押付ロール、１６……空気圧
源、１９……空気圧管路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 第１のエアシリンダによりダミーバーに接触可
   能に設けられた測長ロールと、 その測長ロールと上下に対向した位置におい
   て、第２のエアシリンダによりダミーバーを押し
   付け可能に配設された押付ロールと、 前記両エアシリンダに同一の空気圧源から圧力
   空気を供給可能に接続された空気圧管路と、 を備えることを特徴とするダミーバー押え装置。