JPH0436957B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 この発明は、プラスチツク製キヤツプなどのプ
レスクリユキヤツプをプラスチツク容器に装着す
るに好適に用いられるキヤツプ装着装置に関す
る。

〔従来技術と発明が解決しようとする課題〕

近時、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹
脂などのプラスチツク材料で作られたプラスチツ
ク製容器が丈夫で、軽いなどの点で広く採用され
つつある。このようなプラスチツク製容器にプラ
スチツクキヤツプなどのような予めネジが形成さ
れたプレスクリユキヤツプを装着する場合には、
キヤツピングマシンのスピニングヘツドセツトで
プレスクリユキヤツプを所定の締めつけトルク
（閉栓トルク）が得られるように螺着する必要が
ある。

このスピニングヘツドセツトによるキヤツプの
螺着工程の終りでは、キヤツプをかなり大きな力
でねじ込むことになり、この回転力によつて容器
自体が回転してしまうことがある。このように容
器自体の回転が発生すると、所定の締めつけトル
クが得られず、内容物の漏出を来す恐れがある。

このような不都合を防止するには、キヤツプの
螺着中、容器を何んらかの方法で回転しないよう
に固定すればよいことになる。従来のガラス瓶な
どでは、容器自体が剛性があつてしつかりしてい
るので、容器胴部をゴム製部材で一時的に固定し
てやれば上記目的は達成できる。しかしながら、
プラスチツク製容器では、胴部が薄肉に形成され
ており変形し易いので、胴部を固定すると、変形
して内容物が口部から溢れ出ることになり、この
方法は採用し得ない。また、キヤツピングマシン
のスピニングヘツドセツトが設けられるセンター
スターのターンテーブルの表面にゴムパツドを敷
設して容器とターンテーブルとの密着性を高くし
て容器自体の回転を防止することも考えられる
が、この方法では十分な回転防止効果を得ること
はできない。

この発明は上記事情に鑑みてなされたもので、
プレスクリユキヤツプ螺着時に胴部が変形しない
状態で確実にプラスチツク容器の回転を防止でき
るうえに、キヤツプ螺着が完了した後は容器を懸
吊機構から円滑に解放して次工程に送ることがで
きるキヤツプ装着装置を提供することを目的とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

この発明のキヤツプ装着装置では、懸吊機構の
プラスチツク容器のフランジ部下面と接する部分
に、該フランジ部下面に係合して該容器のキヤツ
プ螺着方向への回動を阻止する回動防止部を設け
ると共に、キヤツプ螺着完了位置より後方側に、
懸吊状態のプラスチツク容器の底面より低い位置
から始まり容器搬送方向に沿つて漸次上昇して前
記フランジ部下面と回動防止部との係合が解除す
る高さにプラスチツク容器を保持できる高さ位置
に達する傾斜面を設けることによつて前記目的を
達成した。

〔作用〕

本発明のキヤツプ装着装置では、プラスチツク
容器はフランジ部が懸吊機構に支承された状態で
搬送される。この懸吊機構に設けられた回動防止
部と容器のフランジ部下面とは、容器の自重によ
り、またキヤツピング時のトツププレツシヤーに
よつて強く係合するので、キヤツプ螺着時には容
器の回転が確実に防止される。またこの様に懸吊
状態の容器のフランジ部下面が回転防止部に係合
するので、胴部に負荷が加わらない状態で容器の
回転が阻止される。

このようにフランジ部下面と回動防止部との係
合により回転を防止しつつキヤツプの螺着が完了
すると、懸吊機構で搬送される容器の底部が傾斜
面に当接する。すると容器は搬送に伴つて傾斜面
を滑り上がる。その結果、容器は上昇しフランジ
部下面が回動防止部から離れ、容器が解放され
る。

〔実施例〕

以下、図面を参照してこの発明を詳しく説明す
る。

第１図ないし第３図はこの発明の装置の一実施
例を示すもので、図中符号１はプラスチツク製容
器（以下、プラボトルと言う）である。このプラ
ボトル１は、二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂などの合成樹脂よりなり、その口部にはネ
ジ部１ａが形成され、また首部には鍔状のフラン
ジ部１ｂが形成されており、口部および首部は胴
部よりも厚肉となつており、十分な剛性を有して
いる。

このプラボトル１…は、図示しないスクリユコ
ンベアなどの搬送手段によつて、キヤツピングマ
シンのインテークスター２に順次送り込まれる。
このインテークスター２は、このアツパースター
ホイール２ａの各ポケツトの径が小さくなつてお
り、プラボトル１の首部のフランジ部１ｂの下側
の部分が嵌り込む寸法となつている。また、イン
テークスター２のアツパースターホイール２ａと
ターンテーブル２ｂとの間の距離が、プラボトル
１のフランジ部１ｂから底部１ｃまでの長さより
も若干大きくなつている。よつて、インテークス
ター２に送られたプラボトル１は、第１図に示す
ようにアツパースターホイール２ａの上面にプラ
ボトル１のフランジ部１ｂが係止し、かつプラボ
トル１の底部１ｃがターンテーブル２ｂ表面から
離れた状態、すなわちプラボトル１のフランジ部
１ｂで懸吊状態で移送されることになる。そし
て、この状態のプラボトル１には、そのインテー
クスター２での移送中にキヤツプリリース３から
供給されるプラスチツク製キヤツプなどのプレス
クリユキヤツプ４がその口部に被着される。

ついで、プレスクリユキヤツプ４が被着された
プラボトル１は、インテークスター２からセンタ
ースター５に転送される。このセンタースター５
は、懸吊機構としてのアツパースターホイール５
ａとターンテーブル５ｂとによつて構成されてい
る。これらアツパースターホイール５ａとターン
テーブル５ｂとの間の距離がプラボトル１のフラ
ンジ部１ｂと底部１ｃまでの長さよりも大きくな
つており、かつアツパースターホイール５ａおよ
びターンテーブル５ｂとはインテークスター２の
アツパースターホイール２ａおよびターンテーブ
ル２ｂよりもいずれも低い位置に配置されてい
る。このため、プラボトル１は、インテークスタ
ー２からセンタースター５にそのフランジ部１ｂ
で懸吊されたままの状態で一段低いセンタースタ
ー５のアツパースターホイール５ａに移されるこ
とになり、この移送の際、インテークスター２の
ターンテーブル２ｂからセンタースター５のター
ンテーブル５ｂの上方にかけて設けられたスライ
ダー２ｃを滑り落ちてゆく。

また、このセンタースター５のアツパースター
ホイール５ａの各ポケツト５ｃは、その径がプラ
ボトル１の首部が嵌り込む寸法となつているとと
もに第２図および第３図に示すように回動防止部
としての回転止め刃部６が形成されている。この
回転止め刃部６は、２枚の円板状の丸刃６ａ，６
ａを止めネジ６ｂ，６ｂによつて切刃部の一部が
ポケツト５ｃの内周面よりも若干突出するよう
に、ポケツト５ｃの内周面の両端部付近に固着し
たものである。また、このセンタースター５のア
ツパースターホイール５ａの外方には、このホイ
ール５ａの外周面に対して所定の間隔を置いて平
行に、第２図中一点鎖線で示したようなセンター
ガイド７が設けられている。このセンターガイド
７は、その側面部がアツパースターホイール５ａ
に懸吊されたプラボトル１のフランジ部１ｂに接
触するようにその位置が定められており、プラボ
トル１をポケツト５ｃ内に押し込み正しく位置せ
しめるようになつている。

かくして、センタースター５に転送されたプラ
ボトル１は、その首部がアツパースターホイール
５ａの各ポケツト５ｃ内に正しく押し込められ
る。この状態において、センタースター５の回転
に同期して上方からキヤツプ螺着機構としてのス
ピニングヘツドセツト８が降下し、プレスクリユ
キヤツプ４がこのスピニングヘツドセツト８で加
圧されながら回転せしめられる。スピニングヘツ
ドセツト８によるプラボトル１に対する下方への
押圧と、センターガイド７によるプラボトル１の
ポケツト５ｃへの押し込みとによつて、プラボト
ル１は、その首部およびフランジ部１ｂ下面に回
転止め刃部６が食い込み、フランジ部１ｂで懸吊
されかつ首部で回転不能に固定された状態とな
る。これによつて、プラボトル１は確実に固定さ
れ、プレスクリユキヤツプ４がスピニングヘツド
セツト８によつて口部のネジ部１ａに所定の締め
つけトルクが得られるように螺着される。

ついで、スピニングヘツドセツト８が上昇して
プレスクリユキヤツプ４から離れ、キヤツプ４の
装着が完了すると、このプラボトル１はセンター
スター５からデイスチヤージスター９に転送され
る。このプラボトル１がセンタースター５からデ
イスチヤージスター９に転送される箇所には、ス
ライダー５ｄが架設されている。このスライダー
５ｄは、第１図に示すように、アツパースターホ
イール５ａに懸吊されているプラボトル１の底部
１ｃより低い位置から始まり、プラボトル１の搬
送方向に沿つて漸次上昇して、前記フランジ部１
ｂの下面と回転止め刃部６との係合が解除する高
さにプラボトル１を保持できる高さ位置に達する
傾斜面を形成するものである。

搬送されるプラボトル１は、転送の途中その底
部１ｃがスライダー５ｄに接して、このスライダ
ー５ｄ上を滑り上がり、その位置が高くなる。す
ると、プラボトル１の首部も上方に移動し、アツ
パースターホイール５ａの上面からフランジ部１
ｂが離れ、プラボトル１がその底部１ｃで自立し
た状態になるとともに、回転止め刃部６から首部
が離れて固定状態から解除された状態となる。そ
して、プラボトル１が自立し、かつその固定から
解放された状態でデイスチヤージスター９に移さ
れる。

このようなキヤツプ装着装置にあつては、厚肉
で機械的強度の高いフランジ部１ｂでプラボトル
１を懸吊し、かつ首部およびフランジ部下面に回
転止め刃部６の丸刃６ａを食い込ませてボトル１
を回転不可能に係止していので、プラボトル１は
自重により、またキヤツピング時のトツププレツ
シヤーによつて回転止め刃部６と強く係合する。
従つて、このキヤツプ装着装置によれば、キヤツ
プ螺着時にプラボトル１の回転が確実に防止され
る。

またこの様に懸吊状態のプラボトル１のフラン
ジ部１ｂの下面で回転を防止するので、胴部に負
荷が加わらない状態でプラボトル１の回転を阻止
できる。従つてこのキヤツプ装着装置によればキ
ヤツプ螺着時にプラボトル１の変形する事故を回
避でき、内容物が溢れでるといつた事故を防ぐこ
とができる。

しかもこのキヤツプ装着装置では、センタース
ター５からデイスチヤージスター９へプラボトル
１を転送する部分にスライダー５ｄが設けられて
いるので、キヤツプ４が螺着されたプラボトル１
はこのスライダー５ｄを傾斜面を滑り上がつて上
昇する。その結果プラボトル１のフランジ部１ｂ
下面と回転止め刃部６の係合が抵抗なく解除され
る。従つてこのキヤツプ装着装置は、キヤツプ４
が装着されたプラボトル１をアツパースターホイ
ール５ａから円滑に取り外して、デイスチヤージ
スター９に移動させることができる。

なお、プラボトル１の回転を防止する回動防止
部は、上記回転止め刃部６以外に、例えばボトル
１のフランジ部１ｂ下面に形成されたローレツト
に係合するローレツト溝などであつても良い。

〔発明の効果〕

以上説明したように、この発明のキヤツプの装
着装置は、懸吊機構のプラスチツク容器のフラン
ジ部下面と接する部分に、該フランジ部下面に係
合して該容器のキヤツプ螺着方向への回動を阻止
する回動防止部が設けられた装置なので、懸吊機
構の回動防止部と容器のフランジ部下面とは、容
器の自重により、またキヤツピング時のトツププ
レツシヤーによつて強く係合し、キヤツプ螺着時
の容器回転が確実に防止される。またこの様に本
発明のキヤツプ装着装置では、懸吊状態の容器の
フランジ部下面が回転防止部に係合するので、胴
部に負荷が加わらない状態で容器の回転が阻止さ
れ、キヤツプ螺着時にプラスチツク容器の胴部の
変形事故を回避できる。

しかも本発明のキヤツプ装着装置には、キヤツ
プ螺着完了位置より後方側に、懸吊状態のプラス
チツク容器の底面より低い位置から始まり容器搬
送方向に沿つて漸次上昇して前記フランジ部下面
と回動防止部との係合が解除する高さにプラスチ
ツク容器を保持できる高さ位置に達する傾斜面が
設けられているので、キヤツプの螺着が完了する
と、懸吊機構で搬送される容器は傾斜面を滑り上
がり、容器の回転を防止していた回動防止部とフ
ランジ下面との係合が解除される。

従つて本発明のキヤツプ装着装置は、プレスク
リユキヤツプ螺着時に胴部が変形しない状態で確
実にプラスチツク容器の回転を防止できるうえ
に、キヤツプ螺着が完了した後は容器が懸吊機構
の回転防止部との係合から円滑に解放されて、次
工程に確実に送られるものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図はこの発明のキヤツプ装着
装置の一実施例を示すものであつて、第１図は要
部を示す正面図、第２図は回転止め刃部を示す上
面図、第３図は第２図の−線断面図である。 １……プラボトル、１ｂ……フランジ部、４…
…プレスクリユキヤツプ、５……センタースタ
ー、５ａ……アツパースターホイール、５ｄ……
スライダー、６……回転止め刃部、８……スピニ
ングヘツドセツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 口部にネジ部が形成され首部にフランジ部が
   形成されたプラスチツク容器を、そのフランジ部
   を支承することにより懸吊状態で搬送する懸吊機
   構と、この懸吊機構で搬送されるプラスチツク容
   器の口部にプレスクリユーキヤツプを螺着するキ
   ヤツプ螺着機構とを備えたキヤツプ装着装置にお
   いて、 前記懸吊機構のプラスチツク容器のフランジ部
   下面と接する部分に、該フランジ部下面に係合し
   て該容器のキヤツプ螺着方向への回動を阻止する
   回動防止部が設けられると共に、キヤツプ螺着完
   了位置より後方側に、懸吊状態のプラスチツク容
   器の底面より低い位置から始まり容器搬送方向に
   沿つて漸次上昇して前記フランジ部下面と回動防
   止部との係合が解除する高さにプラスチツク容器
   を保持できる高さ位置に達する傾斜面が設けられ
   たことを特徴とするキヤツプ装着装置。