JPH0436294Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用の分野） この考案は万年毛筆において外筒の押圧距離を
大きくした万年毛筆。

（従来の技術） 後方にカートリツジインキ体を着脱自在に装着
でき、このカートリツジインキ体の内部のインキ
を筆記具前方部に備えた筆穂に随時に供給するよ
うにした万年毛筆では、従来インキを案内するた
めの内パイプと外パイプとが中栓の取付部に嵌合
されていた。

（考案が解決しようとしている問題点） このように内パイプと外パイプとはそれぞれ中
栓の取付部に嵌合されているため必然的に外パイ
プと外筒部の押圧部との間隙が構造上小さくなる
欠点があつた。従つて、通常の直状の外筒ではイ
ンキ流量が制限されるため、外筒体をやや外側方
向に湾曲状に形成したものが使用されていた。

この考案は、上述の欠点を解消するもので、そ
の目的とするところは、外筒の先端部に封止され
る中栓の後方取付突出筒の内径に後端開放の内パ
イプを密嵌し、小径の前方部にインキ流入孔を有
すると共に後方部において径を大きく形成してあ
る後端密閉の外パイプの前方部の先端にて内パイ
プの前方部の外周に直接的に密嵌してなり、上記
内パイプの外周と外パイプの前方部の内周とは微
細な間隙を有するように構成し、更に後端部にお
いて内パイプと外パイプとの間隙と内パイプの内
部とが連通せしめ、外筒の押圧部と外パイプの前
方部の外周との間隔を最大限に大きくしてあるの
で、外筒の前方部では外筒と外パイプとの間隙が
大であるが、外筒の後方部では外筒と外パイプと
の間隙が小さくした構造としてあるから、押圧に
よるインキ流量の差別化が容易に達成される。

（問題点を解決するための手段） 以下、この考案を添付図面に示す実施例図に従
つて説明する。

ポリエチレン製の外筒１の先端部に中栓２が封
止されており、この中栓２の後方には取付突出筒
３が一体的に形成されている。取付突出筒３の内
径に、後端開放の内パイプ４の前端部を密嵌して
ある。外パイプ５は、後方大径部と適数個のイン
キ流入孔６を設けた前方小径部とから構成される
と共にその前端は前記内パイプ４の外周に密嵌し
得る嵌合周縁部７を形成してある後端開放の筒状
体である。前記内パイプ４の前方部に外パイプ５
を嵌合した状態では、内パイプ４の外周と外パイ
プ５の内周との間に微細な間隙１２が形成される
ようにしてある。外パイプ５の後端部はシール部
材８で密閉されると共に、このシール部材８は内
パイプ４の後端部を保持している。シール部材８
の内側中央に細溝９が形成されており、この細溝
９を介して内パイプ４と外パイプ５との間隙と内
パイプ４とが連通している。

ポリエチレン製の外筒１の前方部矢印で表示し
てあるのは肉薄に形成した押圧部１０である。押
圧部１０の手指にて押圧すると、外パイプ５の外
周と外筒１との間にあるインキ１１は流入孔６か
ら内パイプ４の外周と外パイプ５の内周との間に
微細な間隙１２を経て後方シール部材８の細溝９
を通り内パイプ４に至る。なお、押圧部１０は押
圧を容易にすべく肉薄に設けてある。更に、手指
にて感知出来るように第３図及び第４図のように
凹状にすることも出来る。

カートリツジインキ収納部を構成する外筒１の
前方部に備えた筆穂１３を備えた状態では、筆記
具ホルダー１４の後部はカートリツジインキ収納
部を構成する外筒１の前方部と螺着してある。外
筒１の前端部装填されている内栓１５は外筒１に
対して筆記具ホルダー１４を螺着することによつ
て、筆穂１３の後端部に設けられた筆穂固定片１
６の後部突出片１７にて内栓１５は後方に押され
て中栓２と内パイプ４との間で浮遊状態となり、
従つて内パイプ４にあるインキ１１は前方筆穂１
３方向に移動が自由に行われる。

筆穂１３の後端部にて固定リング１８と筆穂固
定片１６とで固定され筆穂ホルダー１９にセツト
されている。筆穂の後方外周はスポンジのような
多孔質材料からなる筒状インキ含浸体２０にて直
接的に抱持されている。突出片１７の中央部には
通孔２１が貫通してある。

（作用） ポリエチレン製の外筒１の押圧部１０を手指に
て押圧すると、外パイプ５の外周と外筒１との間
にあるインキ１１は流入孔６→間隙１２→細溝９
→内パイプ４の内部に至る。

更に、内パイプ４の内部から内栓１５を迂回し
て、内パイプ４の内部→突出片１７の中央部に設
けた通孔２１を通過する。

突出片１７の中央部には通孔２１から更に筆穂
固定片１６と固定リング１８とを迂回して筆穂１
３に至る。

外パイプ５の前方部は小径となし、後方部は比
較的大径に形成されているから外筒１の前後の位
置によつてインキの押出量が差別化されているも
のである。

（効果） この考案は、上述のように外筒の先端部に封止
される中栓の後方取付突出筒の内径に後端開放の
内パイプを密嵌し、小径の前方部にインキ流入孔
を有すると共に後方部において径を大きく形成し
てある後端密閉の外パイプの前方部の先端にて内
パイプの前方部の外周に直接的に密嵌してあるの
で外筒１の前後の位置によつてインキの押出量が
差別化されるから使用者は押し位置によつてイン
キ量を調整することが出来る。

内パイプの外周と外パイプの前方部の内周とは
微細な間隙を有するように構成してあるからイン
キは毛細管現象により円滑に所定方向に流れる顕
著な効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は断面図、第２図は腰部拡大断面図、第３図は押
圧部の他の実施例を示す拡大断面図、第４図は第
３図のＡ−Ａ線断面図である。 １……ポリエチレン製の外筒、２……中栓、３
……取付突出筒、４……内パイプ、５……外パイ
プ、６……インキ流入孔、７……嵌合周縁部、８
……シール部材、９……細溝、１０……押圧部、
１１……インキ、１２……微細な間隙、１３……
筆穂、１４……筆記具ホルダー、１５……内栓、
１６……筆穂固定片、１７……突出片、１８……
固定リング、１９……筆穂ホルダー、２０……イ
ンキ含浸体、２１……通孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 外筒１の先端部に封止される中栓２の後方取
   付突出筒３の内径に後端開放の内パイプ４を密
   嵌し、小径の前方部にインキ流入孔６を有する
   と共に後方部において径を大きく形成してある
   後端密閉の外パイプ５の前方部の先端にて内パ
   イプ４の前方部の外周に直接的に密嵌してな
   り、上記内パイプ４の外周と外パイプ５の前方
   部の内周とは微細な間隙１２を有するように構
   成し、更に後端部において内パイプ４と外パイ
   プ５との間隙と内パイプ４の内部とが連通せし
   め、外筒１の押圧部１０と外パイプ５の前方部
   の外周との間隔を最大限に大きくしたことを特
   徴とした万年毛筆。 (2) 外筒１の押圧部１０を肉薄に形成したことを
   特徴とする上記実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の万年毛筆。 (3) 外筒１の押圧部１０を凹状に形成したことを
   特徴とする上記実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の万年毛筆。